アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.0-24 星々は、種類がそこそこあるらしい

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‥‥‥カイザーシルクワームより受けた、看板用の石材確保。
 他の星に目当てのものは存在しているらしく、変わり果てて宇宙港までも建造された妖精郷から出発し、その星へ向かうことになった。

「しかし、クエストで求められる素材が、他の星で産出されたものが良いってクエスト、増えたようだな‥‥宇宙が解放されたのはつい最近なのに、まるで前から知っているがごとく、むしろ確実にその星にあると分かっているように依頼してくるのは違和感もあるなと掲示板でも出ているのか」
【シャゲシャゲェ】
【違和感と言われましても、主様たちプレイヤー全員、現実世界の人からすればそうですガ、こちら元々このアルケディア・オンライン生まれの者たちになると、自然とそうだったなという記憶が出来るらしいですネ。いつの間にか刷り込まれているけれども、気が付かない間に入っているらしいデス】
「ある意味怖い話だな…」

 これまで常識じゃないことが、ある日突然常識になったのに、その事に気が付かずに過ごしているようなものなのか。
 まぁ、ゲームだからという言葉で納得もできはするのだが、VRMMOのこの世界にいるNPCたちは本当に生きているように感じ取ることが出来るし、僕ら側にその違和感の認識を抱かせるのは無理もないのだろう。
 
 そのあたりに関しては今後のアップデートで違和感ないように対応してくれることを期待しつつ、今は目的の星へ目指すだけである。

「えっと、欲しい素材があるのは…巨木岩石惑星『ツドス』かぁ。この間の鋼の大地と酸の海を持った星と比べると、まだ見た目や材質がまともに見えるな」
【宇宙には色々な星が配置されていますからネ。延々と炎上し続けているのに何故か氷の海がある星や、雷が鳴り続けているからかすべて絶縁体の建築物と住人がいる星、何故か食べ物が意志を持って動いてきて来訪者に自らを食べさせに来るパンなどが出現する星など、多々あるのデス】
「前線・攻略組による向かった星に関してのデータも見てきたけど…アルケディア・オンラインの宇宙には面白おかしな星々があるんだな」

 現実の世界だとそう簡単に変わった星もないだろうが、こういうところがVRMMOだからこそ実現できるところなのだろう。
 流星群が降り注ぐ星に、全てが宝石の星、生きたエネルギーで蠢く星など数多い。
 本当にこういう星があったら面白いかなといえるようなものが多い中で…今回僕らが向かうのは、その中ではまともな方に当たる星のようである。

―――――
巨木岩石惑星『ツドス』
・超巨大な木々で覆われた、岩石の星。
・落ち葉などが降り積もって土壌が形成されそうなものなのだが、何故か分解されることもなくいつの間にか消え去っており、何時まで経っても岩石の上にしか巨木が生えていない光景がずっと続いている。
・かつては何処かの宇宙帝国が領土にしようと兵を差し向けたが、行方不明になったなどの話も残されており、来訪するには注意が必要である。
―――――

 魔物図鑑に加えて、新たにバージョンアップによって追加されていた『惑星図鑑』。
 ある程度の常識の範囲内程度の知識しかその星に関しての情報が書かれていないらしく、より詳しく知りたいのであれば直接訪れないと中身が増えないらしい。
 まぁ、事前に情報を少しでもいいから得たいということを考えると、これでも十分だが…岩石と巨木の星かぁ。


【あ、見えてきましたヨ】
「どれどれ…うわ、緑のコケ玉見たいな、一面緑の星じゃん」

 惑星の表面に岩石の地肌を見せまいとしているのか、巨木の上の葉っぱですべてが覆いつくされており、緑の球体にしか見えない。
 でも、一応あの緑の下には川などもあるそうで、その星に根付いた人々の集落なども存在しているらしく、文明の明かりはともされているらしい。
 
 しかし…あそこまで緑で覆われているとなると、どうやって着陸するべきなのか。

「そのあたりの問題は、大丈夫なのかな?」
【問題ないデス。あらかじめ調べておきましたが、あの緑の密度には薄い部分があるようで、そこに突っ込んで入り込めばいいそうデス】
「つまり?」
【早い話が、薄毛な部分に突撃して入り込むのデス】

‥‥‥結構ごり押しのような着陸のような感じだが、これが正規の方法らしい。
 そんなのありかと思っていたが、よく見ると他のプレイヤーが乗っているらしい宇宙船もちらほら見ることが出来て、その宇宙船も緑の大地につっこんで潜り込んで入っているのを診る事が出来たのであった。


「でも、なんかいくつか確認し損ねてツッコミ、見事に分厚い葉で阻まれて着陸失敗したのも見えるな‥‥‥」
【調べないと、わかりにくいですからネ。この船のサイズが通れるのは、座標軸としては‥‥ふむ、岩石の層が一番分厚いエリアに、可能な場所があるようデス】

 無事に入れるのか不安にはなったが、ここは操縦している使用人とマリーンズ、あとはこのグレイ号その物に舵をゆだねて任せることにするのであった‥‥

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