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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-60 欲望の釣り針
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…時間が経ち、空を超濃硫酸の雲が覆いつくし、あたりが暗くなる。
暗くなれば、今回の欲望戦隊の目的であるブラックバットたちが活動し始め、その姿を見ることが出来るようになるだろう。
だが、雲で覆われた空ゆえに周囲は闇夜のように真っ暗になっており、何も対策をしなければ周囲を見渡すことが出来ない。
「とはいえ、ブラックバットは光を嫌うようで、迂闊に懐中電灯の類の道具が使えないか」
「そのための対策として、用意できるのが…『超音波検知式ゴーグル』かぁ」
用意して取り出したのは、ブラックバットたちが移動する際に使用する超音波を検知して位置を確認することが出来る道具。
ブラックバットをテイムしたい人に提供される装備品の一種だが…ゴーグルの名称がついているはずなのに、見た目が何故かひょっとこのお面であった。
「どうして、このデザインなんじゃ…こういう時は、スパイ映画とかでありそうな、防犯装備を見抜くかっこいいタイプのものをイメージしておったのに…」
「なんでも、これを発明したプレイヤーいわく、検知する音波がかなり微弱なので、可能な限り検知しやすい表面積を増やした結果、ひょっとこのお面にたどり着いたのだとか」
「何を思って、こんなのにたどり着いた…表面積が広いだけなら、もっとこう、他にもあっただろうに…」
まぁ、文句を言っても仕方が無いので、全員今回の目的のために装備した。
一見すると、戦隊服を着こなしたひょっとこ集団という光景になるので、もしも現実の世界でこの格好をしていたのであれば、不審者として通報されていた未来があるかもしれない。
だが、ここは現実の世界ではなくアルケディア・オンラインの世界なのでその心配はない。
警備隊ギルドなる存在もあるようだが、不審なことに使うのではなくテイムモンスターを得るために使う目的のためで、不純なものは一切ない――――――と、言い切りたかった。
とにもかくにも、全員が装着したところで闇夜が到来し、周囲の視界が一気に狭くなる。
「おお、想像以上に真っ暗だが…これ、本当に検知できるのだろうか」
「既に他のプレイヤーたちが使用していた実績がある。試作品ならばいざ知らす、実用化されているのだから問題ないはずだ」
「この星、ブラックバット以外のヤバいものもいるらしいが…出くわさないことを祈りつつ、我々の目的を果たすことに集中しよう」
「「「「そう、噂の美女プレイヤーを襲って美女の容姿を手に入れたブラックバットをテイムするために!!」」」」
なお、テイムを行う場合、誰かがその主となるのだが、細かい部分に関しては最終的に話し合いになる可能性がある。
けれども、そんなことを考えていたらお互いに足を引っ張りあう未来が見えており、だからこそここは協力し合い、一丸となって目的を果たすことに心血を注ぐのだ。
どれだけの本気度がうかがえるかは定かではないが…鋼鉄の意志を持っているかのように、一糸乱れぬ動きでブラックバットを探し始めるのであった…
…そして、そんな探索を行っている欲望戦隊の様子を、確認している者たちもいた。
闇夜によって視界がかなり制限されてしまい、普通ならばままならなくなるだろう。
でも、彼らにはその心配はない。何故ならば…
「暗闇の中でも、女神の眼って見えるのか…」
気配を極限までそぎ落とし、遠くから見ているのはハル…もとい、黒き女神。
先ほどまでの明るい時間帯は中三病たちに任せていたが、闇夜になると限度がある。
現在進行中の作戦を成功させるためには、なるべくおかしな行動をされないように観察する必要があるのだが、見えない時間があるのは不味い。
そこで今回、どうしようかと考えた結果…この黒き女神の姿で対応することにしたのだ。
幸いなことに、女神の眼は中々高性能というべきなのか、闇夜の中でもある程度の位置を把握することは可能。
音に関してはテイムモンスターたちの聴力を借りて捉えており、どのような会話をしているのかまで把握することによって、臨機応変対応できるようにしているのである。
対応力を考えると、力ずく過ぎればバレる可能性があるので、適宜テイムモンスターたちから力を借りやすい第一形態を選択していた。
「噂を流し、餌として釣ってみたけど…対策をがちがちに固めているな」
事前にどのような内容で対策をしていたのか、彼らの行動に関しては一番身近なマッチョンが履歴から探っており、その内容を転送してもらっていた。
欲望戦隊が今回のばらまいた餌にかかった場合、どのように動くのかより細かい情報を求める中で、彼らの身内がいればやりやすいだろう。
さらに言えば、実は鏡面の…今回は現実世界のほうの日程の都合もあって参加できていないアティからも協力を得ており、ガンガン利用していいとも聞いていた。
「さてと、ブラックバットの群れは事前に把握しているし…到着時間を考えると、今のペースならもう少しか…」
餌をばらまいたのであれば、場所の把握もしっかりやっている。
彼ら以上に念入りに事前調査をやっているので、地形や周囲の環境も把握済みであり、どの程度で可能なのか計算も完了している。
「あとは、このまま進めばいいが…中三病さん、そちらのほうはどうだ?」
『---』
「なるほど、わかった。なら、このまま進めるよ」
フレンドメールですぐに連絡を行い、進行状況を全員に共有する。
今回はかなりの手を借りているので成功率は高いが、変態の変態性は人知の範疇を超えることもあり、予測付かない行動をされる可能性もある。
それも含めて、全力で全員で取り組むことで、失敗の可能性をなるべく遠ざけるのだ。
とにもかくにも、今は作戦の進行を見守るのであった…
「…メンタル面での負担もあるが、そこは後で中三病さんにお礼で何か貰っておこう。餌を人目に付きやすく、噂として広めやすくするためとはいえ…この後を考えると、心が痛くなりそうだ…」
暗くなれば、今回の欲望戦隊の目的であるブラックバットたちが活動し始め、その姿を見ることが出来るようになるだろう。
だが、雲で覆われた空ゆえに周囲は闇夜のように真っ暗になっており、何も対策をしなければ周囲を見渡すことが出来ない。
「とはいえ、ブラックバットは光を嫌うようで、迂闊に懐中電灯の類の道具が使えないか」
「そのための対策として、用意できるのが…『超音波検知式ゴーグル』かぁ」
用意して取り出したのは、ブラックバットたちが移動する際に使用する超音波を検知して位置を確認することが出来る道具。
ブラックバットをテイムしたい人に提供される装備品の一種だが…ゴーグルの名称がついているはずなのに、見た目が何故かひょっとこのお面であった。
「どうして、このデザインなんじゃ…こういう時は、スパイ映画とかでありそうな、防犯装備を見抜くかっこいいタイプのものをイメージしておったのに…」
「なんでも、これを発明したプレイヤーいわく、検知する音波がかなり微弱なので、可能な限り検知しやすい表面積を増やした結果、ひょっとこのお面にたどり着いたのだとか」
「何を思って、こんなのにたどり着いた…表面積が広いだけなら、もっとこう、他にもあっただろうに…」
まぁ、文句を言っても仕方が無いので、全員今回の目的のために装備した。
一見すると、戦隊服を着こなしたひょっとこ集団という光景になるので、もしも現実の世界でこの格好をしていたのであれば、不審者として通報されていた未来があるかもしれない。
だが、ここは現実の世界ではなくアルケディア・オンラインの世界なのでその心配はない。
警備隊ギルドなる存在もあるようだが、不審なことに使うのではなくテイムモンスターを得るために使う目的のためで、不純なものは一切ない――――――と、言い切りたかった。
とにもかくにも、全員が装着したところで闇夜が到来し、周囲の視界が一気に狭くなる。
「おお、想像以上に真っ暗だが…これ、本当に検知できるのだろうか」
「既に他のプレイヤーたちが使用していた実績がある。試作品ならばいざ知らす、実用化されているのだから問題ないはずだ」
「この星、ブラックバット以外のヤバいものもいるらしいが…出くわさないことを祈りつつ、我々の目的を果たすことに集中しよう」
「「「「そう、噂の美女プレイヤーを襲って美女の容姿を手に入れたブラックバットをテイムするために!!」」」」
なお、テイムを行う場合、誰かがその主となるのだが、細かい部分に関しては最終的に話し合いになる可能性がある。
けれども、そんなことを考えていたらお互いに足を引っ張りあう未来が見えており、だからこそここは協力し合い、一丸となって目的を果たすことに心血を注ぐのだ。
どれだけの本気度がうかがえるかは定かではないが…鋼鉄の意志を持っているかのように、一糸乱れぬ動きでブラックバットを探し始めるのであった…
…そして、そんな探索を行っている欲望戦隊の様子を、確認している者たちもいた。
闇夜によって視界がかなり制限されてしまい、普通ならばままならなくなるだろう。
でも、彼らにはその心配はない。何故ならば…
「暗闇の中でも、女神の眼って見えるのか…」
気配を極限までそぎ落とし、遠くから見ているのはハル…もとい、黒き女神。
先ほどまでの明るい時間帯は中三病たちに任せていたが、闇夜になると限度がある。
現在進行中の作戦を成功させるためには、なるべくおかしな行動をされないように観察する必要があるのだが、見えない時間があるのは不味い。
そこで今回、どうしようかと考えた結果…この黒き女神の姿で対応することにしたのだ。
幸いなことに、女神の眼は中々高性能というべきなのか、闇夜の中でもある程度の位置を把握することは可能。
音に関してはテイムモンスターたちの聴力を借りて捉えており、どのような会話をしているのかまで把握することによって、臨機応変対応できるようにしているのである。
対応力を考えると、力ずく過ぎればバレる可能性があるので、適宜テイムモンスターたちから力を借りやすい第一形態を選択していた。
「噂を流し、餌として釣ってみたけど…対策をがちがちに固めているな」
事前にどのような内容で対策をしていたのか、彼らの行動に関しては一番身近なマッチョンが履歴から探っており、その内容を転送してもらっていた。
欲望戦隊が今回のばらまいた餌にかかった場合、どのように動くのかより細かい情報を求める中で、彼らの身内がいればやりやすいだろう。
さらに言えば、実は鏡面の…今回は現実世界のほうの日程の都合もあって参加できていないアティからも協力を得ており、ガンガン利用していいとも聞いていた。
「さてと、ブラックバットの群れは事前に把握しているし…到着時間を考えると、今のペースならもう少しか…」
餌をばらまいたのであれば、場所の把握もしっかりやっている。
彼ら以上に念入りに事前調査をやっているので、地形や周囲の環境も把握済みであり、どの程度で可能なのか計算も完了している。
「あとは、このまま進めばいいが…中三病さん、そちらのほうはどうだ?」
『---』
「なるほど、わかった。なら、このまま進めるよ」
フレンドメールですぐに連絡を行い、進行状況を全員に共有する。
今回はかなりの手を借りているので成功率は高いが、変態の変態性は人知の範疇を超えることもあり、予測付かない行動をされる可能性もある。
それも含めて、全力で全員で取り組むことで、失敗の可能性をなるべく遠ざけるのだ。
とにもかくにも、今は作戦の進行を見守るのであった…
「…メンタル面での負担もあるが、そこは後で中三病さんにお礼で何か貰っておこう。餌を人目に付きやすく、噂として広めやすくするためとはいえ…この後を考えると、心が痛くなりそうだ…」
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