278 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.1-66 システムは一部除き、停止中だが
しおりを挟む
…アルケディア・オンラインの3日間のメンテナンス。
使用人システムに関しては様々な用途で現実のほうに使用されていところが多いため、こういう時でも稼働できるようになっているらしいが、その他のシステムはほぼ停止しているといっていいだろう。
箱庭からはテイムモンスターの姿は失われ、モンスタードールのほうは実体化がなく、ログインしようとするとしっかり『メンテナンス中です』の表記が出るだけで入ることができない。
「そして今日は、従妹も来る日っと…ロロ、料理できているかな?お昼ごろに到着予定だから、昼食もしっかり用意しておかないとね」
【問題ないデス。海外にいた期間が長いとお聞きしましたので、和食のほうが受けがいいかと思い、既に準備ができているのデス】
びしっと指を立て、自信満々に答えるロロ。
使用人システムは稼働しているので問題なく扱え、こういう時に役に立つ。
いやまぁ、僕自身料理ができないってわけじゃないけどね。一人暮らししているからこそ、ある程度の料理の腕はあるんだよ。でも、ここはよりうまい人のほうが良いだろうと思ったのである。
「さてと、3日間のメンテナンスで暇になるところはあるけど、ミーちゃんが帰ってくるなら話に事欠かなさそうだし、これはこれで楽しみだな」
うちの会社、一応オンラインとの提携会社というのもあってか、このメンテナンスの影響を同時に受けるようで、実は社長のほうから全社員に通達が来ていた。
どうやらメンテナンスついでに、会社内のシステムも色々と一新しようという方針が上層部のほうで決まったらしく、せっかくのメンテナンス期間だからついでにこっちもそのシステム構築も行おうということで、同じ期間で臨時休業となったのだ。
ああ、給料面はどうなるのかと思ったが、会社側の都合でということなので、保証はされるらしく、臨時休業とはいえ通常出勤分の給料の支払いはあるらしい。いい会社だよな、こういうところ。
そのため、休みの間にオンラインが遊べないのは残念なところがあるが…それでも、久しぶりに帰ってくる従妹の方が嬉しいな。
【ところで主様、質問良いでしょうカ?】
「ん?何?」
【主様の従妹のミーちゃんと呼ばれる方ですが…楽しみにされているようですが、親しい仲だったのでしょうカ】
「ああ、そうだよ。といっても、音信不通になる前で、幼い時のほうがより親しかったけどね」
ミーちゃんと呼んでいるが、本名は『花帝ミント』。後半のほうに漢字がないのは、どうやら国際結婚の末に生まれたらしくハーフだからだとか。
彼女は歳が近いのもあったが、とにかく活発で…正直言って、その辺の男子よりもより活発でボーイッシュな少女だったことを覚えている。
おてんばというかなんというか、とにかくあちこち動き回るしやらかそうとするし、苦労した経験も思い出してしまうだろう。
特にあの近所にかつていた狂犬ボルシチとの死闘や、ガキ大将への下剋上、迷惑不審者への的確な金的ねずみ花火爆破事件…うん、本当に女の子なのかなと疑いたくなったほどである。
それでも割とどうにかなったし、従妹とはいえ親友のように親しかったのだが…年を経るにつれて交流の機会はだんだん失われちゃって、気が付いたら数年前ぐらいから音信不通になったのだ。
その不通になったタイミングの前後で、伯母さんの世界各国巡りに付いていったのだろうが…それでも、久しぶりに会うのは楽しみだ。
「まぁ、話す機会が減ったとはいえミーちゃんは結構活発な子だしね。学校は残念ながら別々になっていたけど、中学時代にちょっと道場破りして荒れていた時期もあったらしいけど、その時期も過ぎてバスケにバレー、水泳、陸上とかそのほか運動系の部活の助っ人として動いていたりしたらしいし、バレンタインだと作る側になりそうなのにもらう側で…あの時は、食べきれないからって大量のチョコを押し付けられたんだっけか…やめて、チョコやめて、あの山はやめて…」
【…なんか変なトラウマ入ってませんカ?】
だいぶ精神的に成長しているから今は大丈夫なのだが、当時はチョコを見て逃げたりしたっけか…なんでトラック4台分ほどの山ができたりしたのだろうか。絶対に大金持ちの人か相当気合の入った人がやらかしたに違いない。
そんなことはさておき、もうそろそろ時間だろう。
さてさて、久しぶりに会うミーちゃんはどうなっているのか、これはこれで楽しみだ。
「早く来ないかな、ミーちゃん…」
TVを付け、ニュースを見ながら時間を潰す。
仲の良かった従妹を待つ楽しみにあふれていた…その時だった。
『臨時ニュースです!!本日未明、国際空港でハイジャックが発生しました!!人質が取られており、こちらから確認することができます!!見てください、厳重に手足を縛られた人質の姿が確認できて…』
「ありゃ、なんか物騒なニュース…ん?」
こんな楽しみがある日に、入ってきてほしくないような物騒なニュース。
何も関係のない立場だったら一般の人々のように、怖いなぁというような感想ぐらいしかなかっただろうが…その人質の映し出された映像の中に、だいぶ成長していたとはいえ、見覚えのある姿を目にした。
【どうされましたか、主様?】
「今、人質の映像の中に何か見覚えのある姿があったような」
…えっと、気のせいじゃなければ今、ミーちゃんの姿が人質の中にいなかっただろうか?
使用人システムに関しては様々な用途で現実のほうに使用されていところが多いため、こういう時でも稼働できるようになっているらしいが、その他のシステムはほぼ停止しているといっていいだろう。
箱庭からはテイムモンスターの姿は失われ、モンスタードールのほうは実体化がなく、ログインしようとするとしっかり『メンテナンス中です』の表記が出るだけで入ることができない。
「そして今日は、従妹も来る日っと…ロロ、料理できているかな?お昼ごろに到着予定だから、昼食もしっかり用意しておかないとね」
【問題ないデス。海外にいた期間が長いとお聞きしましたので、和食のほうが受けがいいかと思い、既に準備ができているのデス】
びしっと指を立て、自信満々に答えるロロ。
使用人システムは稼働しているので問題なく扱え、こういう時に役に立つ。
いやまぁ、僕自身料理ができないってわけじゃないけどね。一人暮らししているからこそ、ある程度の料理の腕はあるんだよ。でも、ここはよりうまい人のほうが良いだろうと思ったのである。
「さてと、3日間のメンテナンスで暇になるところはあるけど、ミーちゃんが帰ってくるなら話に事欠かなさそうだし、これはこれで楽しみだな」
うちの会社、一応オンラインとの提携会社というのもあってか、このメンテナンスの影響を同時に受けるようで、実は社長のほうから全社員に通達が来ていた。
どうやらメンテナンスついでに、会社内のシステムも色々と一新しようという方針が上層部のほうで決まったらしく、せっかくのメンテナンス期間だからついでにこっちもそのシステム構築も行おうということで、同じ期間で臨時休業となったのだ。
ああ、給料面はどうなるのかと思ったが、会社側の都合でということなので、保証はされるらしく、臨時休業とはいえ通常出勤分の給料の支払いはあるらしい。いい会社だよな、こういうところ。
そのため、休みの間にオンラインが遊べないのは残念なところがあるが…それでも、久しぶりに帰ってくる従妹の方が嬉しいな。
【ところで主様、質問良いでしょうカ?】
「ん?何?」
【主様の従妹のミーちゃんと呼ばれる方ですが…楽しみにされているようですが、親しい仲だったのでしょうカ】
「ああ、そうだよ。といっても、音信不通になる前で、幼い時のほうがより親しかったけどね」
ミーちゃんと呼んでいるが、本名は『花帝ミント』。後半のほうに漢字がないのは、どうやら国際結婚の末に生まれたらしくハーフだからだとか。
彼女は歳が近いのもあったが、とにかく活発で…正直言って、その辺の男子よりもより活発でボーイッシュな少女だったことを覚えている。
おてんばというかなんというか、とにかくあちこち動き回るしやらかそうとするし、苦労した経験も思い出してしまうだろう。
特にあの近所にかつていた狂犬ボルシチとの死闘や、ガキ大将への下剋上、迷惑不審者への的確な金的ねずみ花火爆破事件…うん、本当に女の子なのかなと疑いたくなったほどである。
それでも割とどうにかなったし、従妹とはいえ親友のように親しかったのだが…年を経るにつれて交流の機会はだんだん失われちゃって、気が付いたら数年前ぐらいから音信不通になったのだ。
その不通になったタイミングの前後で、伯母さんの世界各国巡りに付いていったのだろうが…それでも、久しぶりに会うのは楽しみだ。
「まぁ、話す機会が減ったとはいえミーちゃんは結構活発な子だしね。学校は残念ながら別々になっていたけど、中学時代にちょっと道場破りして荒れていた時期もあったらしいけど、その時期も過ぎてバスケにバレー、水泳、陸上とかそのほか運動系の部活の助っ人として動いていたりしたらしいし、バレンタインだと作る側になりそうなのにもらう側で…あの時は、食べきれないからって大量のチョコを押し付けられたんだっけか…やめて、チョコやめて、あの山はやめて…」
【…なんか変なトラウマ入ってませんカ?】
だいぶ精神的に成長しているから今は大丈夫なのだが、当時はチョコを見て逃げたりしたっけか…なんでトラック4台分ほどの山ができたりしたのだろうか。絶対に大金持ちの人か相当気合の入った人がやらかしたに違いない。
そんなことはさておき、もうそろそろ時間だろう。
さてさて、久しぶりに会うミーちゃんはどうなっているのか、これはこれで楽しみだ。
「早く来ないかな、ミーちゃん…」
TVを付け、ニュースを見ながら時間を潰す。
仲の良かった従妹を待つ楽しみにあふれていた…その時だった。
『臨時ニュースです!!本日未明、国際空港でハイジャックが発生しました!!人質が取られており、こちらから確認することができます!!見てください、厳重に手足を縛られた人質の姿が確認できて…』
「ありゃ、なんか物騒なニュース…ん?」
こんな楽しみがある日に、入ってきてほしくないような物騒なニュース。
何も関係のない立場だったら一般の人々のように、怖いなぁというような感想ぐらいしかなかっただろうが…その人質の映し出された映像の中に、だいぶ成長していたとはいえ、見覚えのある姿を目にした。
【どうされましたか、主様?】
「今、人質の映像の中に何か見覚えのある姿があったような」
…えっと、気のせいじゃなければ今、ミーちゃんの姿が人質の中にいなかっただろうか?
11
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる