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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-48 うねる異空間、泳ぐ物体
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アルケディア・オンラインの世界に戻るためにグレイ号で進むのは、空間の迷路の中。
あらかじめ地図をインプットしているからこそ迷わずに進めるが、それでも内部の状況を見ると本当に地図通り進めているのかと疑いたくなる。
「なんというか、油の膜っぽいような…何とも言えないグネグネ感が溢れた場所だな」
「あちこちの空間が複雑に絡み合っているようで、外からは靄でも内部に入れば気持ち悪めの景色になっているようだね」
外の景色を眺めつつ、僕とミーちゃんはそう感想を口にする。
「マリーたちと見たいけど…まさか、入って早々に全員ハウス内に強制収容状態になるとはなぁ」
「ロロも、ここでは使用人のシステムがかなり制限されるのか、スリープして動かないしね」
現実と別のどこかの空間が入り混じった場所ゆえか、アルケディア・オンライン由来のシステムに干渉する何かが生じているらしく、影響を最小限にするための措置が取られるようで、テイムモンスターたちはハウス内に全員収容され、使用人であるロロはスリープ状態になって微動だにしない。
今ここで動けているのは僕とミーちゃんとグレイ号だけであり、短い時間の予定らしいがそれでも二人きりの状態だ。
操縦に関しては、グレイ号自身がインプットされた情報をもとにして進んでいるらしいが…こうなると、手持ち無沙汰なところがある。
「10分程度の道って言っていたし。入る前に待っている間のおやつとか用意してもらったほうが良かったかもね」
「確かにそうかも。短い時間と知っていても、意識すると長く感じるものだしなぁ…」
短いようで、長く感じる時間。
異空間の中で外の景色が異様な分、本当に進んでいるのかわかりにくくもあり、時間の流れというよりも感じさせ方が異なっているのだろう。
まぁ、何事もなくこのまま通常のオンラインの宇宙空間へ戻れるのであれば、文句を言わずに我慢すればいいかと思っていた…その時だった。
――――ヴヴォォォォォォォォォ!!
「な、何だ!?」
「グレイ号の、汽笛?でも、これは…」
僕ら以外、誰もいないはずの空間の迷路。
いるのであれば、運営会社の手のものが混ざっていてもおかしくはないのだが、それにしては今の音はどこか異様な気配を感じさせるものだろう。
グレイ号自体が一瞬ぶるりと何かを感じたように震えたような感覚もあり、近くにあったレーダーで周辺を探ってみる。
「んー…あれ?何か、船に接近している?」
「えっと、表示されている色で大体の奴が分かるようで…所属不明だけど、敵性反応ありの船が接近しているよ」
レーダーの表示された方向へカメラを向けてモニターに移すと、その船影が確認できた。
蠢く異様な空間の中でも、はっきりと映し出される姿は…
「あれは…例の、ちくわとか土管っぽい船?」
ここに突入前に、記録映像で確認した筒状の船。
いや、少しばかり表面が違っており、何か脈動するようなものが浮かび上がっている。
その正面部分は、大きなエネルギー波を撃ちだせるように穴があるが…よく見れば、その内部が記録映像のものと異なっていた。
ギュィィィィィィン!!
「なんかすごいギザギザした刃が高速回転しているんだけど!!」
「ヤツメウナギの口っぽい感じになっているけど、明らかに何か捕食数るような動きだよコレ!!えっと、このコースだと…この船、飲み込む感じだよ!!」
―――ブォォォォォォォォォ!!
『警告!!警告!!空間迷宮内にてワープ航法及び迎撃用エネルギー弾の使用は不可となっています!!迎撃不可能!!迎撃不可能!!』
「何だって!?」
どうやらこの空間の迷宮内は、現実とオンラインの世界をつなぐ航路にはなっているが、その他様々な空間が入り混じっているため、光学兵器や空間跳躍のものは使えないらしい。
そうなるとやばい相手に戦える手段は実弾があるが、修理したてで物資が不足しており、船に迎撃手段がない状態になる。
「だったらここは、全速力で逃げろ!!迷宮になっているなら、どこかで迷わせて振り切るんだ!!機関出力上昇、最大船速!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォウ!!
号令と共にグレイ号のメインエンジンの出力が一気に増加し、急加速を行う。
ある程度の負荷がかからないような構造にはなっているらしいが、それでも最大の出力ではちょっと押さえつけられるようなGの感触を味わう。
だが、今はそんなことを気にしている暇はない。
相手の正体が不明だが、見た目と行動から明らかにこの船を狙っており、食べる目的っぽいのはわかりやすすぎる。
エンジン全開で船を動かし、逃走を開始するのであった…
「っと、ハル!!こっちのブースターってのも作動させるよ!!船に相当な負荷がかかりそうだけど、このままだと追いつかれる!」
「わかった、許可する!!今は非常事態だし、船に相当な負荷をかけそうだけど喰われるよりはましだ!!」
…後で動けなくなる可能性もあるが、相手の速度がまた一段と上昇した。
どうやら確実に狙っているのが目に見て取れるのだが、このまま振り切れるものだろうか…
あらかじめ地図をインプットしているからこそ迷わずに進めるが、それでも内部の状況を見ると本当に地図通り進めているのかと疑いたくなる。
「なんというか、油の膜っぽいような…何とも言えないグネグネ感が溢れた場所だな」
「あちこちの空間が複雑に絡み合っているようで、外からは靄でも内部に入れば気持ち悪めの景色になっているようだね」
外の景色を眺めつつ、僕とミーちゃんはそう感想を口にする。
「マリーたちと見たいけど…まさか、入って早々に全員ハウス内に強制収容状態になるとはなぁ」
「ロロも、ここでは使用人のシステムがかなり制限されるのか、スリープして動かないしね」
現実と別のどこかの空間が入り混じった場所ゆえか、アルケディア・オンライン由来のシステムに干渉する何かが生じているらしく、影響を最小限にするための措置が取られるようで、テイムモンスターたちはハウス内に全員収容され、使用人であるロロはスリープ状態になって微動だにしない。
今ここで動けているのは僕とミーちゃんとグレイ号だけであり、短い時間の予定らしいがそれでも二人きりの状態だ。
操縦に関しては、グレイ号自身がインプットされた情報をもとにして進んでいるらしいが…こうなると、手持ち無沙汰なところがある。
「10分程度の道って言っていたし。入る前に待っている間のおやつとか用意してもらったほうが良かったかもね」
「確かにそうかも。短い時間と知っていても、意識すると長く感じるものだしなぁ…」
短いようで、長く感じる時間。
異空間の中で外の景色が異様な分、本当に進んでいるのかわかりにくくもあり、時間の流れというよりも感じさせ方が異なっているのだろう。
まぁ、何事もなくこのまま通常のオンラインの宇宙空間へ戻れるのであれば、文句を言わずに我慢すればいいかと思っていた…その時だった。
――――ヴヴォォォォォォォォォ!!
「な、何だ!?」
「グレイ号の、汽笛?でも、これは…」
僕ら以外、誰もいないはずの空間の迷路。
いるのであれば、運営会社の手のものが混ざっていてもおかしくはないのだが、それにしては今の音はどこか異様な気配を感じさせるものだろう。
グレイ号自体が一瞬ぶるりと何かを感じたように震えたような感覚もあり、近くにあったレーダーで周辺を探ってみる。
「んー…あれ?何か、船に接近している?」
「えっと、表示されている色で大体の奴が分かるようで…所属不明だけど、敵性反応ありの船が接近しているよ」
レーダーの表示された方向へカメラを向けてモニターに移すと、その船影が確認できた。
蠢く異様な空間の中でも、はっきりと映し出される姿は…
「あれは…例の、ちくわとか土管っぽい船?」
ここに突入前に、記録映像で確認した筒状の船。
いや、少しばかり表面が違っており、何か脈動するようなものが浮かび上がっている。
その正面部分は、大きなエネルギー波を撃ちだせるように穴があるが…よく見れば、その内部が記録映像のものと異なっていた。
ギュィィィィィィン!!
「なんかすごいギザギザした刃が高速回転しているんだけど!!」
「ヤツメウナギの口っぽい感じになっているけど、明らかに何か捕食数るような動きだよコレ!!えっと、このコースだと…この船、飲み込む感じだよ!!」
―――ブォォォォォォォォォ!!
『警告!!警告!!空間迷宮内にてワープ航法及び迎撃用エネルギー弾の使用は不可となっています!!迎撃不可能!!迎撃不可能!!』
「何だって!?」
どうやらこの空間の迷宮内は、現実とオンラインの世界をつなぐ航路にはなっているが、その他様々な空間が入り混じっているため、光学兵器や空間跳躍のものは使えないらしい。
そうなるとやばい相手に戦える手段は実弾があるが、修理したてで物資が不足しており、船に迎撃手段がない状態になる。
「だったらここは、全速力で逃げろ!!迷宮になっているなら、どこかで迷わせて振り切るんだ!!機関出力上昇、最大船速!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォウ!!
号令と共にグレイ号のメインエンジンの出力が一気に増加し、急加速を行う。
ある程度の負荷がかからないような構造にはなっているらしいが、それでも最大の出力ではちょっと押さえつけられるようなGの感触を味わう。
だが、今はそんなことを気にしている暇はない。
相手の正体が不明だが、見た目と行動から明らかにこの船を狙っており、食べる目的っぽいのはわかりやすすぎる。
エンジン全開で船を動かし、逃走を開始するのであった…
「っと、ハル!!こっちのブースターってのも作動させるよ!!船に相当な負荷がかかりそうだけど、このままだと追いつかれる!」
「わかった、許可する!!今は非常事態だし、船に相当な負荷をかけそうだけど喰われるよりはましだ!!」
…後で動けなくなる可能性もあるが、相手の速度がまた一段と上昇した。
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