157 / 718
Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.1-27 境目と言うのは、時としてあやふやに
しおりを挟む
‥‥‥今回のアップデートは大型ではないものの、少々時間がかかるらしい。
「箱庭の方も、現実にちょこっと出せるやつも、その他色々同期して使えないのはちょっと不便かな?」
「これで大型でないなら、次回大型のアップデートが来たらどうなるのか、ちょっと怖いねぇ」
カタカタとデスクワークを行いつつ、同僚と軽く雑談を行う。
厳しい会社でもないのでこうやって気軽に話し合えるのは良いし、なおかつアルケディア・オンラインの運営会社との契約も相まって、より一層オンラインでの話で盛り上がりやすくなっただろう。
そう考えると、契約を締結してみせた太郎丸さんはかなりの功労者になるのだろうが‥‥‥
「そう言えば、本日は儀式的なものは行われていないな」
「いや、これが会社での普通ってことじゃないか?」
「そう言えばそうかもなぁ」
「うちの会社がちょっとばかり異常だったと思いたくはないが、平穏なのは良いことだ」
「「「平和って素晴らしい‥‥‥」」」
今日は珍しく何事もなく、平和な社内となっている。
太郎丸さんも本当に珍しく真面目にデスクワークをしており、このまま何も変な発言をしなければまともな人に見えるだろう。
しいて言うのであれば、その目が少々死んだ魚の目になっている事ぐらいか。
「不気味なほどおとなしいけど、何があったのやら」
「聞いた話だと、何処かの格闘道場も兼ねた寺に通っているらしいぞ」
「修行でもさせられて、煩悩が削がれたか?」
あのキングオブウルトラロリコンマンが、こうも何も問題を起こしていないというのは平和だが、ちょっと不気味さも感じさせられる。
でも、問題がないのが普通だと言えるはずだし、不気味だと思っている時点でもしかするといつもの日常がおかしかっただけなのかもしれない。
「とりあえず、仕事に真面目に励めるならそれはそれでい、」
「ビッグニュースよぉぉぉぉぉぉ!!」
平穏な会社ならば、問題ないと思っていた矢先、なにやら社員が飛び込んできた。
「おお?どうしたどうした?」
「さっきアップデートが終わったようで、公式ホームページを開いたら」
「おっきなイベントが開催されたのよ!!」
「ギルド対抗イベント!!様々な分野で、ギルド単位で参加するイベントだけど!!」
「ギルド同士の戦いの火ぶたが切られた!!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
どうやらこっそり情報収集も兼ねて探っていた社員がいたらしいが、その中でアップデート後に起こるイベントを見つけたらしい。
ギルド…‥‥そう言えば、僕は入ってないのでそこまで気にしたことも無かったが、ここにいる社員たちはほとんどがどこかのギルドに所属しているらしい。
「よっしゃぁ!!ギルド対抗って分野ごとってことは、似たようなところと対戦もできる!!」
「勝つのは我々だぁ!!魔法でぶっ飛ばす快感を覚えてしまった、エクスプロージョンギルド!!」
「なんのなんの!!密かに会社にとって有益な技術を追求しようとしている研究ギルドだ!!」
「いやいや、美しさこそ正義、きらびやかなものを手掛けるロイヤルギルドが総合でも勝利よ!!」
「ははははは!!それらよりも、好きなものを好きなだけ楽しむ遊び人ギルドも負けていないぞぉぉ!!」
各々が所属しているギルドを語り合うが、熱意が凄まじい。
似たようなギルド、異なるギルドがあるとは言え、自分達が所属しているところはそれなりに愛着がわいており、だからこそイベントで対抗戦が出来るのであれば、爆発してしまうところもあったのだろう。
「うわぁ、でもこの様子だと詳細が出てきたら戦国時代みたいになりそう」
「各自、自分が好きなギルドをやっているからな!!自分は最近邪神を崇めるイアイアギルドについたかなぁ」
「おいそれ、大丈夫な奴か?」
「噂に聞く変態ギルドよりは健全ですよ」
そんなギルド、誰が作ったんだろうか。というか、運営はそれを取り締まったほうが良い気がするんだが放置して設立許可ってどうなってんの?
色々とツッコミどころが溢れるような気がしなくもないが、新しいイベントの告知に喜ぶ人は多かったようで、帰社してさっさとやってみたいという想いゆえかいつも以上に仕事が加速していくのであった‥‥‥
「あれ?そういえば春さんってギルド所属していましたっけ?」
「いや、僕は所属していないよ」
「なら、さっさと逃げたほうが良いんじゃ?いや、できればうちの逃走ギルドに入ってほしいですね」
「どんなギルドだよ…‥ん?逃げたほうが良いって‥‥‥あ」
…‥‥今、もしかして所属していない話とかしないほうが良かった感じかな。
一瞬、獲物を見つけたと言わんがごとく、ぎらんっとギルドに所属している人たちが見た気がしたんだが。
「箱庭の方も、現実にちょこっと出せるやつも、その他色々同期して使えないのはちょっと不便かな?」
「これで大型でないなら、次回大型のアップデートが来たらどうなるのか、ちょっと怖いねぇ」
カタカタとデスクワークを行いつつ、同僚と軽く雑談を行う。
厳しい会社でもないのでこうやって気軽に話し合えるのは良いし、なおかつアルケディア・オンラインの運営会社との契約も相まって、より一層オンラインでの話で盛り上がりやすくなっただろう。
そう考えると、契約を締結してみせた太郎丸さんはかなりの功労者になるのだろうが‥‥‥
「そう言えば、本日は儀式的なものは行われていないな」
「いや、これが会社での普通ってことじゃないか?」
「そう言えばそうかもなぁ」
「うちの会社がちょっとばかり異常だったと思いたくはないが、平穏なのは良いことだ」
「「「平和って素晴らしい‥‥‥」」」
今日は珍しく何事もなく、平和な社内となっている。
太郎丸さんも本当に珍しく真面目にデスクワークをしており、このまま何も変な発言をしなければまともな人に見えるだろう。
しいて言うのであれば、その目が少々死んだ魚の目になっている事ぐらいか。
「不気味なほどおとなしいけど、何があったのやら」
「聞いた話だと、何処かの格闘道場も兼ねた寺に通っているらしいぞ」
「修行でもさせられて、煩悩が削がれたか?」
あのキングオブウルトラロリコンマンが、こうも何も問題を起こしていないというのは平和だが、ちょっと不気味さも感じさせられる。
でも、問題がないのが普通だと言えるはずだし、不気味だと思っている時点でもしかするといつもの日常がおかしかっただけなのかもしれない。
「とりあえず、仕事に真面目に励めるならそれはそれでい、」
「ビッグニュースよぉぉぉぉぉぉ!!」
平穏な会社ならば、問題ないと思っていた矢先、なにやら社員が飛び込んできた。
「おお?どうしたどうした?」
「さっきアップデートが終わったようで、公式ホームページを開いたら」
「おっきなイベントが開催されたのよ!!」
「ギルド対抗イベント!!様々な分野で、ギルド単位で参加するイベントだけど!!」
「ギルド同士の戦いの火ぶたが切られた!!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
どうやらこっそり情報収集も兼ねて探っていた社員がいたらしいが、その中でアップデート後に起こるイベントを見つけたらしい。
ギルド…‥‥そう言えば、僕は入ってないのでそこまで気にしたことも無かったが、ここにいる社員たちはほとんどがどこかのギルドに所属しているらしい。
「よっしゃぁ!!ギルド対抗って分野ごとってことは、似たようなところと対戦もできる!!」
「勝つのは我々だぁ!!魔法でぶっ飛ばす快感を覚えてしまった、エクスプロージョンギルド!!」
「なんのなんの!!密かに会社にとって有益な技術を追求しようとしている研究ギルドだ!!」
「いやいや、美しさこそ正義、きらびやかなものを手掛けるロイヤルギルドが総合でも勝利よ!!」
「ははははは!!それらよりも、好きなものを好きなだけ楽しむ遊び人ギルドも負けていないぞぉぉ!!」
各々が所属しているギルドを語り合うが、熱意が凄まじい。
似たようなギルド、異なるギルドがあるとは言え、自分達が所属しているところはそれなりに愛着がわいており、だからこそイベントで対抗戦が出来るのであれば、爆発してしまうところもあったのだろう。
「うわぁ、でもこの様子だと詳細が出てきたら戦国時代みたいになりそう」
「各自、自分が好きなギルドをやっているからな!!自分は最近邪神を崇めるイアイアギルドについたかなぁ」
「おいそれ、大丈夫な奴か?」
「噂に聞く変態ギルドよりは健全ですよ」
そんなギルド、誰が作ったんだろうか。というか、運営はそれを取り締まったほうが良い気がするんだが放置して設立許可ってどうなってんの?
色々とツッコミどころが溢れるような気がしなくもないが、新しいイベントの告知に喜ぶ人は多かったようで、帰社してさっさとやってみたいという想いゆえかいつも以上に仕事が加速していくのであった‥‥‥
「あれ?そういえば春さんってギルド所属していましたっけ?」
「いや、僕は所属していないよ」
「なら、さっさと逃げたほうが良いんじゃ?いや、できればうちの逃走ギルドに入ってほしいですね」
「どんなギルドだよ…‥ん?逃げたほうが良いって‥‥‥あ」
…‥‥今、もしかして所属していない話とかしないほうが良かった感じかな。
一瞬、獲物を見つけたと言わんがごとく、ぎらんっとギルドに所属している人たちが見た気がしたんだが。
22
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説

大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる