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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.1-60 カオスはどこにでもやってくる
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緊急クエストとして出てきた「異星人の花侵略作戦」。
ポイズンワーム星人とやらが侵略しているが、宇宙フィールドが解放されて以来、初めてそんな侵略性の宇宙人の発生を体験した気がする。
「というか、名前から嫌な感じがしていたが…思った以上にわかりやすい見た目じゃん」
「リアル過ぎたら、流石に誰もやりづらいとか?」
「でもその割には、極限までリアルさを追求した類も出たりするのよねぇ。筋肉にものを言わせて潰していたあの人には問題なかったけれどね」
目の前でうごめくポイズンワーム星人の姿を見て、僕らはそうつぶやく。
名前から連想するとそのまま毒虫…ムカデなどのような姿を想像していたのだが、まったく違ったようだ。
いつぞやか巨大な虫が出る森に行ったこともあったが、アレに負けず劣らずの牛みたいなサイズの虫の姿の宇宙人がいるのだが…なんというか、こうニャ〇キとかはら〇こむしのような感じの、シンプルな丸い頭とグネグネと動くだけのシンプルな棒のついたような姿をしていた。
極限まで無駄をなくした、動きだけは虫っぽい手足をもがれた棒人間といえばわかりやすいだろうか?いや、それはそれで微妙だが…そうとしか言いようがない、絵で描くならかなり楽そうな感じだ。
だが、そのシンプル過ぎる手抜き感あふれる見た目のむしながらも、やっていることは中々えげつないだろう。
目はゴマ粒のように小さいのに、巨大な頭に見合った巨大なたらこ唇…周囲一帯にキスをしているようだが、そのキスマークがついたところかじわりじわりと変色していき、腐っていく様子が見て取れた。
「…ある意味毒虫といえば毒虫か。やりかたが巨大なたらこ唇でキスして周囲を腐らせるってのはどうなのかと思うが」
「もっとこう、毒液とか毒針とか飛ばすイメージだったんだけど…」
毒を出す虫の攻撃手段といえば、普通は牙とか針とか毛などが想像できただろう。
でも、どこの誰が巨大なキス毒をまき散らす虫を想像できたのだろうか?というか、誰が考えてデザインしたんだろうかあの謎キモ生命体キス魔もどき芋虫…あれはあれで悪夢に出てきそうではある。
「あ、第三次宇宙人図鑑に載っていたよ」
「本当か、トーカ?」
「うん」
巷で時たま販売されているという、アルケディア・オンライン内で出現する宇宙人に関しての図鑑があるらしく、それをどうやらトーカは購入していたらしい。
第三次とあるがちょっとだけ古い情報で、今は第五次まで更新されているらしいが、それでも情報があるのはありがたい。
中身を見せてもらうと、そこには確かにあの宇宙人に関しての図鑑説明が載せられていた。
―――――
『ポイズンワーム星人』
侵略性を持つ巨大な虫の宇宙人。
唇に見える部分は実は皮膚が異様に硬く盛り上がってできただけで、本当の口は細い体のお尻側のほうに存在している。
毒唇と呼ばれる感覚器でもあり、清浄な空気を嫌い、周囲一帯を腐り果てたものへ変えることに喜びを見出しており、常にきれいな星を汚そうと企んでいる。
友好性は存在せず、見かけたら討伐が積極的に推奨がされているが、繁殖力が強くて中々駆逐されない厄介な毒虫として知られている。
―――――
宇宙人とはいえ、侵略性が強く意思疎通もほぼできないような、虫というか蟲の文字のほうが合いそうな類なようで、モンスター扱いにしても問題はないらしい。
しかもあれで立派な成虫らしく、綺麗な蝶やまだましな蛾とかにもなることない、一生巨大たらこ唇芋虫…彼らに救いはないようだ。
「なお、弱点はわかりやすく火属性の攻撃…防御力が高いから、物理的なのはちょっと厳しいけれども、魔法とかの類ならいけるって」
「虫タイプに炎タイプが抜群なのはどこも一緒というべきか…」
【ピキィ?】
「あ、いやネアはそんなことはないんだっけか」
ブラックフェアリークイーンなネアも、もとをただせばプチワームという小さな虫のモンスターだったはずだが、何をどう間違えて妖精女王の座に着いちゃったせいなのか、実は火の耐性をいつの間にか獲得していたりする。
そのため炎に強い虫…うーん違うか。妖精のほうになったのであれば、虫のカテゴリから外れている可能性もあるならば、正しくはないのだろうか。
でも、きちんと妖精糸なんかも出せていたりするし…、虫要素が消失してはいないのだろう。
それはさておき、抜群な攻撃手段に関して知ることができたのは幸いだろう。
さらに言えば、ここにはより有効的にやれるメンツがそろっている。
「マリー、ルト、アリス。頼むよ」
【シャゲェ!!】
【ギャベェイ!!】
【オォォン!!】
マリーの可燃性のある毒の霧で包み込んで、ルトとアリスの電撃と炎で着火して大爆発を発生させる手段が取れるのは良い…と思っていたが、現実は甘くはなかった。
【ジュルルルベェェェン!!】
【ジュベバァァァァァァ!!】
【シャシャゲェ!?】
「…あー、毒の霧はダメか、吸って食べちゃうのか」
着火前に、大量に引き寄せられて一斉に吸って無意味にされてしまった。
毒の攻撃ができていたが、どうやら毒自体もこいつらの好物だったようで、引き寄せる程度に叱らないようだ。
なのでここはおとなしく、アリスの火炎放射だけでやっていけばいいかと思ったが、そこで母さんが不敵な笑みを見せた。
「ふっふっふっふ…この手が使えないなら、私がやればいいわね」
「え、何か手段があるの?」
「お母さん、エクスプロージョンとかそんな大爆発の魔法を使える魔法使いだったりするの?」
「いえ、そんなの持ってないわ。あの人なら筋肉大爆発とかいう技で大炎上させられるけど、そんな好都合な周囲一帯炎に包むようなものはないのよね」
「なら、どうするの?」
「簡単なことよ…ここは、これを使えばいいのよ!!」
そう言いながら母さんが自信満々に取り出したのは、何の変哲もなさそうな酒瓶。
中身があるようだが、そんなものでどうするのか?
「火炎瓶とかじゃないよね?見た感じ、普通のお酒っぽいアイテムなんだけどなんだけど」
「ただのお酒とかじゃないわ。これはね、お母さんの友人が錬金術師の職業で作ってくれた、特殊な殺虫剤よ」
「殺虫剤か…」
相手が虫ならば確かに効果があるかもしれないが、一応宇宙人。
そんなものに対して効果は抜群なのか、ちょっと疑わしくもある。
「大丈夫、作ってくれた友人を信じなさい。あの人、ちょっと現実のほうだとやばいところがあるけど、腕は確かなのよねぇ。だからこそ、これを食らいなさい虫ども!!」
魔法少女のコスチュームを着ているが、魔法に頼らずに綺麗なフォームで全力投球を行う母さん。
その手に持っていた殺虫剤入りの瓶は宙を舞い、毒虫たちの中央に着弾したその瞬間…
ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!
瓶が割れる音をするよりも早く、大爆発が起きた。
一瞬中身はニトログリセリンとかだったのではないかと思ったが、爆風はない。
どうやら爆発音だけがすさまじいだけのものだったようで、着弾地点からすさまじい量の煙が噴き出し、虫たちを覆いつくす。
そう長くは煙はとどまらず、ほんの十数秒程度だけだったはずだが…煙が晴れたときには、虫たちは全員ドロップアイテムを落として消失したのであった。
「…うわぁ、全滅している」
「どう、お母さんのお友達が作った現実でも調合できるというお手軽殺虫剤『ムシコロリ』は。強力だけど、なぜか派手な爆発音を立てるのが欠点で、世の中に出回ることはなかった悲しい発明品らしいけれども十分有効だったでしょ」
…確かに、使用するたびに派手な爆発音がする殺虫剤って売れなさそう。
効果は抜群で虫以外の動植物には害を及ば差ない安全性の高い薬品らしいが、なぜかちょっとした衝撃でとんでもない爆音が出るせいで、市場に出回ることはなかったらしい。
そんなとんでもない代物に驚愕しつつも、虫退治を進めるのであった…
「ちなみにそのお友達、他にも何か作っていたりするの?」
「実用はあるけど使用するには問題しかないものばかりの人なのよねぇ。毛生え薬だけど原始人みたいになるとか、きれいに洗えるけど食器が全部黄土色に変色する洗剤や、ビームを出せるようになるけど目や腕じゃなくて何故かへそからでるとか…微妙なのばかりのものしか作ってないわね」
…やることはすごいけどデメリットも微妙さがすごい発明家かな?
ポイズンワーム星人とやらが侵略しているが、宇宙フィールドが解放されて以来、初めてそんな侵略性の宇宙人の発生を体験した気がする。
「というか、名前から嫌な感じがしていたが…思った以上にわかりやすい見た目じゃん」
「リアル過ぎたら、流石に誰もやりづらいとか?」
「でもその割には、極限までリアルさを追求した類も出たりするのよねぇ。筋肉にものを言わせて潰していたあの人には問題なかったけれどね」
目の前でうごめくポイズンワーム星人の姿を見て、僕らはそうつぶやく。
名前から連想するとそのまま毒虫…ムカデなどのような姿を想像していたのだが、まったく違ったようだ。
いつぞやか巨大な虫が出る森に行ったこともあったが、アレに負けず劣らずの牛みたいなサイズの虫の姿の宇宙人がいるのだが…なんというか、こうニャ〇キとかはら〇こむしのような感じの、シンプルな丸い頭とグネグネと動くだけのシンプルな棒のついたような姿をしていた。
極限まで無駄をなくした、動きだけは虫っぽい手足をもがれた棒人間といえばわかりやすいだろうか?いや、それはそれで微妙だが…そうとしか言いようがない、絵で描くならかなり楽そうな感じだ。
だが、そのシンプル過ぎる手抜き感あふれる見た目のむしながらも、やっていることは中々えげつないだろう。
目はゴマ粒のように小さいのに、巨大な頭に見合った巨大なたらこ唇…周囲一帯にキスをしているようだが、そのキスマークがついたところかじわりじわりと変色していき、腐っていく様子が見て取れた。
「…ある意味毒虫といえば毒虫か。やりかたが巨大なたらこ唇でキスして周囲を腐らせるってのはどうなのかと思うが」
「もっとこう、毒液とか毒針とか飛ばすイメージだったんだけど…」
毒を出す虫の攻撃手段といえば、普通は牙とか針とか毛などが想像できただろう。
でも、どこの誰が巨大なキス毒をまき散らす虫を想像できたのだろうか?というか、誰が考えてデザインしたんだろうかあの謎キモ生命体キス魔もどき芋虫…あれはあれで悪夢に出てきそうではある。
「あ、第三次宇宙人図鑑に載っていたよ」
「本当か、トーカ?」
「うん」
巷で時たま販売されているという、アルケディア・オンライン内で出現する宇宙人に関しての図鑑があるらしく、それをどうやらトーカは購入していたらしい。
第三次とあるがちょっとだけ古い情報で、今は第五次まで更新されているらしいが、それでも情報があるのはありがたい。
中身を見せてもらうと、そこには確かにあの宇宙人に関しての図鑑説明が載せられていた。
―――――
『ポイズンワーム星人』
侵略性を持つ巨大な虫の宇宙人。
唇に見える部分は実は皮膚が異様に硬く盛り上がってできただけで、本当の口は細い体のお尻側のほうに存在している。
毒唇と呼ばれる感覚器でもあり、清浄な空気を嫌い、周囲一帯を腐り果てたものへ変えることに喜びを見出しており、常にきれいな星を汚そうと企んでいる。
友好性は存在せず、見かけたら討伐が積極的に推奨がされているが、繁殖力が強くて中々駆逐されない厄介な毒虫として知られている。
―――――
宇宙人とはいえ、侵略性が強く意思疎通もほぼできないような、虫というか蟲の文字のほうが合いそうな類なようで、モンスター扱いにしても問題はないらしい。
しかもあれで立派な成虫らしく、綺麗な蝶やまだましな蛾とかにもなることない、一生巨大たらこ唇芋虫…彼らに救いはないようだ。
「なお、弱点はわかりやすく火属性の攻撃…防御力が高いから、物理的なのはちょっと厳しいけれども、魔法とかの類ならいけるって」
「虫タイプに炎タイプが抜群なのはどこも一緒というべきか…」
【ピキィ?】
「あ、いやネアはそんなことはないんだっけか」
ブラックフェアリークイーンなネアも、もとをただせばプチワームという小さな虫のモンスターだったはずだが、何をどう間違えて妖精女王の座に着いちゃったせいなのか、実は火の耐性をいつの間にか獲得していたりする。
そのため炎に強い虫…うーん違うか。妖精のほうになったのであれば、虫のカテゴリから外れている可能性もあるならば、正しくはないのだろうか。
でも、きちんと妖精糸なんかも出せていたりするし…、虫要素が消失してはいないのだろう。
それはさておき、抜群な攻撃手段に関して知ることができたのは幸いだろう。
さらに言えば、ここにはより有効的にやれるメンツがそろっている。
「マリー、ルト、アリス。頼むよ」
【シャゲェ!!】
【ギャベェイ!!】
【オォォン!!】
マリーの可燃性のある毒の霧で包み込んで、ルトとアリスの電撃と炎で着火して大爆発を発生させる手段が取れるのは良い…と思っていたが、現実は甘くはなかった。
【ジュルルルベェェェン!!】
【ジュベバァァァァァァ!!】
【シャシャゲェ!?】
「…あー、毒の霧はダメか、吸って食べちゃうのか」
着火前に、大量に引き寄せられて一斉に吸って無意味にされてしまった。
毒の攻撃ができていたが、どうやら毒自体もこいつらの好物だったようで、引き寄せる程度に叱らないようだ。
なのでここはおとなしく、アリスの火炎放射だけでやっていけばいいかと思ったが、そこで母さんが不敵な笑みを見せた。
「ふっふっふっふ…この手が使えないなら、私がやればいいわね」
「え、何か手段があるの?」
「お母さん、エクスプロージョンとかそんな大爆発の魔法を使える魔法使いだったりするの?」
「いえ、そんなの持ってないわ。あの人なら筋肉大爆発とかいう技で大炎上させられるけど、そんな好都合な周囲一帯炎に包むようなものはないのよね」
「なら、どうするの?」
「簡単なことよ…ここは、これを使えばいいのよ!!」
そう言いながら母さんが自信満々に取り出したのは、何の変哲もなさそうな酒瓶。
中身があるようだが、そんなものでどうするのか?
「火炎瓶とかじゃないよね?見た感じ、普通のお酒っぽいアイテムなんだけどなんだけど」
「ただのお酒とかじゃないわ。これはね、お母さんの友人が錬金術師の職業で作ってくれた、特殊な殺虫剤よ」
「殺虫剤か…」
相手が虫ならば確かに効果があるかもしれないが、一応宇宙人。
そんなものに対して効果は抜群なのか、ちょっと疑わしくもある。
「大丈夫、作ってくれた友人を信じなさい。あの人、ちょっと現実のほうだとやばいところがあるけど、腕は確かなのよねぇ。だからこそ、これを食らいなさい虫ども!!」
魔法少女のコスチュームを着ているが、魔法に頼らずに綺麗なフォームで全力投球を行う母さん。
その手に持っていた殺虫剤入りの瓶は宙を舞い、毒虫たちの中央に着弾したその瞬間…
ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!
瓶が割れる音をするよりも早く、大爆発が起きた。
一瞬中身はニトログリセリンとかだったのではないかと思ったが、爆風はない。
どうやら爆発音だけがすさまじいだけのものだったようで、着弾地点からすさまじい量の煙が噴き出し、虫たちを覆いつくす。
そう長くは煙はとどまらず、ほんの十数秒程度だけだったはずだが…煙が晴れたときには、虫たちは全員ドロップアイテムを落として消失したのであった。
「…うわぁ、全滅している」
「どう、お母さんのお友達が作った現実でも調合できるというお手軽殺虫剤『ムシコロリ』は。強力だけど、なぜか派手な爆発音を立てるのが欠点で、世の中に出回ることはなかった悲しい発明品らしいけれども十分有効だったでしょ」
…確かに、使用するたびに派手な爆発音がする殺虫剤って売れなさそう。
効果は抜群で虫以外の動植物には害を及ば差ない安全性の高い薬品らしいが、なぜかちょっとした衝撃でとんでもない爆音が出るせいで、市場に出回ることはなかったらしい。
そんなとんでもない代物に驚愕しつつも、虫退治を進めるのであった…
「ちなみにそのお友達、他にも何か作っていたりするの?」
「実用はあるけど使用するには問題しかないものばかりの人なのよねぇ。毛生え薬だけど原始人みたいになるとか、きれいに洗えるけど食器が全部黄土色に変色する洗剤や、ビームを出せるようになるけど目や腕じゃなくて何故かへそからでるとか…微妙なのばかりのものしか作ってないわね」
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