アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
上 下
416 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.0-6 クエスト挑むは、常識…人?(自信なし)

しおりを挟む
 ミイラオーガの襲撃を乗り越えつつ、ハルたちがたどり着いたのは、惑星ファンタズムにある都市の一つ『高速出前タウン』にやってきた。
 何でそんな名前にしたのかは不明だが、ここに言語を獲得するクエストが存在しているらしい。

「いや、ある意味関連性はあるのかな…奇想天外ししゃ」
「それ言っちゃ駄目なんじゃ?」

 とにもかくにも、ここに言語獲得クエストがあるのは間違いないはず。
 マリーたちとの会話がよりやりやすくなるなら入手したいのだが…周辺に聞き込みを行い、ようやくその場所がつかめた。

「それでクエストの受注場所が…中央の噴水の中の先か」
「飛び込むことで、隠し通路が見つかるみたいだね」

 情報を整理した結果、どうやら噴水の奥底に目的地があるようだ。
 普通にそのあたりの酒場にでも用意してほしいが、普通じゃない場所に隠すのもこの星ならではのことのようである。
 まだ一応、予想しやすい常識の範囲だとは思えるが…これでもしも、モンスターの腹の中にあるとか言われたら、どうやって飛び込めと言いたくなっただろう。

 そんなこともを思いつつ、目的の噴水にたどり着き、飛び込んでみれば確かに隠し通路があり、先へ進み、ようやく隠し酒場へとたどり着いた。

 酒場の中に入れば、そこにはクエストを出してくれるNPCが経って…


「はぁ~い♪二名様いらっしゃぁ~いねぇん♪」
「「…うわぁ」」

…事前情報も多少はあり、どのようなNPCがクエストを出してくれるのかはわかっていた。
 しかし、耳にすることと実際に目で確認するのとでは、得られる情報量が段違いであり、思わず僕らはそんな声を漏らしてしまう。

 酒場での受注なら、そこのマスターとかお客さんがクエストを出しているんじゃないかって?
 いいや、違う。この惑星では、常識外な部分が目立ちまくるからこそ、当たり前のようにあるものはそうたやすく見ることはない。
 だからこそ、そんな常識通りの者がクエスト発生NPCではなく…むしろこれは、者と言って良いのかもわからない。

「ようこそね~ん♪ここにきているってことは、あなたたちもわたしぃのぉ頼みごとを聞いてくれるのかしらねぇ~ん?」

「…ある程度さ、おかまとかニューハーフとか、そんなものに近いらしいってことは、わかっていたよ」
「けれども…モンスターっぽいのにそうじゃないというのか…」
「「グネグネと横にうごめきまくる、でっかい唇と濃い顎髭の生えたひまわりNPCって…何、コレ」」

 いつだったか、マリモっぽいようなキャラを見たことはあったが、アレの親せきとでもいうのだろうか。
 しかも、モンスターではなくれっきとした人型のNPCの判定がなぜか存在しているようで、モンスターの鳴き声のように聞こえるのではなく、はっきりとした人の言葉が聞こえてくる。

 濃いようなそうでもないような、かなり野太いおねぇ言葉を話す怪奇植物のようなNPCを前にして、僕らは少し動揺させられるのであった…


「…あ、でも変態戦隊を相手にするよりはマシか」
「それもそうかも。あっちの方が、よりやばいね」
「あらあらぁ~ん?あなたたち、彼らのことを知っているのねぇん?」
「え?そっちも知っているの?」
「ええ、そうねぇん。わたしぃが特殊なクエストを出すNPCなのは自覚しているんだけど~、記憶にある限りでは、その変態の方々がクエストを一番最初にクリアして見せたのねぇ~ん♪」

「「…はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」」

…訂正。多少の動揺どころか、とんでもない事実を突きつけられて叫ぶほど驚愕してしまった。
 え?あの欲望戦隊がまさかの最初の攻略者なの?でも、あの人たちにやる意味もないような?

「嘘だと言ってほしい…え?あのメンツ確か、マッチョンさんやその奥さん、子供はいたけど…まさか、他のメンツが密かに増えていたとか?」
「わざわざクエストを得る必要、あるの?」

しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

大賢者の弟子ステファニー

楠ノ木雫
ファンタジー
 この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。 その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。  そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。 ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。 ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。 時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。 だから――。 「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」 異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ! ============ 小説家になろうにも上げています。 一気に更新させて頂きました。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

処理中です...