アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.0-25 もっさもさな、星だけど

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‥‥‥薄い部分を通り抜け、中に入ると惑星ツドスの中身が見えてきた。
 巨大な大木で覆われているようだが、惑星表面部分の葉っぱの表面積がかなり大きかっただけのようで、下に降りてみると、案外大木同士の間隔がかなり広く、巨大な森の中に迷い込んだようにも思える光景が広がっていた。

「でも、地表の部分は地面じゃなくて、ごつごつした岩場になっているのか…大きな岩の上に根っこが張り巡らされている光景は、これはこれで奇妙なものだな」
【ガウガウゥ】
【バルルルゥ】

 僕のつぶやきに、リンやセレアたちが頷き、同意する。
 普通の森とは違う変わった光景に対して、同じような感想は誰もが抱くらしい。

「ロロ、着陸が可能そうな場所はあるか?結構広いようだけど、岩石の地表はちょっと荒っぽい着地になりかねないような」
【問題ないデス。錨を降ろして、空中で停船も可能ですからネ。幸い、この星は強風が吹くこともそんなにないようなので、浮いていても問題はないのですガ…今回の目的の岩石がある場所付近は、大木の枝が交差して邪魔になっているようなので、ちょっと距離を取る必要がありマス】

 とりあえず船の自己判断で停船場所を探らせるらしい。
 こういう時に意志を持っているらしい船というのは便利なもので、人が操縦するよりも直感的かつ体感的にしっかりとした場所を選択してくれるそうで、危ない場所に降りることはないようだ。
 まぁ、元はただの木造の魔導船だったのにここまで魔改造されてさらば~とかの言葉が似合いそうな魔導戦艦になっても、意志が残っているというのはすごいとは思う。本人というか本船が望んでいるかは別としてだが…気にしない方が良いか。


 そう思いつつも、無事に適当な場所に船を止め、ここからは降りて目指すことになる。

【とは言え、岩石の地表を歩くのは大変ですので、目的地までは…第三艦橋型強行地表探索船を利用してくだサイ。船にて、お待ちしておりマス】







「と言われて、船の下にある第二艦橋改めて第三艦橋になった部分が切り離されて、キャタピラがにゅっと伸びて戦車のようになって進むのは良いけど…楽だけど、第3艦橋なせいでちょっと怖いな」
【オォォン‥】
【ピキー…】

 全員、箱庭経由で現実世界で一緒に映画を見たりすることがあるのだが、その中でこの船の改造モデルになったものがある映画とかも見たりしたからなぁ。
 しっかり覚えているようで、第三艦橋というのはどれだけやばい場所なのか、某宇宙戦艦を見たせいで不吉に思えているようである。
 そう思っても、仕方がないだろう。だってどの作品でも、大抵の場合酷い目に遭うことが多いからなぁ…流石にそんなことにならないようにと考えて作られているとは思うが、それでも、お約束みたいなものになっている可能性があるので油断できない。

 むしろこうやって切り離せている時点で、可能性を示唆しまくっているのだが…わざとじゃないよね?マリーンズたちも確か第三艦橋勤務になるのを避けている節があるし、ここまでくるとちょっと怪しい気がする。


 うっかり転んだ拍子で自爆スイッチを押すような、そんな碌でもないギミックがあるかもしれないと恐れつつも、操縦自体は中々簡単になっていて、ガタガタとキャタピラを動かしつつ目的の場所へ目指す。

「しかし、惑星の表面を覆うほど葉っぱで覆われている割には、木漏れ日がすごくて明るいなぁ…」

 もっと暗い光景が広がっているものなのかと思っていたが、意外なことに滅茶苦茶明るい光景になっている。
 どうやら木々の表面自体が光を反射しやすく、葉っぱの方も光の透過率がそこそこ高いようで、光で照らされやすいらしい。
 そのおかげなのか、岩の表面も根っこだけじゃなくて、僅かに苔も生えており、ちょっとした緑の光景が広がっている…これ、カタカタ揺れるような白い人形とかいたら何かの映画の森っぽい。

  
 こんな光景の広がる中で、カイザーシルクワームさんが欲しがる石材を探すのも、中々悪くないと思えるのであった‥‥‥

「というか、VRMMOの中で、この光景もかなりすごいな…映画撮影とか、出来るんじゃないかな?」

…それはそれで、観てみたいかもしれない。












…ハルたちがガタゴトとタンクと化した第三艦橋を使って先へ進んでいたその頃。

 その目的地である岩場の近くには、不時着した船があった。

 それがどう影響するのかは、彼らはまだ知る由もないのであった‥

「うぉぉぉぉい!?この星限定の珍しい奴がいるって聞いたのに、何でこんな不時着になるんだぁぁ!?」
「どうしようもないのぅ、流石におんぼろな船を借りたのが、間違いじゃったかもしれん」
【ブモォォ…】

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