205 / 718
Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.2-73 力とは、必要な時に使うだけdeath
しおりを挟む
‥‥‥家庭の事情とは色々とあり、人はその領域に踏み込むことはしない。
何故ならば、ややこしいものだった場合、余計に面倒なことになるのが目に見えているし、好き好んでやる人はいないだろう。
だからこそ、例え身内であったとしても普段は接触せず、適度な距離を保っているようにしているのである。そう、例え執事マニアになっているような人でも、筋肉馬鹿になっているような人でも、一獲千金石油王になったお婆ちゃんやさらにヤバい裏の社会を牛耳ろうとしているお爺ちゃんがいるような家庭でも、皆それそれの立場をわきまえて、迂闊に接触しないようにしているところもあるのだ。
けれども、縁を絶つ様な事はなく、有事の身に必要になる関係になるが‥‥‥まぁ、家族仲が悪くはないのがまだマシな方なのかもしれない。
いや、悪くないどころか加減しらずのぶっ飛び野郎がでるのはどうにかして欲しかったが‥‥‥そう考えると、ここで色々とやらかしたことを考えると、何も言えなくなるなぁ。
そう思いつつ、僕はぴぽぱっと一旦ログアウトして現実の方で電話をかけて、相手が出るのをしばし待った。
社会人になって家を出てから、できるだけ自立が出来るように努力しているので、その努力を邪魔しかねない人には出来るだけ会う気はなかった。
けれども、それでも家族として力を借りる時はあるが‥‥‥後が怖い。
でも、やるしかないだろう。後悔なんぞ、この程度のものに比べたらマシだ。
―――ペポポン♪ペペポポン♪スイッペポヘェェン♪
「‥‥‥あら?珍しい電話ね」
気の抜けるようなリズムの音が鳴り、窓から差し込んだ光の先にある電話に彼女は気が付いた。
ここの電話番号は少々特殊で、身内のものしかかけられないようにしているので、そのうちの誰かがかけてきたのだと分かる。
「もしもし、‥‥‥ええ、久し振りね春。元気だったかしら?」
受話器を手に取って耳を傾け、かけてきた相手が久しぶりの孫の玄孫のそのまた孫の‥‥‥とりあえず、沢山ある中の一人であることを彼女はすぐに理解した。
それだけの人数がいるのであれば、それなりの歳を取っているはずだろう。
だが、ここは色々と事情が複雑に絡み合っている場所であり、そんな事は特に問題もない。
自分のやりたいことを自由にできる地であればどこであろうと文句はなく、何者になっていたとしても気にも留めないのだ。
「へぇ、アルケディア・オンラインの‥‥NPCのコードが、なるほどなるほど‥‥‥ふーん、大体わかったわ」
カクカクシカジカと手短に説明してもらい、すぐにどのような内容なのか彼女は理解し、同時にこめかみに青筋を立てる。
「ええ、大丈夫大丈夫。十分理解した。そしてその運営だけど‥‥‥ああ、これ知り合いが確かに絡んでいるし、ココからやるべきかしら?」
「うんうん、良いわよ。別に潰さないように、ゲームをやることに関しては存続もしっかりさせるわ。でも、こういうふざけた態度を持つ、人の心を持たねぇような輩に関しては魂の底から刻み込むような恐怖で教え込まないとねぇ…‥‥」
‥‥‥身内というのは、どことなく感性も似るものらしい。
すぐに彼女は行動に移すべく、久し振りに自身の持てる技術や権力、その他様々なものを総動員させ始めていく。
「存在感知、出力全開、物理演算全てを仮定しその場所に起こりうる事象を確認…‥‥あらら、これはこれで私の身内とも呼べるものがいるようだけれども、どうしたものかしら」
情報を瞬時に収集・分析し、その内容を理解して彼女はそうつぶやく。
厄介事にならないかと思ったが、立場的には現状彼女の方が上でもあり‥‥‥特に問題もないかと考える。
「せっかくだし、久し振りに全部の腕を稼働させましょう。ええ、春、可愛い可愛い私の孫の玄孫のそのまた先の‥‥‥遠い別のところに生まれたとはいえ、大事な孫の一人とも大雑把にくくれる子よ。フロンお姉ちゃんが全力でやってあげるわ♪」
孫の数を考えると、ひいひいがたくさんつくお婆ちゃんと言った方が正しいのではなかろうか。
そうツッコミをいれたものがいたりするのだが、全身の体毛を抜き取られてトラウマを再発させるという事をやらかした彼女。
久しぶりに力を振るえそうなことに腕が鳴り、無数のポキポキという音が周囲一帯から鳴り響くのであった…‥‥
「‥‥‥よし、とりあえずフロンお婆ちゃんコホン、お姉ちゃんに頼んだから大丈夫だと思う」
「あー‥‥‥大丈夫かもけど、あの人私苦手なんだけどー」
「え?お婆ちゃんといっているけど、なんでお姉ちゃんとも呼んでいるんだい?」
「「だってそう言わないと、確実にぬっ殺される」」
「なんだその造語!?」
…‥‥身内で頼れるお祖母ちゃんたちの頂点に立つ様な人なんだけど、行き過ぎた重さが苦手なんだよなぁ。悪い人でもないけど、なんか違って怖いんだよ。
【…‥‥フロン?】
【…‥‥あー、なるほど、それなら確かに運営に喰らうものがあるだろうゼ】
「え?ロロたち、何か知っているの?」
【知っているというか、何と言うか…‥‥運営の方々、ご冥福を祈りマス】
【演算系、元にして作られているからなぁ‥‥‥うん、少なくとも社長爆散するゼ】
いや、そこまでやってもらうつもりはないけど、まさかの関係者でもあったの?
使用人たちに知られていることに、僕はちょっと驚くのであった…‥‥
何故ならば、ややこしいものだった場合、余計に面倒なことになるのが目に見えているし、好き好んでやる人はいないだろう。
だからこそ、例え身内であったとしても普段は接触せず、適度な距離を保っているようにしているのである。そう、例え執事マニアになっているような人でも、筋肉馬鹿になっているような人でも、一獲千金石油王になったお婆ちゃんやさらにヤバい裏の社会を牛耳ろうとしているお爺ちゃんがいるような家庭でも、皆それそれの立場をわきまえて、迂闊に接触しないようにしているところもあるのだ。
けれども、縁を絶つ様な事はなく、有事の身に必要になる関係になるが‥‥‥まぁ、家族仲が悪くはないのがまだマシな方なのかもしれない。
いや、悪くないどころか加減しらずのぶっ飛び野郎がでるのはどうにかして欲しかったが‥‥‥そう考えると、ここで色々とやらかしたことを考えると、何も言えなくなるなぁ。
そう思いつつ、僕はぴぽぱっと一旦ログアウトして現実の方で電話をかけて、相手が出るのをしばし待った。
社会人になって家を出てから、できるだけ自立が出来るように努力しているので、その努力を邪魔しかねない人には出来るだけ会う気はなかった。
けれども、それでも家族として力を借りる時はあるが‥‥‥後が怖い。
でも、やるしかないだろう。後悔なんぞ、この程度のものに比べたらマシだ。
―――ペポポン♪ペペポポン♪スイッペポヘェェン♪
「‥‥‥あら?珍しい電話ね」
気の抜けるようなリズムの音が鳴り、窓から差し込んだ光の先にある電話に彼女は気が付いた。
ここの電話番号は少々特殊で、身内のものしかかけられないようにしているので、そのうちの誰かがかけてきたのだと分かる。
「もしもし、‥‥‥ええ、久し振りね春。元気だったかしら?」
受話器を手に取って耳を傾け、かけてきた相手が久しぶりの孫の玄孫のそのまた孫の‥‥‥とりあえず、沢山ある中の一人であることを彼女はすぐに理解した。
それだけの人数がいるのであれば、それなりの歳を取っているはずだろう。
だが、ここは色々と事情が複雑に絡み合っている場所であり、そんな事は特に問題もない。
自分のやりたいことを自由にできる地であればどこであろうと文句はなく、何者になっていたとしても気にも留めないのだ。
「へぇ、アルケディア・オンラインの‥‥NPCのコードが、なるほどなるほど‥‥‥ふーん、大体わかったわ」
カクカクシカジカと手短に説明してもらい、すぐにどのような内容なのか彼女は理解し、同時にこめかみに青筋を立てる。
「ええ、大丈夫大丈夫。十分理解した。そしてその運営だけど‥‥‥ああ、これ知り合いが確かに絡んでいるし、ココからやるべきかしら?」
「うんうん、良いわよ。別に潰さないように、ゲームをやることに関しては存続もしっかりさせるわ。でも、こういうふざけた態度を持つ、人の心を持たねぇような輩に関しては魂の底から刻み込むような恐怖で教え込まないとねぇ…‥‥」
‥‥‥身内というのは、どことなく感性も似るものらしい。
すぐに彼女は行動に移すべく、久し振りに自身の持てる技術や権力、その他様々なものを総動員させ始めていく。
「存在感知、出力全開、物理演算全てを仮定しその場所に起こりうる事象を確認…‥‥あらら、これはこれで私の身内とも呼べるものがいるようだけれども、どうしたものかしら」
情報を瞬時に収集・分析し、その内容を理解して彼女はそうつぶやく。
厄介事にならないかと思ったが、立場的には現状彼女の方が上でもあり‥‥‥特に問題もないかと考える。
「せっかくだし、久し振りに全部の腕を稼働させましょう。ええ、春、可愛い可愛い私の孫の玄孫のそのまた先の‥‥‥遠い別のところに生まれたとはいえ、大事な孫の一人とも大雑把にくくれる子よ。フロンお姉ちゃんが全力でやってあげるわ♪」
孫の数を考えると、ひいひいがたくさんつくお婆ちゃんと言った方が正しいのではなかろうか。
そうツッコミをいれたものがいたりするのだが、全身の体毛を抜き取られてトラウマを再発させるという事をやらかした彼女。
久しぶりに力を振るえそうなことに腕が鳴り、無数のポキポキという音が周囲一帯から鳴り響くのであった…‥‥
「‥‥‥よし、とりあえずフロンお婆ちゃんコホン、お姉ちゃんに頼んだから大丈夫だと思う」
「あー‥‥‥大丈夫かもけど、あの人私苦手なんだけどー」
「え?お婆ちゃんといっているけど、なんでお姉ちゃんとも呼んでいるんだい?」
「「だってそう言わないと、確実にぬっ殺される」」
「なんだその造語!?」
…‥‥身内で頼れるお祖母ちゃんたちの頂点に立つ様な人なんだけど、行き過ぎた重さが苦手なんだよなぁ。悪い人でもないけど、なんか違って怖いんだよ。
【…‥‥フロン?】
【…‥‥あー、なるほど、それなら確かに運営に喰らうものがあるだろうゼ】
「え?ロロたち、何か知っているの?」
【知っているというか、何と言うか…‥‥運営の方々、ご冥福を祈りマス】
【演算系、元にして作られているからなぁ‥‥‥うん、少なくとも社長爆散するゼ】
いや、そこまでやってもらうつもりはないけど、まさかの関係者でもあったの?
使用人たちに知られていることに、僕はちょっと驚くのであった…‥‥
2
お気に入りに追加
2,029
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる