387 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.3-155 潰しましょう、末代まで
しおりを挟む
…オーガたちの群れの様子から、周囲を把握していないということはなかった。
バラバラになって動いているはずなのに、それでもどこかまともまりがあるように動いているのは、サイキック・ゴールデンオーガが何らかの手段で情報を共有しているからだ。
だが、サイキックのものだけで全てを把握することは難しいだろうし、任せっきりにして動くよりも他のものを駒にして動いたほうが効率よく動けるだろう。
そのため、まずは相手の情報収集能力の減少や戦力激減を兼ねて行う必要があった。
「だからこそ、作戦名『四方八方玉潰し災害の陣』で第一段階『大ニガ大雨』で攻めたわけだけど…」
「うん、錬金術師系の職業を有したプレイヤーたちの手で、液状化・超濃縮・最強化させたニガ団子を基にしたとはいえ…」
「「「生み出されるべきではなかった殲滅兵器になるとは…」」」
第一の作戦が成功し、こちらの目論見が進んだことは喜ばしいことだろう。
だがしかし、その作戦の副産物というべきか、とんでもないものを我々は生み出してしまったようだ。
「争いは発展の機会ともなることがあるが」
「それでもまさか、ニガ団子がこうなるとはな」
―――
『超殲滅・広範囲兵器GDN』
製作評価:21
効果:複数の錬金術師の技能を持つプレイヤーたちの手によって、通常ではありえないほどに濃縮されまくた結果生まれた悲劇のニガ団子。
その味はニガ団子の枠内にありつつも苦さを超越したものになっており、一口舐めただけで味覚ある生物は様々なものを破壊しつくしてしまう。
浴びるだけならばまだ問題がないが、一滴でも味覚で感じてしまった場合、25%の確率で現実時間で30分の味覚破壊、20%の確率で痙攣・麻痺状態、40%の確率で爆散、15%の確率で半径10mを巻き込む中規模の爆発を引き起こす。
植物などには害はなく、むしろ薬効成分が含まれているため、成長を促したり病気を治す。
また、一応味覚破壊等のリスクはあるが、素早さのステータスが小規模アップする。
―――
デバフを巻きまくりどころか、ぶっ飛んだ兵器として明言されていた。
錬金術のスキルを持つ者たちで集まって、毒ではなくただの劇物で相手をまずは混乱に陥れて戦力を削ごうと考えて、選ばれたのがニガ団子だったのだが…たかがプレイヤーをちょっと痙攣させる程度の団子だったはずが、まさかの広範囲にデバフをまき散らすヤバいものになってしまったようである。
でもよく考えたら、元から素質はあったのか、このニガ団子。
今でもかなりのバリュエーションが増えているらしいし、広範囲に効くものが生まれてもおかしくはなかったのかもしれない。こんな考え方ができるのはそれはそれでおかしい様な気がしなくもないが…気にしないでおくか。
一応、作戦の本懐としては間違ってないため大成功と言えるが、下手に巻き添えになれば敵味方関係ない最悪の兵器になってしまうやばい代物にまで進化させてしまったようだ。
そのため、生み出したのはよかったが、ここにいる全員でこのヤバい兵器のレシピは封印をすることになった。
「さて、作戦を続けるとして…相手の目や鼻を奪ったような形にはなった。とはいえ、こちらのやらかした動きが何なのか残った手駒で探りに来る可能性がある。動けるやつがいれば、当然予想できるからこそ…次の第二段階、地獄の豪雨の次にふさわしい災害とくれば…『爆音轟雷』かな」
「よーし、全員次へ動け―」
「作戦通りに予定位置へ着いて、相手の動きを誘導していくぞー」
寄せ集めに近い集団でもあるが、先ほどのニガ団子豪雨を生みだしてしまったと罪悪感とかその他色々な感情があって、一体感が生まれ始めている。
そして、次の作戦へ移行するためにすぐに動き始めるのであった…
「しかし、爆音轟雷とは…これもうまくいくかな?」
ニガ団子の豪雨しかり、文字通りのものでもないのだが…徹底的にやるために、全部こなすべきだろう。
もしも、途中で失敗するようなことがあれば…
「…平穏を乱したということで、なりふり構わずに黒き女神で蹂躙もありか」
…いや、適切ではないな。なんというか、黒き女神の出番はまだないだろう。
なんとなくだが、ここはそっちよりも…別のものが使えるか?
バラバラになって動いているはずなのに、それでもどこかまともまりがあるように動いているのは、サイキック・ゴールデンオーガが何らかの手段で情報を共有しているからだ。
だが、サイキックのものだけで全てを把握することは難しいだろうし、任せっきりにして動くよりも他のものを駒にして動いたほうが効率よく動けるだろう。
そのため、まずは相手の情報収集能力の減少や戦力激減を兼ねて行う必要があった。
「だからこそ、作戦名『四方八方玉潰し災害の陣』で第一段階『大ニガ大雨』で攻めたわけだけど…」
「うん、錬金術師系の職業を有したプレイヤーたちの手で、液状化・超濃縮・最強化させたニガ団子を基にしたとはいえ…」
「「「生み出されるべきではなかった殲滅兵器になるとは…」」」
第一の作戦が成功し、こちらの目論見が進んだことは喜ばしいことだろう。
だがしかし、その作戦の副産物というべきか、とんでもないものを我々は生み出してしまったようだ。
「争いは発展の機会ともなることがあるが」
「それでもまさか、ニガ団子がこうなるとはな」
―――
『超殲滅・広範囲兵器GDN』
製作評価:21
効果:複数の錬金術師の技能を持つプレイヤーたちの手によって、通常ではありえないほどに濃縮されまくた結果生まれた悲劇のニガ団子。
その味はニガ団子の枠内にありつつも苦さを超越したものになっており、一口舐めただけで味覚ある生物は様々なものを破壊しつくしてしまう。
浴びるだけならばまだ問題がないが、一滴でも味覚で感じてしまった場合、25%の確率で現実時間で30分の味覚破壊、20%の確率で痙攣・麻痺状態、40%の確率で爆散、15%の確率で半径10mを巻き込む中規模の爆発を引き起こす。
植物などには害はなく、むしろ薬効成分が含まれているため、成長を促したり病気を治す。
また、一応味覚破壊等のリスクはあるが、素早さのステータスが小規模アップする。
―――
デバフを巻きまくりどころか、ぶっ飛んだ兵器として明言されていた。
錬金術のスキルを持つ者たちで集まって、毒ではなくただの劇物で相手をまずは混乱に陥れて戦力を削ごうと考えて、選ばれたのがニガ団子だったのだが…たかがプレイヤーをちょっと痙攣させる程度の団子だったはずが、まさかの広範囲にデバフをまき散らすヤバいものになってしまったようである。
でもよく考えたら、元から素質はあったのか、このニガ団子。
今でもかなりのバリュエーションが増えているらしいし、広範囲に効くものが生まれてもおかしくはなかったのかもしれない。こんな考え方ができるのはそれはそれでおかしい様な気がしなくもないが…気にしないでおくか。
一応、作戦の本懐としては間違ってないため大成功と言えるが、下手に巻き添えになれば敵味方関係ない最悪の兵器になってしまうやばい代物にまで進化させてしまったようだ。
そのため、生み出したのはよかったが、ここにいる全員でこのヤバい兵器のレシピは封印をすることになった。
「さて、作戦を続けるとして…相手の目や鼻を奪ったような形にはなった。とはいえ、こちらのやらかした動きが何なのか残った手駒で探りに来る可能性がある。動けるやつがいれば、当然予想できるからこそ…次の第二段階、地獄の豪雨の次にふさわしい災害とくれば…『爆音轟雷』かな」
「よーし、全員次へ動け―」
「作戦通りに予定位置へ着いて、相手の動きを誘導していくぞー」
寄せ集めに近い集団でもあるが、先ほどのニガ団子豪雨を生みだしてしまったと罪悪感とかその他色々な感情があって、一体感が生まれ始めている。
そして、次の作戦へ移行するためにすぐに動き始めるのであった…
「しかし、爆音轟雷とは…これもうまくいくかな?」
ニガ団子の豪雨しかり、文字通りのものでもないのだが…徹底的にやるために、全部こなすべきだろう。
もしも、途中で失敗するようなことがあれば…
「…平穏を乱したということで、なりふり構わずに黒き女神で蹂躙もありか」
…いや、適切ではないな。なんというか、黒き女神の出番はまだないだろう。
なんとなくだが、ここはそっちよりも…別のものが使えるか?
11
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる