アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.0-38 誰やねん、やらかしたの

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「おっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

…その日、ハルが普通に春として、現実の世界の会社でいつも通り出社し仕事をしている中で、同僚の一人が絶叫を上げた。

「どうしたどうした?」
「何か生まれたのか?」
「おめでとう、元気な社畜が生まれましたよ、とか?」
「そんなことじゃねぇぇぇ!!あと生まれてもいないんだが!?」

 春や同僚たちの言葉に対して、ツッコミを入れつつも物凄く顔を青くしている同僚。
 何があったのか疑問に思うと指をさしており、その先にあったのは会社のパソコンの画面だったが…

「うわぁ…何これ、バグってない?」
「これあれだな…完全に壊れたやつだ」

 おかしな言語や青や黒の画面など、とりあえずおかしいとしか言いようがない状態。
 わかることとすれば、どう考えてもまともな状態ではないということだろうか。




 ひとまず社内で確認してみれば、どうやらハッキングをされていたらしい、
 幸いなことに社外秘のデータなどはしっかり防衛されていたために抜き取られることはなかったのだが、それでもこの会社が外部から攻撃を受けたことは変わらない。

「というか、どこのどいつだ?そんなことをしている奴は」
「怪しいサイトを開いたとかはないんだよな?」
「ないない。そもそも会社のパソコンで危ない橋を渡るやつはいないだろ」
「しかし、ここにこんなことをしてくるやつがいるのか…こういうハッキング現場なんて、ドラマとか物語の中でしか見たことがなかったな」

 盗られはしなかったが、まさかこの会社のパソコンを狙ってくる奴がいるのは驚きである。
 でも考えたら、アルケディア・オンラインの運営会社とも提携をとっていたりするし、そこから何か有用そうなデータを盗めないかとたくらむ輩がいてもおかしくはないだろう。


「セキュリティ面はどうだったんだ?」
「この間、最新のウイルス対策ソフトなど、いろいろやっていたはずだぞ」
「そうなると、それらを突破してきたやつがいるのか…」

 提携事業が色々とあるがゆえに、機密の重要性はしっかりと理解されており、セキュリティ面には惜しみなく予算も割かれている。
 なので、今までこんな問題が起きたことがなかったのだが…それでも油断は禁物だといわんばかりのものだっただろう。


「全員落ち着け。今から社長が交渉して、最強の対策ソフトや専門家を用意してくるそうだ。今のうちに全員、貴重なデータなどを保管しておいてくれ」
「わかりました」
「保管用の記録媒体は?」
「しっかりと、最新のものが全員分あるぞ。万が一に備えて、中にウイルスが入っても即探知して自爆する機能付きだというけどな」
「自爆って大丈夫なの?」

 まぁ、一番手っ取り早いのが確かにぶっ壊すことだとは思うけれども、自爆する媒体って怖いんだけど。一昔前の、スパイ同士のやり取りにあるような自爆命令書みたいなものなのだろうか。
 なんにしてもこの日は仕事を一時中断する羽目になり、全員非常に大事なデータの保護などの作業に移らされてしまうのであった。









「…ということがあったんだけど、太郎丸さんのところもなのか?」
『ああ、間違いないな。越境しているのに、同社としてみなしているのかこっちのほうにも同じようなハッキングがあったぞ』

 帰社後、今日はログインをする前に、国際便で他国のほうに作られた支店にいる太郎丸さんのところへふと思って電話をかけてみたところ、どうやらそっちはそっちで同じような騒ぎがあったらしい。
 幸いなことにこちらもデータを抜き取られるようなことは防げたそうだが…それでもDos攻撃などの迷惑なネットからの攻撃が相次いでいたそうだ。

「国を超えてのハッキング及びネットからの攻撃か…なんか物騒だな」
『うーん、うちの会社ってやっぱり、アルケディア・オンラインの企業と提携している企業の中で。一番狙いやすいとでも思われているかもしれんな』
「やっぱり?」

 運営会社…メーゼ・イワド社に関しては、堅牢な守りもある。
 あちらはあちらで色々と革新的な事業や技術があるので狙う人も多いだろうが、その分しっかりと対策も張り巡らされており、小さな隙間なども埋められているそうだ。
 だが、そんな会社と比べて、うちの会社のほうがセキュリティ面は弱いと思って攻めてくる輩が出てもおかしくはないらしい。
 提携しているから、足掛かりにしてどうにか忍び込もうとする輩が出た可能性が非常に大きいとみていいようだ。


『何にしても、当分似たようなことが起きるだろう。今後、油断しないようにしないといけないのが面倒だ』
「どこから入ったのか、どうやってきたのか社外のほうにも手を借りて調査しているっていうしなぁ…ああ、そのせいで今日の業務がかなり滞ったのは非常につらかったよ」
『こちらもだ。よりにもよって月に一度あるロリ崇拝祭りが中止になったからなぁ…恨むやつが多そうで、恐ろしい。まぁ、自分もしっかり恨んでいるから、犯人を見つけ次第社会的な制裁は確実だと思え』
「…何やってんの、その国」

 いろいろな事情によって建国された国だってのはもうわかっているけど、本当に何をやっているんだろうかあの国は。
 治めているはずの鏡面ののじゃろりに問い詰めたいところだが、本人もなぜこうなったと思っていそうではある。


 とりあえずしばらくの間、僕らはハッキングを仕掛けてきた相手の奇襲に備えて、警戒を怠らないよに動くしかできないのであった……

『いざとなれば、うちの会社の呪殺部が動きそうだけどな』
「え、そんな物騒な部署ってあったか?」
『ほら、いつもずんだば黒ミサみたいなことをやっている奴らがいるだろ?その一部がこの間申請したようで、正式なものになったとか社内のお知らせで回ってきたぞ』
「…国のことを言うよりも、うちの会社が何をやってんだとツッコミを入れるべきだったのか」

 なお、確認してみたところしっかりと部署内の枠組みの中に入っていた。
 どこの誰が許可したのか…あ、社長許可って書いてある。しかも、イワド社のほうからも似たような部門があって、そちらとの提携による新しいプロジェクトまで…どこへ向かっているんだろうなぁ、この会社‥‥‥


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