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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.0-3 機動力がものをいう
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惑星内に入って早々、常識はずれな洗礼を受けた。
クエスト受注から達成までの道のりを、可能ならばグレイ号でさっさと移動してこなしたかったのだが、出来ないようであれば仕方がない。
けれども、常識外なことが多くある惑星ということは、移動時に想定外のリスクが生じる可能性があり、これまでの経験からして何かしらの面倒事が意気揚々とやってくる可能性が否定できないだろう。
「だからこそ、安全性を確保するために…発進せよ!!ロブハウス改め水陸両用要塞戦車『グランドロブタンク』!!」
【ロブポッポー!!】
合図とともに着陸に使用していた足を収納し、腹部から新たにキャタピラを出し、回転させて動き出すロブハウス改めロロによる魔改造を施されまくったロブタンク。
見た目は初期ロブハウスから改造されて全体的に角ばりまくりごつくなっており、ちょっとした戦車のようになっている。
移動要塞という観点でいえば、グレイ号の第三艦橋が似たような役目を持っているが、今回の惑星上では常識外の事態が発生することを考慮すると、素早く動けたほうが良い。
そう考えると機動力が必要になり…それなら、今回、改造を終えてグレイ号の底部に収納していたロブタンクを発進させたのである。
なお、戦車のように改造されているが、移動可能なハウスとしての機能はしっかりと存在しており、操縦席のすぐ後方の部屋からは、くつろげる場所が用意されている。
本当は水陸両用だけではなく、空も飛べた方が良かったが…流石に機能を付けすぎるとよく使うものしか利用しなくなって、無用の長物になる可能性があるため、後に使用感から追加していけるように機能拡張の余裕を持たせているのである。
とはいえ、それでもやれる範囲が狭いということもない。
常識のない星というのもあって、まともな地面だけではなく、大地がひび割れたガラスのように散らばって浮いているエリアもあるようだが…
「『フックラブアンカー』射出!!」
狙いを定めてレバーを引けば、ロブタンクの左右についているハサミが射出され、浮いている大地の一つに突き刺さり、身を引きせせることが出来る。
ちょっとした立体起動装置のような役目もこなしつつ、ハサミの内部には小型のガトリング砲やグレイ号の装備と同じようにテイムモンスターの遠距離攻撃手段を充填して混ぜ合わせて放出できるように改造した砲台もあるのだ。
「元々がロブスターモデルというのもあって、水中にも強いし…陸上もキャタピラから普通のタイヤにも切り替えできるし、いざとなれば足を普通に出して最悪の足場も走破いやすい…便利な感じに仕上がったなぁ」
「それでいて、表面装甲も強固で、要塞戦車の名前が付くのも納得だね」
ガタガタと動かしつつ、順調に言語を獲得できるクエストがある場所へと近づいていく。
レーダー等の類は信用できない状態になっているため、代わりに人海戦術として全員で周囲の警戒に当たっており、誰かが見逃してしまうようなものがあっても、すぐにカバーできるようにしている。
まぁ、常識のない星とはいえこの様子ならば何事もなければと思いたかったのだが…残念ながら、順調とはいかないようであった。
【ガウ!!ガウガウガァァウ!!】
「っと、どうしたリン!!敵襲か!!」
【ガウ!!】
このメンバーの中で一番周囲の危険を察知しやすいリンが咆え始め、瞬時に臨戦態勢を取る。
「ロブタンク、キャタピラ収納、タイヤ付きの脚に変更し機動力確保して備えろ!!」
【ロブッポッポッポー!!】
ガコンッとキャタピラが収納されて、動きやすいように改造された足に切り替わる。
これで機動力が大幅に向上し、いざという時の回避行動がしやすいだろう。
「リン、どっちの方向だ」
【ガウガウウ!!】
「あっちから、迫ってきている感じか…この様子だと、先制攻撃をしたほうが良いか」
相手の正体が不明だが、リンの反応を見る限り、相手に敵意がありそうだ。
「牽制及び先制攻撃用意!!アリス、シア、エネルギーを充填頼む!!」
【オオォン!!】
【ピャ!!】
ロブタンクの座席に付き、エネルギーを流しこんでいく。
グレイ号同様のテイムモンスターのエネルギーを利用する装備だが…流石に戦艦クラスの主砲と同じ口径は用意できないので、威力はかなり下がる。
だがしかし、混ぜ合わせる比率や効率などはより改良が施されており、十分な威力にはなりうるはずだ。
「オイル+火の火炎放射器砲!」
ぱかっとロブタンクのはさみが開き、前方へ向かって一気に炎が噴出された。
ゴォォォォォォォ!!
