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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~

ver.2.5-50 社長命令、全員集合:中編

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‥‥‥とにもかくにも、社長もといモーリンも来たことで、本日の参加者はこれで大体そろったことになるようだ。なお、社長曰く無礼講にしているようだが、色々と騒ぐ前に先に集まった目的を済ませるらしい。

「さてと、ボーナスで釣ったような形とは言えそれでも集まることに関して無理を言ったことに関しては、社員たちにお詫びを言っておこう。とは言え、こうも面子が揃うといつもとはまた違った光景なのも面白い事だ」

 まぁ、確かに普段顔を見合わせている同僚たちが、ゲームの中で違った顔ぶれになっており新鮮味はあるだろう。とは言え、太郎丸がタローンだったのは意外だった…‥‥あれ?そうでもないのか?考えてみたら重度のロリコンの時点で気が付くべきだったのかもしれない。
 いや、そんな気が付きは無かったことにしよう。他の変態戦隊メンバーの現実での姿がどういう者なのか想像がつきそうで、それはそれで嫌だからね。変態の表の顔がさらなる変態だったとかいう事態は避けてほしいものである。

「それはさておき、改めて発表する!!我が社はメーゼ・イワド社との提携によって、今後より大きく成長するだろう!!だからこそ、彼の社の運営するこの世界を楽しみ、両社の発展を願おうではないかぁ!!」

 今回の集まりを簡潔に説明すれば、重要な商談が決まったことによる祝いの飲み会。普段であればどこかの居酒屋などで集まったりはするのだろうけれども、酒が飲めない人もいるし、飲めたとしても酒癖を隠したい人もいるだろう。
 だからこそ、この場で飲み会を催すことによって、現実世界で飲み食いをしているわけではないので容易に楽しみやすい飲み会を開催したかったという事のようである。


 なお、社長の宣言と共に集合場所だったここの地面が急に光ったかと思えば、ぽんぽんっと軽快な音を立てて立食形式の即席の会場が出来上がっていた。
 どうやら事前に社長が準備をしていたようで、提携祝いのちょっとした祝いみたいな形でメーゼ・イワド社によって仕掛けが施されていたらしい。

 そのおかげで、直ぐに僕らは酔わないけれども楽しめる飲み会に気持ちを切り替えるのであった。



「それにしても、ミートンさんたちもここに参加して良いのだろうか?」
【まぁ、彼らはタローンさんに呼ばれて来た人達ですが、一応許可はもらえているようデス。これ、次回アップデート予定の『お手軽パーティセットLLサイズ』というアイテムが使用されているので、許可している人以外は触れられないようになっているはずですしネ】

 ちゃっかり参加している変態戦隊の面子を見てつぶやけば、そう説明してくれるロロ。使用人として情報を収集しているのもあるが、使用人はこの世界で作られたシステムだからこそ、掴んでいる情報もあるらしい。よく見ると、他の使用人たちも同じような説明をしている人が多いようで、僕らの方が会社の飲み会であれば、彼女達は同僚同士の飲み会みたいな形式になっているようだ。


【アオォォォォォン!!】
【もげもげぇぇ!!】

「そして、テイムモンスターを連れてきている人もいて、そっちはそっちで集まっているか‥‥‥」
「あれ?ハルさんもテイムモンスターを連れていなかったっけ?」
「‥‥‥今日は会社の集まりだから留守をしてもらっているんだよ」

 ぼそっとつぶやいた声を聞きつけたのか、いつの間にかタローンさんが近くにいた。うん、中身が太郎丸さんだと分かっても、何だろうこの変わらない感じ。

「流石にこの場では、他の人との話を優先したいからね。一応使用人を連れてきたけれども、知らない人が多い所では不安になるだろうしハウス内でお留守番さ」
「留守番かぁ、残念、あのロリ巨乳っ娘がいると思ったのに!!」

 だぁんっと地面に手を叩きつけ、そう叫ぶタローン。アリスの事をそんな名称で呼んでほしくないような、大体あっているような呼び方なのはやめてほしい。叫ばれると目立つのだが…‥‥あ、でも、先ほどの変態戦隊ぶりで奇行としてとらえられることはなく、無視されているので大丈夫か。

‥‥‥ちなみにだが、その他の面子は同僚の女性社員たちへ話しかけようとしていたが、ことごとく玉砕している様子だった。それとは対照的に、マッチョンは他の人のテイムモンスターたちと談笑しており、時折笑い声が響いていた。
 
【ブモォォウ?ブモモモ!!】
【ホゲェェン!!】
【ワフワフーン!!】

「何故だ、なぜあいつはあそこまでなじんでいるのか‥‥‥‥」
「やっぱり、まともさが際立つからじゃないかな?」

 モンスターで、女性には人気がなさそうなイメージがあるオークの仲間なのに、わりと常識人枠なマッチョンの雰囲気は受け入れられやすいようで、よく見れば他の女性社員たちに触れられていたりと物凄い天と地の差を見せ付けられている気がする。
 普段があの戦隊の中で苦労しているからこそ、こういう場で幸せをつかみやすいのだろう。

【うんうん、そう考えると物凄く納得できマス。執事の方々からも、彼は執事になれば大成する器だと話していましたヨ】
「そこまでなのかぁ!?」

 そこまでのようである。うん、名乗りを上げるたびに爆発を引き起こし、変態戦隊はそれなりにネット上で名も上げており、その奇行の様も出ているからこそ、この場でどのような人物たちなのかしっかりと知られている。
 だからこそ、マッチョンのまとも具合が浮き出ており、この場において付き合いやすい相手になるのかもしれない。

 日頃の行いと言うのはどれほど重要なものなのか、僕らはしっかりと心に刻ませてもらうのであった。ああ、でも一応タローンさんやミートンさんたちも反面教師として良い教材になるだろう。



「そう言えば、ゴリラマンさんの話も聞こえて来たけど、新規プレイヤー向けに楽しむための授業を行う事で反面教師についての解説があったらしいけれども‥‥‥」

…‥‥そのモデルって、もしや変態戦隊?どこまで素材として利用されるのだろうか。

 色々とツッコミどころがあるような気がしつつも、一応そんなに目を付けられるような行動はしていないので、解散後はいつも通りにできるだろうと思うのであった。





「…‥‥ふむ、それにしても大体の話は他の人から聞いていたが…‥‥いないのがちょっと残念だ。だが、いることが分かったから…‥‥ここしっかりと、あの方々へ伝えに向かおうか」

 そんな中で、社長がぼそりと僕の方を見てつぶやいていたことに、気が付くことはなかったのだった‥‥‥

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