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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-115 久しぶりの錬金術
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ねじのボルナックさんからの特殊クエスト「ボルケーノクリーム」製作のためのお使いとして、まずはその材料集めに取り掛かる。
「といっても、久々にモンスター・アルケミストの職業に戻してっと、錬金術のスキルで材料を大体作れるかな」
「本当に少しの材料で、大丈夫なんだよね?」
「いくつかの材料はモンスターからのドロップも必要だけど…普通に組み合わせるだけでできるのがあるからね」
限定のドロップ品だけはどうにもならないが、それ以外の品に関してはクエストが発見されてから研究されているようで、ある程度の工程を省くことができるのは事前調査済みである。
そのため、中々強いモンスターが生息する場所で、無駄な戦闘を省けるのであればその選択を選ぶのも手だろう。
「錬成陣と錬金窯と、薬液用の瓶なんかを用意して…まずは試しに防火薬からかな」
火亀の甲羅をすりつぶした粉と、ドルドルスライムの体液を混ぜて放り込む。
そこにネオ・ニガ団子の材料にもなるギロチン草を入れて、煮込めば…
ぽぽんっ!!
―――――
『防火薬(クリームタイプ・辛苦)』
・製作評価:5
・効果:表面に塗りこむクリームタイプの防火薬。火に関連する攻撃に対しての耐性を10%上げることができる。また、塗るタイプの薬だが飲食可能であり、食すれば絶望の苦さを味わうことができる。
―――――
「いや、誰が食べるんだろうがこれ…まぁ、まずは成功かな?」
「おー、ハルの錬金術って面白いねー。なんか昔、似たようなことをやっていなかったっけ?」
…それはまぁ、幼い心を持っていた時にやらかしたことあったからなぁ。ほら、なんか体に良いと聞いたものを全部混ぜ合わせて魔女鍋っぽくやっちゃった苦い記憶が…確か、やばいものになっているとは気が付かなくて、色合いだけでおいしそうなものだと思って盗んだ奴がいたが…うん、まぁ、生きていたから大丈夫か。そいつは今では料理人になって全力で世界中の人に旨いものを食べさせる旅に出ているようだし、良い方向に転がったなら問題無いだろう。
とりあえず気を取り直して、必要な材料を周辺のモンスターも倒してドロップアイテムを獲得しつつ、どんどん製作を行っていく。
マグマロックのかけらとクリムゾンビートルの角で、炎の槍。
ヒートメタルバッファローのお肉と、硫酸クラブで猛毒の焼肉。
この二つを組み合わせて、肉の降る剣などを作ったりして、どんどん重ね合わせていく。
「まともに集めるよりも、早くできるのは良いね」
「どんどんやっちゃおうか。えーっと、ポイズンゴーストの布地と、ナマケモノコギリの刃だっけ」
「そうそう、そこにボルトンボの電気の目玉を混ぜて…『雷塩』の完成っと。これ、このまま使えば調味料にも使えるみたいだね。麻痺効果が追加されるけど」
「デバフ料理になるのか…でも、罠とかに使うのはありか?」
久しぶりにどんどん錬金を進めていき、次々に材料がそろっていく。
事前にネットで調べていたのでどういうルートで進めていけばいいのかわかっている分、より作業がしやすくなって大した苦労をすることもないだろう。
「クイーンモスキートの粉末と、ヴァンパイアシカの皮っと…後者、吸血鬼系のモンスターだけど、ミーちゃんとして思うところとかないよね?」
「無いよ。真祖って吸血鬼の上位みたいなものだし、そもそもゲームの存在だしなぁ…現実の同胞みたいなものならともかく、これは大丈夫だよ」
「そうなのか」
「でも、モスキート種は別かな。こいつら、気にせずにぐびぐび飲もうと狙ってくるのがこう…滅茶苦茶嫌悪感しか抱かないね。現実でも、蚊は吸血関係者一同、全力で潰しにかかる存在だったりするんだよ」
まさかの全力潰し対象だったのか…蚊、ちょっと吸血鬼っぽくあるような気がするけど、同じようにまとめたら怒りを買うことは確定らしい。
「そもそも、夏場で目の前でハルの血を飲んだりするのを見ると、速攻で叩き潰したくなるからね。人がどれだけ苦労しているのかと知らずに、気楽に飲むのが…」
「我慢しているのか。だったらやっぱり、僕の血も飲んでみたら?ミーちゃんの事情を知っていると、なんか我慢させているようで申し訳なくなるからね」
「…だからハル、それ他の吸血関係者がいても、絶対に言わないで。しつこいようだけど、絶対にだよ」
「あ、はい」
ぐわっとすごい迫力でやめさせられたが…こりゃ、何かありそうである。
でも、下手に探りを入れるのは不味そうだし、ここは聞かないほうが良いだろう。
そう思いながらもどんどん作業を進めていき、ようやく最後の段階にたどり着いた。
「えっと、あとは出来上がった沸騰皮と、マグマントを混ぜれば…」
ぽぽん!!
―――――
『ボルケーノクリームSP』
製作評価:14
効果:爆炎、溶岩、灼熱地獄も何のその。このクリームを塗るだけで、火や熱に関するものに対しての耐性が驚異の80%カットを誇るようになる優れもの。
通常のクリームだったら40%カットだったが、今回のものは神に関係するスキルを所持したものが製作したために、自身の神性が入りこみ、SPの名が付くほどとんでもなく強化を施してしまった。
満点評価にまで達成できない理由としては、材料が最初からSPを想定したものではなかったため、達成できなかった惜しさがある。
―――――
「…あれ?できたけど、これ大丈夫な奴かな?」
「頼まれているのが、ボルケーノクリームだけど、その強化版って…受け取ってもらえるのかな?」
大抵のゲームの場合、似たようなものであっても強化版とかだと別物としての判定を受け、NPCへ譲渡できないことがある。
今回の代物もそのケースに該当しそうなのだが…大丈夫なのだろうか?
一抹の不安を抱きつつも、山小屋のほうに戻り、ボルナックさんに渡してみたところ…
『な、な、な、ななななななな、なんじゃぁぁぁぁぁぁこりゃあああああああああああああああああああああああああああああ!?』
目玉があるようには見えないのだが、ねじのボディなのに目玉が飛び出ているかのように見えるほどの驚愕の動きを見せるボルナックさん。
一応、おつかいのクエストとしては合格点に入るようで、受け取り拒否にはならなかったようだが…この様子を見ると、やらかしてしまったのは確定そうだ。
『お前さんたち!?これをどこで!?いや、詮索するのは無粋か…色々と事情がありのようだから深くは聞かぬが、それでもこれほどのものを用意するのはやり過ぎなんじゃけどぉ!?』
「そんなに驚くほど?」
『そんなに、の言葉で片づけられるようなものか!!下手すると別の地にいる同族とかが、この火山周辺の開発を行うために必要すぎて、価値が恐ろしいほど跳ね上がるほどのばかげたものなんじゃぞ!!うーむ、ここまでのものを用意されるとなると、普通にMACを教えるだけでは見合わなすぎるかもしれぬな…』
ぐむむむとうなりつつ、ねじのボディを捻って考え込むボルナックさん。
僕らとしてはMACのスキルをくれるだけで十分なのだが、それでも自身の良心としては絶対にダメだと言い張られてしまう。
そして数分ほど考え込み…何か、決めたようだ。
『うむ、ここまでのものを用意されたのであれば、こちらもそれ相応の用意をせねばな…お主ら、この地の主様が目当てなんじゃろ?討伐や目撃、情報探索などが問わぬが…ならば、それの助けになるものをやろう』
そう言いながらボルナックさんはいったん山小屋の外に出たかと思えば、何かを持って戻ってきた。
『情報としての価値を考えると、これがあるのとないのを比べれば、ずいぶん違うじゃろう…これを、お主たちにやろう』
「えっと…『シャドウフェニックスの生体情報記録』…?」
「ボルナックさん、このモンスターの名前って」
『うむ、この火山の主様、お主たちが狙うであろう相手…シャドウフェニックスの情報が事細かに記録されておるデータじゃ。初代の山小屋の管理人から、毎年、事細かに記録し続けた情報が全て詰め込まれている。お主ら、どうやらプレイヤーと呼ばれるものたちのようだが…そのプレイヤーがどれほど挑んでも得られぬ情報もたっぷりと記載されておるのじゃ』
まさかまさかの、クエストの目的である相手正体がここで判明した。
ネット上では実はすでにどのような相手なのかはわかっている部分もあったのだが、中身をちょっと確認してみるだけでも、ネットでは得ることができなかった情報が記載されまくっている。
『それと…ふむ、このクリームを用意したのはそちらのようだ。ならば、これも持っていくがよい』
「何を?」
続けてボルナックさんのほうから、僕のほうに渡されたのは、水晶玉のようなもの。
ただし、占い師とかが使っているイメージのある透明な玉ではなく、海のような深い蒼さを持った不思議な球体だ。
『…詳細は流石に知らぬ。だが、神に近きものがいるのであれば、この地での万が一の事態に備えて与えるようにと伝わっておるものじゃ。使うことがないかもしれないが…それでも、持っていくがよい』
アイテム名を見ても???としか記載されておらず、詳細が不明なもの。
似たようなものとしては、過去にバージョンアップで解放されて詳細が出たものなどがあったが、どうやらこれは、特定の条件の時にしか使用できないものらしい。
万が一の事態というのは気になるが、そうそうないと思いたい。
ひとまずは懐にしまいつつも、忘れずにMACのスキルも受け取ることができたので、僕らは山小屋を後にするのであった…
「…もらってここでクエストをやめても、なかったことになるしなぁ。ミーちゃん、どうする?」
「うーん、討伐だけじゃなくて、情報を得るだけでも達成できたりするけど…ここまで来たら、その姿ぐらいは見たいよね」
「そうだよね」
…ここで終わらずに、しっかりと僕らはクエストを進めるために、このアイギス火山の主というシャドウフェニックスとやらを見るために向かうことにする。
こういうのは最後までやってこそ、達成感を得られるのだ…
「といっても、久々にモンスター・アルケミストの職業に戻してっと、錬金術のスキルで材料を大体作れるかな」
「本当に少しの材料で、大丈夫なんだよね?」
「いくつかの材料はモンスターからのドロップも必要だけど…普通に組み合わせるだけでできるのがあるからね」
限定のドロップ品だけはどうにもならないが、それ以外の品に関してはクエストが発見されてから研究されているようで、ある程度の工程を省くことができるのは事前調査済みである。
そのため、中々強いモンスターが生息する場所で、無駄な戦闘を省けるのであればその選択を選ぶのも手だろう。
「錬成陣と錬金窯と、薬液用の瓶なんかを用意して…まずは試しに防火薬からかな」
火亀の甲羅をすりつぶした粉と、ドルドルスライムの体液を混ぜて放り込む。
そこにネオ・ニガ団子の材料にもなるギロチン草を入れて、煮込めば…
ぽぽんっ!!
―――――
『防火薬(クリームタイプ・辛苦)』
・製作評価:5
・効果:表面に塗りこむクリームタイプの防火薬。火に関連する攻撃に対しての耐性を10%上げることができる。また、塗るタイプの薬だが飲食可能であり、食すれば絶望の苦さを味わうことができる。
―――――
「いや、誰が食べるんだろうがこれ…まぁ、まずは成功かな?」
「おー、ハルの錬金術って面白いねー。なんか昔、似たようなことをやっていなかったっけ?」
…それはまぁ、幼い心を持っていた時にやらかしたことあったからなぁ。ほら、なんか体に良いと聞いたものを全部混ぜ合わせて魔女鍋っぽくやっちゃった苦い記憶が…確か、やばいものになっているとは気が付かなくて、色合いだけでおいしそうなものだと思って盗んだ奴がいたが…うん、まぁ、生きていたから大丈夫か。そいつは今では料理人になって全力で世界中の人に旨いものを食べさせる旅に出ているようだし、良い方向に転がったなら問題無いだろう。
とりあえず気を取り直して、必要な材料を周辺のモンスターも倒してドロップアイテムを獲得しつつ、どんどん製作を行っていく。
マグマロックのかけらとクリムゾンビートルの角で、炎の槍。
ヒートメタルバッファローのお肉と、硫酸クラブで猛毒の焼肉。
この二つを組み合わせて、肉の降る剣などを作ったりして、どんどん重ね合わせていく。
「まともに集めるよりも、早くできるのは良いね」
「どんどんやっちゃおうか。えーっと、ポイズンゴーストの布地と、ナマケモノコギリの刃だっけ」
「そうそう、そこにボルトンボの電気の目玉を混ぜて…『雷塩』の完成っと。これ、このまま使えば調味料にも使えるみたいだね。麻痺効果が追加されるけど」
「デバフ料理になるのか…でも、罠とかに使うのはありか?」
久しぶりにどんどん錬金を進めていき、次々に材料がそろっていく。
事前にネットで調べていたのでどういうルートで進めていけばいいのかわかっている分、より作業がしやすくなって大した苦労をすることもないだろう。
「クイーンモスキートの粉末と、ヴァンパイアシカの皮っと…後者、吸血鬼系のモンスターだけど、ミーちゃんとして思うところとかないよね?」
「無いよ。真祖って吸血鬼の上位みたいなものだし、そもそもゲームの存在だしなぁ…現実の同胞みたいなものならともかく、これは大丈夫だよ」
「そうなのか」
「でも、モスキート種は別かな。こいつら、気にせずにぐびぐび飲もうと狙ってくるのがこう…滅茶苦茶嫌悪感しか抱かないね。現実でも、蚊は吸血関係者一同、全力で潰しにかかる存在だったりするんだよ」
まさかの全力潰し対象だったのか…蚊、ちょっと吸血鬼っぽくあるような気がするけど、同じようにまとめたら怒りを買うことは確定らしい。
「そもそも、夏場で目の前でハルの血を飲んだりするのを見ると、速攻で叩き潰したくなるからね。人がどれだけ苦労しているのかと知らずに、気楽に飲むのが…」
「我慢しているのか。だったらやっぱり、僕の血も飲んでみたら?ミーちゃんの事情を知っていると、なんか我慢させているようで申し訳なくなるからね」
「…だからハル、それ他の吸血関係者がいても、絶対に言わないで。しつこいようだけど、絶対にだよ」
「あ、はい」
ぐわっとすごい迫力でやめさせられたが…こりゃ、何かありそうである。
でも、下手に探りを入れるのは不味そうだし、ここは聞かないほうが良いだろう。
そう思いながらもどんどん作業を進めていき、ようやく最後の段階にたどり着いた。
「えっと、あとは出来上がった沸騰皮と、マグマントを混ぜれば…」
ぽぽん!!
―――――
『ボルケーノクリームSP』
製作評価:14
効果:爆炎、溶岩、灼熱地獄も何のその。このクリームを塗るだけで、火や熱に関するものに対しての耐性が驚異の80%カットを誇るようになる優れもの。
通常のクリームだったら40%カットだったが、今回のものは神に関係するスキルを所持したものが製作したために、自身の神性が入りこみ、SPの名が付くほどとんでもなく強化を施してしまった。
満点評価にまで達成できない理由としては、材料が最初からSPを想定したものではなかったため、達成できなかった惜しさがある。
―――――
「…あれ?できたけど、これ大丈夫な奴かな?」
「頼まれているのが、ボルケーノクリームだけど、その強化版って…受け取ってもらえるのかな?」
大抵のゲームの場合、似たようなものであっても強化版とかだと別物としての判定を受け、NPCへ譲渡できないことがある。
今回の代物もそのケースに該当しそうなのだが…大丈夫なのだろうか?
一抹の不安を抱きつつも、山小屋のほうに戻り、ボルナックさんに渡してみたところ…
『な、な、な、ななななななな、なんじゃぁぁぁぁぁぁこりゃあああああああああああああああああああああああああああああ!?』
目玉があるようには見えないのだが、ねじのボディなのに目玉が飛び出ているかのように見えるほどの驚愕の動きを見せるボルナックさん。
一応、おつかいのクエストとしては合格点に入るようで、受け取り拒否にはならなかったようだが…この様子を見ると、やらかしてしまったのは確定そうだ。
『お前さんたち!?これをどこで!?いや、詮索するのは無粋か…色々と事情がありのようだから深くは聞かぬが、それでもこれほどのものを用意するのはやり過ぎなんじゃけどぉ!?』
「そんなに驚くほど?」
『そんなに、の言葉で片づけられるようなものか!!下手すると別の地にいる同族とかが、この火山周辺の開発を行うために必要すぎて、価値が恐ろしいほど跳ね上がるほどのばかげたものなんじゃぞ!!うーむ、ここまでのものを用意されるとなると、普通にMACを教えるだけでは見合わなすぎるかもしれぬな…』
ぐむむむとうなりつつ、ねじのボディを捻って考え込むボルナックさん。
僕らとしてはMACのスキルをくれるだけで十分なのだが、それでも自身の良心としては絶対にダメだと言い張られてしまう。
そして数分ほど考え込み…何か、決めたようだ。
『うむ、ここまでのものを用意されたのであれば、こちらもそれ相応の用意をせねばな…お主ら、この地の主様が目当てなんじゃろ?討伐や目撃、情報探索などが問わぬが…ならば、それの助けになるものをやろう』
そう言いながらボルナックさんはいったん山小屋の外に出たかと思えば、何かを持って戻ってきた。
『情報としての価値を考えると、これがあるのとないのを比べれば、ずいぶん違うじゃろう…これを、お主たちにやろう』
「えっと…『シャドウフェニックスの生体情報記録』…?」
「ボルナックさん、このモンスターの名前って」
『うむ、この火山の主様、お主たちが狙うであろう相手…シャドウフェニックスの情報が事細かに記録されておるデータじゃ。初代の山小屋の管理人から、毎年、事細かに記録し続けた情報が全て詰め込まれている。お主ら、どうやらプレイヤーと呼ばれるものたちのようだが…そのプレイヤーがどれほど挑んでも得られぬ情報もたっぷりと記載されておるのじゃ』
まさかまさかの、クエストの目的である相手正体がここで判明した。
ネット上では実はすでにどのような相手なのかはわかっている部分もあったのだが、中身をちょっと確認してみるだけでも、ネットでは得ることができなかった情報が記載されまくっている。
『それと…ふむ、このクリームを用意したのはそちらのようだ。ならば、これも持っていくがよい』
「何を?」
続けてボルナックさんのほうから、僕のほうに渡されたのは、水晶玉のようなもの。
ただし、占い師とかが使っているイメージのある透明な玉ではなく、海のような深い蒼さを持った不思議な球体だ。
『…詳細は流石に知らぬ。だが、神に近きものがいるのであれば、この地での万が一の事態に備えて与えるようにと伝わっておるものじゃ。使うことがないかもしれないが…それでも、持っていくがよい』
アイテム名を見ても???としか記載されておらず、詳細が不明なもの。
似たようなものとしては、過去にバージョンアップで解放されて詳細が出たものなどがあったが、どうやらこれは、特定の条件の時にしか使用できないものらしい。
万が一の事態というのは気になるが、そうそうないと思いたい。
ひとまずは懐にしまいつつも、忘れずにMACのスキルも受け取ることができたので、僕らは山小屋を後にするのであった…
「…もらってここでクエストをやめても、なかったことになるしなぁ。ミーちゃん、どうする?」
「うーん、討伐だけじゃなくて、情報を得るだけでも達成できたりするけど…ここまで来たら、その姿ぐらいは見たいよね」
「そうだよね」
…ここで終わらずに、しっかりと僕らはクエストを進めるために、このアイギス火山の主というシャドウフェニックスとやらを見るために向かうことにする。
こういうのは最後までやってこそ、達成感を得られるのだ…
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