すさまじい勢いの黒い炎が燃え上がり、前方に火の壁を作り上げる。
アリスの炎が黒いのもあってか黒い壁が立ち上がったようで、並大抵のモンスターであればすぐに焼き尽くされそうなものだったが…
【ガウガウガウ!!】
「そう簡単に行かないか!!後方へ噴射退却!!」
リンの声に、今のはまだ効いていないとすぐに判断し、火炎放射の勢いを利用してタイヤのロックを解除し、後方に反動で車体を無理やりバックさせる。
ドッゴォォォォォン!!
「「ギリギリセーフ!!」」
するとすぐに炎の壁から何者かが飛び出し、先ほどまで僕等がいた場所へ向かって大きな攻撃が振るわれたようだ。
体勢を立て直し、改めて相手の姿を確認しなおす。
「あれは…何だ?なんか、全身包帯でぐるぐる巻かれているな」
「今の一撃は、あの手に持った大きな金棒かな?」
見れば、相手のサイズは多少大柄な人サイズのもの。
だが、全身が包帯で包まれており、先ほど攻撃で振るわれたらしい金棒を担ぎなおしていた。
「プレイヤーってわけでもなく…あの炎の中で燃えない包帯っていうのも怖いけど、よく見ると手の部分がガントレットの様なもので覆われている様子だね」
全身包帯人型モンスター…持っている武器も体よりも大きな金棒っぽく、かなりパワーを持った相手のようだ。
包帯の隙間から見える目はギラギラと輝いているように見えるし、額部分からは角の様なものも確認できるだろう。
「近いものでいうと、多分オーガ系のモンスターだろうけど、あんな包帯に包まれた姿だと、詳細が分からないが…ロブタンクに搭乗して戦う方を選ぶか」
まともに相手をするならば、全員出て戦ったほうが良いのかもしれない。
だが、未知のモンスターであり、軽々と金棒を扱っているパワーなどを考えると、正面からぶつかり合うのはリスクがあるだろう。
パワーだけで見れば、恐らくは格闘戦が得意なリンや、何気に中三病さんチューニングも施されていたことから馬力が高いシアよりも上回っている可能性がある。
そもそもオーガ系のモンスターって結構力が強いのが定番だし…金棒を持って戦ってくる相手というのは、ある意味きちんとしたセオリー通りのモンスターのようにも思えるだろう。
残念ながら、包帯に包まれているせいで中身が分かりにくいが、戦ってみれば自然と詳細が見えてくる可能性もある。
「でも、タンクのままでやるのもちょっと不味いか。ここはロロに頼んで付けておいてもらった変形機能…ロブタンク、格闘戦対応形態へチェンジ!!」
【ロブポポポポポポポォォォォォォ!!】
ガゴンガゴンと変形音を立て、ロブタンクの姿を切り替える。
余計なものもなく、色々と注文通りの改造が施されていたことに内心ほっと安堵しつつ、格闘戦主体でやってみることにしたのであった…
「ところで何で、こんな変形が戦車にあるの?」
「なんとなく、こういうものに乗ってみたくて…あとはあれ、欲望戦隊対策」
「え?」
「ほら、あの変態戦隊って一応似たようなものというか、木のでっかい戦隊ロボットモドキのものを使って戦えるから…もしも相手をするなら、身軽に動けつつ火力があるものがあったほうが良いかなと思ってね」
…うん、ロマンも確かにあるけど、実はそっちの方が大事だったりする。何やら風の噂では変態神とやらが出現したという話を聞いており、もしかすると欲望戦隊が関わっている可能性が大きくて…万が一の可能性を考えると、黒き女神で戦うよりもこっちのほうが精神的な被害が少ないかなと考え、変形できるようにお願いしておいたのであった。
また、バニー姿にされるのも困るからね…ははははは…はは。
クエスト受注から達成までの道のりを、可能ならばグレイ号でさっさと移動してこなしたかったのだが、出来ないようであれば仕方がない。
けれども、常識外なことが多くある惑星ということは、移動時に想定外のリスクが生じる可能性があり、これまでの経験からして何かしらの面倒事が意気揚々とやってくる可能性が否定できないだろう。
「だからこそ、安全性を確保するために…発進せよ!!ロブハウス改め水陸両用要塞戦車『グランドロブタンク』!!」
【ロブポッポー!!】
合図とともに着陸に使用していた足を収納し、腹部から新たにキャタピラを出し、回転させて動き出すロブハウス改めロロによる魔改造を施されまくったロブタンク。
見た目は初期ロブハウスから改造されて全体的に角ばりまくりごつくなっており、ちょっとした戦車のようになっている。
移動要塞という観点でいえば、グレイ号の第三艦橋が似たような役目を持っているが、今回の惑星上では常識外の事態が発生することを考慮すると、素早く動けたほうが良い。
そう考えると機動力が必要になり…それなら、今回、改造を終えてグレイ号の底部に収納していたロブタンクを発進させたのである。
なお、戦車のように改造されているが、移動可能なハウスとしての機能はしっかりと存在しており、操縦席のすぐ後方の部屋からは、くつろげる場所が用意されている。
本当は水陸両用だけではなく、空も飛べた方が良かったが…流石に機能を付けすぎるとよく使うものしか利用しなくなって、無用の長物になる可能性があるため、後に使用感から追加していけるように機能拡張の余裕を持たせているのである。
とはいえ、それでもやれる範囲が狭いということもない。
常識のない星というのもあって、まともな地面だけではなく、大地がひび割れたガラスのように散らばって浮いているエリアもあるようだが…
「『フックラブアンカー』射出!!」
狙いを定めてレバーを引けば、ロブタンクの左右についているハサミが射出され、浮いている大地の一つに突き刺さり、身を引きせせることが出来る。
ちょっとした立体起動装置のような役目もこなしつつ、ハサミの内部には小型のガトリング砲やグレイ号の装備と同じようにテイムモンスターの遠距離攻撃手段を充填して混ぜ合わせて放出できるように改造した砲台もあるのだ。
「元々がロブスターモデルというのもあって、水中にも強いし…陸上もキャタピラから普通のタイヤにも切り替えできるし、いざとなれば足を普通に出して最悪の足場も走破いやすい…便利な感じに仕上がったなぁ」
「それでいて、表面装甲も強固で、要塞戦車の名前が付くのも納得だね」
ガタガタと動かしつつ、順調に言語を獲得できるクエストがある場所へと近づいていく。
レーダー等の類は信用できない状態になっているため、代わりに人海戦術として全員で周囲の警戒に当たっており、誰かが見逃してしまうようなものがあっても、すぐにカバーできるようにしている。
まぁ、常識のない星とはいえこの様子ならば何事もなければと思いたかったのだが…残念ながら、順調とはいかないようであった。
【ガウ!!ガウガウガァァウ!!】
「っと、どうしたリン!!敵襲か!!」
【ガウ!!】
このメンバーの中で一番周囲の危険を察知しやすいリンが咆え始め、瞬時に臨戦態勢を取る。
「ロブタンク、キャタピラ収納、タイヤ付きの脚に変更し機動力確保して備えろ!!」
【ロブッポッポッポー!!】
ガコンッとキャタピラが収納されて、動きやすいように改造された足に切り替わる。
これで機動力が大幅に向上し、いざという時の回避行動がしやすいだろう。
「リン、どっちの方向だ」
【ガウガウウ!!】
「あっちから、迫ってきている感じか…この様子だと、先制攻撃をしたほうが良いか」
相手の正体が不明だが、リンの反応を見る限り、相手に敵意がありそうだ。
「牽制及び先制攻撃用意!!アリス、シア、エネルギーを充填頼む!!」
【オオォン!!】
【ピャ!!】
ロブタンクの座席に付き、エネルギーを流しこんでいく。
グレイ号同様のテイムモンスターのエネルギーを利用する装備だが…流石に戦艦クラスの主砲と同じ口径は用意できないので、威力はかなり下がる。
だがしかし、混ぜ合わせる比率や効率などはより改良が施されており、十分な威力にはなりうるはずだ。
「オイル+火の火炎放射器砲!」
ぱかっとロブタンクのはさみが開き、前方へ向かって一気に炎が噴出された。
ゴォォォォォォォ!!
すさまじい勢いの黒い炎が燃え上がり、前方に火の壁を作り上げる。
アリスの炎が黒いのもあってか黒い壁が立ち上がったようで、並大抵のモンスターであればすぐに焼き尽くされそうなものだったが…
【ガウガウガウ!!】
「そう簡単に行かないか!!後方へ噴射退却!!」
リンの声に、今のはまだ効いていないとすぐに判断し、火炎放射の勢いを利用してタイヤのロックを解除し、後方に反動で車体を無理やりバックさせる。
ドッゴォォォォォン!!
「「ギリギリセーフ!!」」
するとすぐに炎の壁から何者かが飛び出し、先ほどまで僕等がいた場所へ向かって大きな攻撃が振るわれたようだ。
体勢を立て直し、改めて相手の姿を確認しなおす。
「あれは…何だ?なんか、全身包帯でぐるぐる巻かれているな」
「今の一撃は、あの手に持った大きな金棒かな?」
見れば、相手のサイズは多少大柄な人サイズのもの。
だが、全身が包帯で包まれており、先ほど攻撃で振るわれたらしい金棒を担ぎなおしていた。
「プレイヤーってわけでもなく…あの炎の中で燃えない包帯っていうのも怖いけど、よく見ると手の部分がガントレットの様なもので覆われている様子だね」
全身包帯人型モンスター…持っている武器も体よりも大きな金棒っぽく、かなりパワーを持った相手のようだ。
包帯の隙間から見える目はギラギラと輝いているように見えるし、額部分からは角の様なものも確認できるだろう。
「近いものでいうと、多分オーガ系のモンスターだろうけど、あんな包帯に包まれた姿だと、詳細が分からないが…ロブタンクに搭乗して戦う方を選ぶか」
まともに相手をするならば、全員出て戦ったほうが良いのかもしれない。
だが、未知のモンスターであり、軽々と金棒を扱っているパワーなどを考えると、正面からぶつかり合うのはリスクがあるだろう。
パワーだけで見れば、恐らくは格闘戦が得意なリンや、何気に中三病さんチューニングも施されていたことから馬力が高いシアよりも上回っている可能性がある。
そもそもオーガ系のモンスターって結構力が強いのが定番だし…金棒を持って戦ってくる相手というのは、ある意味きちんとしたセオリー通りのモンスターのようにも思えるだろう。
残念ながら、包帯に包まれているせいで中身が分かりにくいが、戦ってみれば自然と詳細が見えてくる可能性もある。
「でも、タンクのままでやるのもちょっと不味いか。ここはロロに頼んで付けておいてもらった変形機能…ロブタンク、格闘戦対応形態へチェンジ!!」
【ロブポポポポポポポォォォォォォ!!】
ガゴンガゴンと変形音を立て、ロブタンクの姿を切り替える。
余計なものもなく、色々と注文通りの改造が施されていたことに内心ほっと安堵しつつ、格闘戦主体でやってみることにしたのであった…
「ところで何で、こんな変形が戦車にあるの?」
「なんとなく、こういうものに乗ってみたくて…あとはあれ、欲望戦隊対策」
「え?」
「ほら、あの変態戦隊って一応似たようなものというか、木のでっかい戦隊ロボットモドキのものを使って戦えるから…もしも相手をするなら、身軽に動けつつ火力があるものがあったほうが良いかなと思ってね」
…うん、ロマンも確かにあるけど、実はそっちの方が大事だったりする。何やら風の噂では変態神とやらが出現したという話を聞いており、もしかすると欲望戦隊が関わっている可能性が大きくて…万が一の可能性を考えると、黒き女神で戦うよりもこっちのほうが精神的な被害が少ないかなと考え、変形できるようにお願いしておいたのであった。
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