アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.0-14 卵生とは関係ないもの、意外とマイナーかもしれない

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「さてと‥‥‥この卵自体は、現実での時間経過しないと孵化しないのか」
「魔法少女クエストのものと、ほぼ同じようだよ?」

 悪の組織が壊滅し、消化不良な戦闘の代わりに完全殲滅として、某配管工のように爆破して跡形もなくなったところで、僕らは現在の状態を確認し合っていた。なお、きちんと魔法少女の衣服は脱いで普段の格好に戻っており、女神の姿でなくなったのをトーカは不満そうな複雑そうな、そんな表情をして答えた。
 トーカの方には魔法少女クエストで得た卵があり、さらに今回の組織壊滅による報酬で得た卵もあり、僕の方にもまた、同じように壊滅での報酬の卵があった。

‥‥‥魔法少女クエストの方の卵は、僕の方には無いんだよね。クエストが出るために代わりにされたのだろうけれども、ちょっと惜しかったような気がする。
 何にしても卵を一つは得られたので問題はないというか、今の面子的に2つよりまず1つからというのは別に良かったかもしれないが‥‥‥それでも、得られた卵を見ると、今までの事例から考えてちょっと不安しかない。

「それにしても、トーカの方は2つで僕の方は1つだけど、孵化までの時間が違うね?トーカはどっちも3時間後だけど、僕の方は6時間後って倍かかるな」
「うーん、孵化時間によって何か違ったかなー?でもおねえ、もといお兄ちゃんのおかげで一気に増えるのは良いことだよ!!」
「今ちょっと、間違えなかった?」
「気のせい気のせい!」
【そーそ、だから今はログアウトしたほうが良いぜぇと、お勧めするゼ!】

 っと、話しているところでトーカの方の使用人、執事のシーサーが出てきた。

「シーサー、何で今出てきたの?」
【ん?主っちの魔法少女クエストが終わったんで、出ても問題無さそうかなと思ったのと、一つ運営からのお知らせがあるので、出てきたのだゼ!】
【同じく、私の方にも連絡が来ましたので出てきまシタ】

 ロロも一緒に出てきており、何やら話があるらしい。
 
 何事かと思っていると、ログの方に表示が出てきた。

「‥‥‥魔法少女クエスト、特殊条件達成時に連鎖クエスト発生のお知らせ?」

―――――
>魔法少女クエストに続く特殊なクエストの攻略が今回確認されました。
>本件によって、悪の組織の一つが潰れたことが確認され‥‥‥この度、魔法少女や戦隊などの、戦うヒロインやヒーロー強化週間が開催されることが決定しました!!
>魔法少女の衣装や、戦隊ものの衣装を着ている間、期間中の全能力がなんと50%アップ!!更に、特殊な戦隊・魔法少女クエストが発生し、受注し達成すると期間限定の特別な報酬獲得の可能性があります!!
―――――

「なるほど‥‥‥今回のこの組織壊滅が引き金になって、解放されたってことでいいのかな?」
【はい、その通りでございマス】
【戦隊ものの衣服や、魔法少女の衣服‥‥‥ちらほらと運営はこっそり世界中へ流し、特殊なクエストを受けさせ、引き金を引く時を待っていたのだゼ!!そのため、ついでにもう一つお知らせが主っちたちに追加されたゼ!!】

 パチンっと指を鳴らしたかと思えば、タイミングよく運営からのメールが僕らに届いた。

「悪の組織初壊滅者限定、特別褒賞のお知らせ?」
「うわぁ、お兄ちゃんこれ凄いよ!!Alたっぷりがっぽり、特殊なレア素材なんかも色々と詰め合わせでかなり豪華だよ!!」

 どうやら引き金を引いたことなどが良かったようで、運営からのまさかの特別報酬。集めようと思えば集められないこともない素材もあるが、それでもかなりレアものが多い。

「リストを見ると、魔界から天界までのレア鉱石まで‥‥‥あ」
【どうしたのですか、主様?】
「ロロ、ちょっとこれを受け取ってほしい」
【エ?‥‥‥ア】

 僕が受け取ったアイテムの中で、数点ほど捜査して彼女に渡すと、ロロも同じ様な驚いた表情になった。

―――――
>プレイヤー『ハル』から、使用人『ロロ』へアイテムが渡されました。
>譲渡アイテム:『高純度アルガロン』、『魔導鉱石ガルドメタル』、『超圧縮波紋の水晶』
>使用人クエスト『二次改装の素材集め』達成に必要な『アルガロン』、『魔導鉱石のどれか』、『波紋の水晶』の条件を全部満たしました!!
>クエスト達成!!
―――――

 パンパカパーンっという効果音が追加されているようで、クエストの達成が起きた事を知らせてくれた。

【ま、まさかまさか、もう達成するとは‥‥‥しかも、これ、求めていたもの以上の代物なんですガ!?これ、クエスト達成使用すると戻りませんけど、良いのでしょうカ!?】
「といっても、もうやっちゃったものだからしょうがない。受け取ってね」
【お、おおぅ…‥‥主様に不意打ちで驚かされるとは、メイドとしてまだまだ未熟でシタ…‥‥嬉しいやらなんやら、複雑ですガ達成デス】

 珍しくうろたえたようだが、残念ながらこの決定は覆らない。というか、こんな風に取り乱すのは何か新鮮である。

「え?え?お兄ちゃん、何をしたの?」
「使用人から出されるクエストを、クリアしたんだよ。トーカのほうはシーサーから出てないのか?」
「私まだシーサーから受けていないんだけど!?シーサー、使用人クエストってあるの!?」
【ン?そりゃあるぜ、主っち。とはいえ主っちはまだ条件を満たしてないから出せないのだゼ。ところで、そちらの主に出したクエストって、何なんダ?】
【素材収拾デス。魔導船の二次改装に必要な素材を集めてもらったのデス。しかもこの素材であれば、予定よりもさらに凄いのが‥‥‥フフフフフフフフ】
「【‥‥‥魔導船?】」

 そろって?マークを浮かべるトーカとシーサー。
 まぁ、このクエストを受けるために何をしていたのかという説明が必要そうだが…‥‥ひとまず今は、色々と落ち着いたのでひと息ついてログアウトしたほうが良いかもしれない。

 説明の面倒くささもあるので、ちょっとごまかすためにも明日も休みだからさっさとログアウトして、明日のログインで卵の孵化を確認しようとせかすのであった…‥‥


【このおかげで、技術的に強度不足だった部分も解決デス!!やりたかった技術の粋を、詰め込みまくるのデス!!】
「一応聞いておくけど、やり過ぎる事ってないよね?」

 今でさえ、結構とんでもない代物なのは理解している。

【精々、予定だと二週間程度で火星まで行ける技術分を今回の素材によってさらに向上して十数万光年を一日もかからずに到達できる程度デス】
「ぶっ飛び過ぎて、理解しづらい」
「というか、どういうことなの?シーサー、あなたもできるの?」
【んー、難しいゼ。技術は同じものがあるが、材料などが無いと厳しいんだゼ】

‥‥‥それはつまり、そろえればできるのだと言っているようなものではないかな?


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