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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.0-22 知らぬ間に、なんとやら
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‥‥‥宇宙で姉弟の素敵なドラマから離れ、船は惑星から離れて元の星へと帰還していた。
宇宙空間をこのまま進むのもありだが、流石に連続航行も疲れるものもある。
そのため昨日、ログアウトをする前にロロに尋ね、自動操縦で勝手に寝ている間に航行して適当な港に戻るという話は聞いていた。
「なら、着くまで後は勝手にして欲しいかな。明日ログインするまで、自由にしていていいから頼むよ」
【了解デス。自由に過ごしていますネ】
そうつぶやき、返答した後現実へログアウトして、翌日普通に会社に出社し、仕事を終えていた。
社内では他国に移籍した太郎丸さんへ向けた恒例のサバトっぽいものを目撃しつつも、何の変哲もないただの一日であったはずである。
そして業務を終え、ゆっくりとプレイしようと思い、ログインしたわけなのだが‥‥‥
「…なんじゃ、こりゃ」
本日のログインでは、港に降り立っていたはずなのだが…その行先を、もうちょっと良く設定しておけばよかったと、後悔していた。
「‥‥‥なぁ、ロロ。ここ、港なのか?」
【ハイ】
「自動操縦で勝手に帰還するはずだったが…ここ、来たことがないのだが」
【いいえ、主様はここに何度も訪れているはずですヨ。まぁ、少々変わった程度ですガ】
そう言われても、信じがたい光景が広がっているので信じることができない。
元の星の港町というのは、普通の船舶やら他のプレイヤーが借りている船などが行き交っており、あちこちで普通に賑わう光景が見られていたはずである。
だがしかし、この場所はその光景からは掛け離れていた。
モノレールとか、何やらオートで動くバスみたいなものとか、こう色々と詰め込んでいるというか、基本的に宇宙港を除く場所では中世~現代風な港ばかりしかなかったというのに、まるでSFのような光景になっているのは何なのか。
「ログで確認したら…『神域指定大妖精郷:新開拓港エリア』となっているんだけど、もしかして妖精郷?」
【ハイ】
「‥‥‥妖精郷に確か港が無かったはずだが‥どこから持ってきた?」
【勘のいい、主様ですネ。ええ、確かに港は先日まで、ありませんでシタ】
ニヤリと笑みを浮かべるが、その顔はどう見ても悪だくみしたことが大成功というような顔をしている。
その後ろでは同じように、ここの妖精女王の立場もあるブラックフェアリークイーンのネアが笑みを浮かべており、どう考えてもこの二人がしでかしたのだと理解できるだろう。
【ピギャピ】
【ふふふ…主様、ログアウト中でも、私達はこの世界で普通に過ごしており、時間をかけて勝手に動くこともできマス。現実の方に干渉して出てくることも可能でしたが、せっかくなので先日神域に設定されたことを生かし、より快適に過ごせるように、改造しておいたのデス!!】
ばっと言うが早いが、ロロは懐から何やら大きな設計図を取り出した。
【そう、実は前々からちょっと考えてましたが、やって見たかった大改造をしておいたのですヨ!!妖精郷をただ単純に神域のままで生かすのは、もったいないと思ってまして、主様たちがダンジョン攻略中に、私は一人素材を集めており、この計画を進めていたのデス!!あ、ちゃんと妖精郷の女王であるネアには許可をもらってますので、大丈夫と言えば大丈夫デス】
「一応、此処神域だから、僕の方の許可も取ってほしかったんだが!?」
ツッコミどころが多すぎて、どこからどういえば良いのかわからない。
そう思って何とか言えそうな部分を叫ぶが、仮に止めようとしても本来のここの持ち主であるネアの方が権限がありそうなので、止めようが無かったのかもしれない。
【何にしても、妖精郷は生まれ変わりました。そう、黒き女神でもある主様のために、その威光を知らしめるために、やってみせたのデス。本日のログインまで、自由にやっていて良いとおっしゃられたので、させていただいたのデス】
「‥‥‥あ!?」
そう言えば、自由にしていていいって確かに言った。
もしや、そのせいで‥‥ここまで、やらかしちゃったのか、この使用人。
【神域指定大妖精郷改造計画…ログアウトから次のログインまで時間が限られていましたが、それでも数時間もあれば十分でシタ。妖精女王の言葉に従い妖精たちもそれに遣える獣たちも色々と扱えましたからね。計画以上に順調に進み、無事にログインされた時点で完成したのデス】
たった数時間、されど与えられた短いようで長い時間。
さらに自力で、僕らがダンジョン内を必死に探索していた横で、彼女はあの惑星で…いや、実は留守中に船を動かして資源採取を行ってたようで、必要な資源を確保していたようだ。
それらが合わさり合った結果、物凄くのほほんっとのんびりしているというか、田舎の極みと言って良いような地は今、真新しすぎる大発展をしてしまったようである。
「‥‥‥うわぁ、妖精郷の名前も変わっているじゃん」
―――――
『神域指定大妖精郷』
黒き女神の神域に指定されていた妖精郷が、さらなる発展を遂げ、その女神の威光をより張り巡らせることに成功した、大妖精郷へと進化した姿。
神域となった場所は通常よりも発展しやすい傾向にあるのだが、宇宙での資源も追加されたことにより、さらなる発展を遂げることになった。
あちこちにエリアが分かれており、従来の妖精郷エリアは存在しているが、それ以外のエリアが拡張されて、様々な商業施設やここでしか得られない鉱石や素材が得られる場所など、かなりエリアとしては大きくなっている。
なお、神域に指定した神スキルもちは、この地限定で全ステータスが大幅に強化されている。
また、神域が大発展を遂げたことにより大地の力が流れ込むようになり、この地以外の場所でのステータスダウンの減少幅が小さくなり、少しパワーアップもしている。
―――――
自由にやらせた結果、妖精郷が大発展してしまいました。
何というか、アップデートでほかのNPCなどもより生き生きとしている姿を見ることも増えていたが、ここにきて使用人により変な大幅な強化要素が増えるとは思いもしなかった。
何にしても、勝手に任せているととんでもないことになるのだという事を、念のために攻略組の方に伝えつつ、他のプレイヤーにも同様の被害が出る…被害でもないような気がするのだが、それでもとんでもないことをやらかされないようにと、警告を発しておくのであった‥‥‥
「…あ、駄目だ、すでに手遅れか」
‥‥‥悲しい。掲示板を見ると、使用人に好き勝手させた結果、やらかしたことに関しての報告が上がっていたよ。
現実の方では家の改修を頼めば大幅なリフォーム、介護を頼めばいらないほどにご老人を若者と変わらないぐらいの身体能力を持った元気な人に。
アルケディア・オンライン内ではバフを盛る料理が更に量が増え、戦闘参加ではより強力なデバフを用意するなど、大幅なパワーアップが報告されていたようだ。
宇宙ばかり目に行って、こっちの方全然見てなかった…‥‥ええ、でもこれいいのか?なんかやけにバランス崩壊をしかねないような調整だと思うけど、現実の方にもこうも出るって、何かおかしいような‥‥?
宇宙空間をこのまま進むのもありだが、流石に連続航行も疲れるものもある。
そのため昨日、ログアウトをする前にロロに尋ね、自動操縦で勝手に寝ている間に航行して適当な港に戻るという話は聞いていた。
「なら、着くまで後は勝手にして欲しいかな。明日ログインするまで、自由にしていていいから頼むよ」
【了解デス。自由に過ごしていますネ】
そうつぶやき、返答した後現実へログアウトして、翌日普通に会社に出社し、仕事を終えていた。
社内では他国に移籍した太郎丸さんへ向けた恒例のサバトっぽいものを目撃しつつも、何の変哲もないただの一日であったはずである。
そして業務を終え、ゆっくりとプレイしようと思い、ログインしたわけなのだが‥‥‥
「…なんじゃ、こりゃ」
本日のログインでは、港に降り立っていたはずなのだが…その行先を、もうちょっと良く設定しておけばよかったと、後悔していた。
「‥‥‥なぁ、ロロ。ここ、港なのか?」
【ハイ】
「自動操縦で勝手に帰還するはずだったが…ここ、来たことがないのだが」
【いいえ、主様はここに何度も訪れているはずですヨ。まぁ、少々変わった程度ですガ】
そう言われても、信じがたい光景が広がっているので信じることができない。
元の星の港町というのは、普通の船舶やら他のプレイヤーが借りている船などが行き交っており、あちこちで普通に賑わう光景が見られていたはずである。
だがしかし、この場所はその光景からは掛け離れていた。
モノレールとか、何やらオートで動くバスみたいなものとか、こう色々と詰め込んでいるというか、基本的に宇宙港を除く場所では中世~現代風な港ばかりしかなかったというのに、まるでSFのような光景になっているのは何なのか。
「ログで確認したら…『神域指定大妖精郷:新開拓港エリア』となっているんだけど、もしかして妖精郷?」
【ハイ】
「‥‥‥妖精郷に確か港が無かったはずだが‥どこから持ってきた?」
【勘のいい、主様ですネ。ええ、確かに港は先日まで、ありませんでシタ】
ニヤリと笑みを浮かべるが、その顔はどう見ても悪だくみしたことが大成功というような顔をしている。
