358 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-0.1 ミステリートレイン
しおりを挟む
…海王惑星の騒動を終え、現実の世界のほうにログアウトを行った。
何かとどっと疲れることが多かったが、それでも無事に解決したのだから問題はないだろう。
まぁ、巨大クラゲへ成長してくモンスターを中三病さんがどう扱うのはか気になるところだが、あの執念を考えるときっとすごいモンスターへ育てるに違いない。
そんなことがありつつも数日が経過したころ、アルケディア・オンラインのほうでアップデートのお知らせがあった。
なんでもVer.4.2から4.3へのアップデートのようだが、また色々と解放するものがあるようで、既に楽しみな人でネット上にあふれかえっている様子。
とはいえ、すぐに楽しむのも悪くはないが…
「…海王惑星を一緒に遊べなかったお詫びに、手に入れたミステリートレインのチケットで誘ったけど、これはこれで楽しみだよね?」
「うん!ミステリートレイン、ハルと一緒の旅…悪くはないね!小さい時に、間違った車両に乗って遠方まで行っちゃった苦い思い出はあるけど、旅は旅でいいものだよ」
「ああ、北海道旅行のつもりが、何をどうまちがったか沖縄にまで行っちゃった事件のことかぁ…」
懐かしい様な、よく無事で帰ってこれたなと思いつつも、これから春たちはミステリートレインによる列車の旅時に出ようとしていた。
1週間程度かけて戻ってくる旅路のようで、それだけの期間会社を休めるのかと思ったが、実は以前運営会社との提携事業があった際に全社員に対して特別休暇が与えられていた。
いつでも使えるタイプのもので、繰り越しもできたようだが…今回思い切って、ミステリートレインの旅の間、休めるように休暇申請を行ったのである。
休暇後にどうしても他の社員ではできなかった仕事やメールの対応に追われる未来は見えるのだが、それでも一緒に旅をするだけの価値はあるだろう。
普段、オンラインのほうを遊ぶことが多いが、たまにはこうやってネット環境から離れた旅路というのも悪くはない。
色々と泊る準備をして、しっかりと不足がないことを確認し、家の留守番をロロに頼む。
「これからしばらく留守にするけど、留守番を頼むね」
【お任せくださいませ、主様。しばらくのお留守の間、しっかりと家を守って見せマス】
長期間の旅行は空き巣などの被害が恐ろしいが、こういう時にオンラインの使用人システムが利用できるのはありがたいことだ。
監視カメラやその他防犯システムもあるだろうが、人がいるのも効果的…人扱いで間違っていないはずである。
「とはいえ、この辺そんな危険な情報とかもないしね、正直言って、現実のほうがオンラインの世界より安全な気がするんだよなぁ…」
「でも、私が久しぶりにこの国に帰ってきたときの話もあるよね?」
「…アレは特殊な例だと思いたい」
日常的に無い様な事件が確かに起きたが、そんなホイホイで合うようなものはない。
むしろあったら、某探偵漫画の主人公のように危ない様な…結構いないか?
そんなレベルで遭遇する人が、小学校の友人でいたなぁと思い出しつつも家を後にする。
これからゆっくりと、ミーちゃんと一緒にミステリートレインの旅路を楽しむのだから、今は余計なことを考えずに行きたいところ。
仕事とか騒動とかそんなことを思いっきり頭の片隅へ追いやり、僕らは駅へ向かうのであった…
【…さてと、主様たちは無事に向かわれましたね】
玄関でのお見送りの後、自身の生体反応センサーで春たちがある程度の距離を離れていったことを感知してそうつぶやくロロ。
流石にミステリートレインの旅路で変なことは起きないとは思うのだが、自身の主の騒動遭遇率を考えると、ちょっと無事に帰ってくるのかは怪しいと思わざるを得ない。
ただ、それよりも別の事のほうに今は気を付ける必要があるだろう。
【…メインセンターより、ハッキング形跡の確認。工作で発覚が遅れるも、内容として…警戒をしたほうがよさそうですネ】
実は春たちには報告していなかったのだが、運営会社のほうで妙なハッキングの被害が確認できた。
データを破壊するとかではなく、情報のコピーのようだが、そのコピーされた情報が何やらきな臭い香りを漂わせているのである。
【せっかく主様たちがご旅行されているのですから、何事もない様に…しっかり防犯システムを稼働させましょウ】
留守番を任されているからこそ、何事もなく家を守り抜く。
そう決めながら、ロロが壁の一部を弄ると隠し操作盤が現れ、ぽちかちと弄り始めるのであった…
何かとどっと疲れることが多かったが、それでも無事に解決したのだから問題はないだろう。
まぁ、巨大クラゲへ成長してくモンスターを中三病さんがどう扱うのはか気になるところだが、あの執念を考えるときっとすごいモンスターへ育てるに違いない。
そんなことがありつつも数日が経過したころ、アルケディア・オンラインのほうでアップデートのお知らせがあった。
なんでもVer.4.2から4.3へのアップデートのようだが、また色々と解放するものがあるようで、既に楽しみな人でネット上にあふれかえっている様子。
とはいえ、すぐに楽しむのも悪くはないが…
「…海王惑星を一緒に遊べなかったお詫びに、手に入れたミステリートレインのチケットで誘ったけど、これはこれで楽しみだよね?」
「うん!ミステリートレイン、ハルと一緒の旅…悪くはないね!小さい時に、間違った車両に乗って遠方まで行っちゃった苦い思い出はあるけど、旅は旅でいいものだよ」
「ああ、北海道旅行のつもりが、何をどうまちがったか沖縄にまで行っちゃった事件のことかぁ…」
懐かしい様な、よく無事で帰ってこれたなと思いつつも、これから春たちはミステリートレインによる列車の旅時に出ようとしていた。
1週間程度かけて戻ってくる旅路のようで、それだけの期間会社を休めるのかと思ったが、実は以前運営会社との提携事業があった際に全社員に対して特別休暇が与えられていた。
いつでも使えるタイプのもので、繰り越しもできたようだが…今回思い切って、ミステリートレインの旅の間、休めるように休暇申請を行ったのである。
休暇後にどうしても他の社員ではできなかった仕事やメールの対応に追われる未来は見えるのだが、それでも一緒に旅をするだけの価値はあるだろう。
普段、オンラインのほうを遊ぶことが多いが、たまにはこうやってネット環境から離れた旅路というのも悪くはない。
色々と泊る準備をして、しっかりと不足がないことを確認し、家の留守番をロロに頼む。
「これからしばらく留守にするけど、留守番を頼むね」
【お任せくださいませ、主様。しばらくのお留守の間、しっかりと家を守って見せマス】
長期間の旅行は空き巣などの被害が恐ろしいが、こういう時にオンラインの使用人システムが利用できるのはありがたいことだ。
監視カメラやその他防犯システムもあるだろうが、人がいるのも効果的…人扱いで間違っていないはずである。
「とはいえ、この辺そんな危険な情報とかもないしね、正直言って、現実のほうがオンラインの世界より安全な気がするんだよなぁ…」
「でも、私が久しぶりにこの国に帰ってきたときの話もあるよね?」
「…アレは特殊な例だと思いたい」
日常的に無い様な事件が確かに起きたが、そんなホイホイで合うようなものはない。
むしろあったら、某探偵漫画の主人公のように危ない様な…結構いないか?
そんなレベルで遭遇する人が、小学校の友人でいたなぁと思い出しつつも家を後にする。
これからゆっくりと、ミーちゃんと一緒にミステリートレインの旅路を楽しむのだから、今は余計なことを考えずに行きたいところ。
仕事とか騒動とかそんなことを思いっきり頭の片隅へ追いやり、僕らは駅へ向かうのであった…
【…さてと、主様たちは無事に向かわれましたね】
玄関でのお見送りの後、自身の生体反応センサーで春たちがある程度の距離を離れていったことを感知してそうつぶやくロロ。
流石にミステリートレインの旅路で変なことは起きないとは思うのだが、自身の主の騒動遭遇率を考えると、ちょっと無事に帰ってくるのかは怪しいと思わざるを得ない。
ただ、それよりも別の事のほうに今は気を付ける必要があるだろう。
【…メインセンターより、ハッキング形跡の確認。工作で発覚が遅れるも、内容として…警戒をしたほうがよさそうですネ】
実は春たちには報告していなかったのだが、運営会社のほうで妙なハッキングの被害が確認できた。
データを破壊するとかではなく、情報のコピーのようだが、そのコピーされた情報が何やらきな臭い香りを漂わせているのである。
【せっかく主様たちがご旅行されているのですから、何事もない様に…しっかり防犯システムを稼働させましょウ】
留守番を任されているからこそ、何事もなく家を守り抜く。
そう決めながら、ロロが壁の一部を弄ると隠し操作盤が現れ、ぽちかちと弄り始めるのであった…
11
お気に入りに追加
2,031
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる