472 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-59 舗装されしは善意の道?
しおりを挟む
「燃え盛れ情熱の炎!!噴き上がれ可能性のマグマ!!煉獄を身に宿す、レッドのタローン!!」
「輝け希望の光!!解き放て可能性の光!!閃光の一撃をこの拳に、イエローのミートン!!」
「飲み込め大海!!洗い流せ豪雨!!この世で何もかも溶かす水を、ブルーのスッケン!!」
「整体大事!!激しい動きはせずに緑の癒しを、この腰に!!グリーンのカックウ!!」
「「「「シン・欲望戦隊ミセタインジャーSP』、ここに参上!!」」」」
いつものように名乗りを上げ、皆でポーズを決めるとともに欲望戦隊の背後でどかんっと色つきの爆炎が燃え盛る。
本日、欲望戦隊はとある星にて、活動していたわけだが…いつもよりも、人数が少ない。
アティは欠席、国でのやることがあるために本日はログインできず。
マッチョン及びその一家は、本日は休暇を取っているようで、参加せず…テイムモンスターが休暇を取るというのはおかしな話のようにも思えるが、一応この戦隊はブラック企業とかではなく、きちんと申請をすれば休業も可能なのだ。
まぁ、普段何かと欲望戦隊の暴走を止めている苦労を多少は自覚しているので、気にするようなこともない。
自覚しているならもうちょっと抑えろと叫ぶ声が大多数から発せられそうだが、それはそれでどうでも良い。
そんなわけで、本日はいつもよりもやや人数が控えめなわけだが、何の目的もなくログインをしているわけではなかった。
「それで、情報は本当なんじゃよな?」
「ああ、間違いないだろう。今度こそ、我々のメンツに加えるべき、美女モンスターが目撃された星のようだ」
「テイム条件が公開されているようだが…珍しく、単純なものだ」
「友好関係を築き上げるだけ…それで、テイムできるというモンスター『ブラックバット』か…」
―――
『ブラックバット』
暗黒惑星ダストロネスに生息する蝙蝠のモンスターの一種。
アルケディア・オンラインのモンスターは大抵の場合、その種族に該当するモンスターであれば似たような見た目になりがちだが、このブラックバットはどういうわけか変わった容姿プログラムが含まれているせいなのか、容姿が統一されていない。
蝙蝠の羽と人の体、人の顔と蝙蝠の体、蝙蝠とタコの併せ持った肉体など、どちらかといえばキメラっぽい感じの見た目になっている。
容姿が個体によって異なっているのは、発生直後に吸血した対象の情報を自身に組み込んで変化するようになっており、多様性を手に入れることで種族としての存続を続けようとするからだと言われている。
―――
「目撃情報によれば、一週間ほどまでに発生した幼体の一体に、どこかの美女プレイヤーが吸血されて、その情報を持ったようだ」
「そのおかげで、蝙蝠+美女の組み合わせの容姿を持ったブラックバットが誕生したというわけか…偶然とはいえ、良い情報をつかんだな」
彼らがこの星に来たのは、ブラックバット…その中で、噂の美女を吸血して肉体を得たモンスターをテイムするというもの。
それぞれの性癖は異なるが、それでも美女が戦隊に入隊してくれるのは彼らにとって大歓迎すべきことであり、その機会があるのならば、迷わず一直線に得るために動く。
そのため今回、わざわざこの星に来たのだが…すぐに見つかるとは考えていない。
「ブラックバットは、元が蝙蝠だけに夜にならないと出現しないか…着陸場所が昼だったので、いかんせん待たないといけない時間が発生したな」
「かといって、夜の場所に着陸は厳しいか…この星の夜の面を覆い尽くす黒い雲、超濃硫酸で出来ていて、突っ込めば溶けるからなぁ…」
「安全なのは昼の場所での出入りだけど…あと30分程待たないといけないか」
得るための道中が容易いものならばよかったが、そんなわけはない。
だが、厳しい道のりがあるのならば、それを乗り越えてこそ至高の宝を得ることが出来るだろう。
今まで数多くの挑戦をしてきたが、その分負けもあった。
だがしかし、今回は本気で準備を行っており、今度こそ成功するはずである。
「ここで我々は勝ち取るのだ!!」
「このメンツに、美女を入れるという欲望の星を輝かせるために!!」
「惜しむらくは幼女なども希望だったけど、それは二の次三の次と血涙を押しとどめ!!」
「願いを成就させることへ全力投球!!」
「「「「今度こそ、得るぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
気合十分、欲望120%越え。
何が何でも絶対に成功させようというその執念は、恐ろしくも感嘆に値するほどであった…
『…こちら欲望戦隊確認。ネット情報操作、うまくいった模様』
『作戦第一段階、引き寄せ成功。油断せず、続けて…』
…その欲望の焔が、利用されているとは知らずに。
「輝け希望の光!!解き放て可能性の光!!閃光の一撃をこの拳に、イエローのミートン!!」
「飲み込め大海!!洗い流せ豪雨!!この世で何もかも溶かす水を、ブルーのスッケン!!」
「整体大事!!激しい動きはせずに緑の癒しを、この腰に!!グリーンのカックウ!!」
「「「「シン・欲望戦隊ミセタインジャーSP』、ここに参上!!」」」」
いつものように名乗りを上げ、皆でポーズを決めるとともに欲望戦隊の背後でどかんっと色つきの爆炎が燃え盛る。
本日、欲望戦隊はとある星にて、活動していたわけだが…いつもよりも、人数が少ない。
アティは欠席、国でのやることがあるために本日はログインできず。
マッチョン及びその一家は、本日は休暇を取っているようで、参加せず…テイムモンスターが休暇を取るというのはおかしな話のようにも思えるが、一応この戦隊はブラック企業とかではなく、きちんと申請をすれば休業も可能なのだ。
まぁ、普段何かと欲望戦隊の暴走を止めている苦労を多少は自覚しているので、気にするようなこともない。
自覚しているならもうちょっと抑えろと叫ぶ声が大多数から発せられそうだが、それはそれでどうでも良い。
そんなわけで、本日はいつもよりもやや人数が控えめなわけだが、何の目的もなくログインをしているわけではなかった。
「それで、情報は本当なんじゃよな?」
「ああ、間違いないだろう。今度こそ、我々のメンツに加えるべき、美女モンスターが目撃された星のようだ」
「テイム条件が公開されているようだが…珍しく、単純なものだ」
「友好関係を築き上げるだけ…それで、テイムできるというモンスター『ブラックバット』か…」
―――
『ブラックバット』
暗黒惑星ダストロネスに生息する蝙蝠のモンスターの一種。
アルケディア・オンラインのモンスターは大抵の場合、その種族に該当するモンスターであれば似たような見た目になりがちだが、このブラックバットはどういうわけか変わった容姿プログラムが含まれているせいなのか、容姿が統一されていない。
蝙蝠の羽と人の体、人の顔と蝙蝠の体、蝙蝠とタコの併せ持った肉体など、どちらかといえばキメラっぽい感じの見た目になっている。
容姿が個体によって異なっているのは、発生直後に吸血した対象の情報を自身に組み込んで変化するようになっており、多様性を手に入れることで種族としての存続を続けようとするからだと言われている。
―――
「目撃情報によれば、一週間ほどまでに発生した幼体の一体に、どこかの美女プレイヤーが吸血されて、その情報を持ったようだ」
「そのおかげで、蝙蝠+美女の組み合わせの容姿を持ったブラックバットが誕生したというわけか…偶然とはいえ、良い情報をつかんだな」
彼らがこの星に来たのは、ブラックバット…その中で、噂の美女を吸血して肉体を得たモンスターをテイムするというもの。
それぞれの性癖は異なるが、それでも美女が戦隊に入隊してくれるのは彼らにとって大歓迎すべきことであり、その機会があるのならば、迷わず一直線に得るために動く。
そのため今回、わざわざこの星に来たのだが…すぐに見つかるとは考えていない。
「ブラックバットは、元が蝙蝠だけに夜にならないと出現しないか…着陸場所が昼だったので、いかんせん待たないといけない時間が発生したな」
「かといって、夜の場所に着陸は厳しいか…この星の夜の面を覆い尽くす黒い雲、超濃硫酸で出来ていて、突っ込めば溶けるからなぁ…」
「安全なのは昼の場所での出入りだけど…あと30分程待たないといけないか」
得るための道中が容易いものならばよかったが、そんなわけはない。
だが、厳しい道のりがあるのならば、それを乗り越えてこそ至高の宝を得ることが出来るだろう。
今まで数多くの挑戦をしてきたが、その分負けもあった。
だがしかし、今回は本気で準備を行っており、今度こそ成功するはずである。
「ここで我々は勝ち取るのだ!!」
「このメンツに、美女を入れるという欲望の星を輝かせるために!!」
「惜しむらくは幼女なども希望だったけど、それは二の次三の次と血涙を押しとどめ!!」
「願いを成就させることへ全力投球!!」
「「「「今度こそ、得るぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
気合十分、欲望120%越え。
何が何でも絶対に成功させようというその執念は、恐ろしくも感嘆に値するほどであった…
『…こちら欲望戦隊確認。ネット情報操作、うまくいった模様』
『作戦第一段階、引き寄せ成功。油断せず、続けて…』
…その欲望の焔が、利用されているとは知らずに。
10
お気に入りに追加
2,031
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる