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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.1-48 どっちがどっちなのか、一瞬不明になる
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‥‥‥あの凶悪のじゃのじゃ厄災大魔神うどん好きロリが、強盗のような真似をするのは考えにくい。
それも、自分の妹を犠牲にしてまでやらかし、逃亡するというのもどういう事なのか。
「いや、前にボスを連れてやってきちゃったことがあったから、やってもおかしくはないのか?」
【シャゲェ‥‥‥】
ボスを連れて来る、テイムモンスターの進化先に影響を与えるようなことをする、だまして試練のようなことをさせられる、その他ネット上にあることも出してみるときりがなく、おかしくはないのかもしれないと思いかける。
だがしかし、そんな事を考えても‥‥‥どうしよう、救い様がない。
どうしようもなさすぎるので、ここは今の事を考えなければいけない。
決して目を背けて現実逃避をしたいという訳ではなく、何かおかしくなっているのじゃロリということは放置しておくのは非常に不味いと分かるのだ。
いやまぁ、普段の彼女もそれはそれで放置したら駄目そうだけどね…‥‥何だろう、だんだん口にするたびにさっさと運営に通報するだけで良いような気もしてくる。
【いや、それはうまくいかないだろうな。今の奴はどういう訳か運営の手や目すらもかいくぐっているようだ。そうでなければ、無茶苦茶なことをやらかすようなこともするまい】
「そうなんですか?」
【ああ、間違いないだろう。こんなことをプレイヤーである者へいうのもなんだが、最悪の場合存在そのものを消去されるようなことを、NPCである我々は決してやらないのだ】
カイザーシルクワームさん曰く、アルケディア・オンライン内のNPCたちにとって最も強い恐怖というのは、自身の存在を消されることにあるらしい。
ゲームの中にしか存在できず、そして消されてバックアップがあったとしてもそれはもう自分ではない。自分のような何かがいたとしても消される前の己ではないことに恐怖を心の底で感じ取っており、危ない橋を渡るような真似は避けるそうだ。
そもそもプレイヤーと違って一度死亡したら、もう還ってこれなくもあるらしいからな‥‥‥バックアップでキャラが戻って来たとしても、それはもう違う者になっているとしか言いようがない。
「それなのに、何故のじゃロリはそんな真似をしたのだろうか‥‥‥」
「‥‥‥おそらくだけれども、多分そう思っていないのかもしれないわ」
「っと、ロティさん目を覚ましたのか」
疑問に思っていると、先ほど寝かせていた二人の内、ロティさんの方が目を覚ましてそう口にした。
中三病さんはオーバーキルにも等しい攻撃を受けたせいで気絶したままのようだが、彼女の場合は混乱して暴れただけなので、そんなにダメージも負っていなかったのだろう。
「ねぇ、カイザーシルクワームさん。今日はこの世界でいつなのかしら?」
【ふむ、確か‥‥‥ボンブスの花が咲く頃合いだな】
「となると、大体3日ぐらいね。私、3日前から記憶がないのだけれども、多分説明できるわ」
「記憶がない?」
「ええ。というのもね…‥‥」
カクカクシカジカと、ロティさんは語りだした。
なんでも記憶をなくす前の事なのだが、彼女は自身に与えられている試練の巫女としての役割を過ごす日々を送っていたらしい。
そんな巫女の日々にも休暇が存在しており、特に今回は試練に挑む者がそこまでいなかったので、思い切って長期休暇を取ることにしていたそうだ。
その休暇の最中で、自身の姉であるのじゃロリが、休暇でゆっくりと過ごしていた彼女のところへ訪問してきたらしい。
