アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.2-61 結びつくのは、運命の糸

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‥‥‥ライトスパイダーを探すために、巨大な虫のモンスターが出現する森の中を探索して10分ほど。
 まだまだそこまで時間が経過していないのだが、虫の大きさゆえになんかもう小人として森の中を探検しているような気分になって来る。

「というか、スゴイ大きいのが多い割には、そこまで攻撃的でもないから気楽だよね」
【シャゲェ】

 そもそもこちらから何かしなければ、基本的に襲うことがないのは魔物であろうがなかろうが、虫としては当然のことなのかもしれない。例外もあるけど。
 それはさておき、ここまで大群とかも見るが、目的のライトスパイダーどころか蜘蛛のモンスター自体あまり目撃を出来ていない。捕食者として数が少ないのか、それともここまで大きいものを食べるとなると巨体な体でないと見合わなそうだから罠を張って待ち構えるからほぼ動かないので目撃できないのか‥‥‥捕獲されて見つける様な事がありそうなのがちょっと怖い所。

 でもこの面子なら、そんな簡単に罠にかかることはあるまい。






「…‥‥そう思っていたけど、全然動けないね」
【バルルルルゥ!!】
【ギャベェェィ!!】

 フラグでも立てたというべきなのか、突然床が全部抜け僕らは落下した。
 そしてその先には、巨大な蜘蛛の巣が用意されており、網目が荒くなく細かく設置されていたので、全員落ちることなく見事にかかっていた。

 結構粘りが強いようで、もがけばもがくほど絡みつく。
 特にこの面子の中では足が多い方のルトやセレアには相性が最悪のようで、ちょっと暴れただけでもうぐるぐる巻き状態になっている。
 あとは普通に二本足か足が無い組なのでそこまででもないのだが‥‥‥こんな大き目の蜘蛛の巣を用意するという事は、その主は見合った者の可能性がある。


【ゴゲェェェバァァァァァァ!!】
「でっかぁぁぁあい!!そして頭多いな!?『ケルベロスパイダー』か!!」

 姿を現したモンスターは、想像していた蜘蛛のモンスターの姿とはちょっと違うようで、3体ほどの蜘蛛が合体しているような姿をしていた。
 ケルベロスパイダー‥‥‥3体の蜘蛛のモンスターがなんやかんやあって合体し、そのまま生活をしたら案外都合が良かったので分離する生活を忘れたというモンスター。罠を張るのは左頭、設置場所を決めるのは真ん中、後は捕食担当の右頭と役割を分けているというが、まさかそんな奴に出くわすとは思わなかった。

 というか、普通にこんな罠に全員かかるとはなぁ…‥‥ちょっとばかり、慢心していたかもしれなん。


【ゴエゴゲゴゲェェェェェ!!】

 そんなことを考えている間に、ケルベロスパイダーは多くの足を器用に動かし僕らの元へ迫りくる。
 でも、大人しく食われるように待っているわけでもない。

「アリス!!全力で火の息を!!コユキは雪兵たちを召喚して応戦用意!!」
【オォォン!】
【ユッキー!!】

 物理的に行動はとりにくいが、そうでない行動をとれる面子がいるのはこういう時に心強い。
 捕縛されていても身を動かすことなく反撃に出られると思っていた‥‥‥次の瞬間だった。


ゴゥゥゥゥゥ、ガッチィィィィィン!!
【ゴゲゴェ!?】
「え?」

 攻撃をしようと構えていたその時、上から何かが降り注いだかと思えば一瞬でケルベロスパイダーが凍り付いた。
 コユキの冷気の攻撃でもないようで、見上げるとトドメの攻撃が待っていた。


【キュルルルル、ハンマースマァァッシュ!!】

 大きな蜘蛛の魔物よりは小さいが、同じような蜘蛛の身体を下半身に持った女性。
 彼女の手には巨大なハンマーが握られており、凍ったケルベロスパイダーにめがけて振り下ろされる。


バッギィィィィィィィン!!
【キュルル!!勝利したよ!!】
「良いよハクロー!!底にいる人たちを解放したら戻って来てー!」
【キュル!!】

 どうやら僕等を助けてくれたようだが、別のプレイヤーのテイムモンスターのようであった…‥‥


「‥‥‥あれ?テイムしたモンスターって人の言葉を喋れたっけ?」
【シャゲェ?】

…‥‥基本的に人の言葉をしゃべるようなのはいなかったような。アップデートで追加されたのか、はたまたはモンスターとは違うのか?でも、見た目は完全に白い印象を持つアラクネっぽいしなぁ‥‥‥うーん。

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