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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.6-54 再び魔界へ、いざ出航
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ゴウンゴウンゴウンーーー
…‥‥海上のよりも揺れは少なく、それでも幽霊船としての要素は残っているのかゆらりゆらりとおぼろげに漂うかのように、空を行く魔導船。
様々な魔改造を施されているおかげか航行に支障はなく、黄昏時のような魔界の空を優雅に進むことが出来ているだろう。
【ヨーヨー!!】
【ヨー!!】
そしてついでに、船上では帆の調整を行ったり甲板掃除を行う船員が…‥‥
「‥‥木でできた小さな人形なのに、やることが素人目でもかなり熟練の船員にしか見えないんだけど」
【まぁ、この船の改装時に取れた木片を再利用しましたからネ。船員たちの挙動を一番近い位置で見ていたのがこの船自身だからこそ、船員たちの動きを記憶して再現できているのでしょウ】
小さいながらも黙々と仕事をこなしていく様子を見て、僕がそうつぶやけばロロが答える。
この船の部品を使っているからこそ、この船にいたかつての海賊たちの一糸乱れぬ動きを再現できるのだとか。
考えたら海賊って、賊としての仕事を除けば海で生きる船乗りだし、そりゃその再現をしたらかなり熟練の動きになるのかもしれない。
―――――
『木造人形船員:ウッドマリーンズ』
製作評価:15
効果・説明:魔導船の改装に伴い、出て来た木材を元にして作られた小さな木製の船員たち。
各自役目がしっかり割り振られて目的に合わせて作られており、挙動は熟練の船員。
過去に乗船していた船員たちの動きを元にしているので安心できる腕前だが、まだまだ改造の余地が多く、今後さらなるパワーアップが見込めるだろう。
なお、あくまでも魔導船の一部として作られているので、現時点では船から降りて活動ができない欠点が存在している。
―――――
海ではなく大空、もとい魔界の天井付近を航行しているので勝手は少々違うだろうが、それでも快適な船旅になっている。
最初は陸路で魔界を進んでいたが、こうやって空路で進んでみるのもまた新鮮な気分を味わえるだろう。
【ガウガウ、ガーウ!】
「っと、そろそろ出くわす頃合いか」
周囲を警戒してマストの上で見張っていたリンを声を上げたので、のんびりした船旅は早くも終わりを迎えたようだ。
見れば、彼方の方からやってくる影があり、それはいつぞやかのグレートキメラたちの群れ‥‥‥魔界では通称『大空の放火殲滅部隊』とか言う名の災害が迫ってきた。
「でも、前は地面で相手にしにくかったが、今は同じ空の場所。今度は逃げることなく、全員相手をするぞ!!総員、戦闘態勢に移れ!!」
【シャゲシャゲェ!!】
【バルルルルゥ!!】
せっかくの船上なので、少々いつもよりもイメージにあるような船長風に号令をかけ、戦闘準備に取り掛かる。
いきなり接近して突撃するのも手だろうが、この船はまだまだ慣れていないところもあるので、まずは遠距離攻撃で狙って数を減らさせてもらおう。
「マリー、ルト、アリス!毒と電撃、炎の射出砲にスタンバイ!その他船員たちは用意されている側面砲に並んで狙いを定めろ!!」
【シャゲェ!!】
【ギャビィ!!】
【オオン!!】
【【【【ヨーヨー!!】】】
号令を下すと各自持ち場に素早くつき、舵輪で船の向きを変えて狙いを定めやすくする。
色々と魔改造が施されたことによって、テイムモンスターたちの遠距離攻撃手段を増幅する砲や、その他最新式の大砲なども色々と用意しており、本艦の砲撃手段は多彩にしているのだ。
「ひきつけて…‥‥撃ち方はじめぇ!!」
「‥‥‥‥ふぅ、ふぅ、ようやく魔界にたどり着いたぞ」
「魔界の門から、ここまで厳しい相手が多かったが‥‥‥まだだ、まだ倒れられぬ!」
…‥‥その頃、魔界の陸路には欲望戦隊ことミセタインジャーの面々が歩いていた。
先日の会社の飲み会に混ざりあいつつ、出て来たモグラのボスモンスターにボッコボコにされるなど良い所はなかったのだが、その経験から彼らは珍しく、本当に非常に珍しくこのままでは何も名を上げることの無いただの集団に成り下がってしまうのではないかという危機感を抱き、魔界に来たのである。
そう、明日は天変地異が起きるのではないかと思いたくなるほど真面目っぽいのだが‥‥‥残念ながら、そんな事は無かった。
「そんな事よりもミートンさん、本当に悪魔の情報があるのか?」
「ああ、間違いないじゃろう。魔界の方には孫の方が先に先行して探索をしているそうじゃが、悪魔の確認はできているそうじゃ」
悪魔、それはエルフやドワーフのように魔界に住まう亜人種族と言われており、モンスターでのデビルなどとはちょっと違い、きちんとしたNPCがいるらしい。
しかし一口に悪魔と言っても多様らしく、そしてその悪魔の中には…‥‥
「その中にのぅ、サキュバスもいるときく‥‥‥そう、いわゆる淫魔だとかで有名な方々がいるそうなのじゃ!!」
「そのNPCなどに関しても、雇える可能性があるのは既に情報がある!!」
「見よ、この孫娘様の写真を!!逆のインキュバスの集団と遭遇し、写真を撮ったというものがあるのだ!!」
「インキュバスだけあって、エルフなどとは違うイケメン集があるが…‥‥ならば逆のサキュバスであれば美女の集団のはずだろう!!
「そう、これこそが魔界で求めるべき非常に大きな宝!!この戦隊にピンクの役目を持つ人をスカウトするのだぁぁぁ!!」
【ブモモモゥ】
盛り上がっているミートンたちを見て、やれやれと肩をすくめるマッチョン。
本人は最近進化を経て少々知能が上がっており、その分ミートンたちの行動をより理解できるようになったが‥‥‥どうしようもないという事を理解しても意味がないと思い、少々呆れているのである。
なお、この面子にまだいう気はないのだが、実はマッチョン既に彼女が出来ており…‥‥その事に関してはまだまだ言わないほうが良いなと彼は判断して黙っているのであった。
「それにしても、鍛える目的も一応あったが、魔界というだけあって弱肉強食が厳しいな‥‥‥状態異常を使うやつが多くて、回復用のポーションがだいぶないぞ」
「心もとなくなるが、尽きても多少はこの呪われた戦闘服が補ってくれる部分もあるから、どうにかなるか」
【ブモモモ‥‥‥モゥ?】
「ん?どうした、マッチョン」
っと、ここでちょっとは落ち着いたのか真面目そうに語り始めた面々に、マッチョンはどれだけこれが長続きするのかと思っていたが、ふと何かを耳にしてその音がした方へ顔を向け、彼の動きに戦隊たちは気が付き同じ方向に目を向けた。
そこは魔界の空であり、黄昏時の綺麗な光景が広がりつつも天井があるのが気になっていた空だが‥‥‥そこに、普段は見ることがない影を彼らは目にした。
「‥‥‥何だ、あれ?大きな船?」
「へー、魔界って船が空を‥‥‥いや、何か襲われてないか?」
「違うな、襲っているようなキメラっぽい何かが、逆襲を受けているような‥‥‥お?どうしたタローン」
「‥‥‥感じる。そう、あそこにはロリっ子が、あの角っ子がいるぞ!!」
「角っ子?」
「アリスちゃんだ、ハルさんのアリスちゃんが、あの子がいるぞ!!」
大空での船での戦闘の様子に珍しいと思っている中、ふとタローンがそう叫んだ。
「マジか?ということはもしかして‥‥‥あそこにハルさんたちが乗船していると?」
「空飛ぶ船にどうやって乗っているのか不明だが‥‥‥となると、あそこには美女の楽園が広がっているのか」
「そこに襲う、キメラっぽいやつら‥‥‥これは我々欲望戦隊の出番ではないだろうか?」
「疑問形ではない。確実に出番だ!!」
「欲望戦隊ミセタインジャ―!!ハルさんたちなら確実に大丈夫かもしれないけれど、大空の襲撃現場へ急行するぞ!!」
「「「おおぅ!!」」」
【ブモ?ブモ!!】
…‥‥やや欲望が見えなくもないが、それでも一応戦隊としてのプライドがあるのか、応戦をしようと決めたらしい。
そう叫び、ポーズを構えて背景が爆発するのであった。
「ところで、どうやってあの船上にいこうか?」
「それが一番問題だったな‥‥‥あ、いや、マッチョン、お前飛べているよな?」
【ブモゥ!ブモォォォ!!】
「おー、飛んでった飛んでった。確かにあいつなら飛んで‥‥‥ちょっと待て、我々、置き去りになってない?」
「「「…‥‥あいつ一人だけ向かいやがったぁぁぁぁぁ!!」」」
なお、マッチョンに下心は特にない。しいて言うのであれば、彼女達も友達なので助けに向かうのは当然だという想いと、この面子は下で待ってもらったほうが良いという判断を冷静に行っただけである‥‥‥
…‥‥海上のよりも揺れは少なく、それでも幽霊船としての要素は残っているのかゆらりゆらりとおぼろげに漂うかのように、空を行く魔導船。
様々な魔改造を施されているおかげか航行に支障はなく、黄昏時のような魔界の空を優雅に進むことが出来ているだろう。
【ヨーヨー!!】
【ヨー!!】
そしてついでに、船上では帆の調整を行ったり甲板掃除を行う船員が…‥‥
「‥‥木でできた小さな人形なのに、やることが素人目でもかなり熟練の船員にしか見えないんだけど」
【まぁ、この船の改装時に取れた木片を再利用しましたからネ。船員たちの挙動を一番近い位置で見ていたのがこの船自身だからこそ、船員たちの動きを記憶して再現できているのでしょウ】
小さいながらも黙々と仕事をこなしていく様子を見て、僕がそうつぶやけばロロが答える。
この船の部品を使っているからこそ、この船にいたかつての海賊たちの一糸乱れぬ動きを再現できるのだとか。
考えたら海賊って、賊としての仕事を除けば海で生きる船乗りだし、そりゃその再現をしたらかなり熟練の動きになるのかもしれない。
―――――
『木造人形船員:ウッドマリーンズ』
製作評価:15
効果・説明:魔導船の改装に伴い、出て来た木材を元にして作られた小さな木製の船員たち。
各自役目がしっかり割り振られて目的に合わせて作られており、挙動は熟練の船員。
過去に乗船していた船員たちの動きを元にしているので安心できる腕前だが、まだまだ改造の余地が多く、今後さらなるパワーアップが見込めるだろう。
なお、あくまでも魔導船の一部として作られているので、現時点では船から降りて活動ができない欠点が存在している。
―――――
海ではなく大空、もとい魔界の天井付近を航行しているので勝手は少々違うだろうが、それでも快適な船旅になっている。
最初は陸路で魔界を進んでいたが、こうやって空路で進んでみるのもまた新鮮な気分を味わえるだろう。
【ガウガウ、ガーウ!】
「っと、そろそろ出くわす頃合いか」
周囲を警戒してマストの上で見張っていたリンを声を上げたので、のんびりした船旅は早くも終わりを迎えたようだ。
見れば、彼方の方からやってくる影があり、それはいつぞやかのグレートキメラたちの群れ‥‥‥魔界では通称『大空の放火殲滅部隊』とか言う名の災害が迫ってきた。
「でも、前は地面で相手にしにくかったが、今は同じ空の場所。今度は逃げることなく、全員相手をするぞ!!総員、戦闘態勢に移れ!!」
【シャゲシャゲェ!!】
【バルルルルゥ!!】
せっかくの船上なので、少々いつもよりもイメージにあるような船長風に号令をかけ、戦闘準備に取り掛かる。
いきなり接近して突撃するのも手だろうが、この船はまだまだ慣れていないところもあるので、まずは遠距離攻撃で狙って数を減らさせてもらおう。
「マリー、ルト、アリス!毒と電撃、炎の射出砲にスタンバイ!その他船員たちは用意されている側面砲に並んで狙いを定めろ!!」
【シャゲェ!!】
【ギャビィ!!】
【オオン!!】
【【【【ヨーヨー!!】】】
号令を下すと各自持ち場に素早くつき、舵輪で船の向きを変えて狙いを定めやすくする。
色々と魔改造が施されたことによって、テイムモンスターたちの遠距離攻撃手段を増幅する砲や、その他最新式の大砲なども色々と用意しており、本艦の砲撃手段は多彩にしているのだ。
「ひきつけて…‥‥撃ち方はじめぇ!!」
「‥‥‥‥ふぅ、ふぅ、ようやく魔界にたどり着いたぞ」
「魔界の門から、ここまで厳しい相手が多かったが‥‥‥まだだ、まだ倒れられぬ!」
…‥‥その頃、魔界の陸路には欲望戦隊ことミセタインジャーの面々が歩いていた。
先日の会社の飲み会に混ざりあいつつ、出て来たモグラのボスモンスターにボッコボコにされるなど良い所はなかったのだが、その経験から彼らは珍しく、本当に非常に珍しくこのままでは何も名を上げることの無いただの集団に成り下がってしまうのではないかという危機感を抱き、魔界に来たのである。
そう、明日は天変地異が起きるのではないかと思いたくなるほど真面目っぽいのだが‥‥‥残念ながら、そんな事は無かった。
「そんな事よりもミートンさん、本当に悪魔の情報があるのか?」
「ああ、間違いないじゃろう。魔界の方には孫の方が先に先行して探索をしているそうじゃが、悪魔の確認はできているそうじゃ」
悪魔、それはエルフやドワーフのように魔界に住まう亜人種族と言われており、モンスターでのデビルなどとはちょっと違い、きちんとしたNPCがいるらしい。
しかし一口に悪魔と言っても多様らしく、そしてその悪魔の中には…‥‥
「その中にのぅ、サキュバスもいるときく‥‥‥そう、いわゆる淫魔だとかで有名な方々がいるそうなのじゃ!!」
「そのNPCなどに関しても、雇える可能性があるのは既に情報がある!!」
「見よ、この孫娘様の写真を!!逆のインキュバスの集団と遭遇し、写真を撮ったというものがあるのだ!!」
「インキュバスだけあって、エルフなどとは違うイケメン集があるが…‥‥ならば逆のサキュバスであれば美女の集団のはずだろう!!
「そう、これこそが魔界で求めるべき非常に大きな宝!!この戦隊にピンクの役目を持つ人をスカウトするのだぁぁぁ!!」
【ブモモモゥ】
盛り上がっているミートンたちを見て、やれやれと肩をすくめるマッチョン。
本人は最近進化を経て少々知能が上がっており、その分ミートンたちの行動をより理解できるようになったが‥‥‥どうしようもないという事を理解しても意味がないと思い、少々呆れているのである。
なお、この面子にまだいう気はないのだが、実はマッチョン既に彼女が出来ており…‥‥その事に関してはまだまだ言わないほうが良いなと彼は判断して黙っているのであった。
「それにしても、鍛える目的も一応あったが、魔界というだけあって弱肉強食が厳しいな‥‥‥状態異常を使うやつが多くて、回復用のポーションがだいぶないぞ」
「心もとなくなるが、尽きても多少はこの呪われた戦闘服が補ってくれる部分もあるから、どうにかなるか」
【ブモモモ‥‥‥モゥ?】
「ん?どうした、マッチョン」
っと、ここでちょっとは落ち着いたのか真面目そうに語り始めた面々に、マッチョンはどれだけこれが長続きするのかと思っていたが、ふと何かを耳にしてその音がした方へ顔を向け、彼の動きに戦隊たちは気が付き同じ方向に目を向けた。
そこは魔界の空であり、黄昏時の綺麗な光景が広がりつつも天井があるのが気になっていた空だが‥‥‥そこに、普段は見ることがない影を彼らは目にした。
「‥‥‥何だ、あれ?大きな船?」
「へー、魔界って船が空を‥‥‥いや、何か襲われてないか?」
「違うな、襲っているようなキメラっぽい何かが、逆襲を受けているような‥‥‥お?どうしたタローン」
「‥‥‥感じる。そう、あそこにはロリっ子が、あの角っ子がいるぞ!!」
「角っ子?」
「アリスちゃんだ、ハルさんのアリスちゃんが、あの子がいるぞ!!」
大空での船での戦闘の様子に珍しいと思っている中、ふとタローンがそう叫んだ。
「マジか?ということはもしかして‥‥‥あそこにハルさんたちが乗船していると?」
「空飛ぶ船にどうやって乗っているのか不明だが‥‥‥となると、あそこには美女の楽園が広がっているのか」
「そこに襲う、キメラっぽいやつら‥‥‥これは我々欲望戦隊の出番ではないだろうか?」
「疑問形ではない。確実に出番だ!!」
「欲望戦隊ミセタインジャ―!!ハルさんたちなら確実に大丈夫かもしれないけれど、大空の襲撃現場へ急行するぞ!!」
「「「おおぅ!!」」」
【ブモ?ブモ!!】
…‥‥やや欲望が見えなくもないが、それでも一応戦隊としてのプライドがあるのか、応戦をしようと決めたらしい。
そう叫び、ポーズを構えて背景が爆発するのであった。
「ところで、どうやってあの船上にいこうか?」
「それが一番問題だったな‥‥‥あ、いや、マッチョン、お前飛べているよな?」
【ブモゥ!ブモォォォ!!】
「おー、飛んでった飛んでった。確かにあいつなら飛んで‥‥‥ちょっと待て、我々、置き去りになってない?」
「「「…‥‥あいつ一人だけ向かいやがったぁぁぁぁぁ!!」」」
なお、マッチョンに下心は特にない。しいて言うのであれば、彼女達も友達なので助けに向かうのは当然だという想いと、この面子は下で待ってもらったほうが良いという判断を冷静に行っただけである‥‥‥
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