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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.0-43 相手も一応、備えはあった
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ハッキングを仕掛けてきた相手へ行っている今回のイベントだが、何もすべてが順調にいくわけではない。
流石にここまでの大人数を投入してしまえば、多少は派手になるところもあり…ゆえに、どこかで侵入に気が付かれて、反撃されることだって考えられるのだ。
ドドドドドド!!
「だからって、ウイルスバスターがミサイルとして出てくるって、予想しやすいけど実際に体験したくはなかったなぁぁぁぁぁ!!」
「うちおとせぇ!!誰か電撃でも放てたら、赤と青の点滅で相手の目をつぶすんだぁ!!」
「いやそれ、かなりシャレにならない事件だったんだからね!?」
普段のアルケディア・オンラインとは違うフィールドな分、起きていることもそれ相応に異なっているところが多い。
その最たる例としては、現在相手企業が侵入に気が付き、ウイルスかなにかと勘違いしたらしくてウイルスバスターのソフトを起動させ、その攻撃が近代武器の類の敵として出現し、攻撃を仕掛けてきていることぐらいだろうか。
多くの攻撃が一番手っ取り早い方法として、爆破による破壊を考えているのか、ミサイルの姿で顕現しており、空からどんどん降り注いでくる。
中には罠でも仕掛けているのか地雷や落とし穴など、相手の反撃が出てきてちょっと苦境に入ってきた。
「まぁ、完全制圧とまでいかずとも、そこそこの損害を与えているだけで十分かもなぁ」
ガンナーゆえに拳銃だとこういう大型兵器化した相手にはなかなか手が出しづらく、物陰から隠れながら手を出しやすい相手に狙撃し、周囲の状況を僕は確認する。
こういう時にこそデストロイタンクマンとかのRPG攻撃などが有効なのだろうが、全て都合よくとはいかずに、反撃を食らって吹っ飛ぶ人たちも出てきているようだ。
どうやらオンライン同様にHPもしっかりと設定されていたようで、ダメージを受けて0になれば、強制退場となるらしい。
しっかりと痕跡も消した状態でやるので、ばれることはないだろうが…ランキングとなっているところを見ると、退場した人は赤字で表示されており、少しづつ人数が減っていることがうかがえる。
なお、ここからすぐに退場しようと思えば可能らしく、リタイヤボタンがアイテムとして懐に用意されており、これを取り出して中のスイッチを押せばこの場からさっさと逃げられるようだ。
「でも、できれば最後までやりたいから選択しない人も多いか…あ、社長が吹っ飛んでった」
『ああああああああぁぁぁぁぁあぁぁ!!』
せっかく現在、1位の座にあったのに、何かあったのかキレイに吹っ飛ばされていく社長。
ネットの空を吹っ飛んでいき、赤字表記になった瞬間に姿が焼失した。
「あと他には…」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!誰か助けてくれぇぇぇぇ!!」
「…案の定というか、しぶとさはここでも健在なのか、タローン」
太郎丸さん改め色々と落ちつつも、欲望戦隊の一員として見慣れているタローンだが、本日は戦隊の人たちがいないことや、このイベントで着用させられたサバゲーに向いた衣装で珍しく素顔をされている様子。
しかし、その顔には全く余裕もなく、背後からは大量のミサイルを引き連れて、終われているようで、僕が潜伏をしていた横を通り過ぎて、全力で逃走していたのであった。
そんな光景を見つつも、倒せそうな相手を狙って地道にポイントを稼ぎつつ、敵企業のネットの奥にまで、来ることができたらしい。
ポイントを見ればそこそこ稼げていたのだが…うーん、やっぱりまだ、社長に及んでいないようだ。タローンは抜かしたが、それでも桁が違う。
どれだけやばい情報を取ることができたのか気になるが、ここまでくると企業機密的なものも出ているようで、結構やばい情報も抜くことができている。
「スパイにハニートラップ、賄賂に妨害工作、隠蔽作業、ハッキングやウイルス散布…いや、これやり過ぎだろう。むしろこれ全部今まで隠し通していたのがすごいな」
敵を撃ちぬいて情報が出てくるのは良いのだが、でるわでるわのまっくろくろすけな情報。
黒い噂が絶えなかったユニコーンXという名の企業だが、ここまで真っ黒だとユニコーンの名どころかもっとやばい怪物の名前を付けても許されるだろう。
中三病さんあたりにでも相談すれば、ナイスな企業名が期待できるかもしれない、でもあの人今、恐竜帝国で、なんかまたやらかしたらしくて連絡取れないんだよなぁ…鬼とか虫の収集とか何をやってんだと思うようなことをしているらしい。
「とりあえず、このぐらいで十分そうだし、そろそろ退散を…ん?」
そう簡単にやられる気もないし、これ以上やる必要性もなさそうだと思い、リタイヤボタンを押そうとする中、ふと、あることに気が付いた。
周囲のデータが敵キャラと化した者たちがうろついているのだが、やけに奥のほうでばらけているような…いや、あれは逃げているのか?
何事かと疑問に思い、隠れながらその場所が見える位置にまで来て、そっと覗いてみる。
幸いなことに、サバゲーのシステムを使っているせいなのか、スナイパーなんかにも使えるような場所を拡大してみることができる機能があるようで、遠距離から覗き見ることができたが…そこに移っていた光景に、目を見張った。
「…なんだ、ありゃ?ロロ…じゃないな。でも、使用人たちに似ているメイドっぽいのが?」
そこに立っていたのは、使用人たちに似つつも、異なるような存在。
ぼろぼろのメイド服を着ており、その中身の人っぽいものはあちこちの肌が破けており、内部に金属質な中身が見えている、
なんというかターミ〇-ターとかが壊れかけている状態に見えなくもないのだが…そんな不気味な機械人形がたたずんでいたのだ。
「あれを避けているというか…もしかして、あれもデータが敵になったやつか?いや、でもそれならなんで使用人に似た姿で…まさか」
どういうわけなのか首をかしげつつ、ある考えに僕は思い至った。
現在、攻めているこの企業はあちこちの企業の技術を奪いちぐはぐにつなぎ合わせたようなことをしていたことがほぼ確定しているのだが、そのちぐはぐな情報の中に、もしかするとオンラインの運営会社のデータもあったのかもしれない。
そう簡単にデータが盗まれるとは思わないのだが、完全ということもないだろうし…もしも、データーを探る目的で、アルケディア・オンラインをプレイしていたのであれば、多少はどういう動き方をしているのかなどを見ることはできるはずだろう。
当然、怪しい動きをしていればアカウントを消されるだろうが、それでもプレイヤー全てがすぐに区別つくわけもないだろうし、混ざっておとなしく探っていたのであれば、気が付かれにくいのかもしれない。
そしてその結果…得たデータをここで再現してみて、足りない部分を何か別のものでつなぎ合わせたらどうなるのか。
何も全て同じものではなく、使えそうなものだけでつなぎ合わせたのであれば…あの機械人形は、ここで生まれてしまったデータ…敵だ。
ギュィン、ビコォォン!!
「っ!?」
そんなことを考えつつ見ていたのだが、どうやらバレたらしい。
ロロたちとは似ても似つかぬような不気味な動きでこちらに首を回したかと思えば、規格外なのか大きな黒いモノアイを光らせて、僕の姿を捉えた。
【オギュゴゲエエエアバババババア!!】
「向かってきたぁぁぁぁぁぁ!!」
だぁんっと音がした次の瞬間、周囲のデータの地面を踏み砕き、敵とみなしたのか襲ってきた。
こんなホラゲのラスボスっぽいような相手と交えたくもなく、慌てて退場するためのリタイヤボタンを取りだす。
「速攻でリタ、」
「うぉぉぉぉぉお!?あ、ハルさん!?どいてくれぇぇぇえ!!」
「え?」
リタイヤボタンを取り出して押そうとした次の瞬間、声が聞こえた方向に目を向けてしまった。
みれば、まだ逃げつつもリタイヤしていなかったらしいタローンが駆け寄ってきており、その背後からミサイルがいくつもぶつかる寸前で来ていたのだ。
「でええええぇぇぇぇぇ!?何やってんのタローン!!」
「しつこいぐらいにロックオンされたんだぁぁ!!」
ごぎっ
「「あ」」
衝突コース上に入っているようで、逃げようとしたのだが、次の瞬間足首をひねったような嫌な音を立てて、タローンが地面に倒れこんだ。
ミサイルは倒れたタローンの頭上を通り過ぎ…ることはなく、完璧にロックオンして最後まで追跡していたのか、直角に曲がって倒れた彼に直撃した。
ドッゴォォォォォォン!!
「わぷっ!?すっごい爆風が‥って、ああ、ボタンが!?」
発生した爆風に吹っ飛ばされかけつつも身構えたのだが、その拍子に手からボタンが落ちてしまい、爆風とともに吹っ飛び…
【オギョゲェェェェ!!】
ジャギィ、ドッカァァン!!
「破壊されたぁぁぁぁぁあ!?」
まさかまさかの、ボタン破壊によって、逃げる手段を失ってしまった。
迫りくる恐怖の機械人形相手に、とっさに肉の盾としてタローンを使おうと思ったが、残念ながら今のミサイルで一気にやられたらしく、赤字表記で消滅している。
しかも機械人形側は、どこから持ってきたのか極太のミサイルをきれいなフォームでじかに投げてきた。
【ギョゲェェェェェイ!!】
「ミサイル発射は自分の手でかよ!!こっち拳銃しかないから防ぎようが…いや、あった!!」
目の前にミサイルが迫る中、今は脱出よりもこの状況をどうにかしようと考える。
直撃すればタローン同様に消えることができるだろうが、相手は使用人データを使っているような相手なので、そうたやすく事が運ばないのはすでに身をもって知っている。
だからこそここは、どうにか対応できる手段をと考え…やることはないだろうと思っていた手段をとる。
ドッカァァァァァァァァァァン!!
【オギョゴヨギョ…ギョゲゲケ?】
「…タローンが消えてくれて、そこは都合が良かったかもしれない。この姿を見せたら、何されるかわからんからな」
何か様子がおかしいと感じたのか、機械人形の動きが身構えるようなものになった。
そこはしっかりとトレースされているようで、ある程度の戦闘技能も用意されているようだが、つぎはぎだらけのデータの敵ということもあって、その中身は未知数だろう。
だが、この形態であればそう簡単に不覚を取ることもない。
煙が晴れ、続けて黒い渦が噴き出し、そこから出てくるのは黒い武装を身に纏った女神の姿。
長い髪もまとめられて動きやすく、露出がちょっと気になるがその分形状を変えて武器になる武装もあり、第一形態以上の力を持つこのスタイル。
「黒き女神、いきなりの第二形態『バトルクロススタイル』!!サバゲー仕様の拳銃武装型だ!!」
アルケディア・オンラインの場所とは違って、サバゲーとしての影響を受けることは避けられなかったようだが、女神の力で周囲に拳銃を浮かせて纏う。
拳銃の一発の威力もかなり増幅されているようで、一つ撃っただけで、今の攻撃を無理やり無力化したのだ。
「さぁ、かかって来いよ使用人…いや、つぎはぎだらけの機械人形だからパッチワークドール…とりあえず呼びにくいからそのままの省略した仮称『パクル』!!パクリっぽい呼び名で呼ぶのはどうかと思うが、それで別にいいなら来い!!」
【オギョゴゲケェェェ…名称データ入力、『パクル』認識、データ整理%&$(&$(&$(&#%%&'&&、敵%'$(&データ『■■女神』認,iwiww565826gdou3t識。排除決定】
「お?」
どういう理屈なのかは不明だが、仮称をつけたことによってかデータが整理されたようで、少々バグっぽい状態になりつつも、口を開く機械人形パクル。
データが敵キャラとして固定されているのだろうが、各部位から火花や蒸気を吹き出しつつ、壊れた機械人形としての姿をより一層強め、こちらに向きなおる。
【排除排除排除排除排除排除ッグオッゴギャゲェェェェェッェエッェ!!】
「壊れているようだけど、使用人がベースになっているなら油断しないからな!!行くぞ!!」
神域と化した妖精郷をさらに魔改造して近未来すぎる状態を作り上げた前例がいるので、相手がたとえつぎはぎだけの存在だとしても、油断する気はない。
社内イベントでなる予定はなかったのだが、第二形態の状態で、相手をすることにしたのであった…
流石にここまでの大人数を投入してしまえば、多少は派手になるところもあり…ゆえに、どこかで侵入に気が付かれて、反撃されることだって考えられるのだ。
ドドドドドド!!
「だからって、ウイルスバスターがミサイルとして出てくるって、予想しやすいけど実際に体験したくはなかったなぁぁぁぁぁ!!」
「うちおとせぇ!!誰か電撃でも放てたら、赤と青の点滅で相手の目をつぶすんだぁ!!」
「いやそれ、かなりシャレにならない事件だったんだからね!?」
普段のアルケディア・オンラインとは違うフィールドな分、起きていることもそれ相応に異なっているところが多い。
その最たる例としては、現在相手企業が侵入に気が付き、ウイルスかなにかと勘違いしたらしくてウイルスバスターのソフトを起動させ、その攻撃が近代武器の類の敵として出現し、攻撃を仕掛けてきていることぐらいだろうか。
多くの攻撃が一番手っ取り早い方法として、爆破による破壊を考えているのか、ミサイルの姿で顕現しており、空からどんどん降り注いでくる。
中には罠でも仕掛けているのか地雷や落とし穴など、相手の反撃が出てきてちょっと苦境に入ってきた。
「まぁ、完全制圧とまでいかずとも、そこそこの損害を与えているだけで十分かもなぁ」
ガンナーゆえに拳銃だとこういう大型兵器化した相手にはなかなか手が出しづらく、物陰から隠れながら手を出しやすい相手に狙撃し、周囲の状況を僕は確認する。
こういう時にこそデストロイタンクマンとかのRPG攻撃などが有効なのだろうが、全て都合よくとはいかずに、反撃を食らって吹っ飛ぶ人たちも出てきているようだ。
どうやらオンライン同様にHPもしっかりと設定されていたようで、ダメージを受けて0になれば、強制退場となるらしい。
しっかりと痕跡も消した状態でやるので、ばれることはないだろうが…ランキングとなっているところを見ると、退場した人は赤字で表示されており、少しづつ人数が減っていることがうかがえる。
なお、ここからすぐに退場しようと思えば可能らしく、リタイヤボタンがアイテムとして懐に用意されており、これを取り出して中のスイッチを押せばこの場からさっさと逃げられるようだ。
「でも、できれば最後までやりたいから選択しない人も多いか…あ、社長が吹っ飛んでった」
『ああああああああぁぁぁぁぁあぁぁ!!』
せっかく現在、1位の座にあったのに、何かあったのかキレイに吹っ飛ばされていく社長。
ネットの空を吹っ飛んでいき、赤字表記になった瞬間に姿が焼失した。
「あと他には…」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!誰か助けてくれぇぇぇぇ!!」
「…案の定というか、しぶとさはここでも健在なのか、タローン」
太郎丸さん改め色々と落ちつつも、欲望戦隊の一員として見慣れているタローンだが、本日は戦隊の人たちがいないことや、このイベントで着用させられたサバゲーに向いた衣装で珍しく素顔をされている様子。
しかし、その顔には全く余裕もなく、背後からは大量のミサイルを引き連れて、終われているようで、僕が潜伏をしていた横を通り過ぎて、全力で逃走していたのであった。
そんな光景を見つつも、倒せそうな相手を狙って地道にポイントを稼ぎつつ、敵企業のネットの奥にまで、来ることができたらしい。
ポイントを見ればそこそこ稼げていたのだが…うーん、やっぱりまだ、社長に及んでいないようだ。タローンは抜かしたが、それでも桁が違う。
どれだけやばい情報を取ることができたのか気になるが、ここまでくると企業機密的なものも出ているようで、結構やばい情報も抜くことができている。
「スパイにハニートラップ、賄賂に妨害工作、隠蔽作業、ハッキングやウイルス散布…いや、これやり過ぎだろう。むしろこれ全部今まで隠し通していたのがすごいな」
敵を撃ちぬいて情報が出てくるのは良いのだが、でるわでるわのまっくろくろすけな情報。
黒い噂が絶えなかったユニコーンXという名の企業だが、ここまで真っ黒だとユニコーンの名どころかもっとやばい怪物の名前を付けても許されるだろう。
中三病さんあたりにでも相談すれば、ナイスな企業名が期待できるかもしれない、でもあの人今、恐竜帝国で、なんかまたやらかしたらしくて連絡取れないんだよなぁ…鬼とか虫の収集とか何をやってんだと思うようなことをしているらしい。
「とりあえず、このぐらいで十分そうだし、そろそろ退散を…ん?」
そう簡単にやられる気もないし、これ以上やる必要性もなさそうだと思い、リタイヤボタンを押そうとする中、ふと、あることに気が付いた。
周囲のデータが敵キャラと化した者たちがうろついているのだが、やけに奥のほうでばらけているような…いや、あれは逃げているのか?
何事かと疑問に思い、隠れながらその場所が見える位置にまで来て、そっと覗いてみる。
幸いなことに、サバゲーのシステムを使っているせいなのか、スナイパーなんかにも使えるような場所を拡大してみることができる機能があるようで、遠距離から覗き見ることができたが…そこに移っていた光景に、目を見張った。
「…なんだ、ありゃ?ロロ…じゃないな。でも、使用人たちに似ているメイドっぽいのが?」
そこに立っていたのは、使用人たちに似つつも、異なるような存在。
ぼろぼろのメイド服を着ており、その中身の人っぽいものはあちこちの肌が破けており、内部に金属質な中身が見えている、
なんというかターミ〇-ターとかが壊れかけている状態に見えなくもないのだが…そんな不気味な機械人形がたたずんでいたのだ。
「あれを避けているというか…もしかして、あれもデータが敵になったやつか?いや、でもそれならなんで使用人に似た姿で…まさか」
どういうわけなのか首をかしげつつ、ある考えに僕は思い至った。
現在、攻めているこの企業はあちこちの企業の技術を奪いちぐはぐにつなぎ合わせたようなことをしていたことがほぼ確定しているのだが、そのちぐはぐな情報の中に、もしかするとオンラインの運営会社のデータもあったのかもしれない。
そう簡単にデータが盗まれるとは思わないのだが、完全ということもないだろうし…もしも、データーを探る目的で、アルケディア・オンラインをプレイしていたのであれば、多少はどういう動き方をしているのかなどを見ることはできるはずだろう。
当然、怪しい動きをしていればアカウントを消されるだろうが、それでもプレイヤー全てがすぐに区別つくわけもないだろうし、混ざっておとなしく探っていたのであれば、気が付かれにくいのかもしれない。
そしてその結果…得たデータをここで再現してみて、足りない部分を何か別のものでつなぎ合わせたらどうなるのか。
何も全て同じものではなく、使えそうなものだけでつなぎ合わせたのであれば…あの機械人形は、ここで生まれてしまったデータ…敵だ。
ギュィン、ビコォォン!!
「っ!?」
そんなことを考えつつ見ていたのだが、どうやらバレたらしい。
ロロたちとは似ても似つかぬような不気味な動きでこちらに首を回したかと思えば、規格外なのか大きな黒いモノアイを光らせて、僕の姿を捉えた。
【オギュゴゲエエエアバババババア!!】
「向かってきたぁぁぁぁぁぁ!!」
だぁんっと音がした次の瞬間、周囲のデータの地面を踏み砕き、敵とみなしたのか襲ってきた。
こんなホラゲのラスボスっぽいような相手と交えたくもなく、慌てて退場するためのリタイヤボタンを取りだす。
「速攻でリタ、」
「うぉぉぉぉぉお!?あ、ハルさん!?どいてくれぇぇぇえ!!」
「え?」
リタイヤボタンを取り出して押そうとした次の瞬間、声が聞こえた方向に目を向けてしまった。
みれば、まだ逃げつつもリタイヤしていなかったらしいタローンが駆け寄ってきており、その背後からミサイルがいくつもぶつかる寸前で来ていたのだ。
「でええええぇぇぇぇぇ!?何やってんのタローン!!」
「しつこいぐらいにロックオンされたんだぁぁ!!」
ごぎっ
「「あ」」
衝突コース上に入っているようで、逃げようとしたのだが、次の瞬間足首をひねったような嫌な音を立てて、タローンが地面に倒れこんだ。
ミサイルは倒れたタローンの頭上を通り過ぎ…ることはなく、完璧にロックオンして最後まで追跡していたのか、直角に曲がって倒れた彼に直撃した。
ドッゴォォォォォォン!!
「わぷっ!?すっごい爆風が‥って、ああ、ボタンが!?」
発生した爆風に吹っ飛ばされかけつつも身構えたのだが、その拍子に手からボタンが落ちてしまい、爆風とともに吹っ飛び…
【オギョゲェェェェ!!】
ジャギィ、ドッカァァン!!
「破壊されたぁぁぁぁぁあ!?」
まさかまさかの、ボタン破壊によって、逃げる手段を失ってしまった。
迫りくる恐怖の機械人形相手に、とっさに肉の盾としてタローンを使おうと思ったが、残念ながら今のミサイルで一気にやられたらしく、赤字表記で消滅している。
しかも機械人形側は、どこから持ってきたのか極太のミサイルをきれいなフォームでじかに投げてきた。
【ギョゲェェェェェイ!!】
「ミサイル発射は自分の手でかよ!!こっち拳銃しかないから防ぎようが…いや、あった!!」
目の前にミサイルが迫る中、今は脱出よりもこの状況をどうにかしようと考える。
直撃すればタローン同様に消えることができるだろうが、相手は使用人データを使っているような相手なので、そうたやすく事が運ばないのはすでに身をもって知っている。
だからこそここは、どうにか対応できる手段をと考え…やることはないだろうと思っていた手段をとる。
ドッカァァァァァァァァァァン!!
【オギョゴヨギョ…ギョゲゲケ?】
「…タローンが消えてくれて、そこは都合が良かったかもしれない。この姿を見せたら、何されるかわからんからな」
何か様子がおかしいと感じたのか、機械人形の動きが身構えるようなものになった。
そこはしっかりとトレースされているようで、ある程度の戦闘技能も用意されているようだが、つぎはぎだらけのデータの敵ということもあって、その中身は未知数だろう。
だが、この形態であればそう簡単に不覚を取ることもない。
煙が晴れ、続けて黒い渦が噴き出し、そこから出てくるのは黒い武装を身に纏った女神の姿。
長い髪もまとめられて動きやすく、露出がちょっと気になるがその分形状を変えて武器になる武装もあり、第一形態以上の力を持つこのスタイル。
「黒き女神、いきなりの第二形態『バトルクロススタイル』!!サバゲー仕様の拳銃武装型だ!!」
アルケディア・オンラインの場所とは違って、サバゲーとしての影響を受けることは避けられなかったようだが、女神の力で周囲に拳銃を浮かせて纏う。
拳銃の一発の威力もかなり増幅されているようで、一つ撃っただけで、今の攻撃を無理やり無力化したのだ。
「さぁ、かかって来いよ使用人…いや、つぎはぎだらけの機械人形だからパッチワークドール…とりあえず呼びにくいからそのままの省略した仮称『パクル』!!パクリっぽい呼び名で呼ぶのはどうかと思うが、それで別にいいなら来い!!」
【オギョゴゲケェェェ…名称データ入力、『パクル』認識、データ整理%&$(&$(&$(&#%%&'&&、敵%'$(&データ『■■女神』認,iwiww565826gdou3t識。排除決定】
「お?」
どういう理屈なのかは不明だが、仮称をつけたことによってかデータが整理されたようで、少々バグっぽい状態になりつつも、口を開く機械人形パクル。
データが敵キャラとして固定されているのだろうが、各部位から火花や蒸気を吹き出しつつ、壊れた機械人形としての姿をより一層強め、こちらに向きなおる。
【排除排除排除排除排除排除ッグオッゴギャゲェェェェェッェエッェ!!】
「壊れているようだけど、使用人がベースになっているなら油断しないからな!!行くぞ!!」
神域と化した妖精郷をさらに魔改造して近未来すぎる状態を作り上げた前例がいるので、相手がたとえつぎはぎだけの存在だとしても、油断する気はない。
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