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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-0.9 ミステリートレイン in 目的地
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「えっと、ここの絆創膏を一枚張るだけであっという間に傷が治るって…大丈夫、春?」
「前が見えない状態から、ちょっと治ったかな…」
様々な技術を試せる場所だけあって、医療関係の技術も用意されていた。
そのおかげで、潰れたアンパン状態だった顔もどうにか治ったが…うん、注意書きをよく読んだので副作用などはないはずである。
しかし、まさか魔法少女服がはじけ飛ぶシーンがあるとは…ある意味、変身バンクのお決まりを守ったようなものなのだが、そのせいで真祖としての力がガチで解放されたせいなのかそれとも羞恥のせいなのか、片手で胸元を隠してもう片方の手で真っ赤に染まったミーちゃんにぶん殴られるとは思わなかった。
漫画表現でいえば、顔面めり込みパンチ…軽く吹っ飛んで死にかけた気がする。
「とりあえず、説明を読まなかった方も悪いけど…ようやくまともに見えるようになったよ」
「良かったけど…ごめんね、春」
「いや、ミーちゃんが謝るようなことじゃないよ」
むしろ、他の道具に夢中な人が多かったせいで、この騒ぎに気が付くような人がいなかったのが幸いだった。
これでさらに他人に見られるような状態だったら、それこそ地獄の光景になっただろう…そういえば、女子生徒の着替えに覗きに行ったあいつがその主観的位置になったことあったなぁ。今は確か、どこかで特殊性癖の人用のバーを経営しているとかなんとか…何があったのかは深く聞くまい。
とにもかくにも、そんなハプニングがあったが、続けて僕らは他の道具を試すことにした。
きちんと今の騒動で学んで、しっかりと説明書を読んでおかしなところがないか、間違っても変なことにならないか警戒しながらではあるが、それでも面白いものはある。
「変身系はさておき…こういう乗り物系もありだね。安全装置付きだから事故る心配はないけど、空飛ぶ絨毯はロマンあるよ」
「操縦方法が少し難しいかな?でも、乗りこなせればびゅんびゅん空を舞えるのは良いね!!」
絨毯タイプだけではなく、どこかで見たことがあるような星型とか雲形、柱型など多種多様な飛ぶ系統の飛行道具。
翼っぽいので羽ばたけたり、マントで飛翔できたり、あるいはイカの模型のようなもので墨を吐きながら飛ぶなど結構多い。
こういう飛行系の道具が多いのとしては、人は大地を歩くからこそ、より自由な空を求めるような気持があって開発されていたのだろう。あ、某青猫の竹とんぼ的なものもあるな。
「でも、性能はそれぞれで違うから個性は出ているのか。滅茶苦茶ゆったり飛べるものから素早い動き、急カーブにUFO的な飛行など色々とあるようだよ」
「私としては、翼タイプが好きかなぁ。こう、羽ばたく感じが飛んでいるって実感できるもの」
飛翔系の道具が置かれているコーナーは、結構な人が試している様子。
他にもあるはずだが、空を飛ぶというロマンをわかる人はかなり幅広くいるのだろうか。
なお、きちんと安全装置だけではなく、しっかりとパラシュート的なものや着地時にクッションになるものなどの小道具も同時に装備させられているようで、手を抜いているところはない。
あとは、スカートの人がいればズボンをはくようにしているようだが…中には下半身がロケットと化すものもあるので、何かと対策はあるようだ。
「へぇ、戦闘機タイプはミサイルも射出可能か…一応、安全のためにゴムの模擬ミサイルになっているみたいだね」
「ちゃんとまとも用意されていて、狙って遊ぶこともできるみたいだし…よし、春勝負してみない?この戦闘機ミサイルの的当てで、どっちがより多く当てられるか勝負しようよ!!」
「その勝負、乗った!!勝ったらどうする?」
「春が勝ったら、ちょっと危なそうな道具を私に使って良いよ。そのかわりに、私が勝ったら…変装系道具のコーナーで、女装道具セットとか見かけたら、それを春に試すってことで!!」
「ちょっとまてぇい!!前者はわかるけど後者はやりたくないんだけど!!」
「じゃ、私はこのジェットゲタマシンで飛ぶね!!発進!!」
「ちょっとは条件の変更を認めてぇぇぇぇぇ!!」
…先ほどの衣服爆散事件を引いているのか、問答無用で決められたままミーちゃんは動いてしまった。
勝てれば良いのだが、負ければ女装…いや、黒き女神で女性の姿になっているときはあるけど、あれはオンラインの世界内で、現実世界での女装は抵抗しかない。
そんなわけで、ミーちゃんに先手を取られつつも絶対に敗北しないために、すぐに選んで僕も飛翔するのであった…
「待って待ってミーちゃん!!女装はマジでやめてぇぇ!!」
「私の素肌を見たからね!!責任取ってもらうためにも、とりあえずそれで!!」
「そういうのは普通、責任取って結婚してほしいとかになりそうなんだけど!?あ、でもいとこだから無理…でもないんだっけ?そもそも、血のつながりがないとか言っていたような…いやいや、今はそんなことよりも、女装の危機から逃れないと!!」
…空中の激戦が繰り広げられ、ミサイルがあちこちを飛びかって的に直撃していく。
そんな中、ファンタジックアイランドの周辺海域…その海底には蠢くものたちが集結しつつあった。
『256番から896番、消息不明。妨害工作により、狭間へ落下、消失した模様』
『こちらの潜入にも気が付かれたようで、潜水艦数隻を確認。早めに接岸、侵入しなければ消される可能性あり』
ごぼごぼとあちこちで通信しながら海底を進み、島の底の方へくっつき潜り込む者たち。
侵入者に対しての迎撃が用意されているのか、各所の防衛システムによってミサイルや振動砲などが繰り広げられるが、それでもわずかな隙間を狙って彼らはじわりじわりと染み込んでいく。
悪意の手はすぐそばへ迫りつつあったが…その悪意の手よりもさらにヤバい、深淵からの触手が今、前に出ようとしているのであった…
―――アア、久シブリニ渡ッタネェ。別ノ海ノ底デモマタチガウモノダ。
―――オヤ、ソレニ島ニハ…アノ渡リ人ノ気配ト闇夜ノ住人ノ気配モ…ナルホド。守ルベキナラ、手伝オウカネェ…
「前が見えない状態から、ちょっと治ったかな…」
様々な技術を試せる場所だけあって、医療関係の技術も用意されていた。
そのおかげで、潰れたアンパン状態だった顔もどうにか治ったが…うん、注意書きをよく読んだので副作用などはないはずである。
しかし、まさか魔法少女服がはじけ飛ぶシーンがあるとは…ある意味、変身バンクのお決まりを守ったようなものなのだが、そのせいで真祖としての力がガチで解放されたせいなのかそれとも羞恥のせいなのか、片手で胸元を隠してもう片方の手で真っ赤に染まったミーちゃんにぶん殴られるとは思わなかった。
漫画表現でいえば、顔面めり込みパンチ…軽く吹っ飛んで死にかけた気がする。
「とりあえず、説明を読まなかった方も悪いけど…ようやくまともに見えるようになったよ」
「良かったけど…ごめんね、春」
「いや、ミーちゃんが謝るようなことじゃないよ」
むしろ、他の道具に夢中な人が多かったせいで、この騒ぎに気が付くような人がいなかったのが幸いだった。
これでさらに他人に見られるような状態だったら、それこそ地獄の光景になっただろう…そういえば、女子生徒の着替えに覗きに行ったあいつがその主観的位置になったことあったなぁ。今は確か、どこかで特殊性癖の人用のバーを経営しているとかなんとか…何があったのかは深く聞くまい。
とにもかくにも、そんなハプニングがあったが、続けて僕らは他の道具を試すことにした。
きちんと今の騒動で学んで、しっかりと説明書を読んでおかしなところがないか、間違っても変なことにならないか警戒しながらではあるが、それでも面白いものはある。
「変身系はさておき…こういう乗り物系もありだね。安全装置付きだから事故る心配はないけど、空飛ぶ絨毯はロマンあるよ」
「操縦方法が少し難しいかな?でも、乗りこなせればびゅんびゅん空を舞えるのは良いね!!」
絨毯タイプだけではなく、どこかで見たことがあるような星型とか雲形、柱型など多種多様な飛ぶ系統の飛行道具。
翼っぽいので羽ばたけたり、マントで飛翔できたり、あるいはイカの模型のようなもので墨を吐きながら飛ぶなど結構多い。
こういう飛行系の道具が多いのとしては、人は大地を歩くからこそ、より自由な空を求めるような気持があって開発されていたのだろう。あ、某青猫の竹とんぼ的なものもあるな。
「でも、性能はそれぞれで違うから個性は出ているのか。滅茶苦茶ゆったり飛べるものから素早い動き、急カーブにUFO的な飛行など色々とあるようだよ」
「私としては、翼タイプが好きかなぁ。こう、羽ばたく感じが飛んでいるって実感できるもの」
飛翔系の道具が置かれているコーナーは、結構な人が試している様子。
他にもあるはずだが、空を飛ぶというロマンをわかる人はかなり幅広くいるのだろうか。
なお、きちんと安全装置だけではなく、しっかりとパラシュート的なものや着地時にクッションになるものなどの小道具も同時に装備させられているようで、手を抜いているところはない。
あとは、スカートの人がいればズボンをはくようにしているようだが…中には下半身がロケットと化すものもあるので、何かと対策はあるようだ。
「へぇ、戦闘機タイプはミサイルも射出可能か…一応、安全のためにゴムの模擬ミサイルになっているみたいだね」
「ちゃんとまとも用意されていて、狙って遊ぶこともできるみたいだし…よし、春勝負してみない?この戦闘機ミサイルの的当てで、どっちがより多く当てられるか勝負しようよ!!」
「その勝負、乗った!!勝ったらどうする?」
「春が勝ったら、ちょっと危なそうな道具を私に使って良いよ。そのかわりに、私が勝ったら…変装系道具のコーナーで、女装道具セットとか見かけたら、それを春に試すってことで!!」
「ちょっとまてぇい!!前者はわかるけど後者はやりたくないんだけど!!」
「じゃ、私はこのジェットゲタマシンで飛ぶね!!発進!!」
「ちょっとは条件の変更を認めてぇぇぇぇぇ!!」
…先ほどの衣服爆散事件を引いているのか、問答無用で決められたままミーちゃんは動いてしまった。
勝てれば良いのだが、負ければ女装…いや、黒き女神で女性の姿になっているときはあるけど、あれはオンラインの世界内で、現実世界での女装は抵抗しかない。
そんなわけで、ミーちゃんに先手を取られつつも絶対に敗北しないために、すぐに選んで僕も飛翔するのであった…
「待って待ってミーちゃん!!女装はマジでやめてぇぇ!!」
「私の素肌を見たからね!!責任取ってもらうためにも、とりあえずそれで!!」
「そういうのは普通、責任取って結婚してほしいとかになりそうなんだけど!?あ、でもいとこだから無理…でもないんだっけ?そもそも、血のつながりがないとか言っていたような…いやいや、今はそんなことよりも、女装の危機から逃れないと!!」
…空中の激戦が繰り広げられ、ミサイルがあちこちを飛びかって的に直撃していく。
そんな中、ファンタジックアイランドの周辺海域…その海底には蠢くものたちが集結しつつあった。
『256番から896番、消息不明。妨害工作により、狭間へ落下、消失した模様』
『こちらの潜入にも気が付かれたようで、潜水艦数隻を確認。早めに接岸、侵入しなければ消される可能性あり』
ごぼごぼとあちこちで通信しながら海底を進み、島の底の方へくっつき潜り込む者たち。
侵入者に対しての迎撃が用意されているのか、各所の防衛システムによってミサイルや振動砲などが繰り広げられるが、それでもわずかな隙間を狙って彼らはじわりじわりと染み込んでいく。
悪意の手はすぐそばへ迫りつつあったが…その悪意の手よりもさらにヤバい、深淵からの触手が今、前に出ようとしているのであった…
―――アア、久シブリニ渡ッタネェ。別ノ海ノ底デモマタチガウモノダ。
―――オヤ、ソレニ島ニハ…アノ渡リ人ノ気配ト闇夜ノ住人ノ気配モ…ナルホド。守ルベキナラ、手伝オウカネェ…
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