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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.3-164 今更ながら帰路ですが
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…ミーちゃんを狙うはずの吸血鬼が、何故か僕の方を狙う。
そんな面倒ごとゆえに、当面の間の安全確保のため、帰路につく際にミーちゃんが迎えに来てくれることになった。
でも、これまで何もいなかったのに、急に迎えに来る人が出てくるのは、周囲からすればおかしく思えるので、そのあたりの調整を行う必要がある。
怪しまれないように、そこそこごまかして納得いく理由もつけるためには…
【いっそ、会社の人全員に催眠でもかけましょうカ?主様は常にリムジンに乗って出迎えに来てもらえるほどの超VIPだったというような感じに思わせることも可能でしょウ】
「いや、流石にそこまでやらなくていいからね?というか、そんなことできるの?」
【冗談デス。使用人とはいえ、やれないこともあるのデス。できていたら、今頃全世界の使用人が、自身の主をすんごいお方に見せかけるなんてことも、出来たかもしれないですヨ】
どんな催眠の世界だろうか。むなしくなりそうな気もするが、彼女であれば虚構のものを見せかけるのはちょっとできそうな感じがしていたので、少しほっとした自分もいる。
できていたら恐ろしかっったが、流石にそこまではできなかったようだ。
とにもかくにも、怪しまれないようなものとしてはどのようなことが出来るのか。
色々と考えた結果、一時的なリフォームを行うので少しの間別のアパート暮らしのような形になり、場所が遠いから都合よくいとこがその期間の間だけ送り迎えをしてくれる…という説明をした。
リモートワークの手段も取れないことはない。
手続きを行い、許可が下りれば可能だろうし、そうなれば家と会社を行き来する時間が無くなって、道中で襲撃に会う機会も減らすことが出来る。
とはいえその場合、交通費などの部分が出なくなってしまうし、万が一にも襲撃者がネット環境を破壊する行為をしたら破綻しかねない。
「そう考えると、これが一番の妥協点なのは仕方がないんだけど…」
「何か、不満でもあるの?」
「迎えの移動手段が、サイドカー付きのバイクってどうなの?」
映画とかでよく見るような、もう一人乗れるタイプのバイク。
許可や免許はあるようなので使用はできるようだが、それでも実際に自分がこういうのものに乗るとは流石に思いもしなかった。
「そもそもいつ、購入したの?」
「ロロさんが、実はひそかに用意していたものだって言ってたよ。人じゃなくて荷物を載せるタイプのものにして、買い物とかをより楽にと考えていたそうだけどね」
「いつの間に作ってたんだ…」
その開発費用や建造費はどこからと思ったが、どうやら資産運用を行っていたようで、いつの間にか株や不動産に投資していたらしく、その分の儲けを使ったらしい。
使用人が勝手にやって良いことなのかと思ったが、どうも使用人として働く際に運営のほうから特別給金のようなものが発行されていたらしく、それを元手にしたのだとか。
「他の使用人たちも、自分たちの主の役に立つようにと思って色々とやっているらしいからね。それで今回はこれを使わせてもらうことにしたけど、なかなか面白いね」
「ミーちゃんの運転なのが不安だけど…まさかとは思うけど、映画とかでよく見るような、走行中にパッカーンっと分離するようなことないよね?」
「可能だと言っていたね。ほら、操縦席にいくつかの仕掛けボタンが搭載しているよ」
「道路交通法とか、法律面で大丈夫じゃないよねそれ!?」
ツッコミどころが多いが、乗せてもらっているのだから仕方があるまい。
安全のためのヘルメットなども用意されているし、さらにヤバい時に備えて黒き女神フィギュアと操作用のメットも載せられており、乗りながらにして扱うことも可能だったりする。
場合によっては運転を代われるように、免許も持っている。…乗る機会はそうないんだけど、一応取っておいて損はないと思って、自動車免許をしっかり取得済みなのである。
これだけやって、襲う奴はおそらくいない…いや、愚者と言われるような類であればやらかす可能性は十分にあるから、そうは言いきれないだろう。
そのせいで、ゆったりと乗車しているこの道のりを楽しむこともできず、油断することもできないのなかなか大変だ。
できるだけ早く、元の平穏な生活へ戻ってほしいと心の底から思うのであった…
「あ、ドクロマークボタンもある。ガラスで覆われているけど、いざとなったらバンって叩き割って押すものかな?」
「それ、自爆ボタンの可能性が一番高いと思う」
人が載るようなものにそんな物騒なものを搭載するのかと言いたいが、あの使用人であれば用意していてもおかしくはないだろう。
そういえば、改造中のロブハウスにも自爆装置はつけてないよな…?グレイ号のほうは最近新型のものを付けたとか言っていたような…
そんな面倒ごとゆえに、当面の間の安全確保のため、帰路につく際にミーちゃんが迎えに来てくれることになった。
でも、これまで何もいなかったのに、急に迎えに来る人が出てくるのは、周囲からすればおかしく思えるので、そのあたりの調整を行う必要がある。
怪しまれないように、そこそこごまかして納得いく理由もつけるためには…
【いっそ、会社の人全員に催眠でもかけましょうカ?主様は常にリムジンに乗って出迎えに来てもらえるほどの超VIPだったというような感じに思わせることも可能でしょウ】
「いや、流石にそこまでやらなくていいからね?というか、そんなことできるの?」
【冗談デス。使用人とはいえ、やれないこともあるのデス。できていたら、今頃全世界の使用人が、自身の主をすんごいお方に見せかけるなんてことも、出来たかもしれないですヨ】
どんな催眠の世界だろうか。むなしくなりそうな気もするが、彼女であれば虚構のものを見せかけるのはちょっとできそうな感じがしていたので、少しほっとした自分もいる。
できていたら恐ろしかっったが、流石にそこまではできなかったようだ。
とにもかくにも、怪しまれないようなものとしてはどのようなことが出来るのか。
色々と考えた結果、一時的なリフォームを行うので少しの間別のアパート暮らしのような形になり、場所が遠いから都合よくいとこがその期間の間だけ送り迎えをしてくれる…という説明をした。
リモートワークの手段も取れないことはない。
手続きを行い、許可が下りれば可能だろうし、そうなれば家と会社を行き来する時間が無くなって、道中で襲撃に会う機会も減らすことが出来る。
とはいえその場合、交通費などの部分が出なくなってしまうし、万が一にも襲撃者がネット環境を破壊する行為をしたら破綻しかねない。
「そう考えると、これが一番の妥協点なのは仕方がないんだけど…」
「何か、不満でもあるの?」
「迎えの移動手段が、サイドカー付きのバイクってどうなの?」
映画とかでよく見るような、もう一人乗れるタイプのバイク。
許可や免許はあるようなので使用はできるようだが、それでも実際に自分がこういうのものに乗るとは流石に思いもしなかった。
「そもそもいつ、購入したの?」
「ロロさんが、実はひそかに用意していたものだって言ってたよ。人じゃなくて荷物を載せるタイプのものにして、買い物とかをより楽にと考えていたそうだけどね」
「いつの間に作ってたんだ…」
その開発費用や建造費はどこからと思ったが、どうやら資産運用を行っていたようで、いつの間にか株や不動産に投資していたらしく、その分の儲けを使ったらしい。
使用人が勝手にやって良いことなのかと思ったが、どうも使用人として働く際に運営のほうから特別給金のようなものが発行されていたらしく、それを元手にしたのだとか。
「他の使用人たちも、自分たちの主の役に立つようにと思って色々とやっているらしいからね。それで今回はこれを使わせてもらうことにしたけど、なかなか面白いね」
「ミーちゃんの運転なのが不安だけど…まさかとは思うけど、映画とかでよく見るような、走行中にパッカーンっと分離するようなことないよね?」
「可能だと言っていたね。ほら、操縦席にいくつかの仕掛けボタンが搭載しているよ」
「道路交通法とか、法律面で大丈夫じゃないよねそれ!?」
ツッコミどころが多いが、乗せてもらっているのだから仕方があるまい。
安全のためのヘルメットなども用意されているし、さらにヤバい時に備えて黒き女神フィギュアと操作用のメットも載せられており、乗りながらにして扱うことも可能だったりする。
場合によっては運転を代われるように、免許も持っている。…乗る機会はそうないんだけど、一応取っておいて損はないと思って、自動車免許をしっかり取得済みなのである。
これだけやって、襲う奴はおそらくいない…いや、愚者と言われるような類であればやらかす可能性は十分にあるから、そうは言いきれないだろう。
そのせいで、ゆったりと乗車しているこの道のりを楽しむこともできず、油断することもできないのなかなか大変だ。
できるだけ早く、元の平穏な生活へ戻ってほしいと心の底から思うのであった…
「あ、ドクロマークボタンもある。ガラスで覆われているけど、いざとなったらバンって叩き割って押すものかな?」
「それ、自爆ボタンの可能性が一番高いと思う」
人が載るようなものにそんな物騒なものを搭載するのかと言いたいが、あの使用人であれば用意していてもおかしくはないだろう。
そういえば、改造中のロブハウスにも自爆装置はつけてないよな…?グレイ号のほうは最近新型のものを付けたとか言っていたような…
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