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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-86 改造はしっかりと施されて
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…ミーちゃんの手によって作り変えられた、改造自由牧場惑星『ミルルン』。
地球よりもやや小さめの惑星サイズで、海の面積がない分草原や森などの自然があふれるつくりになっているのが特徴的だろうか。
「そして牧場というだけあって、しっかり牧場の動物たち…いや、モンスターたちの姿も多く見えるのか」
「ふふん、私の牧場はまだまだ色々とあるよ!」
ぼぉぉぉぉっと汽笛を鳴らしながら着陸地点へ向かう列車の窓から身を乗りだして下を見れば、あちこちを様々なモンスターたちが群れを成して生活をしている光景が見えるだろう。
おだやかなというか、のんきな空気が似合うような雰囲気をしており、のどかな田舎の世界の後継にも見えてくる。
「あれ?でもテイムモンスターに今アップデートで上限が追加されたけど、そうなる前から見ても明らかに数が多い様に見えるけどなんで?」
ふと、モンスターたちの数の多さを見て、そんな疑問が浮かんできた。
アルケディア・オンライン内にも普通に家畜は存在しているが、この目下の光景にいるのはどれもこれもモンスターばかり。
テイム条件をクリアできたとしても、明らかに顕現させられる頭数を超えているし、どうなっているのか不思議に思ったのだ。
「からくりは結構簡単だよ。あちこちで分けて、頭になる子で任せているんだよ」
「というと?」
かくかくしかじかとミーちゃんから話を聞くと、どうやらすべてがテイムモンスターというわけではなく、一部はそのまま野生の群れになっているらしい。
どうも彼女のテイムしたモンスターたちがそれぞれの群れの種族の上位的な存在、ボス的な存在と言えるようなものがあるようで、それぞれに区分して取りまとめてもらい、統率してもらうことによって牧場としての形に何とかなっているようだ。
「とはいえ、簡単じゃないからなぁ。うっかり攻撃的な子を倒せばドロップアイテムに成り果てちゃうし、群れの長になりそうなのを連れてきても言うことを聞かなかったり、テイムしてもそう都合よく動かせなかったり…最初のころは、やらかして一晩で全滅させちゃったこともあるんだよね」
「うわぁ…」
【一朝一夕でできるものではないですネ。できていたら、今頃あちこちに牧場が多く存在していることになりマス。主様も、テイムしているものたちを見れば同様のことが行えそうですが、それでも野生の群れを従えるのは難しいでしょウ】
どちらかといえばこのオンラインのシステム的な部分の話になるようで、テイムしたモンスターが仮にどこかの群れの長だとしても、テイムしたことでつながりがちょっと切れるらしい。
そこから群れをまとめ上げようとしても、野生の相手はそうたやすく制御できないようになっており、だからこそ、ここまでの牧場を作り上げたミーちゃんの腕は凄まじいものでもあるようだ。
「それでも、ここまでやるのは大変だったよ。そもそも別の星に居たりするから移動させるための家畜用列車も用意しなきゃいけなかったり、ちょっと環境が合わないだけであっという間にモンスター・パレードとかモンスター・ハザードなどと呼ばれるようなものになりかねなかったり…色々と苦労したね」
ふふふっと笑いつつも、当時の苦労を思い出してか遠い目をするミーちゃん。
こんな牧場を作り上げた目的はわからないところもあるが、それでも作ろうとした情熱を注いだだけあって、苦労も何とか乗り越えてきたようだ。
「特にヤバかったのが、グレイトオガトリスだったかなぁ…オーガっていう人型に近いような鬼のモンスターとコカトリスっていう鶏と蛇の尻尾を持つモンスターが悪魔合体したかのような姿をしたモンスターでね。卵と羽が素晴らしいんだけど、その長を得るためのテイムがきつかったかも…」
「どういうモンスターなのそれ」
【シャゲシャゲェ】
「あ、モンスター図鑑があるからこれで探せば…いや、これ出てくるものが優秀だとしても、よく牧場に加えようと思ったよね!?見た目だけ見れば世紀末の不良じゃん!!」
「あとは池と湖に亀肉とフカヒレのためにテイムしたのもいるけど…こっちは中々出荷しづらいかな?剣山タートルとマッチョシャークマンだったし…」
「前者はまだまともな感じだけど、後者が青タイツのサメの被り物をした変態にしか見えないんだけど」
何を思ってこんなものを牧場で受け入れようと思ったのか、謎過ぎる。
でも、基準としては一応、生産品としては最高級になりやすいものを選び抜いているのは共通のようで、中々のレアモンスターなんかもいるらしい。
とにもかくにも、ゆったりとあちこちを回って案内してもらうためにも、列車が目的地へたどり着いて着陸するまで、大空からあちこちをおおざっぱに確認していくのであった…
「ギャベギャベ!!」
「何あのタコの軍団!!池にみっちみちに詰まっているんだけど!?」
「アレはマンジュパストだよ。密着して熱を放出して生活するモンスターで、タコ足が再生するから適度に取らせてもらっているよ」
「オォォォォン!!」
「骨だけの牛の群れがいるよ!」
「スケルトンカーウだね。スケルトンミルクってのが取れるんだけど、料理しなくても単体だけで防御バフがかかるよ」
「ユッキユキ!!」
「かぼちゃ頭の雪だるまの群れも平然といるんだけど、ちょっと暖かい感じのこの星にいて大丈夫な奴なの?」
「大丈夫大丈夫。あれ、雪じゃなくて綿でできたヒックリワタポンの群れなんだよね。頭に見えるカボチャは実はあれが胴体で、下の雪っぽく見える綿のほうが頭だよ」
…どれもこれも、普通にプレイしていても中々遭遇しにくいレアモンスターが多い様に見える。
というか、これらを取りまとめるようなミーちゃんのテイムモンスターも気になるんだけど…ちょっと知るのが怖いかもなぁ。
地球よりもやや小さめの惑星サイズで、海の面積がない分草原や森などの自然があふれるつくりになっているのが特徴的だろうか。
「そして牧場というだけあって、しっかり牧場の動物たち…いや、モンスターたちの姿も多く見えるのか」
「ふふん、私の牧場はまだまだ色々とあるよ!」
ぼぉぉぉぉっと汽笛を鳴らしながら着陸地点へ向かう列車の窓から身を乗りだして下を見れば、あちこちを様々なモンスターたちが群れを成して生活をしている光景が見えるだろう。
おだやかなというか、のんきな空気が似合うような雰囲気をしており、のどかな田舎の世界の後継にも見えてくる。
「あれ?でもテイムモンスターに今アップデートで上限が追加されたけど、そうなる前から見ても明らかに数が多い様に見えるけどなんで?」
ふと、モンスターたちの数の多さを見て、そんな疑問が浮かんできた。
アルケディア・オンライン内にも普通に家畜は存在しているが、この目下の光景にいるのはどれもこれもモンスターばかり。
テイム条件をクリアできたとしても、明らかに顕現させられる頭数を超えているし、どうなっているのか不思議に思ったのだ。
「からくりは結構簡単だよ。あちこちで分けて、頭になる子で任せているんだよ」
「というと?」
かくかくしかじかとミーちゃんから話を聞くと、どうやらすべてがテイムモンスターというわけではなく、一部はそのまま野生の群れになっているらしい。
どうも彼女のテイムしたモンスターたちがそれぞれの群れの種族の上位的な存在、ボス的な存在と言えるようなものがあるようで、それぞれに区分して取りまとめてもらい、統率してもらうことによって牧場としての形に何とかなっているようだ。