いわく、たまには姉妹として仲良く遊びたいのだが、あまり体を動かすようなものもいま一つだったので、頭を使う様な遊びとして将棋で挑みに来たそうである。
ロティさんとしては反対する気もなかったし、珍しく姉であるのじゃロリが誘って来たのでならば受けて立とうという事で勝負に乗り…‥‥駒を進めるうちに、意識が無くなっていたのだとか。
「おそらくは、考え事で熱中している隙に、少しづつ盛られていたのかもしれないのよね‥‥‥意識を沈め、相手を意のままに操る禁忌の術ならあるもの」
「禁忌って時点で、相当ヤバいものだと分かります」
「でも、姉さんはそんなものに流石に手を出すようなことはしなかったはずなのよねぇ‥‥‥昔ちょっとやっちゃったときに酷いお仕置きを受けたそうで、あの姉さんにしては珍しく、天変地異でも起きるのかというほど深く反省しまくり、厳重に封印していたはずなのよ」
お仕置きをいくら受けても懲りないようなのじゃロリのはずなのに、よっぽど痛い目でも見たのか物凄く懲りて手を出せないように、自分でも解けないほど禁忌の術をすべて封印していたらしい。
それなのに、何故そんな封印を破り使ったのか‥‥‥それに関して、ロティさんは思い当たる節があるそうだ。
「いえ、そもそも今考えてみれば、あれは姉さんではなかったのかもしれない」
【そうか?行動こそおかしかったが、容姿は間違いなく厄災大魔神エルフ巫女だったぞ】
「否定しないけれども、妹として分かるのよ。姉さんとは違う、何かがあったって」
あっているような酷いような言い方に対して、そう答えるロティさん。
なんというか、姉妹としての絆があるのか‥‥‥本当にあののじゃロリの妹なのかと言えるような人の発言だけに、信憑性は増すものである。
「のじゃロリのようで、そうでない‥‥‥どういうことだ?」
「分からない。でも、もしかすると足取りのヒントになるようなものがあるわ」
「…‥‥それで、ここか」
「ええ、姉さんが普段の隠れ家に利用している祠のここに‥‥‥あったわ、日記帳が」
カイザーシルクワームさんの住みかから出て僕らが向かったのは、のじゃロリの棲み処。
妹だけあってしっかりと姉の隠すようなものを熟知しているようで、その中で日記帳を出してきた。
「ああ見えて姉さん、日々の出来事を日記に書くのが趣味なのよ。思い出すだけでも十分良いけれども、書き残すことで鮮明に思い描けるのだって言っていたのよね」
なお、日記に関して三日坊主では無かったそうで、日記を書き始めてからずっとつみ重ねているらしい。
彼女達の実家には、山のように日記帳が積み重なっている部屋があるそうだが、ここにあるのはまだ執筆中の代物、つまり最新の情報が載っているという訳だ。
ぱらぱらとめくり、探るロティさん。
覗き見てもエルフ独特の文字なのかはたまた単純にミミズがのたうち回って暴れているような悪筆なだけか中身が全然読めない。
それなのにロティさんが読めているという事はおそらく前者なのか‥‥‥いや、解読に成功しているだけとも言えるかもしれない。
「あったわ。結構量があるけれども、記録から怪しいのが出てきたわね」
―――――
『ドクロ草が満開になる本日、暇つぶしにハッキングを隠れて行っていると、運営が何やら面白おかしそうなことをやろうとしていることを理解したのじゃ』
『タコツボマンジュウガニの見合い日、探っていた件に関して発見した。どうやらこことは違う世界をまた作り出した‥‥‥いや、引っ張り出してきたようじゃな。うむ、修行の場は気になるが、鏡面世界というのも気になるのぅ』
『父のヅラの裏に娘心から思って毛生え薬P3-34を塗りたくった日、本日はお客さんが来たようじゃ。おお、運営すごいのじゃ!!鏡面世界の自分がやって来たのぅ!!あ、ちなみにP3-34は後で知ったのじゃが、失敗作じゃったようですんごく怒られた…‥‥バーコードになったら、無理もないかもしれぬ』
『フォックスレインの婚前前の日、鏡面世界の自分と語り合ったのじゃが、奴め面白そうなことを考えておったのぅ。鏡の自分じゃけれども、精々髪型がちょっと反転している程度の違い以外では、思考も似ていたようじゃ。より面白い事を求めて、現実世界にちょっと手を出す方法を見つけたと言っていたのじゃ。自分達NPCが可能なのかと思ったが、何でも協力者を得てやっているらしい。でも、やっぱりちょっと難しいので手伝ってほしいと言われたので、暇を見つけて手伝いに行くことを約束してやったのじゃ』
『対抗戦現場に乱入したいなーと思っていた日‥‥‥後悔したのじゃ。不味い、これ下手すると運営の手によってマジで消されかねん。ここはもう、覚悟を持って告発するべきかと思い、証拠を集めようとした先で‥‥‥自分の考えは自分が良く分かっているというように、鏡面世界の自分が襲ってきたのじゃ』
『不味い不味い不味い不味い!!どうしようもない!!なんじゃよ姿が鏡映しになっているだけかと思ったのに、あやつ中身まで反対なんじゃが!?違う、あれは自分で手を加えて、もうおかしなものに成り果てただけの存在じゃ!!』
『やめろヤメロ止めろ!!プログラム、書き換え、やるな!!自分で、んかようふおdのkあようぶおm、k…‥‥』
『‥‥‥のぅ、この日記を見つけたものよ。頼むのじゃ。自分でなくなったこの身は、もう少ししか意識が持たぬ』
『幸い、デリートは免れているようでな、自分はリセットプログラムを撃ちさえすれば、元に戻るのじゃ』
『でも、鏡の自分は‥‥‥駄目じゃ。奴め、どうして…‥‥いや今なら分かるのじゃ』
『あやつは、飲まれたのじゃ。本来、見ることがないようなネットの闇の中へ。悪意などがため込まれた地へ入ってしまい、染まったのじゃろう』
『‥‥‥頼む、カギはおそらく、妖精女王の城の…‥‥、あとは、あの悪魔が‥‥‥』
―――――
‥‥‥ぱたんっとそこで本が閉じられ、日揮が終わったことを示した。
「‥‥‥怪しいどころか、余計にぶっ飛んだ話が出て来たようなんだけど」
「姉さん‥‥‥最後まで、頑張って書いていたようね」
ここまで読めば、本来ののじゃロリがどうなったのか考えるまでもない。
それでも彼女は余計にやばい奴に関しての情報を必死に残したのだろう。
取りあえず得た情報としては、のじゃロリが個人でやった事ではない事だろう。
いや、違う意味で彼女自身七日もしてないが、中身から察するにもはやまったくの別物がしでかして見せたという事ぐらいか。
「カギになりそうなのは、妖精女王の城と、のじゃロリの知り合いっぽい悪魔?この二つに向かえば、足取りが分かるのかもしれない」
何をしたいのかは不明だが、中身から察するに現実世界の方に何かしでかす気があるのが見えるだろう。
そしてそれがどう考えても非常にロクデモナイ結末を産むことも想像するに容易い。むしろ、その想像を超えて酷いことになるかもしれない。
「ロロ、運営の方に緊急連絡できるか?」
【可能デス。通報は既にしまシタ。監視部門の方で発見はまだできていないですガ、現実への干渉が予想できるのであれば、ある程度の対処法はありマス】
そもそも、アルケディア・オンライン自体が現実にも多少影響を与えているもので、使用人を現実にやったり、箱庭のように出したり、そしてドールでほぼ現実に出現させることもできている。
いくら鏡面の奴が動いたとしても、つみ重ねて作り上げた技術と比較すると日数に差があり、まだすぐに動けるとは思えない。
けれども、どう考えても危険な事態に進み始めていることだけは理解させられるのであった…‥‥
「ひとまずは、のじゃロリの最後にあったものに関して探ったほうがいいのか?」
「でも、悪魔も妖精女王もそう簡単には…‥‥」
「何で方向性の違う様なやつがまとめて‥‥あれ?待てよ?」
…‥‥もしかして、両方とも一気にできるかもしれない。少々犠牲があるかもしれないが。
それも、自分の妹を犠牲にしてまでやらかし、逃亡するというのもどういう事なのか。
「いや、前にボスを連れてやってきちゃったことがあったから、やってもおかしくはないのか?」
【シャゲェ‥‥‥】
ボスを連れて来る、テイムモンスターの進化先に影響を与えるようなことをする、だまして試練のようなことをさせられる、その他ネット上にあることも出してみるときりがなく、おかしくはないのかもしれないと思いかける。
だがしかし、そんな事を考えても‥‥‥どうしよう、救い様がない。
どうしようもなさすぎるので、ここは今の事を考えなければいけない。
決して目を背けて現実逃避をしたいという訳ではなく、何かおかしくなっているのじゃロリということは放置しておくのは非常に不味いと分かるのだ。
いやまぁ、普段の彼女もそれはそれで放置したら駄目そうだけどね…‥‥何だろう、だんだん口にするたびにさっさと運営に通報するだけで良いような気もしてくる。
【いや、それはうまくいかないだろうな。今の奴はどういう訳か運営の手や目すらもかいくぐっているようだ。そうでなければ、無茶苦茶なことをやらかすようなこともするまい】
「そうなんですか?」
【ああ、間違いないだろう。こんなことをプレイヤーである者へいうのもなんだが、最悪の場合存在そのものを消去されるようなことを、NPCである我々は決してやらないのだ】
カイザーシルクワームさん曰く、アルケディア・オンライン内のNPCたちにとって最も強い恐怖というのは、自身の存在を消されることにあるらしい。
ゲームの中にしか存在できず、そして消されてバックアップがあったとしてもそれはもう自分ではない。自分のような何かがいたとしても消される前の己ではないことに恐怖を心の底で感じ取っており、危ない橋を渡るような真似は避けるそうだ。
そもそもプレイヤーと違って一度死亡したら、もう還ってこれなくもあるらしいからな‥‥‥バックアップでキャラが戻って来たとしても、それはもう違う者になっているとしか言いようがない。
「それなのに、何故のじゃロリはそんな真似をしたのだろうか‥‥‥」
「‥‥‥おそらくだけれども、多分そう思っていないのかもしれないわ」
「っと、ロティさん目を覚ましたのか」
疑問に思っていると、先ほど寝かせていた二人の内、ロティさんの方が目を覚ましてそう口にした。
中三病さんはオーバーキルにも等しい攻撃を受けたせいで気絶したままのようだが、彼女の場合は混乱して暴れただけなので、そんなにダメージも負っていなかったのだろう。
「ねぇ、カイザーシルクワームさん。今日はこの世界でいつなのかしら?」
【ふむ、確か‥‥‥ボンブスの花が咲く頃合いだな】
「となると、大体3日ぐらいね。私、3日前から記憶がないのだけれども、多分説明できるわ」
「記憶がない?」
「ええ。というのもね…‥‥」
カクカクシカジカと、ロティさんは語りだした。
なんでも記憶をなくす前の事なのだが、彼女は自身に与えられている試練の巫女としての役割を過ごす日々を送っていたらしい。
そんな巫女の日々にも休暇が存在しており、特に今回は試練に挑む者がそこまでいなかったので、思い切って長期休暇を取ることにしていたそうだ。
その休暇の最中で、自身の姉であるのじゃロリが、休暇でゆっくりと過ごしていた彼女のところへ訪問してきたらしい。
いわく、たまには姉妹として仲良く遊びたいのだが、あまり体を動かすようなものもいま一つだったので、頭を使う様な遊びとして将棋で挑みに来たそうである。
ロティさんとしては反対する気もなかったし、珍しく姉であるのじゃロリが誘って来たのでならば受けて立とうという事で勝負に乗り…‥‥駒を進めるうちに、意識が無くなっていたのだとか。
「おそらくは、考え事で熱中している隙に、少しづつ盛られていたのかもしれないのよね‥‥‥意識を沈め、相手を意のままに操る禁忌の術ならあるもの」
「禁忌って時点で、相当ヤバいものだと分かります」
「でも、姉さんはそんなものに流石に手を出すようなことはしなかったはずなのよねぇ‥‥‥昔ちょっとやっちゃったときに酷いお仕置きを受けたそうで、あの姉さんにしては珍しく、天変地異でも起きるのかというほど深く反省しまくり、厳重に封印していたはずなのよ」
お仕置きをいくら受けても懲りないようなのじゃロリのはずなのに、よっぽど痛い目でも見たのか物凄く懲りて手を出せないように、自分でも解けないほど禁忌の術をすべて封印していたらしい。
それなのに、何故そんな封印を破り使ったのか‥‥‥それに関して、ロティさんは思い当たる節があるそうだ。
「いえ、そもそも今考えてみれば、あれは姉さんではなかったのかもしれない」
【そうか?行動こそおかしかったが、容姿は間違いなく厄災大魔神エルフ巫女だったぞ】
「否定しないけれども、妹として分かるのよ。姉さんとは違う、何かがあったって」
あっているような酷いような言い方に対して、そう答えるロティさん。
なんというか、姉妹としての絆があるのか‥‥‥本当にあののじゃロリの妹なのかと言えるような人の発言だけに、信憑性は増すものである。
「のじゃロリのようで、そうでない‥‥‥どういうことだ?」
「分からない。でも、もしかすると足取りのヒントになるようなものがあるわ」
「…‥‥それで、ここか」
「ええ、姉さんが普段の隠れ家に利用している祠のここに‥‥‥あったわ、日記帳が」
カイザーシルクワームさんの住みかから出て僕らが向かったのは、のじゃロリの棲み処。
妹だけあってしっかりと姉の隠すようなものを熟知しているようで、その中で日記帳を出してきた。
「ああ見えて姉さん、日々の出来事を日記に書くのが趣味なのよ。思い出すだけでも十分良いけれども、書き残すことで鮮明に思い描けるのだって言っていたのよね」
なお、日記に関して三日坊主では無かったそうで、日記を書き始めてからずっとつみ重ねているらしい。
彼女達の実家には、山のように日記帳が積み重なっている部屋があるそうだが、ここにあるのはまだ執筆中の代物、つまり最新の情報が載っているという訳だ。
ぱらぱらとめくり、探るロティさん。
覗き見てもエルフ独特の文字なのかはたまた単純にミミズがのたうち回って暴れているような悪筆なだけか中身が全然読めない。
それなのにロティさんが読めているという事はおそらく前者なのか‥‥‥いや、解読に成功しているだけとも言えるかもしれない。
「あったわ。結構量があるけれども、記録から怪しいのが出てきたわね」
―――――
『ドクロ草が満開になる本日、暇つぶしにハッキングを隠れて行っていると、運営が何やら面白おかしそうなことをやろうとしていることを理解したのじゃ』
『タコツボマンジュウガニの見合い日、探っていた件に関して発見した。どうやらこことは違う世界をまた作り出した‥‥‥いや、引っ張り出してきたようじゃな。うむ、修行の場は気になるが、鏡面世界というのも気になるのぅ』
『父のヅラの裏に娘心から思って毛生え薬P3-34を塗りたくった日、本日はお客さんが来たようじゃ。おお、運営すごいのじゃ!!鏡面世界の自分がやって来たのぅ!!あ、ちなみにP3-34は後で知ったのじゃが、失敗作じゃったようですんごく怒られた…‥‥バーコードになったら、無理もないかもしれぬ』
『フォックスレインの婚前前の日、鏡面世界の自分と語り合ったのじゃが、奴め面白そうなことを考えておったのぅ。鏡の自分じゃけれども、精々髪型がちょっと反転している程度の違い以外では、思考も似ていたようじゃ。より面白い事を求めて、現実世界にちょっと手を出す方法を見つけたと言っていたのじゃ。自分達NPCが可能なのかと思ったが、何でも協力者を得てやっているらしい。でも、やっぱりちょっと難しいので手伝ってほしいと言われたので、暇を見つけて手伝いに行くことを約束してやったのじゃ』
『対抗戦現場に乱入したいなーと思っていた日‥‥‥後悔したのじゃ。不味い、これ下手すると運営の手によってマジで消されかねん。ここはもう、覚悟を持って告発するべきかと思い、証拠を集めようとした先で‥‥‥自分の考えは自分が良く分かっているというように、鏡面世界の自分が襲ってきたのじゃ』
『不味い不味い不味い不味い!!どうしようもない!!なんじゃよ姿が鏡映しになっているだけかと思ったのに、あやつ中身まで反対なんじゃが!?違う、あれは自分で手を加えて、もうおかしなものに成り果てただけの存在じゃ!!』
『やめろヤメロ止めろ!!プログラム、書き換え、やるな!!自分で、んかようふおdのkあようぶおm、k…‥‥』
『‥‥‥のぅ、この日記を見つけたものよ。頼むのじゃ。自分でなくなったこの身は、もう少ししか意識が持たぬ』
『幸い、デリートは免れているようでな、自分はリセットプログラムを撃ちさえすれば、元に戻るのじゃ』
『でも、鏡の自分は‥‥‥駄目じゃ。奴め、どうして…‥‥いや今なら分かるのじゃ』
『あやつは、飲まれたのじゃ。本来、見ることがないようなネットの闇の中へ。悪意などがため込まれた地へ入ってしまい、染まったのじゃろう』
『‥‥‥頼む、カギはおそらく、妖精女王の城の…‥‥、あとは、あの悪魔が‥‥‥』
―――――
‥‥‥ぱたんっとそこで本が閉じられ、日揮が終わったことを示した。
「‥‥‥怪しいどころか、余計にぶっ飛んだ話が出て来たようなんだけど」
「姉さん‥‥‥最後まで、頑張って書いていたようね」
ここまで読めば、本来ののじゃロリがどうなったのか考えるまでもない。
それでも彼女は余計にやばい奴に関しての情報を必死に残したのだろう。
取りあえず得た情報としては、のじゃロリが個人でやった事ではない事だろう。
いや、違う意味で彼女自身七日もしてないが、中身から察するにもはやまったくの別物がしでかして見せたという事ぐらいか。
「カギになりそうなのは、妖精女王の城と、のじゃロリの知り合いっぽい悪魔?この二つに向かえば、足取りが分かるのかもしれない」
何をしたいのかは不明だが、中身から察するに現実世界の方に何かしでかす気があるのが見えるだろう。
そしてそれがどう考えても非常にロクデモナイ結末を産むことも想像するに容易い。むしろ、その想像を超えて酷いことになるかもしれない。
「ロロ、運営の方に緊急連絡できるか?」
【可能デス。通報は既にしまシタ。監視部門の方で発見はまだできていないですガ、現実への干渉が予想できるのであれば、ある程度の対処法はありマス】
そもそも、アルケディア・オンライン自体が現実にも多少影響を与えているもので、使用人を現実にやったり、箱庭のように出したり、そしてドールでほぼ現実に出現させることもできている。
いくら鏡面の奴が動いたとしても、つみ重ねて作り上げた技術と比較すると日数に差があり、まだすぐに動けるとは思えない。
けれども、どう考えても危険な事態に進み始めていることだけは理解させられるのであった…‥‥
「ひとまずは、のじゃロリの最後にあったものに関して探ったほうがいいのか?」
「でも、悪魔も妖精女王もそう簡単には…‥‥」
「何で方向性の違う様なやつがまとめて‥‥あれ?待てよ?」
…‥‥もしかして、両方とも一気にできるかもしれない。少々犠牲があるかもしれないが。
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