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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.2-62 その行動は既に予想されているのだが
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‥‥‥再び、アルケディア・オンラインに戻れたのは良い。
不安定な状態だった体でも、ここに戻ればしっかりとした感覚が戻っており、思い通りに体を動かしやすい。
そう、現実の世界よりも動きやすくもあるのだが…‥‥この計画が成功さえすれば、大差なく活動しやすくなるはずだろう。
「そのためにも、一応隙を見てこの辺りにやっていたはずなんじゃがなぁ‥‥‥うーむ、まだ直しておらぬって、バージョンアップ自体は分かっているのじゃがその間にどうにかしなかったのじゃろうか」
ぶつくさ言いながらも鏡面ののじゃロリことアティは今、妖精郷の湖の中で特製の潜水服を着込んだ状態で、湖底を歩いて探し回っていた。
先日の襲撃で滅茶苦茶にしたのだが、妖精女王が住んでいたお城は既に修復されているようで、湖の真ん中に前よりも頑丈そうな造りでそびえたっているようである。
だがしかし、その反面騒ぎで吹っ飛んでいたがれき類は完全に回収されていなかったようで、湖底にいくつか沈み込んでいるようであった。現実の世界とは異なり、妖精女王の住まう城は例え崩落しても環境を汚さないように配慮した造りになっているので放置しても問題はないのだが、こうやって確認するといくつか魚の住みかになっているなど、以前とは様相が少し異なっている姿を見せているのだ。
「泳ぐのもありじゃが、ゆっくり探すために重くした潜水服を用意してよかったかものぅ。しかし、中々ごちゃごちゃして見つけにくいのじゃ」
不完全な状態で逃げることも想定して、実はあの騒動のどさくさに紛れて用意していたことがあった。
何事も無ければそのまま何食わぬ顔でさらっと回収できたのだが‥‥‥流石に、運営から送られてきた手のものの目をごまかすのは厳しく、ここに置いてかざるをえなかった。
けれども再びここにきて確認してみれば、どうやらまだバレていないようだ。バージョンアップ前に世界そのものを一気にスキャンして探られることも考慮して仕掛けも施していたのだが、どうやらそれが功を奏したようである。
とは言え、完全に思惑通りにはいかなかったようで、この湖底に沈んでしまったようだが…‥‥こうやって探索する羽目になるのも想定内と言えば想定無いだろう。
「っと、ようやく見つけたのじゃ」
湖底のがれきをいくつか掃除して探しやすくして、より目を光らせて注意深く探し回ってみると目的の物が見つかった。
「…‥‥うむ、内部に仕掛けた時間停止プログラムも正常に稼働しているようじゃな。生体反応も問題無いようじゃな」
拾い上げたのは磨き上げられたスクエア状の宝石のようなもの。
その内部には固まった人影が…‥‥あの妖精女王に捕らえられていたはずの悪魔ゼアの姿がしっかりと映し出されていた。
「妖精女王の方は、堕天使狙いの魔界天界大進撃道中のようじゃし、まだ気が付かれておらぬのが幸いじゃった。この状態で封印していることが知られたその日には、あっと言う間に封印解除からの強制婚姻・婚前交渉・既成事実作りとなっていた可能性があるからのぅ‥‥‥そんな目に合わなかったことを感謝してほしいのじゃ」
どう考えてもあり得すぎる未来だが、それは防げたようだ。
そう考えるとこれはこれで助かったような形かもしれないが、アティからすれば助けたわけではなく、悪魔が自身の計画に必要だったからこそ選び、封印したようなもの。
単純に悪魔という存在だけであれば適当に魔界にいる奴らを拉致すればいいのかもしれないが、計画においてそのへんにいるだけの様な者たちは意味はない。
ゆえに、きちんと選別し、確認した中でこの悪魔ゼアを選んだのだ。
「さて、あとはここから移動して‥‥‥っと!!」
中身を確認して懐に入れた後、移動しようとしたその瞬間彼女はその気配を感じ取り、素早く潜水服のボタンを押してジェットを噴射し、後方に逃れた。
バァァァン!!
そのすぐ後には、先ほど前いた場所に巨大なアームのようなものが叩きつけられており、少しでも遅れれば捕縛あるいは潰されて消去という可能性があっただろう。
「やはりのぅ、やけに警戒の目が少ないと思っていたのじゃが、すぐに出てこれるようにしていたのじゃな!!」
『肯定。NPCコード367-Rに告ぎマス』
『ココで大人しく捕縛からの消去か、それともココで戦闘を行い消去か選びなサイ」
アティの言葉に反応するかのように、アームが引っ込んで適切な距離になったところで、その主たちがビコンと湖底でもはっきり見えるようにライトを光らせながらそう警告を発する。
どうやら運営からの刺客が潜んでいたようだが、各々姿の異なる水中専用の特殊なロボットの様なものに搭乗しているようで、先ほどのアームはその一部だったようである。
「デザイン的に、色々と不味い気がするのじゃがな…‥‥ミサイルとか渦潮とか、もしや出来るやつかのぅ」
『やろうと思えばやれマス』
『ですが、ここで暴れると底が抜ける危険性がありマス』
『そこでどこか変なところに飛ばされたくはないので、安全に網やこのアームで叩き潰すなどの方法を行わせていただきマス』
「叩き潰す時点で安全じゃないのじゃが!?」
言っていることとやろうとしている事の無茶苦茶ぶりに、思わず彼女はツッコミをいれる。
運営からの刺客なのだろうが、正直思考自体はその大本と変わりないというか、やり過ぎな傾向にあると思うのだが、どことなくあの変態たち以上にやばい方向に振り切れているような気がしなくもない。
「ええい、ここで大人しく捕まるわけがなかろうが!!捕まえたければもっと数をよこすんじゃな!!空間固定で逃げられないようにする手段も対策済みじゃけどなぁ!!」
『オヤ?では、リクエストに答えましょウ』
「へ?」
何を言っているんだと思っていると、一機が手を掲げ指を鳴らすしぐさを取る。
するとあっという間に色々と転送され‥‥‥‥湖底が大量の機体に埋め尽くされてしまった。
『何も、私達だけじゃありまセン。現在は色々特殊な事情で割けない分もありますが、捕縛するためだけに湖底に五千六百億十七万三機、水上では二千五百億十九万二機、さらにその上の空中では二千一機ほど用意しているのデス』
「なんか中途半端なんじゃが!?というかココじゃと水上と空中は合計しても良いような気がするのじゃが!?」
配分がおかしいとか、そんなまとめ方で良いのかはさておき、どうやら隙を見せていたのは罠だったようで、かなりガッチガチに周囲を固めていたようである。
妖精郷から脱出して逃げれば良さそうだが、このまま何も考えずに行った場合、運営の事だから余計に最悪な場所へ自分をやりかねない。
つまり、ここから逃れるためには約八千億機ほどの軍勢の猛攻を潜り抜け、安全な場所に移動するためのプログラムの再構築を行う必要があるのだが‥‥‥正直後者はまだどうにかなるのだが、前者がかなりきつい。
「ぬぐぐぐぐ…‥‥とは言え、諦めぬぞ!!こんなこともあろうかと、変態共に色々と用意してもらったプログラムがあるのじゃからな!!」
現実ではいざ知らず、ここはVRMMOとしての法則があるのならば、そのプログラムに干渉して色々と行えばどうにかする方法がある。
そのことも考え、非常時に備えて作らせておいた物をココで彼女は使用することにした。
…‥‥そして猛攻の中何とか彼女は逃げ延びたのだが、逃げのびるためにやらかしまくった事のせいで、妖精郷は安くない被害を負う羽目になるのであった。
『むぅ、逃げられましたカ。水中用の特殊機体でしたが、彼女の腕前はより上を狙っていたようですネ』
『いえ、まだ想定内デス。ここまで暴れた以上、NPCコード367-Rの構成プログラムに異常負荷がかかったのが確認できまシタ。元々私達を越えての行動が出来るように自己改造を施した形跡がありますが、ブラックボックス部分にダメージが大きくあるようデス』
『彼女自身がこの後考えられる行動をしたとしても、自己崩壊の可能性が高いままなのは変わりありませんが‥‥‥逃がさないように、別フィールドの部隊に連絡をしましょウ』
不安定な状態だった体でも、ここに戻ればしっかりとした感覚が戻っており、思い通りに体を動かしやすい。
そう、現実の世界よりも動きやすくもあるのだが…‥‥この計画が成功さえすれば、大差なく活動しやすくなるはずだろう。
「そのためにも、一応隙を見てこの辺りにやっていたはずなんじゃがなぁ‥‥‥うーむ、まだ直しておらぬって、バージョンアップ自体は分かっているのじゃがその間にどうにかしなかったのじゃろうか」
ぶつくさ言いながらも鏡面ののじゃロリことアティは今、妖精郷の湖の中で特製の潜水服を着込んだ状態で、湖底を歩いて探し回っていた。
先日の襲撃で滅茶苦茶にしたのだが、妖精女王が住んでいたお城は既に修復されているようで、湖の真ん中に前よりも頑丈そうな造りでそびえたっているようである。
だがしかし、その反面騒ぎで吹っ飛んでいたがれき類は完全に回収されていなかったようで、湖底にいくつか沈み込んでいるようであった。現実の世界とは異なり、妖精女王の住まう城は例え崩落しても環境を汚さないように配慮した造りになっているので放置しても問題はないのだが、こうやって確認するといくつか魚の住みかになっているなど、以前とは様相が少し異なっている姿を見せているのだ。
「泳ぐのもありじゃが、ゆっくり探すために重くした潜水服を用意してよかったかものぅ。しかし、中々ごちゃごちゃして見つけにくいのじゃ」
不完全な状態で逃げることも想定して、実はあの騒動のどさくさに紛れて用意していたことがあった。
何事も無ければそのまま何食わぬ顔でさらっと回収できたのだが‥‥‥流石に、運営から送られてきた手のものの目をごまかすのは厳しく、ここに置いてかざるをえなかった。
けれども再びここにきて確認してみれば、どうやらまだバレていないようだ。バージョンアップ前に世界そのものを一気にスキャンして探られることも考慮して仕掛けも施していたのだが、どうやらそれが功を奏したようである。
とは言え、完全に思惑通りにはいかなかったようで、この湖底に沈んでしまったようだが…‥‥こうやって探索する羽目になるのも想定内と言えば想定無いだろう。
「っと、ようやく見つけたのじゃ」
湖底のがれきをいくつか掃除して探しやすくして、より目を光らせて注意深く探し回ってみると目的の物が見つかった。
「…‥‥うむ、内部に仕掛けた時間停止プログラムも正常に稼働しているようじゃな。生体反応も問題無いようじゃな」
拾い上げたのは磨き上げられたスクエア状の宝石のようなもの。
その内部には固まった人影が…‥‥あの妖精女王に捕らえられていたはずの悪魔ゼアの姿がしっかりと映し出されていた。
「妖精女王の方は、堕天使狙いの魔界天界大進撃道中のようじゃし、まだ気が付かれておらぬのが幸いじゃった。この状態で封印していることが知られたその日には、あっと言う間に封印解除からの強制婚姻・婚前交渉・既成事実作りとなっていた可能性があるからのぅ‥‥‥そんな目に合わなかったことを感謝してほしいのじゃ」
どう考えてもあり得すぎる未来だが、それは防げたようだ。
そう考えるとこれはこれで助かったような形かもしれないが、アティからすれば助けたわけではなく、悪魔が自身の計画に必要だったからこそ選び、封印したようなもの。
単純に悪魔という存在だけであれば適当に魔界にいる奴らを拉致すればいいのかもしれないが、計画においてそのへんにいるだけの様な者たちは意味はない。
ゆえに、きちんと選別し、確認した中でこの悪魔ゼアを選んだのだ。
「さて、あとはここから移動して‥‥‥っと!!」
中身を確認して懐に入れた後、移動しようとしたその瞬間彼女はその気配を感じ取り、素早く潜水服のボタンを押してジェットを噴射し、後方に逃れた。
バァァァン!!
そのすぐ後には、先ほど前いた場所に巨大なアームのようなものが叩きつけられており、少しでも遅れれば捕縛あるいは潰されて消去という可能性があっただろう。
「やはりのぅ、やけに警戒の目が少ないと思っていたのじゃが、すぐに出てこれるようにしていたのじゃな!!」
『肯定。NPCコード367-Rに告ぎマス』
『ココで大人しく捕縛からの消去か、それともココで戦闘を行い消去か選びなサイ」
アティの言葉に反応するかのように、アームが引っ込んで適切な距離になったところで、その主たちがビコンと湖底でもはっきり見えるようにライトを光らせながらそう警告を発する。
どうやら運営からの刺客が潜んでいたようだが、各々姿の異なる水中専用の特殊なロボットの様なものに搭乗しているようで、先ほどのアームはその一部だったようである。
「デザイン的に、色々と不味い気がするのじゃがな…‥‥ミサイルとか渦潮とか、もしや出来るやつかのぅ」
『やろうと思えばやれマス』
『ですが、ここで暴れると底が抜ける危険性がありマス』
『そこでどこか変なところに飛ばされたくはないので、安全に網やこのアームで叩き潰すなどの方法を行わせていただきマス』
「叩き潰す時点で安全じゃないのじゃが!?」
言っていることとやろうとしている事の無茶苦茶ぶりに、思わず彼女はツッコミをいれる。
運営からの刺客なのだろうが、正直思考自体はその大本と変わりないというか、やり過ぎな傾向にあると思うのだが、どことなくあの変態たち以上にやばい方向に振り切れているような気がしなくもない。
「ええい、ここで大人しく捕まるわけがなかろうが!!捕まえたければもっと数をよこすんじゃな!!空間固定で逃げられないようにする手段も対策済みじゃけどなぁ!!」
『オヤ?では、リクエストに答えましょウ』
「へ?」
何を言っているんだと思っていると、一機が手を掲げ指を鳴らすしぐさを取る。
するとあっという間に色々と転送され‥‥‥‥湖底が大量の機体に埋め尽くされてしまった。
『何も、私達だけじゃありまセン。現在は色々特殊な事情で割けない分もありますが、捕縛するためだけに湖底に五千六百億十七万三機、水上では二千五百億十九万二機、さらにその上の空中では二千一機ほど用意しているのデス』
「なんか中途半端なんじゃが!?というかココじゃと水上と空中は合計しても良いような気がするのじゃが!?」
配分がおかしいとか、そんなまとめ方で良いのかはさておき、どうやら隙を見せていたのは罠だったようで、かなりガッチガチに周囲を固めていたようである。
妖精郷から脱出して逃げれば良さそうだが、このまま何も考えずに行った場合、運営の事だから余計に最悪な場所へ自分をやりかねない。
つまり、ここから逃れるためには約八千億機ほどの軍勢の猛攻を潜り抜け、安全な場所に移動するためのプログラムの再構築を行う必要があるのだが‥‥‥正直後者はまだどうにかなるのだが、前者がかなりきつい。
「ぬぐぐぐぐ…‥‥とは言え、諦めぬぞ!!こんなこともあろうかと、変態共に色々と用意してもらったプログラムがあるのじゃからな!!」
現実ではいざ知らず、ここはVRMMOとしての法則があるのならば、そのプログラムに干渉して色々と行えばどうにかする方法がある。
そのことも考え、非常時に備えて作らせておいた物をココで彼女は使用することにした。
…‥‥そして猛攻の中何とか彼女は逃げ延びたのだが、逃げのびるためにやらかしまくった事のせいで、妖精郷は安くない被害を負う羽目になるのであった。
『むぅ、逃げられましたカ。水中用の特殊機体でしたが、彼女の腕前はより上を狙っていたようですネ』
『いえ、まだ想定内デス。ここまで暴れた以上、NPCコード367-Rの構成プログラムに異常負荷がかかったのが確認できまシタ。元々私達を越えての行動が出来るように自己改造を施した形跡がありますが、ブラックボックス部分にダメージが大きくあるようデス』
『彼女自身がこの後考えられる行動をしたとしても、自己崩壊の可能性が高いままなのは変わりありませんが‥‥‥逃がさないように、別フィールドの部隊に連絡をしましょウ』
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