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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.0-18 一石二鳥かもしれないが
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【オグギョガァァァァス!!】
中三病が搭乗していたらしい、巨大な恐竜ロボットみたいな機体。
それに憑りつき、ギガスマグネットは新たな姿として、磁力操作型決戦恐竜兵器モンスター「マグルス」とやらに変貌し、ボスモンスター戦の第2ラウンドが開幕した。
先ほどまでは巨大Uの字型磁石だったが、姿形が変わったことで、表面積が増えて、攻撃はある意味当てやすくなったとも言えるだろう。
しかしながら、その分鉱石を飛ばすなどの攻撃以外として、憑りついたマシンの力を利用して、新しい攻撃手段を取って来る。
【オグギョガァァ!!】
咆哮を上げたかと思えば、肩の方からどこにしまっていたんだというような巨大な棍棒を取り出し、ハルたちに向かって振るいまくる。
更にその棍棒の周囲に、先ほどまで利用していた浮遊する鉱石を展開した状態で纏わせ、直撃を避けたところでその鉱石群をかすめあて。ダメージを稼いでくる。
「ちっ、元からあった能力と憑りついた相手の能力を合わせてくるとは、厄介だな!!」
「しかも手足が追加された分、攻撃する方向が増えたせいでやりにくくもなっているようだ!!」
【オグギョォォォォォ!!】
「その上、口から光線も吐くとは最悪だぜ!!」
「目からビーム、肩から棍棒、背中からミサイルも…なんて奴なのかしらぁ!!」
「ぐぅ、面倒さが増すとは厄介だべな!!」
憑りついた相手の能力を活かしているようで、攻撃がより多様になっている。
時折磁力咆哮もやってきているようで、磁力状態になるせ、解除できても状態異常になっている間引き寄せられて、攻撃の回避が難しくなった。
数の差で多少は埋められても、地力の磁力をより強化したようなボスに変貌しているようで、強化されたせいでこちらは苦戦を強いられる。
黒き女神の力があっても、神域外では力がダウンしているので少々やりにくさも感じられるだろう。
「憑りついてパワーアップとか、ボスとしてやっていい手段なのかツッコミをいれたいけどね」
「いや、そいうのって案外いるよ。本体が糞雑魚ヒトデマンみたいなこともあるけど…」
「でも、あのギガスマグネットは元から強めだから、理不尽な強化とも言えなくもないべ」
「というか、中三病の奴が乗っているんだぜ!!おい、そっちでマシンならシャットダウンとかで稼働を止めることはできねぇのかだぜ!?」
『いや、無理だ!!磁力で内部電源も多少は操られているのか、エンジンが全然止まらん!!』
ギターマンさんの問いかけに対して、内部の方からそう声を上げる中三病。
現在絶賛操られている機体に搭乗しているとはいえ、完全に乗っ取られており、操縦すらも受け付けず、ただの中のお荷物になっているらしい。
人質になっているような構図でもあるが…まぁ、そこは関係ない。デスペナルティがあるとは言え、ここでやってもそんなに問題はないからだ。お互いにやり取りし合い、女神になっている僕とか、その他の面子の事に関しても納得してくれており、やられても文句はないらしい。
だがしかし、機体が憑りつかれていると内部のプレイヤーのステータスも少々利用しているらしく、
中三病から自身のMPなどが吸い取られているという報告も上がった。
『くそう!全然いう事もきかないし、操縦もできない!!まったく何もできない尽くしじゃないかぁ!!』
「というか、なんでそんなものに乗ってきているんだよ!!」
