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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.0-22 口は禍の元と、誰が言ったのか
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妖精郷に突然起きた緊急クエストによって、滞在していたプレイヤーたちはすぐに動き出す。
どう考えても放置できないクエストではあるし、何事なのかという情報も速くつかみたいのだ。
「とはいえ、妖精郷外部との連絡とも取れないし、ここでは自力でやっていくしかなそうだけど‥‥‥ふむ、結界と言うのはあれかな?」
こういう大掛かりな結界なんてものは、プレイヤーでは張れそうにはない。
周囲にバフやデバフをかける陣みたいなものは開発されており、扱える人もいるようだけれども、全体を覆うような類はできなかったはずである。
だがしかし、張れずとも仕掛け自体は単純なもののようで、クエストをよく読むと結界石という道具が必要であり、見方を変えれば特定の位置に置くことで発動する罠のようなものでもある。
罠ならば、ソロプレイで色々と張ってきた経験があるので、大体の見当がつきやすく‥‥‥思い切って経験便りで進んでみれば、案の定結界石の一つが置かれている場所にたどり着けた。
「でも、あれは聞いてないなぁ」
ただ単純に石を壊して達成できるのであれば、妖精郷中のプレイヤー全部を集わせる必要はない。それなのに、こうやって読んできているという時点で嫌な予感はしていたが、どうやら的中してしまったようだ。
【グルルルルルクァァァ!!】
【ワオワオオオオオオオン!!】
‥‥‥流石に妖精郷のイメージを壊す気はないのか、ある程度の巨大な毛の塊が頑張って鳴いているようにしか見えない光景。
結界石の周囲には巨大なポメラニアンのようなモンスターが数頭ほどうろついているようで、どう見てもあの石を守る番人、いや、番犬として置かれているようだ。
こちらから攻撃しなければ襲ってくることは無さそうだが、妖精女王が直々に設置した番犬となれば、あの容姿からは想像しにくいような強さを持っている可能性がある。
なので、ここで下手に挑めば確実にやられるだろうが…‥‥あくまでも正攻法でやった場合の話だ。
「他のプレイヤーと挑むのも良いけど、ここに来れる条件を考えると人数が少々心もとないし、減らすためなら仕方がないよね」
相手が犬ならば、思いっきり取れる手段はある。
―――――
※特別翻訳【犬語】
【グォォォン!!(妖精女王様の命令とは言え、ここを襲撃するものがでるまで待つのは暇だな)】
【キャンキャン、キャン!!(てやんでい、役目を果たすまで気は抜けないでっせやろ!!】
【ワンワンアーン(でもまぁ、やってきたとしても、このポメラフェンリル、チワワンワニ、ザッシュツインヘッズがいれば、何も心配ないでしょ。他にはプードルケルベロスなんかもいるしね)】
【【グォンキャンワン((それもそうだな))】】
うんうんと頷き合い、念のために油断せずに周囲を警戒する犬たち。
妖精女王のしもべとして働いている面々だが、こういう時程度しか戦う機会はないので、これはこれで新鮮なのでしっかりと役目を果たそうというやる気はみなぎっていた。
【ワオーン(それにしても、さっき誰か近くまで来ていたけど、何だったのかな?引き換えしたっぽいよ?)】
【キャンキャン、キャー(仲間で呼びに行ったんやろうなぁ。この面子に一人で挑む阿呆なんてそうそういないやろ)】
【グォォォン、グォォォン(ま、来たら返りうちにして見せよう!!そして我らが妖精女王様が、封鎖してまでやってみせた今回の企みが成功するのを祈るのだ!!)】
【キャンキャン(成功するかは不明やけどな。あの面子、魅了とかも効かないし、時間かかりそうやなぁ)】
【ワンワンワーン(かかってもいいから、できれば楽になってほしいかも‥‥‥おや?)】
話していると、ふとポメラフェンリルが何かに気が付いた。
【キャン?(どうしたんや?)】
【ワンワン、ワーン(なんかあっちの方、良い匂いがするよー!)】
【グォォン(あ、おいこら待て!!)】
すたこらさっさとかけ始めた犬を追いかけ、他の面子もすぐに追う。
結界石の側を離れるのは不味いと思っていたが、どうやらそこまで遠くもなかったようで、直ぐにその匂いの源にたどり着いた。
【ワンワン、ワォォォン!!(あ、見つけたよ!!あれだ、あれ凄い良い匂いするよ!!)】
【グォォォォン(む、確かにするが‥‥‥何だ、あのでっかい肉?)】
【キャンキャン(あからさますぎる怪しさが罠っぽいのやけど。いや、でもここまで堂々たる罠があるんやろうか?】
彼らが辿り着いたところにあったのは、巨大な漫画肉のような肉が鎮座していた。
しかも一つだけではなく、いくつも用意されており、順番になっているかのように大量にあった。
【ワンワーン!!(いっただきまーす!!)】
【キャン!(おい待てやこののんき野郎!!)】
止める間もなく、あっさりとバクンと肉に食いつくポメラフェンリル。
罠っぽいからやめろと他の者たちは止めるが…‥‥どういう訳か、何も仕掛けられていなかった。
【ワオワオワオーーン!!(なにこれ美味しい!!うめぇめうめぇ!!)】
【グォグォォォン‥?(わ、罠ではないのか?全然何もないんだが)】
【キャンキャン?(仕掛け忘れているとかなんやろうか?)】
用意された怪しいお肉に疑問を抱くも、何も異常のないポメラウルフを見てごくりと肉に対して他の犬たちも唾をのむ。
そして恐る恐る、かぶりつき始め、直ぐに何もないとわかると食べ始めた。
【グォォン!!グォォォン!!(なんだこれ、すっげぇぇぇうめぇぇぇ!!)】
【キャンキャンキャン!!(ほんまや!!罠でもなさそうやし、天の恵みやんけぇぇぇ!!)】
【ワオワオーン!!(みんなの日ごろの行いが良いからかなぁ!!)】
ガブガブバグバグと勢いよく食べまくり、次々に用意されていた肉は喰いつくされていく。
そして数分後には、その場にはさらに巨大な毛の塊と化した犬たちがいるのであった。
【ワオォ、ゲップ(おっと、食べ過ぎた‥‥‥)】
【グォォン(美味かった‥‥‥日頃の行いが良いと、こんなこともあるんだな)】
【キャンキャンキャン(っと、いかんいかん、役目を守るためにさっさと持ち場にもどるで)】
毒や眠り薬が仕込まれていたとかはないようで、満腹になったお腹をさすりつつ立ち上がった時、ふと一頭はある事に気が付いた。
【キャン?(ん?ポメラ、そんなに毛深かったっけ?)】
【ワオ?ワオワオワオ(あれ?他のも、そんなにモフモフだっけ?)】
【グォォォン(おい、よく見ると全員‥‥‥増毛しているんだが。しかもなんか伸び続けてないか!?】
【【【!?】】】
ふと気が付いた異常に目を見開くも、時すでに遅し。一瞬のうちにぐんぐんと体中の毛が伸びまくり、超巨大な毛の塊へと化していく。
【【【キャイィィィィィィン!!(((やっぱり罠だったぁぁぁぁぁぁ!!)))】】】
後悔しても、やってしまったことはやり直しようがない。
食べた時間よりもさらに短い時間で、あっと言う間に超巨大なケセランパセランのような姿へと成り果て、彼らは自分達の伸びすぎた毛によって身動きが取れなくなるのであった…‥‥
―――――
「‥‥‥良し、毒とかそういう類なら匂いで見分ける可能性もあったし、使って良かったかもね」
時間が少々かかったが、それでも作戦が成功したことに僕はぐっとこぶしを握り締め、笑みを浮かべていた。
罠にかける手段は考えていたが、よく訓練された犬は毒なんかもすぐに見分ける可能性あがり、そうやすやすと都合が良い薬は使用しづらい。
だがしかし、体の害になるような類でなければ、判断するまでに少しかかる可能性もあり、なおかつ気が付かせるまで時間がかかるような時間稼ぎをするのであればと思い‥‥‥錬金術の中で、うっかり失敗して作った『超増毛薬』を仕込んだのだ。
効果は読んで字のごとく、物凄く毛が伸びる薬。ただし、増毛とは言え頭髪限定ではなく、鼻毛やまつ毛、体のありとあらゆる毛が爆発的に増加するので使い物にはならず、懐にしまっておいた。
捨てておくのももったいなかったし、何かに使えないかなと思っていたが‥‥‥まさか、こういう形で役立つとは思わなかった。
まぁ、本当に作りたかったのは増毛ではなく高身長薬なんだけど‥‥‥この少年のような見た目のアバターよりも、できれば現実の方の大人の身体に成れるような薬を目当てに考えていた奴の失敗作だったとはいえ、モノは使いようだった。
何にしても罠に使えるかもしれないと思って、仕込んでみたら見事にかかってくれたのはありがたい。あの漫画肉のようなものは見た目がまさにそれだったので、面白そうだと思って購入していたことがあり、時間があれば切り分けてロロに調理し直してもらおうかなと思っていたが、これはこれで薬に気が付かせないように都合のいい時間稼ぎになってくれたようである。
「さて後は、守りが無い結界石を砕くだけっと」
懐から鉱石を砕く用のハンマーを取り出し、軽くたたいて見れば、あっけなく結界石が砕け散った。
―――――
>プレイヤーの働きにより、結界石の一つが消滅しました!!
結界石:4/5
―――――
どうやらログの表示を見る限り、あと4個は同じようなものが点在していると見て良いようだ。
「他にも同じような番犬やらなんやらがいるかもだけど…‥‥他のプレイヤーと協力しつつ、罠にもはめてやってやろうか」
ここ最近は女神になったり魔法少女になったりすることばかりだったが、久し振りにゆっくりと自分のやりたいように行動出来て結構楽しくなってきた。
とりあえず今は、クエストをクリアするためにも様々なトラップを用意することにしたのであった‥‥‥
「‥‥‥それにしても、まともに戦うのは大変そうな相手を配置するとは、妖精女王とやらも本気なのかな?でも、悪魔と堕天使に対して、何で使ったんだ?」
文字面を見ると、相手を追い返すためにならまだわかるのだが、ここに捕縛するためと言うのは本当にどういうことなんだろうか‥‥‥?
どう考えても放置できないクエストではあるし、何事なのかという情報も速くつかみたいのだ。
「とはいえ、妖精郷外部との連絡とも取れないし、ここでは自力でやっていくしかなそうだけど‥‥‥ふむ、結界と言うのはあれかな?」
こういう大掛かりな結界なんてものは、プレイヤーでは張れそうにはない。
周囲にバフやデバフをかける陣みたいなものは開発されており、扱える人もいるようだけれども、全体を覆うような類はできなかったはずである。
だがしかし、張れずとも仕掛け自体は単純なもののようで、クエストをよく読むと結界石という道具が必要であり、見方を変えれば特定の位置に置くことで発動する罠のようなものでもある。
罠ならば、ソロプレイで色々と張ってきた経験があるので、大体の見当がつきやすく‥‥‥思い切って経験便りで進んでみれば、案の定結界石の一つが置かれている場所にたどり着けた。
「でも、あれは聞いてないなぁ」
ただ単純に石を壊して達成できるのであれば、妖精郷中のプレイヤー全部を集わせる必要はない。それなのに、こうやって読んできているという時点で嫌な予感はしていたが、どうやら的中してしまったようだ。
【グルルルルルクァァァ!!】
【ワオワオオオオオオオン!!】
‥‥‥流石に妖精郷のイメージを壊す気はないのか、ある程度の巨大な毛の塊が頑張って鳴いているようにしか見えない光景。
結界石の周囲には巨大なポメラニアンのようなモンスターが数頭ほどうろついているようで、どう見てもあの石を守る番人、いや、番犬として置かれているようだ。
こちらから攻撃しなければ襲ってくることは無さそうだが、妖精女王が直々に設置した番犬となれば、あの容姿からは想像しにくいような強さを持っている可能性がある。
なので、ここで下手に挑めば確実にやられるだろうが…‥‥あくまでも正攻法でやった場合の話だ。
「他のプレイヤーと挑むのも良いけど、ここに来れる条件を考えると人数が少々心もとないし、減らすためなら仕方がないよね」
相手が犬ならば、思いっきり取れる手段はある。
―――――
※特別翻訳【犬語】
【グォォォン!!(妖精女王様の命令とは言え、ここを襲撃するものがでるまで待つのは暇だな)】
【キャンキャン、キャン!!(てやんでい、役目を果たすまで気は抜けないでっせやろ!!】
【ワンワンアーン(でもまぁ、やってきたとしても、このポメラフェンリル、チワワンワニ、ザッシュツインヘッズがいれば、何も心配ないでしょ。他にはプードルケルベロスなんかもいるしね)】
【【グォンキャンワン((それもそうだな))】】
うんうんと頷き合い、念のために油断せずに周囲を警戒する犬たち。
妖精女王のしもべとして働いている面々だが、こういう時程度しか戦う機会はないので、これはこれで新鮮なのでしっかりと役目を果たそうというやる気はみなぎっていた。
【ワオーン(それにしても、さっき誰か近くまで来ていたけど、何だったのかな?引き換えしたっぽいよ?)】
【キャンキャン、キャー(仲間で呼びに行ったんやろうなぁ。この面子に一人で挑む阿呆なんてそうそういないやろ)】
【グォォォン、グォォォン(ま、来たら返りうちにして見せよう!!そして我らが妖精女王様が、封鎖してまでやってみせた今回の企みが成功するのを祈るのだ!!)】
【キャンキャン(成功するかは不明やけどな。あの面子、魅了とかも効かないし、時間かかりそうやなぁ)】
【ワンワンワーン(かかってもいいから、できれば楽になってほしいかも‥‥‥おや?)】
話していると、ふとポメラフェンリルが何かに気が付いた。
【キャン?(どうしたんや?)】
【ワンワン、ワーン(なんかあっちの方、良い匂いがするよー!)】
【グォォン(あ、おいこら待て!!)】
すたこらさっさとかけ始めた犬を追いかけ、他の面子もすぐに追う。
結界石の側を離れるのは不味いと思っていたが、どうやらそこまで遠くもなかったようで、直ぐにその匂いの源にたどり着いた。
【ワンワン、ワォォォン!!(あ、見つけたよ!!あれだ、あれ凄い良い匂いするよ!!)】
【グォォォォン(む、確かにするが‥‥‥何だ、あのでっかい肉?)】
【キャンキャン(あからさますぎる怪しさが罠っぽいのやけど。いや、でもここまで堂々たる罠があるんやろうか?】
彼らが辿り着いたところにあったのは、巨大な漫画肉のような肉が鎮座していた。
しかも一つだけではなく、いくつも用意されており、順番になっているかのように大量にあった。
【ワンワーン!!(いっただきまーす!!)】
【キャン!(おい待てやこののんき野郎!!)】
止める間もなく、あっさりとバクンと肉に食いつくポメラフェンリル。
罠っぽいからやめろと他の者たちは止めるが…‥‥どういう訳か、何も仕掛けられていなかった。
【ワオワオワオーーン!!(なにこれ美味しい!!うめぇめうめぇ!!)】
【グォグォォォン‥?(わ、罠ではないのか?全然何もないんだが)】
【キャンキャン?(仕掛け忘れているとかなんやろうか?)】
用意された怪しいお肉に疑問を抱くも、何も異常のないポメラウルフを見てごくりと肉に対して他の犬たちも唾をのむ。
そして恐る恐る、かぶりつき始め、直ぐに何もないとわかると食べ始めた。
【グォォン!!グォォォン!!(なんだこれ、すっげぇぇぇうめぇぇぇ!!)】
【キャンキャンキャン!!(ほんまや!!罠でもなさそうやし、天の恵みやんけぇぇぇ!!)】
【ワオワオーン!!(みんなの日ごろの行いが良いからかなぁ!!)】
ガブガブバグバグと勢いよく食べまくり、次々に用意されていた肉は喰いつくされていく。
そして数分後には、その場にはさらに巨大な毛の塊と化した犬たちがいるのであった。
【ワオォ、ゲップ(おっと、食べ過ぎた‥‥‥)】
【グォォン(美味かった‥‥‥日頃の行いが良いと、こんなこともあるんだな)】
【キャンキャンキャン(っと、いかんいかん、役目を守るためにさっさと持ち場にもどるで)】
毒や眠り薬が仕込まれていたとかはないようで、満腹になったお腹をさすりつつ立ち上がった時、ふと一頭はある事に気が付いた。
【キャン?(ん?ポメラ、そんなに毛深かったっけ?)】
【ワオ?ワオワオワオ(あれ?他のも、そんなにモフモフだっけ?)】
【グォォォン(おい、よく見ると全員‥‥‥増毛しているんだが。しかもなんか伸び続けてないか!?】
【【【!?】】】
ふと気が付いた異常に目を見開くも、時すでに遅し。一瞬のうちにぐんぐんと体中の毛が伸びまくり、超巨大な毛の塊へと化していく。
【【【キャイィィィィィィン!!(((やっぱり罠だったぁぁぁぁぁぁ!!)))】】】
後悔しても、やってしまったことはやり直しようがない。
食べた時間よりもさらに短い時間で、あっと言う間に超巨大なケセランパセランのような姿へと成り果て、彼らは自分達の伸びすぎた毛によって身動きが取れなくなるのであった…‥‥
―――――
「‥‥‥良し、毒とかそういう類なら匂いで見分ける可能性もあったし、使って良かったかもね」
時間が少々かかったが、それでも作戦が成功したことに僕はぐっとこぶしを握り締め、笑みを浮かべていた。
罠にかける手段は考えていたが、よく訓練された犬は毒なんかもすぐに見分ける可能性あがり、そうやすやすと都合が良い薬は使用しづらい。
だがしかし、体の害になるような類でなければ、判断するまでに少しかかる可能性もあり、なおかつ気が付かせるまで時間がかかるような時間稼ぎをするのであればと思い‥‥‥錬金術の中で、うっかり失敗して作った『超増毛薬』を仕込んだのだ。
効果は読んで字のごとく、物凄く毛が伸びる薬。ただし、増毛とは言え頭髪限定ではなく、鼻毛やまつ毛、体のありとあらゆる毛が爆発的に増加するので使い物にはならず、懐にしまっておいた。
捨てておくのももったいなかったし、何かに使えないかなと思っていたが‥‥‥まさか、こういう形で役立つとは思わなかった。
まぁ、本当に作りたかったのは増毛ではなく高身長薬なんだけど‥‥‥この少年のような見た目のアバターよりも、できれば現実の方の大人の身体に成れるような薬を目当てに考えていた奴の失敗作だったとはいえ、モノは使いようだった。
何にしても罠に使えるかもしれないと思って、仕込んでみたら見事にかかってくれたのはありがたい。あの漫画肉のようなものは見た目がまさにそれだったので、面白そうだと思って購入していたことがあり、時間があれば切り分けてロロに調理し直してもらおうかなと思っていたが、これはこれで薬に気が付かせないように都合のいい時間稼ぎになってくれたようである。
「さて後は、守りが無い結界石を砕くだけっと」
懐から鉱石を砕く用のハンマーを取り出し、軽くたたいて見れば、あっけなく結界石が砕け散った。
―――――
>プレイヤーの働きにより、結界石の一つが消滅しました!!
結界石:4/5
―――――
どうやらログの表示を見る限り、あと4個は同じようなものが点在していると見て良いようだ。
「他にも同じような番犬やらなんやらがいるかもだけど…‥‥他のプレイヤーと協力しつつ、罠にもはめてやってやろうか」
ここ最近は女神になったり魔法少女になったりすることばかりだったが、久し振りにゆっくりと自分のやりたいように行動出来て結構楽しくなってきた。
とりあえず今は、クエストをクリアするためにも様々なトラップを用意することにしたのであった‥‥‥
「‥‥‥それにしても、まともに戦うのは大変そうな相手を配置するとは、妖精女王とやらも本気なのかな?でも、悪魔と堕天使に対して、何で使ったんだ?」
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