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志位斗 茂家波

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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.3-148 特産品は難しい

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 一口に特産品を作るといっても、色々な方法があるだろう。
 木彫りの像、甘いお菓子、何かしらの観光資源…どれを考えてやるかは人の自由だが、今回は屋台で売ることを考慮してやらなければいけない。

「でも、出来が良すぎると高額になり過ぎるのもあるし…ここはそこそこの収益率で良さそうなものが良いかな」
「となると、手軽に食べやすい様なおやつ的なものが良いのかも」

 食事をするにしてもがっつり食べるものは手に取りづらい。
 ニーズに合わせるならば、お手軽な感じのものを…こう、おせんべいとかそのあたりが良いだろうか。

「それが一番いいかもね」

 良い感じのお菓子になりうるもの、その作り方はわかっている。
 でも今回はロロなどの使用人は使用不可にされているので、物凄く良いものはできないのだが、素人づくりだからこそ程よいものができるはず。



 そう思い、いくつか試作品を生みだしてみたわけだが…今一つ、どれもこれも特産品としては弱い気がする。

「うーん、エビせんべいに燻製フルーツ、揚げ餅揚げ芋揚げスライムのアゲアゲセットとか作ったけど…どれもこれも、特産品として売るには微妙かな?」
「というか、さらっとお兄ちゃんスライムをから揚げにしているけど良いのこれ?」
「食用海スライムって書いてあったから大丈夫だと思うよ。クラゲみたいなものっぽいし」

 一応、毒はない。現実の世界でも、クラゲを食用として加工するものはあるはず。

 それはともかくとして、こうやって物を作って売るのであれば最適なものを探したいのだが、これがなかなか難しい。

 手先が器用な人だと、エルフたちの姿をかたどったフィギュア(木彫り)とか、海産物のお寿司セットとか…もうちょっと豪勢なものを作る人もいるようである。
 それでしっかりと売り上げを出してポイントを稼ぎ、ロブハウスを手にしている人たちは中々の猛者である。

「本当はもうちょっと、付加価値があったほうが良いのかもなぁ」
「付加価値…でもここで手に入れられるものだと、結構微妙かも?」
「こう、強く印象に残るようなものが薄いからね」

 良くも悪くも、この大樹の村はエルフという種族が暮らしている以外は物凄く目立つようなものがない。
 しいていうのであればのじゃロリやフォレストガーディアンとかの目立つものもあるが、それが特産品として利用できるかは別の話だ。

 いや、一部にはものすごく需要がありそうだが…その手の輩で押し寄せたら地獄になりそうなのは目に見えている。
 具体的には変態たちが合体してやってきてそうで…そういえば、風の噂では神スキルの中についに変態の神を持つものが爆誕したとかいうこの世の終わりかと思えるようなものを耳にしたことがある。

 そんなことはさておき、このぐらいだとちょっと特産品としては弱いかもしれない。
 製作評価は5~7と低いわけでもないが…なんというかこう、もうちょっと欲しいところ。

「屋台販売だから見る人が購入してくれればいいけど、なんかほしいなぁ」
「お兄ちゃんがお姉ちゃん黒き女神になって作ってから販売するってのはどうかな?結構、人気が出そうだとは思うよ?」
「…いや、その手もないな」

 やろうと思えばできなくもないが、黒き女神としての正体を秘匿している身としては、身バレの可能性があるから危険性がある。
 需要は確かにありそうだが…そもそもこの大樹の村での特産品なので、女神便りの品物というのも何か違うだろう。

 だが、これ以上わがまま言っても意味がないだろうし、良い解決策が思いつくまではこの製品で地道に販売をしていくかと思うのであった…


「あ、いっそお姉ちゃんの姿で人がいっぱいいる星で、バニーになって売るという手もいいかも!!前に、バニーになった姿見たこともあるもん!!」
「ちょっと待てトーカ!?それどこで知ったぁぁぁ!!」

…やらかしたことが、後々自身の身に降りかかるリスクを考えれば、危険度も十分高いというのも、黒き女神になる代償なのかもしれない。

 なお、情報源は普通にイベント開催情報で、ばっちりあの時のことがばれていたらしく、バニー姿の黒き女神フィギュアや二次創作小説などが、こっそり販売されていたのはまた別のお話…
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