アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.1-33 いつのまにか、多くあったようで

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 いよいよやって来た、ギルド対抗戦開幕の日。
 各ギルドでは新人育成、自己研鑽、猛烈なレベルアップは済ませているようで、今回の対抗戦のためだけに特別に作られたフィールドで開会式が行われている間も歴戦の戦士のような顔つきになっているような人が多かった。

 まぁ、中には緊張せずにマイペースでやっていこうとしているところや、緊張しすぎてお腹を壊したのかトイレへ直行したところもあるらしい。
 VRMMOだが、現実の方で影響したようで、ログアウトしちゃった人もいるようだ。



「そして参加しない、もしくは乱入予定の人に関しては個人プレイヤーごとに観客席が用意されているとは、これはこれで広々と見れていいのかもね」

 こう、プロ野球とかサッカーとかのギッシリした観客席を想像していたが、さすがにかなりの人数がいるアルケディア・オンラインでは負荷が大きかったようで、対応するためにある程度の個別の観客席が用意されているらしい。
 また、ギルドの方でもこの対抗戦に参加しない観戦組などは、ギルド内の方に大型モニターのような観戦用の設備が自動的に配備されるようで、そちらの方に集まる人も多いようだ。


【これはこれで、負荷が大きそうですが全員同じフィールドで見るか、はたまたはサーバーごとに人数を決めて分けるかで天秤にかけたのでしょう】
「一応聞くけど、観戦に回っている人ってそこまで多いのかな?」
【多いようですネ。勧誘してはいったのはいいのですが、当日まで間に合わなかったり、あるいは問題を起こしてギルドを退会してしまった人もいる様デス】

 なお、今回の対抗戦に関するしおりみたいなものが配布されているのだが、出場するギルドの数はとんでもなく多かった。
 相当な数のギルドがあったようで、今から各分野ごとに争うのだろうけれども、相当見ごたえがありそうな気がするだろう。

「トーカのクラウンギルドは、お笑い部門と見世物部門で出場か。どっちとも出るそうだけど、漫才ギルドに旅芸人ギルド、一発ネタギルド、ブームから去りしモノだけの悲しきギルド‥‥‥明らかにそのまますぎる名前のギルドもあるけど、こっちはこっちで数が多いなぁ」

 ずらっと目を通すだけでも、似たような名前のギルドもあるようだ。
 その為今回の対抗戦では識別しやすいように、事前に無作為に選ばれた色とマークの組み合わせで出来たバッジを各ギルドの人達は付けているらしい。
 そのおかげで照合すればどこのギルドかすぐに分かるけれども、ネタなのかツッコミをいれたいものも多少はある。とんかつギルドなのに牛のマークになったところがあるらしいからな…‥‥あのギルド、たまに屋台を並べているけど、結構おいしいんだよね。


 そうこうしているうちに開会式も終了し、いよいよ対抗戦が始まることになる。
 一番手の分野で行われるのは‥‥‥

「最初の分野は、ホラーかぁ‥‥‥乱入する気はないけど、いきなりこれってどうなのか」

 出てくるのはホラー専門のギルドばかりだが、ガチのものがそれなりにあったりする。

 何しろ、ゾンビとかスケルトンなどのアンデッド関係のモンスターも出現し、仲にはテイム可能な類も存在するがゆえに集めてしまう人たちもいるのだ。

 西洋東洋関係なく出現するが、大体同じようなもので集まることもあるので、その対抗戦の様子はさながら妖怪大戦争‥‥‥どこかにゲのつく人とかいないかな?

 何にしても、初っ端から対抗戦は悲鳴があがり始めてしまうのであった…‥‥


『ぎゃあああああああああ!!』
『ひぇぇぇぇぇ!!』

「うわぁ、すっごい恐怖の顔になって叫ぶ人も多いな‥‥‥そう言えば皆、ホラーは大丈夫か?」
【オォン?】
【シャゲェ?】
【あー、裏魔界でのあの暗闇の方が怖かったようデス。こうもはっきり放映される類だと、恐怖を感じにくいのデス】

 直に感じた恐怖の方が怖かったのだろうか。そう説明されると納得は出来るけどね。

【そもそも、あの欲望五人衆の執念とかの方が怖ろしいデス】
「あれはあれで恐怖の方向性が違うよね?」

 でもここに出てもおかしくはなかったな。出そうなものは他には‥‥‥これかな?『戦隊・魔法少女分野』。ロクデモナイ予感しかしないが、流石にこんな大々的な場でやらかすことはないと思いたい。
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