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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.0-1 いつもの光景、ちょっとデスマーチ
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…‥‥先日の裏魔界騒動から数日後。運営からの正式な告知共に、プレイヤーたちは歓喜した。
「アルケディア・オンラインに新しい大型アップデートが来ることで、やる気が溢れているし」
「うちの会社はそこの運営とコラボ事業を始めたら、思いっきり収益が倍増しまくっているし」
「景気の良さに合わせて更に給料アップなども予告されたというのに」
ズン♪ドコズン♪ドコズンドコ♪ズンドコ♪
(((‥‥‥この黒魔術じみた怪しい宗教ぽい光景は無くならないのかぁ)))
はぁぁっと溜息を吐き、同僚たちと僕は同じ思いを抱いていた。
本日はアルケディア・オンライン大型アップデート前夜という事で、一日丸ごとメンテナンス作業でログインできないようになっている。
だからこそ、遊べないのであればくたくたに疲れるほど打ち込んでゆっくり待てばいいという考えで全員仕事に励んでいるのだが、その光景の最中に恒例となった奇行を見て気分が盛り下がった。
なお、珍しく今回その中心には太郎丸さんはない。
ミートンさんと共にあの後サキュバスとどうなったのかちょっと気になったのだが、数日間ほど他の部署へちょっと手伝いに回ることになったようで、この場にいないのである。
ならば誰が、今回その儀式の中心にいるのかと言えば‥‥‥
【ウィー!!】
【オィー!!!】
【ズンダバァァァ!!】
「「「ほぁぁぁぁぁぁぁあ!!」」」
「‥‥‥『ダンスモンキー』、『シャーマントヒヒ』、『コッコースケルトン』のプチキャラかぁ」
「あれって確か、運営会社から弊社への記念品という事で贈呈された、特別版『実体化装置』だろ?なんでよりによってああいうのを出したのやら」
アルケディア・オンラインの拡張という事か、メイドや小さな箱庭に続き、今度はモンスターのリアルサイズでの実体化を行う装置が着々と作られているそうで、今回我が社にはその完成品かつ特別な造形が施された装置が来て全員で動かしているのである。
本来はそれぞれの持つテイムモンスターたちが現実に本当のサイズで出たら、どの様な状況になるのかという事をリアルな立体映像で再現する装置でもあるらしいのだが、選別されたモンスターたちのせいでさらに生々しい呪術のような光景が出来上がってしまったのであった。
なお、ふざけて遊んでいるわけではなく、これも一応仕事の一環だったりする。完成品を使わせてくれるとは言え、見落としているバグなどがあったらし最悪なので確認するという内容でもあるのだが、どう考えても私的流用としか思えない。
でも誰も、ツッコミを入れない。あんな光景に突っ込める猛者はいるのだろうか?
…‥‥うちの会社、いつの間にか奇人汚染されてないかなぁと思いつつ、僕は定時になったので見なかったことにして帰宅した。
本日はログインできず、一日メンテナンスでちょっと暇になるが、それでも全部使用できないわけでもない。
【‥‥‥とは言え、私の方はまだ動けまセン。新造されたメイドボディにアップデート・最適化作業中で本日は暇をいただかせてもらい、申しわけございまセン】
「いや、別に良いよ。ミニメイドを持っている人たちに贈られてきた、拡張用のボディを使うための作業に時間がかかるんだろ?その間、箱庭の方でマリーたちと遊ぶから問題ないかな」
【シャゲ!!】
【バルルルゥ!!】
大型アップデートに伴い、購入した品の中で該当品がある場合、どうやら更に強化されるようで色々と送られてきており、そちらの作業が待っていた。
ロロの方は小さなメイドボディから、ゲーム内と同等のメイドの大きさになるためのボディへデータを色々と移しているらしく、こちらは本日動けないようだ。
そして箱庭の方もパワーアップをしているようで、ゲーム内で感じる質量などがよりリアルに再現されているらしく、デフォルメされたミニキャラのようなマリーたちの感触が分かりやすい。
‥‥‥気のせいかな?現実にちょっとずつ、アルケディア・オンラインの世界が侵食しているような感覚になる。
でも流石に、ゲームと現実が混同するわけもなく、むしろこうやって彼女達が現実へ飛び出してくるのも中々面白いと思えるあたり、はまっているのかもしれないな。
ふと感じてしまった、非日常が日常へ浸透していく光景。
けれども、これはこれで特に違和感もなく、静かに進んでいくんだろうなぁと思うのであった…‥‥
「あ、でも何かと問題がないわけでもないのか。スパイ摘発に、利権裁判、何かと狙いつつも全部撃退されているようだし、あの会社裁判系強いのかなぁ?」
…‥‥日常に、ゆっくりと浸透し始めている非日常の世界。
それはそれで良いのだが、その用意をする裏方たちのほうは地獄を見ていた。
「うぉぉぉぉお!!急ぐであります!!予定時間までだいぶせまってきているでありますよー!!」
「各部門の報告をすぐに回せぇ!!メンテナンスで異常を起こすなぁ見逃すなぁ!!」
「特殊NPCたちにも作業に当たらせ、問題が無いように徹底させろ!!いろいろとおかしなものが入り込もうとしてくるぞ!!」
アルケディア・オンラインを運営する会社の、オンラインの要であるマザーコンピュータールーム内では各部署の人員が集められ、最終的なチェック作業を行っていた。
こういう大型のアップデート前のメンテナンスに限って、本当にどこかのいろいろな面倒な人たちが攻めてくることがあり、情報を狙ってウイルスや誤ったプログラム、その他最悪なものをどんどん送り届けてきやすく、妨害を喰らうこともあるのだ。
一応後日しっかり、社会的にも凶悪な制裁を叩き込むので問題はないのだが、今の作業を邪魔されるというのは非常に腹立たしく、そのため妨害される前に罠を仕掛けたりして盛大な奇襲をかけるようにもしているのである。
「おいこらまてぇ!!俺の作業がまだ終わってないぞ!!」
「焦るな銀のものよ!!あの赤い眼でプログラムの沼から怪物を釣り上げろ!!」
「要は目を凝らしてバグなどを見つけろと言えよ!!こちとら魔界天界裏魔界裏天界、更に今追加しようとしているフィールドのプログラミング作業中なんだぞ!!専門家でもないのにやらせるな!!」
「まぁまぁ、左遷された部門の人達もしっかり腕ごと狩りだされているから、なんとかなるって」
「そうだとしてもこの作業量は鬼畜か!!悪魔かこのやろぉぉぉ!!」
「いや、お前自身が悪魔だろ?」
「あ、そっか?ダンジョンにも手を入れてトラップ関係もやって…‥‥いや、そんなやり取りしている場合かぁぁぁ!!」
叫び、苛立ち、仕事をこなして忙しく時は流れゆく。
ある意味ブラックとも言えなくもない環境だが、これを終えた後にはきちんと全員休暇が決まっており、そのためにも何か問題が起きて呼び出されないために、神経を徹底的に尖らせて繊細な部分まで確実に終えさせていく。
「3456番のプログラム、6番デバッグ作業終了!!」
「フィールドポップ率確認終了!!」
「何処かの馬鹿が出してきたウイルス全滅完了!!電子から帰還しすぐに作業を手伝うぞ!!」
「天界魔界の天使悪魔の中で面倒な奴らを説得完了!!いろいろとやるならやれぇぇぇ!!」
「外なる神、観光に出て来たぞ!!誰かちょっと抑えておけえぇ!!」
「何処かののじゃロリがガーディアン強化型を試しやがった!!まだ無茶な部分があるからあっちはお仕置きをぉぉぉお!!」
目まぐるしく移り変わりつつも、時間は待ってくれない。
予定しているメンテナンス作業終了時間まで死力を尽くし、そして時を知らせる鐘の音が鳴り響く。
ゴーン!!ゴーン!!ゴォォォォォォン!!
「「「「全部完了、メンテナンス終了、お疲れさまでしたおやすみなさい!!」」」」
鳴り響くと同時に全ての作業を終え、全員声を合わせる。
そして言い終えた後、あっと言う間にその場は解散となり、各自思い思いの場所へ向かって疲労を癒すことにするのであった‥‥‥‥
「し、死ぬかと思った…‥‥」
「何とか全部、終わったなぁ‥‥‥」
「アルケディア・オンラインに新しい大型アップデートが来ることで、やる気が溢れているし」
「うちの会社はそこの運営とコラボ事業を始めたら、思いっきり収益が倍増しまくっているし」
「景気の良さに合わせて更に給料アップなども予告されたというのに」
ズン♪ドコズン♪ドコズンドコ♪ズンドコ♪
(((‥‥‥この黒魔術じみた怪しい宗教ぽい光景は無くならないのかぁ)))
はぁぁっと溜息を吐き、同僚たちと僕は同じ思いを抱いていた。
本日はアルケディア・オンライン大型アップデート前夜という事で、一日丸ごとメンテナンス作業でログインできないようになっている。
だからこそ、遊べないのであればくたくたに疲れるほど打ち込んでゆっくり待てばいいという考えで全員仕事に励んでいるのだが、その光景の最中に恒例となった奇行を見て気分が盛り下がった。
なお、珍しく今回その中心には太郎丸さんはない。
ミートンさんと共にあの後サキュバスとどうなったのかちょっと気になったのだが、数日間ほど他の部署へちょっと手伝いに回ることになったようで、この場にいないのである。
ならば誰が、今回その儀式の中心にいるのかと言えば‥‥‥
【ウィー!!】
【オィー!!!】
【ズンダバァァァ!!】
「「「ほぁぁぁぁぁぁぁあ!!」」」
「‥‥‥『ダンスモンキー』、『シャーマントヒヒ』、『コッコースケルトン』のプチキャラかぁ」
「あれって確か、運営会社から弊社への記念品という事で贈呈された、特別版『実体化装置』だろ?なんでよりによってああいうのを出したのやら」
アルケディア・オンラインの拡張という事か、メイドや小さな箱庭に続き、今度はモンスターのリアルサイズでの実体化を行う装置が着々と作られているそうで、今回我が社にはその完成品かつ特別な造形が施された装置が来て全員で動かしているのである。
本来はそれぞれの持つテイムモンスターたちが現実に本当のサイズで出たら、どの様な状況になるのかという事をリアルな立体映像で再現する装置でもあるらしいのだが、選別されたモンスターたちのせいでさらに生々しい呪術のような光景が出来上がってしまったのであった。
なお、ふざけて遊んでいるわけではなく、これも一応仕事の一環だったりする。完成品を使わせてくれるとは言え、見落としているバグなどがあったらし最悪なので確認するという内容でもあるのだが、どう考えても私的流用としか思えない。
でも誰も、ツッコミを入れない。あんな光景に突っ込める猛者はいるのだろうか?
…‥‥うちの会社、いつの間にか奇人汚染されてないかなぁと思いつつ、僕は定時になったので見なかったことにして帰宅した。
本日はログインできず、一日メンテナンスでちょっと暇になるが、それでも全部使用できないわけでもない。
【‥‥‥とは言え、私の方はまだ動けまセン。新造されたメイドボディにアップデート・最適化作業中で本日は暇をいただかせてもらい、申しわけございまセン】
「いや、別に良いよ。ミニメイドを持っている人たちに贈られてきた、拡張用のボディを使うための作業に時間がかかるんだろ?その間、箱庭の方でマリーたちと遊ぶから問題ないかな」
【シャゲ!!】
【バルルルゥ!!】
大型アップデートに伴い、購入した品の中で該当品がある場合、どうやら更に強化されるようで色々と送られてきており、そちらの作業が待っていた。
ロロの方は小さなメイドボディから、ゲーム内と同等のメイドの大きさになるためのボディへデータを色々と移しているらしく、こちらは本日動けないようだ。
そして箱庭の方もパワーアップをしているようで、ゲーム内で感じる質量などがよりリアルに再現されているらしく、デフォルメされたミニキャラのようなマリーたちの感触が分かりやすい。
‥‥‥気のせいかな?現実にちょっとずつ、アルケディア・オンラインの世界が侵食しているような感覚になる。
でも流石に、ゲームと現実が混同するわけもなく、むしろこうやって彼女達が現実へ飛び出してくるのも中々面白いと思えるあたり、はまっているのかもしれないな。
ふと感じてしまった、非日常が日常へ浸透していく光景。
けれども、これはこれで特に違和感もなく、静かに進んでいくんだろうなぁと思うのであった…‥‥
「あ、でも何かと問題がないわけでもないのか。スパイ摘発に、利権裁判、何かと狙いつつも全部撃退されているようだし、あの会社裁判系強いのかなぁ?」
…‥‥日常に、ゆっくりと浸透し始めている非日常の世界。
それはそれで良いのだが、その用意をする裏方たちのほうは地獄を見ていた。
「うぉぉぉぉお!!急ぐであります!!予定時間までだいぶせまってきているでありますよー!!」
「各部門の報告をすぐに回せぇ!!メンテナンスで異常を起こすなぁ見逃すなぁ!!」
「特殊NPCたちにも作業に当たらせ、問題が無いように徹底させろ!!いろいろとおかしなものが入り込もうとしてくるぞ!!」
アルケディア・オンラインを運営する会社の、オンラインの要であるマザーコンピュータールーム内では各部署の人員が集められ、最終的なチェック作業を行っていた。
こういう大型のアップデート前のメンテナンスに限って、本当にどこかのいろいろな面倒な人たちが攻めてくることがあり、情報を狙ってウイルスや誤ったプログラム、その他最悪なものをどんどん送り届けてきやすく、妨害を喰らうこともあるのだ。
一応後日しっかり、社会的にも凶悪な制裁を叩き込むので問題はないのだが、今の作業を邪魔されるというのは非常に腹立たしく、そのため妨害される前に罠を仕掛けたりして盛大な奇襲をかけるようにもしているのである。
「おいこらまてぇ!!俺の作業がまだ終わってないぞ!!」
「焦るな銀のものよ!!あの赤い眼でプログラムの沼から怪物を釣り上げろ!!」
「要は目を凝らしてバグなどを見つけろと言えよ!!こちとら魔界天界裏魔界裏天界、更に今追加しようとしているフィールドのプログラミング作業中なんだぞ!!専門家でもないのにやらせるな!!」
「まぁまぁ、左遷された部門の人達もしっかり腕ごと狩りだされているから、なんとかなるって」
「そうだとしてもこの作業量は鬼畜か!!悪魔かこのやろぉぉぉ!!」
「いや、お前自身が悪魔だろ?」
「あ、そっか?ダンジョンにも手を入れてトラップ関係もやって…‥‥いや、そんなやり取りしている場合かぁぁぁ!!」
叫び、苛立ち、仕事をこなして忙しく時は流れゆく。
ある意味ブラックとも言えなくもない環境だが、これを終えた後にはきちんと全員休暇が決まっており、そのためにも何か問題が起きて呼び出されないために、神経を徹底的に尖らせて繊細な部分まで確実に終えさせていく。
「3456番のプログラム、6番デバッグ作業終了!!」
「フィールドポップ率確認終了!!」
「何処かの馬鹿が出してきたウイルス全滅完了!!電子から帰還しすぐに作業を手伝うぞ!!」
「天界魔界の天使悪魔の中で面倒な奴らを説得完了!!いろいろとやるならやれぇぇぇ!!」
「外なる神、観光に出て来たぞ!!誰かちょっと抑えておけえぇ!!」
「何処かののじゃロリがガーディアン強化型を試しやがった!!まだ無茶な部分があるからあっちはお仕置きをぉぉぉお!!」
目まぐるしく移り変わりつつも、時間は待ってくれない。
予定しているメンテナンス作業終了時間まで死力を尽くし、そして時を知らせる鐘の音が鳴り響く。
ゴーン!!ゴーン!!ゴォォォォォォン!!
「「「「全部完了、メンテナンス終了、お疲れさまでしたおやすみなさい!!」」」」
鳴り響くと同時に全ての作業を終え、全員声を合わせる。
そして言い終えた後、あっと言う間にその場は解散となり、各自思い思いの場所へ向かって疲労を癒すことにするのであった‥‥‥‥
「し、死ぬかと思った…‥‥」
「何とか全部、終わったなぁ‥‥‥」
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