その後ろでは同じように、ここの妖精女王の立場もあるブラックフェアリークイーンのネアが笑みを浮かべており、どう考えてもこの二人がしでかしたのだと理解できるだろう。
【ピギャピ】
【ふふふ…主様、ログアウト中でも、私達はこの世界で普通に過ごしており、時間をかけて勝手に動くこともできマス。現実の方に干渉して出てくることも可能でしたが、せっかくなので先日神域に設定されたことを生かし、より快適に過ごせるように、改造しておいたのデス!!】
ばっと言うが早いが、ロロは懐から何やら大きな設計図を取り出した。
【そう、実は前々からちょっと考えてましたが、やって見たかった大改造をしておいたのですヨ!!妖精郷をただ単純に神域のままで生かすのは、もったいないと思ってまして、主様たちがダンジョン攻略中に、私は一人素材を集めており、この計画を進めていたのデス!!あ、ちゃんと妖精郷の女王であるネアには許可をもらってますので、大丈夫と言えば大丈夫デス】
「一応、此処神域だから、僕の方の許可も取ってほしかったんだが!?」
ツッコミどころが多すぎて、どこからどういえば良いのかわからない。
そう思って何とか言えそうな部分を叫ぶが、仮に止めようとしても本来のここの持ち主であるネアの方が権限がありそうなので、止めようが無かったのかもしれない。
【何にしても、妖精郷は生まれ変わりました。そう、黒き女神でもある主様のために、その威光を知らしめるために、やってみせたのデス。本日のログインまで、自由にやっていて良いとおっしゃられたので、させていただいたのデス】
「‥‥‥あ!?」
そう言えば、自由にしていていいって確かに言った。
もしや、そのせいで‥‥ここまで、やらかしちゃったのか、この使用人。
【神域指定大妖精郷改造計画…ログアウトから次のログインまで時間が限られていましたが、それでも数時間もあれば十分でシタ。妖精女王の言葉に従い妖精たちもそれに遣える獣たちも色々と扱えましたからね。計画以上に順調に進み、無事にログインされた時点で完成したのデス】
たった数時間、されど与えられた短いようで長い時間。
さらに自力で、僕らがダンジョン内を必死に探索していた横で、彼女はあの惑星で…いや、実は留守中に船を動かして資源採取を行ってたようで、必要な資源を確保していたようだ。
それらが合わさり合った結果、物凄くのほほんっとのんびりしているというか、田舎の極みと言って良いような地は今、真新しすぎる大発展をしてしまったようである。
「‥‥‥うわぁ、妖精郷の名前も変わっているじゃん」
―――――
『神域指定大妖精郷』
黒き女神の神域に指定されていた妖精郷が、さらなる発展を遂げ、その女神の威光をより張り巡らせることに成功した、大妖精郷へと進化した姿。
神域となった場所は通常よりも発展しやすい傾向にあるのだが、宇宙での資源も追加されたことにより、さらなる発展を遂げることになった。
あちこちにエリアが分かれており、従来の妖精郷エリアは存在しているが、それ以外のエリアが拡張されて、様々な商業施設やここでしか得られない鉱石や素材が得られる場所など、かなりエリアとしては大きくなっている。
なお、神域に指定した神スキルもちは、この地限定で全ステータスが大幅に強化されている。
また、神域が大発展を遂げたことにより大地の力が流れ込むようになり、この地以外の場所でのステータスダウンの減少幅が小さくなり、少しパワーアップもしている。
―――――
自由にやらせた結果、妖精郷が大発展してしまいました。
何というか、アップデートでほかのNPCなどもより生き生きとしている姿を見ることも増えていたが、ここにきて使用人により変な大幅な強化要素が増えるとは思いもしなかった。
何にしても、勝手に任せているととんでもないことになるのだという事を、念のために攻略組の方に伝えつつ、他のプレイヤーにも同様の被害が出る…被害でもないような気がするのだが、それでもとんでもないことをやらかされないようにと、警告を発しておくのであった‥‥‥
「…あ、駄目だ、すでに手遅れか」
‥‥‥悲しい。掲示板を見ると、使用人に好き勝手させた結果、やらかしたことに関しての報告が上がっていたよ。
現実の方では家の改修を頼めば大幅なリフォーム、介護を頼めばいらないほどにご老人を若者と変わらないぐらいの身体能力を持った元気な人に。
アルケディア・オンライン内ではバフを盛る料理が更に量が増え、戦闘参加ではより強力なデバフを用意するなど、大幅なパワーアップが報告されていたようだ。
宇宙ばかり目に行って、こっちの方全然見てなかった…‥‥ええ、でもこれいいのか?なんかやけにバランス崩壊をしかねないような調整だと思うけど、現実の方にもこうも出るって、何かおかしいような‥‥?
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