272 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.1-61 こういう時に、人手もありつつ
しおりを挟む
…超強力爆音殺虫剤『ムシコロリ』は、今回の侵略者イベントに非常に効果的だった。
相手がポイズンワーム星人という宇宙人だとしても、カテゴリーとしては虫にしっかり入っていたようで、殺虫剤は効果が抜群だったらしい。
だが、使用するたびに爆音が鳴るので、やり過ぎたら相手もばかではないので警戒される可能性あり、たやすく殺虫討伐ができなくなってくるかなと思われたが…そこは、別の工夫を混ぜることによって、補うことができていた。
ブシュウウウウウウウ!!
【ジュベェェェ!!】
【ジュルベェェェ!!】
「RMPのスキルで、マリーの毒の力を借りて、あっちこっちに一緒に毒の霧を巻いているけど、これが良い撒き餌になるね」
【シャゲシャゲェ】
爆発させて焼却処分を狙ったが、まさかの毒を食べる相手には効果を発揮できなかった毒の霧。
だが、攻撃に使用する方向性はダメでも、相手をおびき寄せる餌としては上質なものだったようで、あちこちで引っ掛かりまくっている様子がある割には、ほぼすべてのワームが食らいつきまくっている様子がうかがえるだろう。
「そしてそんなところを!!」
「これを投げてほいっと!!」
ドカァァァアン!!
おびき寄せられたところには、ちょっとした地雷仕掛けのムシコロリが用意されており、集まってきたその重みで起爆し、中身の殺虫剤をぶちまけるようになっている。
毒の霧でいいカモフラージュにもなっており、次々にかかっていくので、中々楽に討伐ができているだろう。
「でも、倒すたびにドロップアイテムもたまっていくけど…討伐率がそろそろ60%超えるか。結構な数をやってきたけど。80%あたりが怖いなぁ」
そう、こんなに楽に討伐で来ていても、今回生じている緊急クエストは最後のほうで仕掛けがある。
80%の討伐を切った時点でレイドボスが出現するのだが…そのボス相手に、こんな楽な討伐方法が使えるとは限らないのだ。
「そもそも何が出るんだろうか、このレイドボス」
「うーん、やっぱりボスだけあって、あのポイズンワーム星人の親玉とか?」
「それだとちょっと、単純すぎるのよねぇ。あいてが侵略性の宇宙人だから討伐しているけれども、このゲーム、そんな単純な相手を出すのかしら?」
「「いやいや、そんなことはしないとは思う…たぶん?」」
妹と声が重なったが、ここの運営がどういうものを用意しているのか予想しづらい。
単純にあのワームたちのボスとしてキングとかクイーンとかの名がつくようなものならばまだわかりやすいが、そんなものがレイドボスに出てくるだろうか?
レイドボス扱いになるようなものだと、もっとこう強大なものが多くて、単純な唇シンプル毒虫なやつらが大きくなっただけのようなものが出てくることはないとは思う。
それに、一応僕はレイドボス経験あるしなぁ…討伐側じゃなくて、やる側で。
それを考えると、案外どこかで虫マニアなプレイヤーがボスとして出てきてもおかしくはないだろう。案外、いつぞやかネアの件で知り合ったハクロさんとかあたりがボスとして出てきてもおかしくはないのかもしれない。
そんなことも考えつつも、あちこちで殺虫討伐作業をしていく中…ふと、あるプレイヤーたちを見かけた。
「うぉぉわぁぁぁぁぁぁぁ!!やめろやめろ!!」
「ぎゃああああああ!!毒虫のリップがぁぁぁぁぁ!!」
【プモワォォォォォォ!!】
…気のせいかな、なんか物凄く聞き覚えのある悲鳴なような。
そう思いつつ、一応関係のない何の変哲もなさそうな無害な一般プレイヤーが襲われているのかもしれないという望みをかけつつ、声のした方向を見れば…盛大にやらかしている者たちを見つけた。
(うわぁ、やっぱりというかなんというか…欲望戦隊か)
声には出さず、心の中でそうつぶやく。
声が似ているだけの赤の他人と思いたかったが、その期待は裏切られたようだ。
既に多くのプレイヤーにもその名は悪名の方向性で広がっているようだ、欲望戦隊。
最近数がちょっと増えたりしたが…本日は少数精鋭のようで、いつものメンツではないことがうかがえた。
「あ!!あそこにいるのはハルさんじゃ!!」
「ちょうどよかった、助けてくれぇぇぇ!!」
「…気が付かれたくなかったなぁ、こんな時に」
黄色と赤の戦隊衣装を着たミートンさんとタローンさん…あとは苦労人オークのマッチョン…ん?
「あれ?違う?」
あの欲望戦隊、マッチョンというなぜそこに入ってしまったのかと物凄く問いたくなるような苦労人でありつつも常識人かつ有能なテイムモンスターがいたはずである。
だが、そこで豚の鳴き声を上げているモンスターはマッチョンではない。
見た感じ、羽の生えた小さな子豚を彼らは抱えており、その後方からは何をどうしたのかめっちゃお怒りの様子のポイズンワームたちが迫ってきていた。
いつものメンツはどうしたのか、何をしでかしてこんなことになっているのか、マッチョンじゃないやつをテイムしたのか色々と気になるところがあるだろう。
「うーん、トーカ、母さん。彼ら助けていいかな?」
「あれ、確か欲望五人衆にいたような…でも、困っているならそうしたほうが良いのかも?」
「あの人たちよりも、抱えている子豚のほうを優先して助けたほうが良いような、そんな感じに勘が働く気もするわねぇ」
間違ってもない、正しい勘だとは思う。
ただ、それでもセットになっている様子であれば救助したほうが良いということで、僕らはすぐにいつもよりも人数がいない欲望戦隊たちの元へ、救援の手を差し伸べるのであった…
相手がポイズンワーム星人という宇宙人だとしても、カテゴリーとしては虫にしっかり入っていたようで、殺虫剤は効果が抜群だったらしい。
だが、使用するたびに爆音が鳴るので、やり過ぎたら相手もばかではないので警戒される可能性あり、たやすく殺虫討伐ができなくなってくるかなと思われたが…そこは、別の工夫を混ぜることによって、補うことができていた。
ブシュウウウウウウウ!!
【ジュベェェェ!!】
【ジュルベェェェ!!】
「RMPのスキルで、マリーの毒の力を借りて、あっちこっちに一緒に毒の霧を巻いているけど、これが良い撒き餌になるね」
【シャゲシャゲェ】
爆発させて焼却処分を狙ったが、まさかの毒を食べる相手には効果を発揮できなかった毒の霧。
だが、攻撃に使用する方向性はダメでも、相手をおびき寄せる餌としては上質なものだったようで、あちこちで引っ掛かりまくっている様子がある割には、ほぼすべてのワームが食らいつきまくっている様子がうかがえるだろう。
「そしてそんなところを!!」
「これを投げてほいっと!!」
ドカァァァアン!!
おびき寄せられたところには、ちょっとした地雷仕掛けのムシコロリが用意されており、集まってきたその重みで起爆し、中身の殺虫剤をぶちまけるようになっている。
毒の霧でいいカモフラージュにもなっており、次々にかかっていくので、中々楽に討伐ができているだろう。
「でも、倒すたびにドロップアイテムもたまっていくけど…討伐率がそろそろ60%超えるか。結構な数をやってきたけど。80%あたりが怖いなぁ」
そう、こんなに楽に討伐で来ていても、今回生じている緊急クエストは最後のほうで仕掛けがある。
80%の討伐を切った時点でレイドボスが出現するのだが…そのボス相手に、こんな楽な討伐方法が使えるとは限らないのだ。
「そもそも何が出るんだろうか、このレイドボス」
「うーん、やっぱりボスだけあって、あのポイズンワーム星人の親玉とか?」
「それだとちょっと、単純すぎるのよねぇ。あいてが侵略性の宇宙人だから討伐しているけれども、このゲーム、そんな単純な相手を出すのかしら?」
「「いやいや、そんなことはしないとは思う…たぶん?」」
妹と声が重なったが、ここの運営がどういうものを用意しているのか予想しづらい。
単純にあのワームたちのボスとしてキングとかクイーンとかの名がつくようなものならばまだわかりやすいが、そんなものがレイドボスに出てくるだろうか?
レイドボス扱いになるようなものだと、もっとこう強大なものが多くて、単純な唇シンプル毒虫なやつらが大きくなっただけのようなものが出てくることはないとは思う。
それに、一応僕はレイドボス経験あるしなぁ…討伐側じゃなくて、やる側で。
それを考えると、案外どこかで虫マニアなプレイヤーがボスとして出てきてもおかしくはないだろう。案外、いつぞやかネアの件で知り合ったハクロさんとかあたりがボスとして出てきてもおかしくはないのかもしれない。
そんなことも考えつつも、あちこちで殺虫討伐作業をしていく中…ふと、あるプレイヤーたちを見かけた。
「うぉぉわぁぁぁぁぁぁぁ!!やめろやめろ!!」
「ぎゃああああああ!!毒虫のリップがぁぁぁぁぁ!!」
【プモワォォォォォォ!!】
…気のせいかな、なんか物凄く聞き覚えのある悲鳴なような。
そう思いつつ、一応関係のない何の変哲もなさそうな無害な一般プレイヤーが襲われているのかもしれないという望みをかけつつ、声のした方向を見れば…盛大にやらかしている者たちを見つけた。
(うわぁ、やっぱりというかなんというか…欲望戦隊か)
声には出さず、心の中でそうつぶやく。
声が似ているだけの赤の他人と思いたかったが、その期待は裏切られたようだ。
既に多くのプレイヤーにもその名は悪名の方向性で広がっているようだ、欲望戦隊。
最近数がちょっと増えたりしたが…本日は少数精鋭のようで、いつものメンツではないことがうかがえた。
「あ!!あそこにいるのはハルさんじゃ!!」
「ちょうどよかった、助けてくれぇぇぇ!!」
「…気が付かれたくなかったなぁ、こんな時に」
黄色と赤の戦隊衣装を着たミートンさんとタローンさん…あとは苦労人オークのマッチョン…ん?
「あれ?違う?」
あの欲望戦隊、マッチョンというなぜそこに入ってしまったのかと物凄く問いたくなるような苦労人でありつつも常識人かつ有能なテイムモンスターがいたはずである。
だが、そこで豚の鳴き声を上げているモンスターはマッチョンではない。
見た感じ、羽の生えた小さな子豚を彼らは抱えており、その後方からは何をどうしたのかめっちゃお怒りの様子のポイズンワームたちが迫ってきていた。
いつものメンツはどうしたのか、何をしでかしてこんなことになっているのか、マッチョンじゃないやつをテイムしたのか色々と気になるところがあるだろう。
「うーん、トーカ、母さん。彼ら助けていいかな?」
「あれ、確か欲望五人衆にいたような…でも、困っているならそうしたほうが良いのかも?」
「あの人たちよりも、抱えている子豚のほうを優先して助けたほうが良いような、そんな感じに勘が働く気もするわねぇ」
間違ってもない、正しい勘だとは思う。
ただ、それでもセットになっている様子であれば救助したほうが良いということで、僕らはすぐにいつもよりも人数がいない欲望戦隊たちの元へ、救援の手を差し伸べるのであった…
11
お気に入りに追加
2,033
あなたにおすすめの小説
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる