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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.0-9 相手がスケスケなら脅威ではなく
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…透明な相手というのは、大抵の場合かなりの脅威になりうるだろう。
ただ見えないということだけでも、人は目から得られる情報が多いために、大半の情報がなく対応し辛くなる。
そのうえ、火のような性質もあるとはいえ水中という環境では、上下斜めへの移動方向が増えても移動速度の制限なども付くため、まともに相手にできるような場所ではない。
そんな最悪の相手と最悪の状況は、並のプレイヤーであれば嘆くところではあったが…
「水中戦大放電!!ルトの電撃で『ゴッデスパーク』!!」
【【【ザメベベベッベベエ!?】】】
水中だけど今は行っているのは自分だけということを確認して、透明な何かに囲まれているという場所では効果的な広範囲の電撃による攻撃を行う。
すると面白い様に、周りを取り囲んでいた透明なモンスターたちへ直撃し、透明な体が一気に黒ずむ。
その数、およそ20ほどで、姿としてはサメに似たようなものだろう。
違うとすればどれもこれも3つ以上の頭を持ち、ひれや尻尾もあわえただけの数を有しており。‥ケルベロスとかそのあたりに似たようなものになりつつも、明らかなまがいものっぽさを持っていた。
「アップデートで追加されたモンスター…ではないね。確か、モンスター図鑑に載っていたものだと、『ケルベロシャーク』だったかな?」
―――
『ケルベロシャーク』
ケルベロスの構造をそのままサメに置き換えて、よりひれの数を増やすなどの魔改造を施されたキメラのようなモンスター。
固まりあってできた肉体ゆえか連携を重視しており、単独行動はせずに群れを形成して狩りを行う。
個体差はあれども3つの頭を持つというのは共通しており、それぞれの頭が素早く情報を収集し共有、素早く計算して行動する。
―――
ある程度の情報はあったが、透明化の能力まではなかったはず。
無いのにあるということは、この惑星にいる個体のみの能力なのか…常識外なことが引き起こさっれうこの惑星だと考えれば、ありえないようなものがあってもおかしくはない。
でも、問題はないだろう。
黒き女神の力を活用できている今、水着によって不本意ながらも水中での行動もよりやりやすくなっており、攻撃手段として電撃もある。
それ以外にもセレアの槍やシアのジェットパックなどの手段もあるので、水中戦の機動力はかなり向上させられるだろう。
やりようによっては、炎での水蒸気爆発や、毒をまき散らしてのスリップ増加に目くらましなどの攻撃も可能。
そう考えると、この状況で相手に容易くやられるはずがないのだが…油断は禁物だった。
シュルルルルルギュィッ!!
「いっ!?」
【ダゴォォォォズ!!】
透明化していたのは、サメのモンスターだけではない。
他にも潜んでいたようで、サメたちの襲撃の中、電撃にも耐性があったのか放電しているハルに対して何かが巻き付いた。
ぐいっと足首に絡みついて引っ張られて、水中を振り回される。
「ぐっ!!電撃の効果が薄い相手か!!」
バリバリびりびりと放電を行うが、つかんでいる触手が離すことはない。
むしろより動きを固めるためか、他の触手も絡みつき始めて動きが縛られ始める。
【【ザメザメェェェェ!!】】
拘束されつつあるのを好機と見たのか、先ほどまでぶすぶすと焦げて透明な姿が視認しやすくなってきたサメたちも集まり、攻撃をいっきに畳みかけてくるようだ。
このままでは、身動きが取れないまま嬲られ…いや、絵面的によりやばいことになるのは間違いないだろう。
「流石にそんな事態は嫌すぎる!!今すぐ離せよタコぉぉぉぉぉ!!」
ぐぎぎぎっと体に力を入れるも、触手の絡みつきがかなりきつい。
力が足りないし、いまいるメンツから借りられる力では……いや、待てよ?
テイムモンスターの力を借りることが出来るRMPのスキルだが、これもまた…
「テイムモンスターだけじゃなくて…眷属とかもいけるのでは?」
この星に来て早々に遭遇し、戦闘したアンノウンモンスター。
まだ出すことはできないようだが、それでも眷属になっているのであれば、その力を借りることが出来るかもしれない。
足りない力を補うための、オーガの力をもしかしたらと思った…その時だった。
【ゴギャァァァァァス!!】
「え?」
【ザメザメ?】
【ダゴォ!?】
何やらこの場では聞きなれないような咆哮が聞こえ、その場にいた者たちがその声の主の方へ向く。
見れば、水中をものすごい速度で何かが接近しており、そのまま勢いよく見えない何かに体当たりをぶちかました。
ドッゴォォォォォォン!!
【ダッゴォォォォォン!?】
「うわぁぁぁ!?あ、拘束が解けた!!」
「お、良かったのデース!!」
拘束が解けて自由の身になったところで、聞こえてきた声。
見れば、体当たりしてきた何か…巨大な首長竜のようなものの背中に乗っている人物がいた。
「て、ティラリアさん!?何でここに!!」
「そりゃもちろん、ここにいるということはミーと同じ目的のはずデース!!そうそう、ミーだけじゃないデースよ」
「え?」
ティラリアさんが示した方向を見れば、見えないサメたちの前に巨大なゴリラの様なものが出現していた。
「『ゴリスパイクボム』、撃て!!」
【ウゴホォォォォウ!!】
合図とともに全身から巨大なとげが生え、周囲のサメたちめがけて射出され、串刺しにしていく。
そのゴリラを操っている人を見れば、そちらも見たことがある人物だった。
「ご、ゴリラマンさん!?」
「おー、中々やっているようデース!!」
まさかまさかの助っ人の登場に驚愕しつつも、まだ状況が終わったわけではない。
解放されて一緒に戦闘を行い、その場の敵たちを一掃するのであった…
ただ見えないということだけでも、人は目から得られる情報が多いために、大半の情報がなく対応し辛くなる。
そのうえ、火のような性質もあるとはいえ水中という環境では、上下斜めへの移動方向が増えても移動速度の制限なども付くため、まともに相手にできるような場所ではない。
そんな最悪の相手と最悪の状況は、並のプレイヤーであれば嘆くところではあったが…
「水中戦大放電!!ルトの電撃で『ゴッデスパーク』!!」
【【【ザメベベベッベベエ!?】】】
水中だけど今は行っているのは自分だけということを確認して、透明な何かに囲まれているという場所では効果的な広範囲の電撃による攻撃を行う。
すると面白い様に、周りを取り囲んでいた透明なモンスターたちへ直撃し、透明な体が一気に黒ずむ。
その数、およそ20ほどで、姿としてはサメに似たようなものだろう。
違うとすればどれもこれも3つ以上の頭を持ち、ひれや尻尾もあわえただけの数を有しており。‥ケルベロスとかそのあたりに似たようなものになりつつも、明らかなまがいものっぽさを持っていた。
「アップデートで追加されたモンスター…ではないね。確か、モンスター図鑑に載っていたものだと、『ケルベロシャーク』だったかな?」
―――
『ケルベロシャーク』
ケルベロスの構造をそのままサメに置き換えて、よりひれの数を増やすなどの魔改造を施されたキメラのようなモンスター。
固まりあってできた肉体ゆえか連携を重視しており、単独行動はせずに群れを形成して狩りを行う。
個体差はあれども3つの頭を持つというのは共通しており、それぞれの頭が素早く情報を収集し共有、素早く計算して行動する。
―――
ある程度の情報はあったが、透明化の能力まではなかったはず。
無いのにあるということは、この惑星にいる個体のみの能力なのか…常識外なことが引き起こさっれうこの惑星だと考えれば、ありえないようなものがあってもおかしくはない。
でも、問題はないだろう。
黒き女神の力を活用できている今、水着によって不本意ながらも水中での行動もよりやりやすくなっており、攻撃手段として電撃もある。
それ以外にもセレアの槍やシアのジェットパックなどの手段もあるので、水中戦の機動力はかなり向上させられるだろう。
やりようによっては、炎での水蒸気爆発や、毒をまき散らしてのスリップ増加に目くらましなどの攻撃も可能。
そう考えると、この状況で相手に容易くやられるはずがないのだが…油断は禁物だった。
シュルルルルルギュィッ!!
「いっ!?」
【ダゴォォォォズ!!】
透明化していたのは、サメのモンスターだけではない。
他にも潜んでいたようで、サメたちの襲撃の中、電撃にも耐性があったのか放電しているハルに対して何かが巻き付いた。
ぐいっと足首に絡みついて引っ張られて、水中を振り回される。
「ぐっ!!電撃の効果が薄い相手か!!」
バリバリびりびりと放電を行うが、つかんでいる触手が離すことはない。
むしろより動きを固めるためか、他の触手も絡みつき始めて動きが縛られ始める。
【【ザメザメェェェェ!!】】
拘束されつつあるのを好機と見たのか、先ほどまでぶすぶすと焦げて透明な姿が視認しやすくなってきたサメたちも集まり、攻撃をいっきに畳みかけてくるようだ。
このままでは、身動きが取れないまま嬲られ…いや、絵面的によりやばいことになるのは間違いないだろう。
「流石にそんな事態は嫌すぎる!!今すぐ離せよタコぉぉぉぉぉ!!」
ぐぎぎぎっと体に力を入れるも、触手の絡みつきがかなりきつい。
力が足りないし、いまいるメンツから借りられる力では……いや、待てよ?
テイムモンスターの力を借りることが出来るRMPのスキルだが、これもまた…
「テイムモンスターだけじゃなくて…眷属とかもいけるのでは?」
この星に来て早々に遭遇し、戦闘したアンノウンモンスター。
まだ出すことはできないようだが、それでも眷属になっているのであれば、その力を借りることが出来るかもしれない。
足りない力を補うための、オーガの力をもしかしたらと思った…その時だった。
【ゴギャァァァァァス!!】
「え?」
【ザメザメ?】
【ダゴォ!?】
何やらこの場では聞きなれないような咆哮が聞こえ、その場にいた者たちがその声の主の方へ向く。
見れば、水中をものすごい速度で何かが接近しており、そのまま勢いよく見えない何かに体当たりをぶちかました。
ドッゴォォォォォォン!!
【ダッゴォォォォォン!?】
「うわぁぁぁ!?あ、拘束が解けた!!」
「お、良かったのデース!!」
拘束が解けて自由の身になったところで、聞こえてきた声。
見れば、体当たりしてきた何か…巨大な首長竜のようなものの背中に乗っている人物がいた。
「て、ティラリアさん!?何でここに!!」
「そりゃもちろん、ここにいるということはミーと同じ目的のはずデース!!そうそう、ミーだけじゃないデースよ」
「え?」
ティラリアさんが示した方向を見れば、見えないサメたちの前に巨大なゴリラの様なものが出現していた。
「『ゴリスパイクボム』、撃て!!」
【ウゴホォォォォウ!!】
合図とともに全身から巨大なとげが生え、周囲のサメたちめがけて射出され、串刺しにしていく。
そのゴリラを操っている人を見れば、そちらも見たことがある人物だった。
「ご、ゴリラマンさん!?」
「おー、中々やっているようデース!!」
まさかまさかの助っ人の登場に驚愕しつつも、まだ状況が終わったわけではない。
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