『仕方がないだろ!!あの魔性の恐竜の女帝から逃げるには、これを強奪して逃げ出すしかなかったからな!!』
「強奪って、盗んできたのかだべ!?」
『そうだよ!せっかく逃げられそうな星に来て、鬼畜目のダンジョンの奥深くならば魔の手も届かないだろうと思ってやって来たのに、床をぶち抜いて隠しダンジョンにも来たのにこんな目に合うとはな!!』
「そうか、そんな事があって…んん?」
「ん?」
「おや?」
「あら?」
「なぬ?」
‥‥‥今、さらっと何か中三病の口からこぼれたような。
「‥ねぇ、中三病さん。戦闘中とは言え、今何か聞超えたけど…『床をぶち抜いて』?」
『‥‥‥あ』
その問いかけに対して、何を自身の口から滑らしたのか、中三病は気が付いたらしい。
そして僕らも、どうしてこんなところに落ちてしまったのか、その元凶を見つけ出してしまったようだ。
「そうか、そういう事か」
「なーんだ、原因はすぐそこにいたのか」
『あ、あの皆さん?何かこう、凄く怖い雰囲気が漏れ出ているんですけれども?』
「いやいやいや、気のせいだぜ?」
「決して、ここまで苦労させられた元凶が、まさか目の前にいるから」
「憑りつかれて敵になっているから、これ幸いとばかりに」
「「「「「‥‥‥全力で、躊躇なく、完膚なきまでにフルボッコにしようなんて、ひとかけらも思っていませんって」」」」」
『嘘だぁぁぁぁあ!!全員今、仇を見つけたとばかりに、ギランと目を光らせたじゃないかぁぁぁぁぁ!!』
内部で中三病が叫ぶも、その哀れな子羊の鳴き声を気にすることもない。
せっかくだ、見つけたこの苦労の大元凶に対してかつ、この状態でそこそこ苦戦させられるボス相手には‥これをお披露目しよう。
「ねぇ、中三病さん。この黒き女神の姿に関して、僕ってことは分かるよね」
『あ、ああ、そうだけど。さっきの情報交換時にハルさんって知ったけど、あのレイドボスもやっていた黒き女神がまさか…‥んん?レイドボス?』
ふと、この言葉に対して中三病は気が付いたらしい。
ボス…大抵のゲームであれば、小ボスや中ボスなどもあるが、物語の最後の方に出てくる大ボスがあるだろう。
そしてそういうボスに限って、姿が一つとは限らないこともある…いや、それは大抵というよりも、何か強めのボスであればお約束なことかもしれない。
「そしてね、この黒き女神の姿だけど…実は、『第1形態』なんだよ。コレ」
『ま、ま、まさかまさかまさか!?』
ニヤリと不敵な笑みを浮かべた僕に対して、悟ってしまったらしい中三病。
そしてその怯えている憑りつき対象の心を読んだのか、ギガスマグネットもといマグルスとやらのほうも表情をこわばらせたようだが、何に手を出したのか気が付いたようだ。
「せっかくの強敵相手と、この状況にやった元凶‥‥その相手に使わずして、いつ使う。『黒き女神』のスキル、『第2形態』解放!!」
ぶわっと周囲に黒い光が集まり始め、黒き女神の周囲を包み込み始める。
どうやら変身が可能なスキルの中には、こういう風に形態を切り替えることが出来るものもあるようで、この黒き女神のスキルも例外ではない。
ただ、流石に女体化しているこのスキルで更に別の形態となるとろくでもない姿になる可能性もあったし、第1形態だけで片付くことが多かったのでやることはなかったのだが‥‥バージョンアップして相手が強くなってくるのであれば、こちらもそれ相応の強さに切り替える必要があるだろう。
磁力のボスは、巻き添えになっただけに過ぎない。単純に、この力のちょうどいい試し打ち相手に成り下がるだけだ。
どういう方向性に切り替わるか、試したことはなかったのだが‥‥やるのであれば、徹底的にボッコボコにすればいいのである。
そう思いながらも、徐々に姿が変わっていくのであった…‥‥
‥‥‥なお、中三病はこの時知らなかった。
目の前の恐怖以上の恐怖が、到達しようとしていることに。
