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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-49 こういう時の切り札なのかもしれないが
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ドドドドドドォォォォォォ!!
凄まじい轟音を立て、グレイ号のエンジンがフル稼働して火を噴く。
ある程度の加速度は軽減できる構造になっているらしいが、流石に最大船速で突き進むとなると軽減できるものもできなくなっており、相当の負担が体にかかる。
でも、抑えるわけにはいかない。
ギュィィィィィィン!!
内部に超高速回転を行う刃を持つ、筒状の謎の船。
明らかに捕食目的のような動きで迫ってきており、捕まれば最後、あっという間に細切れにされてしまうのが容易に想像できるだろう。
そう、例えるならシュレッダーとかミキサーとか…細切れよりも粉塵・液状化のほうがあっているのかもしれない。
そんなどうでも良いことはさておき、この空間の迷路の中で爆速で突き進むが、とっくの前にアルケディア・オンラインの宇宙空間に出ていてもおかしくない頃合い。
それなのに、周囲の景色は変わっていない。
「やっぱり、逃げることに全力を振り切ったせいで、途中で道間違えたな!!」
「地図があるから帰れそうだから、今はそんなことよりも逃げる方に意識を向けないと!!」
この空間の特性上、通常の光学兵器の類は使えない。
修理に資材を使いまくったことで弾薬等もなく、反撃することもできない。
テイムモンスターたちを出して、その力による砲撃も行えたらよかったが、出すことが出来ていないし、こういう時のロロはスリープ状態なので、今は僕らでどうにかするしかない状況だ。
「グレイ号のメイン出力200%突破!!臨界点をとっくの前に振り切っているけど、後ろの相手から全然振り切れないな!!」
「限界稼働状態だよ!!これ以上やり続けたら、船のエンジンが爆発しかねないって!!」
そんなことを言われても、この加速に対して相手付いてこれている以上、エンジンを停止させたらあっという間に追いつかれるのが目に見えている。
かといって、このまま逃げに徹していても、すでに限界を突破しているような状態なので、空中分解・過剰稼働による大爆発も免れないだろう。
スキルの使用も試してみたが、こちらも使えない状態のようだ。
つまり、黒き女神もスキルと同じ扱いなので、いつものように好き勝手出来ない。
使用人、テイムモンスター、女神の力…これまで使えていたものが封じられると、こうも脆いのかと思う。
本当に、この状況はもうどうしようも…
「…いや、まだだ!テイムモンスターのカテゴリーっぽいけど、別枠でかつ、現実にも出たことがあるコイツならどうだ!!眷属召喚、カイニス!!」
あきらめるという手は選ばず、模索できる可能性があれば挑む。
そして、その挑んだ可能性で掴めたのは、一つの眷属。
【オゴガァァァァ!!女神様の申すままに、呼ばれて飛び出て、『黒き女神』第一眷属『黒色夜叉』こと『カイニス』!!オレ、参上!!】
ドンっと艦橋内に黒光りの稲妻が落ちたかと思えば、続けて現れたのは黒き女神の眷属、カイニス。
以前よりも慣れたのか口調が聞き取りやすくなっており、ぶぉんっと金棒を構えてポーズをとる。
【ン?どういう状況だ、コレ?女神様、呼ばれたのは良いけど、どこだ、ココ?】
「話は後だ!!眷属の活動時間は短いから、早急に用事を言うぞ!!」
【お、おぅ?】
「カイニス、あの化け物船倒せるか?」
【ン~~~?】
眷属は呼び出しても、戦闘時間はそう長くはない。
特にこの異空間ではどれほど使えるのかもわからないし、状況をものすごく省略して伝えておく。
モニターに映し出された後方の筒状の船を見て、カイニスは少し考え、口を開いた。
【…うん、大丈夫だぞ、女神様!!あれ、オレ勝てる!!】
「そうか、ならやってほしい!!」
【わかった!!】
艦橋後方の窓を開けると、すぐにそこから飛び出すカイニス。
基本的な戦闘方法はあの金棒による接近戦だが、あの筒状の船相手にどう戦うのか。
【うぉぉぉぉぉぉ!!どこか分からない場所だけど、女神の眷属たるもの、常に臨戦状態にできるべぇぇぇし!!対艦専用巨大棍『グランディア』!!】
どこからともなくカイニスが取り出したのは、グレイ号に勝るとも劣らぬ巨大な金棒。
というか、対艦専用ということは、そういうものにも想定した武器を持っているというのだろうか。
流石に巨大すぎる金棒なので、素手で持つわけにはいかず、手元から包帯がのびてしっかりと柄をつかむ。
あの筒状の船の真正面からぶつかれば、問答無用であの刃に切り刻まれそうだが、そう簡単に喰われることはない。
【回れ回れ我が金棒!!その勢いは女神様の敵を全て、打ち砕く!!】
ぶぉんぶぉんっと勢いよく回転し、咆哮を上げながら筒状船へ迫るカイニス。
遠心力によってさらに勢いが増していき、金棒の威力が上がっていく。
そんなカイニスを飲み込もうとしているのか、筒状船はぐばっと大きく口を開き、回避できないようにするが…むしろそれは、大きな的となる。
【神敵に喰われぬ我が金棒!!愚者に裁く断罪の一撃を!!】
カイニスが大きく金棒を上に振りかぶった瞬間、黒い雷が生じ、瞬時に持っていた金棒がさらに巨大化し、もはや相手に飲み込めないほどの恐ろしいサイズになった。
【我が神の命令に応じて、銀河すら破砕しよう!!『黒雷無双の粉砕激』!!】
そのまま一気に振り下ろし、大きく口を開いていたはずの筒状船が金棒に潰される。
空間に浮いているはずなのに、見えない地面に押し付けられるようにひしゃげ、砕け散る。
【か~ら~の~~~!!『雷撃大ホームラン』!!】
叩き潰しても、相手が再生してきたりする可能性がある。
しかし、その可能性すらも破壊するように隙を生じぬ二段構えというのか、バットを振るように巨大な金棒をカイニスが振るい、直撃させる。
もはや衝撃が大きすぎるのか、ゆっくりと砕け散るようにかつ凄まじい勢いで吹き飛ばされていく筒状の…いや、もうすでに、原形すらとどめていない粉砕物。
先ほどまでは優位に追い詰めてきていたはずの船であったが、まさかのぶっ飛び過ぎた眷属の手によって、この異空間の迷路の中で木っ端微塵にされてしまうのであった…
「…うわぁ、呼び出しておいてなんだけど、無茶苦茶すぎる」
「流石、ハルの眷属…黒き女神でのすさまじさに、そっくりかも」
「いやいや、流石に黒き女神でもあそこまでのことは…できないよね?」
…女神自身になれる自分でいうのもなんだが、同じように見ないでほしい。
あそこまでのパワーは有していない…ん?足りていないからこそ、足すためにあの眷属になったのだろうか…過剰すぎない?
凄まじい轟音を立て、グレイ号のエンジンがフル稼働して火を噴く。
ある程度の加速度は軽減できる構造になっているらしいが、流石に最大船速で突き進むとなると軽減できるものもできなくなっており、相当の負担が体にかかる。
でも、抑えるわけにはいかない。
ギュィィィィィィン!!
内部に超高速回転を行う刃を持つ、筒状の謎の船。
明らかに捕食目的のような動きで迫ってきており、捕まれば最後、あっという間に細切れにされてしまうのが容易に想像できるだろう。
そう、例えるならシュレッダーとかミキサーとか…細切れよりも粉塵・液状化のほうがあっているのかもしれない。
そんなどうでも良いことはさておき、この空間の迷路の中で爆速で突き進むが、とっくの前にアルケディア・オンラインの宇宙空間に出ていてもおかしくない頃合い。
それなのに、周囲の景色は変わっていない。
「やっぱり、逃げることに全力を振り切ったせいで、途中で道間違えたな!!」
「地図があるから帰れそうだから、今はそんなことよりも逃げる方に意識を向けないと!!」
この空間の特性上、通常の光学兵器の類は使えない。
修理に資材を使いまくったことで弾薬等もなく、反撃することもできない。
テイムモンスターたちを出して、その力による砲撃も行えたらよかったが、出すことが出来ていないし、こういう時のロロはスリープ状態なので、今は僕らでどうにかするしかない状況だ。
「グレイ号のメイン出力200%突破!!臨界点をとっくの前に振り切っているけど、後ろの相手から全然振り切れないな!!」
「限界稼働状態だよ!!これ以上やり続けたら、船のエンジンが爆発しかねないって!!」
そんなことを言われても、この加速に対して相手付いてこれている以上、エンジンを停止させたらあっという間に追いつかれるのが目に見えている。
かといって、このまま逃げに徹していても、すでに限界を突破しているような状態なので、空中分解・過剰稼働による大爆発も免れないだろう。
スキルの使用も試してみたが、こちらも使えない状態のようだ。
つまり、黒き女神もスキルと同じ扱いなので、いつものように好き勝手出来ない。
使用人、テイムモンスター、女神の力…これまで使えていたものが封じられると、こうも脆いのかと思う。
本当に、この状況はもうどうしようも…
「…いや、まだだ!テイムモンスターのカテゴリーっぽいけど、別枠でかつ、現実にも出たことがあるコイツならどうだ!!眷属召喚、カイニス!!」
あきらめるという手は選ばず、模索できる可能性があれば挑む。
そして、その挑んだ可能性で掴めたのは、一つの眷属。
【オゴガァァァァ!!女神様の申すままに、呼ばれて飛び出て、『黒き女神』第一眷属『黒色夜叉』こと『カイニス』!!オレ、参上!!】
ドンっと艦橋内に黒光りの稲妻が落ちたかと思えば、続けて現れたのは黒き女神の眷属、カイニス。
以前よりも慣れたのか口調が聞き取りやすくなっており、ぶぉんっと金棒を構えてポーズをとる。
【ン?どういう状況だ、コレ?女神様、呼ばれたのは良いけど、どこだ、ココ?】
「話は後だ!!眷属の活動時間は短いから、早急に用事を言うぞ!!」
【お、おぅ?】
「カイニス、あの化け物船倒せるか?」
【ン~~~?】
眷属は呼び出しても、戦闘時間はそう長くはない。
特にこの異空間ではどれほど使えるのかもわからないし、状況をものすごく省略して伝えておく。
モニターに映し出された後方の筒状の船を見て、カイニスは少し考え、口を開いた。
【…うん、大丈夫だぞ、女神様!!あれ、オレ勝てる!!】
「そうか、ならやってほしい!!」
【わかった!!】
艦橋後方の窓を開けると、すぐにそこから飛び出すカイニス。
基本的な戦闘方法はあの金棒による接近戦だが、あの筒状の船相手にどう戦うのか。
【うぉぉぉぉぉぉ!!どこか分からない場所だけど、女神の眷属たるもの、常に臨戦状態にできるべぇぇぇし!!対艦専用巨大棍『グランディア』!!】
どこからともなくカイニスが取り出したのは、グレイ号に勝るとも劣らぬ巨大な金棒。
というか、対艦専用ということは、そういうものにも想定した武器を持っているというのだろうか。
流石に巨大すぎる金棒なので、素手で持つわけにはいかず、手元から包帯がのびてしっかりと柄をつかむ。
あの筒状の船の真正面からぶつかれば、問答無用であの刃に切り刻まれそうだが、そう簡単に喰われることはない。
【回れ回れ我が金棒!!その勢いは女神様の敵を全て、打ち砕く!!】
ぶぉんぶぉんっと勢いよく回転し、咆哮を上げながら筒状船へ迫るカイニス。
遠心力によってさらに勢いが増していき、金棒の威力が上がっていく。
そんなカイニスを飲み込もうとしているのか、筒状船はぐばっと大きく口を開き、回避できないようにするが…むしろそれは、大きな的となる。
【神敵に喰われぬ我が金棒!!愚者に裁く断罪の一撃を!!】
カイニスが大きく金棒を上に振りかぶった瞬間、黒い雷が生じ、瞬時に持っていた金棒がさらに巨大化し、もはや相手に飲み込めないほどの恐ろしいサイズになった。
【我が神の命令に応じて、銀河すら破砕しよう!!『黒雷無双の粉砕激』!!】
そのまま一気に振り下ろし、大きく口を開いていたはずの筒状船が金棒に潰される。
空間に浮いているはずなのに、見えない地面に押し付けられるようにひしゃげ、砕け散る。
【か~ら~の~~~!!『雷撃大ホームラン』!!】
叩き潰しても、相手が再生してきたりする可能性がある。
しかし、その可能性すらも破壊するように隙を生じぬ二段構えというのか、バットを振るように巨大な金棒をカイニスが振るい、直撃させる。
もはや衝撃が大きすぎるのか、ゆっくりと砕け散るようにかつ凄まじい勢いで吹き飛ばされていく筒状の…いや、もうすでに、原形すらとどめていない粉砕物。
先ほどまでは優位に追い詰めてきていたはずの船であったが、まさかのぶっ飛び過ぎた眷属の手によって、この異空間の迷路の中で木っ端微塵にされてしまうのであった…
「…うわぁ、呼び出しておいてなんだけど、無茶苦茶すぎる」
「流石、ハルの眷属…黒き女神でのすさまじさに、そっくりかも」
「いやいや、流石に黒き女神でもあそこまでのことは…できないよね?」
…女神自身になれる自分でいうのもなんだが、同じように見ないでほしい。
あそこまでのパワーは有していない…ん?足りていないからこそ、足すためにあの眷属になったのだろうか…過剰すぎない?
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