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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.1-45 準備される間に、浄化されゆく者も

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‥‥‥大体の予想はしていただろう。
 あれだけ大勢のいる場で、相当やらかしている様子が映し出されているのだから、むしろやらない可能性の方が無かったのかもしれない。

「…‥‥変態戦隊に混ざっているのは、前の会社での集まりで十分わかっていたとはいえ」
「会社の伝手で高名なお寺に預けられたというが」
「たった1日でこうも変わり果てるとはな‥‥‥」

 一応、レッドことタローンもとい、太郎丸に関して、あの行動は流石に社内で問題視されたらしい。物凄い今更すぎる感じもするのだが、少々目立ち過ぎたがゆえに目を付けられてしまったようだ。
 でも、そこそこ業績を上げることに関しての腕前は良いし、欠点さえ見ないふりをすれば優秀な社員でもあるので、そう簡単にクビにすることもできないだろう。

 ゆえに対抗戦も終えてすぐに、会社の方から呼び出しがかかったようで、翌日の出社時にはいなかったのだが‥‥‥たった一日で帰ってきたとはいえ、彼は変わり果てていた。


「~~~~~~(お経)」
「片手で写経して、片手で仕事をしつつ、お経を延々と唱え続けているんだが」
「壊れた機械のような動きをしているのに、正確な仕事ができているようでもあるけど」
「「「何があったのか聞くのが怖いほど真面目になっている‥‥‥」」」

 お寺に預けられたという事で坊主になっているのかと思ったが、一応髪の部分は許されたらしい。
 だがしかし、それを差し引いても今までの太郎丸とは行動が大きく変わっており、何か悟りを開いたかのような、あるいは死んだ魚の様な目をしながら真面目に仕事をしていた。
 人とはこうも無残に変わってしまうのかと思うと同時に、普段の様子と天秤にかけると‥‥‥あれ、どっちも大差ないような気がしてきた。
 それにこの様子だと、他の欲望戦隊の面子もどうなっているのか予想しやすい。
 あのミートンの奥さんと孫娘さんが、タダで済ますようなことはしていないはずである。むしろ、この太郎丸の様子を見ると同じような目にあわされている可能性が大きい。
 そう考えると、今のこの状態と同じようなことに…‥‥うん、その方が世のため人のためか。どう考えてもそっちの方が良いな!!





 何にしても世の中が少し平和になったのであれば良いことだと思いつつも、気になるのは追加されるフィールドのことである。
 どこかの誰かが浄化されているのは世界平和のために良いとして、新しく解放されるのはどういうところになるのだろうか。

「普通に考えると、海に魔界天界と来たら、今度は宇宙もあり得るのか?」
「そうかなぁ?あの運営の事だと、深海とか地獄とかも出てきておかしくないよな」
「いや、魔界と地獄は被って・・・・・そこまででもないのか?」

 カタカタと仕事をしつつ、同じくアルケディア・オンラインを楽しんでいる同僚たちと話し合って見るのだが、予想が中々つかない。
 何しろアルケディア・オンラインの運営がやることとして、予想したとしてもあざ笑うかのようなことを見事にやらかしてくる可能性が非常に大きいのだ。


「対抗戦も不定期開催されることが決定したが、まさか新フィールドを見越してのものじゃないよな?」
「あー、あり得るかも。対抗戦専用フィールドじゃなくて、その新フィールドでの争いとか」
「それで宇宙でも出てきたら、宇宙遊泳対抗戦みたいなのも出されかねん」
「どうやって動けと言うんだ、そんな環境で‥‥‥」

 気になるものが非常に多いが、実際にやって見ないと分からない。
 まぁ、限界高度は以前尊い犠牲中三病さんのことがあったのでわかっているし、そこから考えると宇宙空間が新フィールドとして設定されてもおかしくはないだろう。
 なら、予想に対してできる準備としては…‥‥




「魔導戦艦を、宇宙戦艦に改造できないかな?」
【今でも十分、乗り込めるレベルですけれど…‥‥やっておいて、損はないデスネ】

 本日の業務も終え、帰って早々ログインしてロロに相談した。
 そのそばには、現在進行形で大改装を再び行われているグレイ号の姿があるが、まだまだやることが多いようで終わりは見えていない。

【大気圏突入用の冷凍防御システムも構築できましたが、他にも機密性の確保や無重力空間を想定しての人工重力発生装置など、必要なものが多くなりマス】
「そんなものもあるのか‥‥‥‥いや、まず作れるの?」
【作れますネ。最近、運営会社の方で宇宙分野にも手を出したそうで、その技術が使用人へ流れてきてもいるのデス】

 今でさえも、世界各国で最先端の技術の塊と言われるような運営会社。
 そこがさらに宇宙空間へ進出するとなれば、ますます技術面に関して激化すると予想が出来るだろう。というか、宇宙進出しているのであれば宇宙が確定しそうだが…‥‥いや、これはもしや案外別のフィールドの方が可能性があるかもしれない。データが足りないのであれば、出来上がるまで別のところで時間を稼ぐという手段を取るかもしれないからね。

【ですが、技術があっても材料が足りないのデス。その為主様、前にもあった使用人からのクエストを受けてくださらないでしょうカ】
「ああ、大丈夫大丈夫。やれるのであればできるところから確実にやっておきたいからね」

 何にしても、しっかり準備しておこう。どの様なものが出てきたとしても、臨機応変に対応できれば問題はないはずだ。
 しいて言うのであれば、運営会社が予想に対してどう動くか不安だが…‥‥良い方向に動いてくれると思いたい。


 とにもかくにも、僕等はいよいよ第三次改装に向けて動き出すのであった…‥‥

「シャレで第三次改装ならぬ大惨事改装とかくだらないことはやめてね?」
【‥‥‥ええ、大丈夫デス!!】
「今の間は何?」

‥‥‥何もやましい事がなければ、こっちにしっかり目を向けてください。
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