彼にとっての真の地獄まで、黒き女神の第2形態は前菜に過ぎないことを、この場にいる誰もが想像もしていないのであった…‥‥
中三病が搭乗していたらしい、巨大な恐竜ロボットみたいな機体。
それに憑りつき、ギガスマグネットは新たな姿として、磁力操作型決戦恐竜兵器モンスター「マグルス」とやらに変貌し、ボスモンスター戦の第2ラウンドが開幕した。
先ほどまでは巨大Uの字型磁石だったが、姿形が変わったことで、表面積が増えて、攻撃はある意味当てやすくなったとも言えるだろう。
しかしながら、その分鉱石を飛ばすなどの攻撃以外として、憑りついたマシンの力を利用して、新しい攻撃手段を取って来る。
【オグギョガァァ!!】
咆哮を上げたかと思えば、肩の方からどこにしまっていたんだというような巨大な棍棒を取り出し、ハルたちに向かって振るいまくる。
更にその棍棒の周囲に、先ほどまで利用していた浮遊する鉱石を展開した状態で纏わせ、直撃を避けたところでその鉱石群をかすめあて。ダメージを稼いでくる。
「ちっ、元からあった能力と憑りついた相手の能力を合わせてくるとは、厄介だな!!」
「しかも手足が追加された分、攻撃する方向が増えたせいでやりにくくもなっているようだ!!」
【オグギョォォォォォ!!】
「その上、口から光線も吐くとは最悪だぜ!!」
「目からビーム、肩から棍棒、背中からミサイルも…なんて奴なのかしらぁ!!」
「ぐぅ、面倒さが増すとは厄介だべな!!」
憑りついた相手の能力を活かしているようで、攻撃がより多様になっている。
時折磁力咆哮もやってきているようで、磁力状態になるせ、解除できても状態異常になっている間引き寄せられて、攻撃の回避が難しくなった。
数の差で多少は埋められても、地力の磁力をより強化したようなボスに変貌しているようで、強化されたせいでこちらは苦戦を強いられる。
黒き女神の力があっても、神域外では力がダウンしているので少々やりにくさも感じられるだろう。
「憑りついてパワーアップとか、ボスとしてやっていい手段なのかツッコミをいれたいけどね」
「いや、そいうのって案外いるよ。本体が糞雑魚ヒトデマンみたいなこともあるけど…」
「でも、あのギガスマグネットは元から強めだから、理不尽な強化とも言えなくもないべ」
「というか、中三病の奴が乗っているんだぜ!!おい、そっちでマシンならシャットダウンとかで稼働を止めることはできねぇのかだぜ!?」
『いや、無理だ!!磁力で内部電源も多少は操られているのか、エンジンが全然止まらん!!』
ギターマンさんの問いかけに対して、内部の方からそう声を上げる中三病。
現在絶賛操られている機体に搭乗しているとはいえ、完全に乗っ取られており、操縦すらも受け付けず、ただの中のお荷物になっているらしい。
人質になっているような構図でもあるが…まぁ、そこは関係ない。デスペナルティがあるとは言え、ここでやってもそんなに問題はないからだ。お互いにやり取りし合い、女神になっている僕とか、その他の面子の事に関しても納得してくれており、やられても文句はないらしい。
だがしかし、機体が憑りつかれていると内部のプレイヤーのステータスも少々利用しているらしく、
中三病から自身のMPなどが吸い取られているという報告も上がった。
『くそう!全然いう事もきかないし、操縦もできない!!まったく何もできない尽くしじゃないかぁ!!』
「というか、なんでそんなものに乗ってきているんだよ!!」
『仕方がないだろ!!あの魔性の恐竜の女帝から逃げるには、これを強奪して逃げ出すしかなかったからな!!』
「強奪って、盗んできたのかだべ!?」
『そうだよ!せっかく逃げられそうな星に来て、鬼畜目のダンジョンの奥深くならば魔の手も届かないだろうと思ってやって来たのに、床をぶち抜いて隠しダンジョンにも来たのにこんな目に合うとはな!!』
「そうか、そんな事があって…んん?」
「ん?」
「おや?」
「あら?」
「なぬ?」
‥‥‥今、さらっと何か中三病の口からこぼれたような。
「‥ねぇ、中三病さん。戦闘中とは言え、今何か聞超えたけど…『床をぶち抜いて』?」
『‥‥‥あ』
その問いかけに対して、何を自身の口から滑らしたのか、中三病は気が付いたらしい。
そして僕らも、どうしてこんなところに落ちてしまったのか、その元凶を見つけ出してしまったようだ。
「そうか、そういう事か」
「なーんだ、原因はすぐそこにいたのか」
『あ、あの皆さん?何かこう、凄く怖い雰囲気が漏れ出ているんですけれども?』
「いやいやいや、気のせいだぜ?」
「決して、ここまで苦労させられた元凶が、まさか目の前にいるから」
「憑りつかれて敵になっているから、これ幸いとばかりに」
「「「「「‥‥‥全力で、躊躇なく、完膚なきまでにフルボッコにしようなんて、ひとかけらも思っていませんって」」」」」
『嘘だぁぁぁぁあ!!全員今、仇を見つけたとばかりに、ギランと目を光らせたじゃないかぁぁぁぁぁ!!』
内部で中三病が叫ぶも、その哀れな子羊の鳴き声を気にすることもない。
せっかくだ、見つけたこの苦労の大元凶に対してかつ、この状態でそこそこ苦戦させられるボス相手には‥これをお披露目しよう。
「ねぇ、中三病さん。この黒き女神の姿に関して、僕ってことは分かるよね」
『あ、ああ、そうだけど。さっきの情報交換時にハルさんって知ったけど、あのレイドボスもやっていた黒き女神がまさか…‥んん?レイドボス?』
ふと、この言葉に対して中三病は気が付いたらしい。
ボス…大抵のゲームであれば、小ボスや中ボスなどもあるが、物語の最後の方に出てくる大ボスがあるだろう。
そしてそういうボスに限って、姿が一つとは限らないこともある…いや、それは大抵というよりも、何か強めのボスであればお約束なことかもしれない。
「そしてね、この黒き女神の姿だけど…実は、『第1形態』なんだよ。コレ」
『ま、ま、まさかまさかまさか!?』
ニヤリと不敵な笑みを浮かべた僕に対して、悟ってしまったらしい中三病。
そしてその怯えている憑りつき対象の心を読んだのか、ギガスマグネットもといマグルスとやらのほうも表情をこわばらせたようだが、何に手を出したのか気が付いたようだ。
「せっかくの強敵相手と、この状況にやった元凶‥‥その相手に使わずして、いつ使う。『黒き女神』のスキル、『第2形態』解放!!」
ぶわっと周囲に黒い光が集まり始め、黒き女神の周囲を包み込み始める。
どうやら変身が可能なスキルの中には、こういう風に形態を切り替えることが出来るものもあるようで、この黒き女神のスキルも例外ではない。
ただ、流石に女体化しているこのスキルで更に別の形態となるとろくでもない姿になる可能性もあったし、第1形態だけで片付くことが多かったのでやることはなかったのだが‥‥バージョンアップして相手が強くなってくるのであれば、こちらもそれ相応の強さに切り替える必要があるだろう。
磁力のボスは、巻き添えになっただけに過ぎない。単純に、この力のちょうどいい試し打ち相手に成り下がるだけだ。
どういう方向性に切り替わるか、試したことはなかったのだが‥‥やるのであれば、徹底的にボッコボコにすればいいのである。
そう思いながらも、徐々に姿が変わっていくのであった…‥‥
‥‥‥なお、中三病はこの時知らなかった。
目の前の恐怖以上の恐怖が、到達しようとしていることに。
彼にとっての真の地獄まで、黒き女神の第2形態は前菜に過ぎないことを、この場にいる誰もが想像もしていないのであった…‥‥
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