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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-105 荒ぶる神々は、災害のようでもあり
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…機械神&黒き女神改め、ネオ・巨大機械神&第二形態黒き女神。
その強さは以前のレイドバトルをはるかに凌駕しており、どれほどレベルを上げていたとしても、そうたやすくは打ち破ることができないだろう。
【ガピガピガー!!】
【ピロロロロ!!】
【シャゲェェェェ!!】
【ガウガウガウウウウウウ!!】
「「「「まず、その前に周囲の奴らが厄介すぎるんだがぁぁぁぁ!!」」」」
レイドボスバトルではあるのだが、まずはその周囲に集う機械軍と黒き眷属たち。
その集団を先にどうにかしなければ、攻撃を届かせるのが厳しく、プレイヤーたちは苦戦をしていた。
「機械神の出した機械軍とかいう奴ら、ふざけんあぁぁぁ!!一体だけならそこそこな程度でまだましなのに、数が多い!!」
「くそぅ!!女神のほうは人数が数えるほどの眷属なのに、量より質というべきか、並大抵のボスよりも強い!!」
かたや、マネキン人形のような荒っぽさがありつつも、数の量で押してくる、機械神の召喚した『機械軍』。
行動パターンとしては単純な動きが多くて読みやすくもあるのだが、その数が百体以上出ており、数の暴力で攻めてきている。
かたや、機械軍よりも数が少なくて両手で数えて余るほどの、黒き女神が呼び出した黒き眷属たちがいるのだが、こちらは量より質というように一体一体の強さがけた違いに強く、神の眷属にふさわしい強さを有していると言えるだろう。
対極なようなつながりがありつつも、根本としてはどちらも厄介さと強さをバランスよく兼ね備えられており、攻めに転じにくいのがつらいところだろうか。
「だからこそ、こちらはそれらに対応して先に潰さないと、神々へ手が届かん!!機械軍のほうの動きに、機関銃ぶっぱの動きがあるならば!!」
「「「我々タンクマンの出番だぁぁぁぁ!!」」」
ばらばらに戦っていてはいけないということで、自然とプレイヤーたちは集団での戦法に切り替え、初めてこの場で顔を合わせる者たちもいたが、共通の敵ができたことによって奇跡的にまとまりができ、すぐに対応して動き出す。
機械軍の繰り出す機関銃の雨あられを、タフさが売りのタンクマンたちが前に出て受け止め、攻撃がやむまで耐えきってから…
「次弾装填をさせる前に、叩きつぶせぇぇぇ!!こっちは一体だけならそこまでの強さがないから、複数で囲んで破壊するんだ!!」
「こっち!!眷属たちのほうはどう動くんだ!!」
「質のほうが上回っているが、数が少ない分まとまっての攻撃よりもそれぞれに引き寄せて、分散させろ!!まずは黒き女神を先に狙うために、道を開かせるんだぁぁぁ!!」
この戦闘は機械軍や眷属よりも、その後方に控えている神々に対して攻撃を与えることが重要である。
そしてどちらから狙うのかといえば…重武装で守りが強く見えるネオ・巨大機械神に搭乗している機械神よりも、まだ人型の範囲とサイズに収まっている黒き女神のほうが攻めやすいと判断を行う。
だが、そうたやすく攻撃を受けるほど、黒き女神は甘くはない。
「うぉぉぉぉ!!一番槍はおいらたちハンマーズに任せろぉぉぉぉ!!」
「槍じゃなくてハンマーだけど、挟み込んでプレスしてやらぁぁぁぁ!!」
眷属たちが引きはがされて、黒き女神までの道ができる中、最初に突撃したのは巨大なハンマーを手に有したプレイヤーのコンビ。
攻撃力を重視したバトルスタイルを持っており、二手に分かれて挟み撃ちの形で叩きつける動きを見せる。
「「どっせぇぇぇぇい!!」」
前後に素早く分かれ、前と後ろからハンマーを振りかぶるハンマーズ。
このまま直撃すればかなりのダメージがあっただろうが…
ガァン!!
「「ぬわぁにっ!?」」
ハンマーで確かに潰せそうな勢いだったが、黒き女神の身に纏うドレスの一部が変化し、ハンマーに対して黒い棘のようなものが出現して受け止める。
「『カウンタードレスニードル』!!」
バギギギィ!!
「「ぎゃああああああああ!?」」
「うぉいうぉい!?あいつらの攻撃が力負けをしたんだが!!」
「くそう!!あんなカウンター攻撃を持っているのか!!下手に接近戦を挑めば、串刺しにされる危険性があるってことかよ!!」
うかつな接近戦を挑めば、あの身に纏うドレスが自動的にカウンターを行うようで、容易く傷をつけることができないようだ。
幸いなことに、機械神のほうは先ほどからミサイルを打ちまくったり攻撃しまくっている部分が見られるが、黒き女神は口数が少なくもあるのか、攻撃に積極的ではないことだろうか。
「ならば遠距離から削るんだ!!」
「タンクバズーカーやガンマン、マジシャンなどの遠距離職業の奴らで攻めろ!!」
「接近戦専門の奴は、そいつらの前に立って防御に努めろ!!遠距離攻撃にももしかしたらカウンターがあるかもしれんから、守ってやるんだぁぁぁ!!」
「…なるほど、そう来たか」
遠距離攻撃に対してのカウンターが来ても、タフさや攻撃力があるやつらで、しのぎ切り、地道にかつ確実に削っていく方針に決めたようである。
無理に攻め込むよりも守りを固めて、攻防共に対応する気なのだろうが…
「うちーかーた、はじめぇぇぇ!!」
合図とともに一斉に魔法や砲弾が撃ちだされ、黒き女神の元へ殺到する。
大量の遠距離攻撃は全てをさばききるのが難しく、カウンターを行ったとしても対応しきれないだろう。
「ならば、広範囲攻撃で少しでも相殺しよう」
そうつぶやき、にやりと口角を上げた黒き女神にプレイヤーたちが嫌な予感を感じ取った次の瞬間、黒き女神の周囲に雷が生じる。
「『フルスパークドーム』!!」
黒き女神を中心にして、爆発するかのように黒い雷が生じ、周囲へ一気に広がった。
すさまじい雷が巻き起こり、飛んで行ったはずの攻撃を次々に撃ち落としつつ、雷がプレイヤーたちへ迫りくる。
「ぎゃあああああああ!!しびしびしびれぇぇぇぇ!!」
「えぐぇぇぇぇぇ!!範囲が意外と狭かったけど、ちょっとかすっただけで『複合状態異常』になったんだが!?」
「気を付けろ!!これ、どういう理屈か毒攻撃も兼ねているぞ!!」
痺れるだけではなく、毒状態も浴びせてくるようだ。
範囲攻撃で強力な状態異常効果がある分、出せる範囲は狭いようだが、それでもうかつに近づけない状態なのは変わりない。
「どうする!!あの雷と毒のドームをどうやって突破して攻撃を届かせるんだ!!」
「穴でもあけない限り、厳しいぞ!!」
「「「「「ならば、我々がその穴をあけてやろう!!」」」」」
「なんだ!?」
「誰だ!!」
「…!!」
攻防一体の厄介な攻撃に悩まされる中、プレイヤーたちの中で響き割った声。
何事かと黒き女神も目を向けたようだが、一瞬だけ彼女の顔が明らかにいやそうな顔になった瞬間を目撃する。
そんな表情をさせるとは、いったい誰がと全員が注目する中、その声の主たちがばっと前に躍り出てきた。
「黒雷爆雷機雷だのなんのその!!真っ赤にいつでも燃え盛る欲望の炎を吹き消すことなんぞ誰にもできまい!!欲望の炎の渦ですべてを焼き尽くそう!!レッドのタローン!!」
「荒ぶる嵐の雷のほうがすさまじい!!いつでもどこでも誰も逃さぬ眼の光から、どんなものも姿を闇へ消すことはできまい!!欲望の心の光で全てを照らし尽くそう!!イエローのミートン!!」
「嵐が何だ毒が何だ雷が何だ!!その全ては水に飲み込まれることを抗うことはできまい!!欲望の湧き水で溺れてしまえ!!ブルーのスッケン!!」
「ぎっくり腰ゆえにグリーンのカックウが不参加故に、緑被りな力も持つから本日代打で参上なのじゃ!!巨大な鋼の神だろうと闇の神だろうとも、叩き潰せばそれで終わり!!グリーン代打アティ!!」
【ブモブモブモ。モモノブモモモウ!!(本日奥さんと子供観客席で見ています。父のその雄姿を子供の目に見せつけようぞ、やる気溢れるマッチョン!!】
「「「「「さぁ、我々と勝負だ黒き女神よ!!『ネオ・欲望戦隊ミセタインジャーα』参上!!」」」」」
【ブモモゥ!!】
びしぃっとポーズを決めた、このオンラインの世界ではいい意味でも悪い意味でも流しれまくっている欲望戦隊の登場に、全員があっけにとられる。
「おいおい、あれってまさか噂のド変態軍団が!!」
「だが、よく見ろ!!なんか女の子が混ざっているんだが!!」
「嘘だろあんな奴らに…いや、そもそもあの変態戦隊に神を倒せるのか!?」
「答えて見せよう、その疑問!!」
「我々がただ、前に出てきたわけではない!!」
「一名、ぎっくり腰で不在ゆえに惜しいが!!」
「戦隊ものにお約束の夢は、ここで果たせるのだ!!」
「まぁ、自分だけしか、呼べぬので、別にそろっていてもそうでなくても関係ないのじゃが…いでよ、緑の巨神兵よ!!」
グリーンの戦隊衣装を着た少女が声を上げると、その目の前にいくつもの複雑な模様を描くような魔法陣が出現し、何かが飛び出してきた。
【ウゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオス!!】
「見よ、この現実時間で3週間ぐらい休ませなければ出せない超・デメリットと引き換えに、活動時間たった3分だけしかないが、すんごい力を持った緑の巨神兵を!!」
「我々が搭乗し、その手足を動かして力をふるうのだ!!」
「名付けて欲望の切り札『フォレストデザイヤーロボ』、略して『フォデボ』!!」
「ここに今、発進せよ!!」
「…うわぁ、なんかすごいの出してきたな」
別方向で戦ってる機械神の登場するロボと同じぐらいの、巨体を誇る巨大ロボ。
かなりのデメリットを持っているようだが、その代償と引き換えにすさまじい力を持っているようであり、こんな欲望集団が持っていていいものなのか疑問を持つが…まぁ、これはこれでおもしろいかもしれない。
「良いだろう、欲望戦隊のフォデボとやらよ。相手をしようか!!」
黒き女神のほうも強敵が出てきたらしいことに少し乗り気になったようで、向きなおした…その時だった。
「あ、その前に流石にそのドレスも強いので、封じさせてもらおう!!」
「え?」
「喰らえぇぇぇ!!全ステータスが現実で3日間オール1になる代わりに、特別な状態異常をかけるスキル『ポポンポンバニー』!!」
ブルーの人がそう叫ぶや否や、少しだけ油断していた黒き女神にビームのようなものを解き放つ。
そのせいで反応に遅れてしまい、黒き女神に直撃し…ボンっと煙が出たかと思えば次の瞬間、その姿は変わっていた。
「え?え、え…ドレスがバニー服になったぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!?」
「「「「いえええええええええええええええええい!!」」」」
「「「「うぉおおおおおおおおおおおおお!!」」」」
驚くべきことに、不変のようにも思われていた黒き女神のドレスが、まさかの外国のカジノとかで見るようなバニー服に強制的に変化してしまった。
その姿を見て参加していたプレイヤーたちや、観客席で見ていた人たちから歓喜の声が一気に上がる。
『おおおっと!!黒き女神が今の攻撃で、状態異常『装備強制変更(バニー)』になってしまったぁ!!この状態異常、戦闘が終了するまで解けない特殊さがあるので、遭遇したら要注意だぁぁ!!』
司会による説明が闘技場内に響き渡るが、それはつまり、このレイドバトルが終わるまでずっとバニー服のままだということ。
突然引き起こされた飛んでもなさすぎる事態に、黒き女神は一瞬顔を真っ赤にして…そしてすんっと、感情をなくしたような表情に切り替わる。
「…ヨシ、モゴウカ」
「「「「「何を!?」」」」
その言葉と切り替わった空気を感じ取って、思わず恐怖で叫ぶプレイヤーたち。
問いかけるもその回答は決まっているようで、明らかにすさまじいまでの怒りを買ったのは目に見えるだろう。
それでも無情に、戦闘はまだまだ続くのである…
―――――
『ポポンポンバニー』
一度使用すると、全ステータスが現実で3日間経過するまで1になる代わりに、確率で対象の装備をバニー服一式に変えてしまう恐るべきスキル。
代償のわりにバニー服に変える以外は相手のステータスに変更はないものの、使いようによっては最凶の効果を発揮することができるだろう。
相手によっては逆に、マイナスステータスになりかねない可能性もあるのだが…使い方はその人次第である。
なお、習得のためには魔界にあるカジノで、どのようなものでもいいのでバニー服を装備して1万回負けると1%の確率で習得できることがあるほど、珍しい様なあって悲しい様なスキルでもある。
その強さは以前のレイドバトルをはるかに凌駕しており、どれほどレベルを上げていたとしても、そうたやすくは打ち破ることができないだろう。
【ガピガピガー!!】
【ピロロロロ!!】
【シャゲェェェェ!!】
【ガウガウガウウウウウウ!!】
「「「「まず、その前に周囲の奴らが厄介すぎるんだがぁぁぁぁ!!」」」」
レイドボスバトルではあるのだが、まずはその周囲に集う機械軍と黒き眷属たち。
その集団を先にどうにかしなければ、攻撃を届かせるのが厳しく、プレイヤーたちは苦戦をしていた。
「機械神の出した機械軍とかいう奴ら、ふざけんあぁぁぁ!!一体だけならそこそこな程度でまだましなのに、数が多い!!」
「くそぅ!!女神のほうは人数が数えるほどの眷属なのに、量より質というべきか、並大抵のボスよりも強い!!」
かたや、マネキン人形のような荒っぽさがありつつも、数の量で押してくる、機械神の召喚した『機械軍』。
行動パターンとしては単純な動きが多くて読みやすくもあるのだが、その数が百体以上出ており、数の暴力で攻めてきている。
かたや、機械軍よりも数が少なくて両手で数えて余るほどの、黒き女神が呼び出した黒き眷属たちがいるのだが、こちらは量より質というように一体一体の強さがけた違いに強く、神の眷属にふさわしい強さを有していると言えるだろう。
対極なようなつながりがありつつも、根本としてはどちらも厄介さと強さをバランスよく兼ね備えられており、攻めに転じにくいのがつらいところだろうか。
「だからこそ、こちらはそれらに対応して先に潰さないと、神々へ手が届かん!!機械軍のほうの動きに、機関銃ぶっぱの動きがあるならば!!」
「「「我々タンクマンの出番だぁぁぁぁ!!」」」
ばらばらに戦っていてはいけないということで、自然とプレイヤーたちは集団での戦法に切り替え、初めてこの場で顔を合わせる者たちもいたが、共通の敵ができたことによって奇跡的にまとまりができ、すぐに対応して動き出す。
機械軍の繰り出す機関銃の雨あられを、タフさが売りのタンクマンたちが前に出て受け止め、攻撃がやむまで耐えきってから…
「次弾装填をさせる前に、叩きつぶせぇぇぇ!!こっちは一体だけならそこまでの強さがないから、複数で囲んで破壊するんだ!!」
「こっち!!眷属たちのほうはどう動くんだ!!」
「質のほうが上回っているが、数が少ない分まとまっての攻撃よりもそれぞれに引き寄せて、分散させろ!!まずは黒き女神を先に狙うために、道を開かせるんだぁぁぁ!!」
この戦闘は機械軍や眷属よりも、その後方に控えている神々に対して攻撃を与えることが重要である。
そしてどちらから狙うのかといえば…重武装で守りが強く見えるネオ・巨大機械神に搭乗している機械神よりも、まだ人型の範囲とサイズに収まっている黒き女神のほうが攻めやすいと判断を行う。
だが、そうたやすく攻撃を受けるほど、黒き女神は甘くはない。
「うぉぉぉぉ!!一番槍はおいらたちハンマーズに任せろぉぉぉぉ!!」
「槍じゃなくてハンマーだけど、挟み込んでプレスしてやらぁぁぁぁ!!」
眷属たちが引きはがされて、黒き女神までの道ができる中、最初に突撃したのは巨大なハンマーを手に有したプレイヤーのコンビ。
攻撃力を重視したバトルスタイルを持っており、二手に分かれて挟み撃ちの形で叩きつける動きを見せる。
「「どっせぇぇぇぇい!!」」
前後に素早く分かれ、前と後ろからハンマーを振りかぶるハンマーズ。
このまま直撃すればかなりのダメージがあっただろうが…
ガァン!!
「「ぬわぁにっ!?」」
ハンマーで確かに潰せそうな勢いだったが、黒き女神の身に纏うドレスの一部が変化し、ハンマーに対して黒い棘のようなものが出現して受け止める。
「『カウンタードレスニードル』!!」
バギギギィ!!
「「ぎゃああああああああ!?」」
「うぉいうぉい!?あいつらの攻撃が力負けをしたんだが!!」
「くそう!!あんなカウンター攻撃を持っているのか!!下手に接近戦を挑めば、串刺しにされる危険性があるってことかよ!!」
うかつな接近戦を挑めば、あの身に纏うドレスが自動的にカウンターを行うようで、容易く傷をつけることができないようだ。
幸いなことに、機械神のほうは先ほどからミサイルを打ちまくったり攻撃しまくっている部分が見られるが、黒き女神は口数が少なくもあるのか、攻撃に積極的ではないことだろうか。
「ならば遠距離から削るんだ!!」
「タンクバズーカーやガンマン、マジシャンなどの遠距離職業の奴らで攻めろ!!」
「接近戦専門の奴は、そいつらの前に立って防御に努めろ!!遠距離攻撃にももしかしたらカウンターがあるかもしれんから、守ってやるんだぁぁぁ!!」
「…なるほど、そう来たか」
遠距離攻撃に対してのカウンターが来ても、タフさや攻撃力があるやつらで、しのぎ切り、地道にかつ確実に削っていく方針に決めたようである。
無理に攻め込むよりも守りを固めて、攻防共に対応する気なのだろうが…
「うちーかーた、はじめぇぇぇ!!」
合図とともに一斉に魔法や砲弾が撃ちだされ、黒き女神の元へ殺到する。
大量の遠距離攻撃は全てをさばききるのが難しく、カウンターを行ったとしても対応しきれないだろう。
「ならば、広範囲攻撃で少しでも相殺しよう」
そうつぶやき、にやりと口角を上げた黒き女神にプレイヤーたちが嫌な予感を感じ取った次の瞬間、黒き女神の周囲に雷が生じる。
「『フルスパークドーム』!!」
黒き女神を中心にして、爆発するかのように黒い雷が生じ、周囲へ一気に広がった。
すさまじい雷が巻き起こり、飛んで行ったはずの攻撃を次々に撃ち落としつつ、雷がプレイヤーたちへ迫りくる。
「ぎゃあああああああ!!しびしびしびれぇぇぇぇ!!」
「えぐぇぇぇぇぇ!!範囲が意外と狭かったけど、ちょっとかすっただけで『複合状態異常』になったんだが!?」
「気を付けろ!!これ、どういう理屈か毒攻撃も兼ねているぞ!!」
痺れるだけではなく、毒状態も浴びせてくるようだ。
範囲攻撃で強力な状態異常効果がある分、出せる範囲は狭いようだが、それでもうかつに近づけない状態なのは変わりない。
「どうする!!あの雷と毒のドームをどうやって突破して攻撃を届かせるんだ!!」
「穴でもあけない限り、厳しいぞ!!」
「「「「「ならば、我々がその穴をあけてやろう!!」」」」」
「なんだ!?」
「誰だ!!」
「…!!」
攻防一体の厄介な攻撃に悩まされる中、プレイヤーたちの中で響き割った声。
何事かと黒き女神も目を向けたようだが、一瞬だけ彼女の顔が明らかにいやそうな顔になった瞬間を目撃する。
そんな表情をさせるとは、いったい誰がと全員が注目する中、その声の主たちがばっと前に躍り出てきた。
「黒雷爆雷機雷だのなんのその!!真っ赤にいつでも燃え盛る欲望の炎を吹き消すことなんぞ誰にもできまい!!欲望の炎の渦ですべてを焼き尽くそう!!レッドのタローン!!」
「荒ぶる嵐の雷のほうがすさまじい!!いつでもどこでも誰も逃さぬ眼の光から、どんなものも姿を闇へ消すことはできまい!!欲望の心の光で全てを照らし尽くそう!!イエローのミートン!!」
「嵐が何だ毒が何だ雷が何だ!!その全ては水に飲み込まれることを抗うことはできまい!!欲望の湧き水で溺れてしまえ!!ブルーのスッケン!!」
「ぎっくり腰ゆえにグリーンのカックウが不参加故に、緑被りな力も持つから本日代打で参上なのじゃ!!巨大な鋼の神だろうと闇の神だろうとも、叩き潰せばそれで終わり!!グリーン代打アティ!!」
【ブモブモブモ。モモノブモモモウ!!(本日奥さんと子供観客席で見ています。父のその雄姿を子供の目に見せつけようぞ、やる気溢れるマッチョン!!】
「「「「「さぁ、我々と勝負だ黒き女神よ!!『ネオ・欲望戦隊ミセタインジャーα』参上!!」」」」」
【ブモモゥ!!】
びしぃっとポーズを決めた、このオンラインの世界ではいい意味でも悪い意味でも流しれまくっている欲望戦隊の登場に、全員があっけにとられる。
「おいおい、あれってまさか噂のド変態軍団が!!」
「だが、よく見ろ!!なんか女の子が混ざっているんだが!!」
「嘘だろあんな奴らに…いや、そもそもあの変態戦隊に神を倒せるのか!?」
「答えて見せよう、その疑問!!」
「我々がただ、前に出てきたわけではない!!」
「一名、ぎっくり腰で不在ゆえに惜しいが!!」
「戦隊ものにお約束の夢は、ここで果たせるのだ!!」
「まぁ、自分だけしか、呼べぬので、別にそろっていてもそうでなくても関係ないのじゃが…いでよ、緑の巨神兵よ!!」
グリーンの戦隊衣装を着た少女が声を上げると、その目の前にいくつもの複雑な模様を描くような魔法陣が出現し、何かが飛び出してきた。
【ウゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオス!!】
「見よ、この現実時間で3週間ぐらい休ませなければ出せない超・デメリットと引き換えに、活動時間たった3分だけしかないが、すんごい力を持った緑の巨神兵を!!」
「我々が搭乗し、その手足を動かして力をふるうのだ!!」
「名付けて欲望の切り札『フォレストデザイヤーロボ』、略して『フォデボ』!!」
「ここに今、発進せよ!!」
「…うわぁ、なんかすごいの出してきたな」
別方向で戦ってる機械神の登場するロボと同じぐらいの、巨体を誇る巨大ロボ。
かなりのデメリットを持っているようだが、その代償と引き換えにすさまじい力を持っているようであり、こんな欲望集団が持っていていいものなのか疑問を持つが…まぁ、これはこれでおもしろいかもしれない。
「良いだろう、欲望戦隊のフォデボとやらよ。相手をしようか!!」
黒き女神のほうも強敵が出てきたらしいことに少し乗り気になったようで、向きなおした…その時だった。
「あ、その前に流石にそのドレスも強いので、封じさせてもらおう!!」
「え?」
「喰らえぇぇぇ!!全ステータスが現実で3日間オール1になる代わりに、特別な状態異常をかけるスキル『ポポンポンバニー』!!」
ブルーの人がそう叫ぶや否や、少しだけ油断していた黒き女神にビームのようなものを解き放つ。
そのせいで反応に遅れてしまい、黒き女神に直撃し…ボンっと煙が出たかと思えば次の瞬間、その姿は変わっていた。
「え?え、え…ドレスがバニー服になったぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!?」
「「「「いえええええええええええええええええい!!」」」」
「「「「うぉおおおおおおおおおおおおお!!」」」」
驚くべきことに、不変のようにも思われていた黒き女神のドレスが、まさかの外国のカジノとかで見るようなバニー服に強制的に変化してしまった。
その姿を見て参加していたプレイヤーたちや、観客席で見ていた人たちから歓喜の声が一気に上がる。
『おおおっと!!黒き女神が今の攻撃で、状態異常『装備強制変更(バニー)』になってしまったぁ!!この状態異常、戦闘が終了するまで解けない特殊さがあるので、遭遇したら要注意だぁぁ!!』
司会による説明が闘技場内に響き渡るが、それはつまり、このレイドバトルが終わるまでずっとバニー服のままだということ。
突然引き起こされた飛んでもなさすぎる事態に、黒き女神は一瞬顔を真っ赤にして…そしてすんっと、感情をなくしたような表情に切り替わる。
「…ヨシ、モゴウカ」
「「「「「何を!?」」」」
その言葉と切り替わった空気を感じ取って、思わず恐怖で叫ぶプレイヤーたち。
問いかけるもその回答は決まっているようで、明らかにすさまじいまでの怒りを買ったのは目に見えるだろう。
それでも無情に、戦闘はまだまだ続くのである…
―――――
『ポポンポンバニー』
一度使用すると、全ステータスが現実で3日間経過するまで1になる代わりに、確率で対象の装備をバニー服一式に変えてしまう恐るべきスキル。
代償のわりにバニー服に変える以外は相手のステータスに変更はないものの、使いようによっては最凶の効果を発揮することができるだろう。
相手によっては逆に、マイナスステータスになりかねない可能性もあるのだが…使い方はその人次第である。
なお、習得のためには魔界にあるカジノで、どのようなものでもいいのでバニー服を装備して1万回負けると1%の確率で習得できることがあるほど、珍しい様なあって悲しい様なスキルでもある。
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ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
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小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
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