「とはいえ、簡単じゃないからなぁ。うっかり攻撃的な子を倒せばドロップアイテムに成り果てちゃうし、群れの長になりそうなのを連れてきても言うことを聞かなかったり、テイムしてもそう都合よく動かせなかったり…最初のころは、やらかして一晩で全滅させちゃったこともあるんだよね」
「うわぁ…」
【一朝一夕でできるものではないですネ。できていたら、今頃あちこちに牧場が多く存在していることになりマス。主様も、テイムしているものたちを見れば同様のことが行えそうですが、それでも野生の群れを従えるのは難しいでしょウ】
どちらかといえばこのオンラインのシステム的な部分の話になるようで、テイムしたモンスターが仮にどこかの群れの長だとしても、テイムしたことでつながりがちょっと切れるらしい。
そこから群れをまとめ上げようとしても、野生の相手はそうたやすく制御できないようになっており、だからこそ、ここまでの牧場を作り上げたミーちゃんの腕は凄まじいものでもあるようだ。
「それでも、ここまでやるのは大変だったよ。そもそも別の星に居たりするから移動させるための家畜用列車も用意しなきゃいけなかったり、ちょっと環境が合わないだけであっという間にモンスター・パレードとかモンスター・ハザードなどと呼ばれるようなものになりかねなかったり…色々と苦労したね」
ふふふっと笑いつつも、当時の苦労を思い出してか遠い目をするミーちゃん。
こんな牧場を作り上げた目的はわからないところもあるが、それでも作ろうとした情熱を注いだだけあって、苦労も何とか乗り越えてきたようだ。
「特にヤバかったのが、グレイトオガトリスだったかなぁ…オーガっていう人型に近いような鬼のモンスターとコカトリスっていう鶏と蛇の尻尾を持つモンスターが悪魔合体したかのような姿をしたモンスターでね。卵と羽が素晴らしいんだけど、その長を得るためのテイムがきつかったかも…」
「どういうモンスターなのそれ」
【シャゲシャゲェ】
「あ、モンスター図鑑があるからこれで探せば…いや、これ出てくるものが優秀だとしても、よく牧場に加えようと思ったよね!?見た目だけ見れば世紀末の不良じゃん!!」
「あとは池と湖に亀肉とフカヒレのためにテイムしたのもいるけど…こっちは中々出荷しづらいかな?剣山タートルとマッチョシャークマンだったし…」
「前者はまだまともな感じだけど、後者が青タイツのサメの被り物をした変態にしか見えないんだけど」
何を思ってこんなものを牧場で受け入れようと思ったのか、謎過ぎる。
でも、基準としては一応、生産品としては最高級になりやすいものを選び抜いているのは共通のようで、中々のレアモンスターなんかもいるらしい。
とにもかくにも、ゆったりとあちこちを回って案内してもらうためにも、列車が目的地へたどり着いて着陸するまで、大空からあちこちをおおざっぱに確認していくのであった…
「ギャベギャベ!!」
「何あのタコの軍団!!池にみっちみちに詰まっているんだけど!?」
「アレはマンジュパストだよ。密着して熱を放出して生活するモンスターで、タコ足が再生するから適度に取らせてもらっているよ」
「オォォォォン!!」
「骨だけの牛の群れがいるよ!」
「スケルトンカーウだね。スケルトンミルクってのが取れるんだけど、料理しなくても単体だけで防御バフがかかるよ」
「ユッキユキ!!」
「かぼちゃ頭の雪だるまの群れも平然といるんだけど、ちょっと暖かい感じのこの星にいて大丈夫な奴なの?」
「大丈夫大丈夫。あれ、雪じゃなくて綿でできたヒックリワタポンの群れなんだよね。頭に見えるカボチャは実はあれが胴体で、下の雪っぽく見える綿のほうが頭だよ」
…どれもこれも、普通にプレイしていても中々遭遇しにくいレアモンスターが多い様に見える。
というか、これらを取りまとめるようなミーちゃんのテイムモンスターも気になるんだけど…ちょっと知るのが怖いかもなぁ。
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