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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.0-15 たまには文句も、言いあう時があるらしい
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【ウパァァァァン!!】
「怖っ!!パンダっぽいのにパンダじゃない恐怖が!!」
「大熊猫って書くらしいけれども、これまさに熊だよ!!」
「何にしても、この巨体をふっ飛ばさないといけないようだでーよ!!」
白黒の塔を上り始めるとすぐに、僕らは戦闘に入っていた。
周囲の景色は事前に聞いていた通り白黒とした色しかなく、まるでモノクロテレビの中に入り込んだようである。
その上、トラップなども白黒で見にくくなっており、そのせいでいくつかかかりやすくもなっていた。
【ギャベギャベェェェ!!】
「良いぞルト!!そのまま放電しながら痺れさせろ!!その隙にロロ、渡した爆裂薬を使え!!」
【了解デス!】
「おおっと!?こっちからはゼブラゴリィラァが!!玉五郎三世、ひっかきまくれ!!」
【ニャゴォォォ!!】
「おっとっと!?落とし穴で危ないのだぜ―よ!!」
「安心すると良いわ。ジャベェランちゃん、蔓でふさぎなさい!」
【ジャベェェェン!】
あっちこちから飛んでくる奇襲攻撃や突然のトラップなどに対応しつつも、なんとか先は進めている。お互い何が出来て何ができないのかを確認して役割分担したので、効率よく対処できるようだ。
「ふぅ、それにしても男女混合限定だが、本当にテイムモンスターの少女たちでも入れるのは驚きだべなぁ」
「テイムモンスターの性別も、影響されるのかしらねぇ?ジャベェランちゃん、可愛らしいのにオス判定なのかしら?」
【ジャベェ?】
【一応、植物にも性別の判定はありマス。中には異性限定の攻撃手段をそなえたものもいますので、注意するべきデス】
「いるのかそんな植物…‥‥」
色々ツッコミどころがあるかもしれないが、それでもどうにか進めているので気にしないほうが良いだろう。気にしていたらキリがない。
とにもかくにも突き進みつつも、調子としては順調な処だろう。
「それにしても、男女限定という割にはそれを狙ったようなトラップとかが無いような」
「混合だからこそ、配慮されているんじゃないかしらね?ほら、いやらしい目で見られたくないでしょう?」
「んー、まぁ、確かに。でも世の中には、ビキニアーマーで堂々と歩く人もいるんだけどね‥‥‥」
「あれはまた別よ。うん、別物というか、痴女ともまた違っていたというか」
「もっと違う何かだと思うのだぜーよ」
既に誰なのか見当がついたようだが、全員遠い目になってしまう。
(ああ、既に体験済みなのか)
(体験済みとか言う前に、こちらの方がハルさんよりはるかに早く出くわしているからね?)
視線が交わされるだけで、不思議と通じてしまうのであった。
とにもかくにも気を取り直しつつ、白黒の塔の内部を進んでいくのだが、ダンジョンとしては上へと目指すタイプのようで、見た目以上に広い階層を進み、上に繋がる階段を探し出す。
けれどもあちこちに隠し扉や罠もあるようで、階段ひとつ捜すだけでも苦労が多い。
「そして白黒を保護色にしてくる敵も多いな‥‥‥目に優しくないダンジョンだ」
「しかも、白黒の模様を持った動物をモチーフにしたモンスターも多いし、これはこれでやりにくいな」
先ほどのパンダに似たモンスターのように、シマウマや何やら101匹ほどに増えてきそうな犬に、絶滅危惧種のような虎など、白黒限定の動物園なのかとツッコミを入れたくなる。
そして白黒しているのは何もモンスターだけではなく、そのドロップ品も同じようなものが多い。
「アイテム整理をすると、間違えそうで怖いな」
「おおぅ、ホワイトアウト爆弾とかもあるのか。これ、地味に凶悪だな‥‥‥」
「植物系のドロップも個性的だべさ。白いスイカとか、面白そうだべ」
ダンジョン限定の品も多く、これはこれで実入りは良いようだ。
けれども、何もすべてが順調にいくわけがない事を、進むにつれて理解して…‥‥
カチッ!!
「「「「あ」」」」
歩んだ瞬間、明かに何かを踏み抜いた音がして、全員の声が揃う。
―――――
>トラップ『強制スキル発動』が作動しました。
>ランダムで何かのスキルが各自勝手に発動し、30分間解除不能になります。
―――――
出てきたログはみんな一緒だったようだが、その表示に全員顔を青くする。
無理もないだろう。このアルケディア・オンライン内で手に入るスキルはどれもこれも便利なものも多いのだけれども、中には望んでいなかったのに手に入ってしまうものもあるのだ。
そしてその望んでいないスキルが、発動すれば、当然悲劇しか生まない。
「いやぁぁぁぁ!!ゴリゴリの筋肉マッチョになってしまったわぁぁぁ!!」
『超剛腕』のスキルを発動されたせいなのか、オネェだったオハナさんの姿が肩幅が凄まじく大きな足が小さいアンバランスで極端な筋肉ダルマな姿に変貌し、
「ほべぇぇぇぇ!!体が臭ぁぁぁぁぁ!!」
『殺虫体臭』のスキルを発動されたせいなのか、グランプさんの体が物理的に黄ばんだ霧を纏い、強烈な臭いを放つ。
「ひでぇぇぇぇ!!ギターが、カスタネットに!!」
『楽器変化:カスタネット』というスキルでギターマンさんのギターがカスタネットに…‥‥いや、これあんまり被害ないな。でも、ギターマンさんにとってはギターを失うのは辛いようだ。
「‥‥‥モフモフが好きだけど、モフモフになり過ぎて動けなくなるこれは場合によって困るんだよなぁ」
『毛玉爆発』のスキルによって、ぽっけねこさんは巨大な毛玉に変化した。…‥‥寒い時には便利だけど、ダンジョン攻略中だと邪魔になるだろう。
そして当然、僕の方は…‥‥
「この様子だと、ハルさんも‥‥‥って、何その威圧感!!」
「おおぅ!!だが、その姿は!!」
「レイド戦で見た、あの黒き女神さまの姿だぜーよ!?」
「どんなスキルだべさ!?」
「…‥‥何でこのスキルの方が発動するのかなぁ!?」
‥‥‥百歩譲って、『女体化』のスキルはまだしも、まさかの『黒き女神』のスキルが発動してしまい、レイド戦の終盤で見せてしまったあの姿に変わり果ててしまった。
周囲に『恐慌状態』『畏怖状態』『萎縮状態』などの状態異常を振りまくので、こういうダンジョン内部では敵避けに都合が良いかもしれないけど、よっぽどの時以外ではなりたくなかった。
ダンジョンのトラップの恐ろしさを、僕らは今更ながらたっぷりと体験させられてしまうのであった‥‥‥‥
「わぁ、大体予想できていたけど、ハルさんがまさかあの黒き女神様だったとは‥‥‥」
「予想できていたって‥‥‥いや、その前になんで黒き女神という名称が」
「だってなぁ」
「ええ」
「あのでっかいオララゴンを倒す一撃を与えたことでも有名だべさなぁ」
あれ、でもなんかちょっとだけ感覚が変わっているな?前に試しにやった時とは、こう違うというか、テイムモンスターが増えた影響か?
【ギャベェ?ギャベェ‥‥‥‥ギャベ!!】
「ん?どうしたのルト?」
―――――
>黒き女神の効果の『畏怖状態』の影響を受け、条件が揃いました。
>『ルト』の進化が可能になりました。
>進化させますか?
―――――
‥‥‥おやぁ?
「怖っ!!パンダっぽいのにパンダじゃない恐怖が!!」
「大熊猫って書くらしいけれども、これまさに熊だよ!!」
「何にしても、この巨体をふっ飛ばさないといけないようだでーよ!!」
白黒の塔を上り始めるとすぐに、僕らは戦闘に入っていた。
周囲の景色は事前に聞いていた通り白黒とした色しかなく、まるでモノクロテレビの中に入り込んだようである。
その上、トラップなども白黒で見にくくなっており、そのせいでいくつかかかりやすくもなっていた。
【ギャベギャベェェェ!!】
「良いぞルト!!そのまま放電しながら痺れさせろ!!その隙にロロ、渡した爆裂薬を使え!!」
【了解デス!】
「おおっと!?こっちからはゼブラゴリィラァが!!玉五郎三世、ひっかきまくれ!!」
【ニャゴォォォ!!】
「おっとっと!?落とし穴で危ないのだぜ―よ!!」
「安心すると良いわ。ジャベェランちゃん、蔓でふさぎなさい!」
【ジャベェェェン!】
あっちこちから飛んでくる奇襲攻撃や突然のトラップなどに対応しつつも、なんとか先は進めている。お互い何が出来て何ができないのかを確認して役割分担したので、効率よく対処できるようだ。
「ふぅ、それにしても男女混合限定だが、本当にテイムモンスターの少女たちでも入れるのは驚きだべなぁ」
「テイムモンスターの性別も、影響されるのかしらねぇ?ジャベェランちゃん、可愛らしいのにオス判定なのかしら?」
【ジャベェ?】
【一応、植物にも性別の判定はありマス。中には異性限定の攻撃手段をそなえたものもいますので、注意するべきデス】
「いるのかそんな植物…‥‥」
色々ツッコミどころがあるかもしれないが、それでもどうにか進めているので気にしないほうが良いだろう。気にしていたらキリがない。
とにもかくにも突き進みつつも、調子としては順調な処だろう。
「それにしても、男女限定という割にはそれを狙ったようなトラップとかが無いような」
「混合だからこそ、配慮されているんじゃないかしらね?ほら、いやらしい目で見られたくないでしょう?」
「んー、まぁ、確かに。でも世の中には、ビキニアーマーで堂々と歩く人もいるんだけどね‥‥‥」
「あれはまた別よ。うん、別物というか、痴女ともまた違っていたというか」
「もっと違う何かだと思うのだぜーよ」
既に誰なのか見当がついたようだが、全員遠い目になってしまう。
(ああ、既に体験済みなのか)
(体験済みとか言う前に、こちらの方がハルさんよりはるかに早く出くわしているからね?)
視線が交わされるだけで、不思議と通じてしまうのであった。
とにもかくにも気を取り直しつつ、白黒の塔の内部を進んでいくのだが、ダンジョンとしては上へと目指すタイプのようで、見た目以上に広い階層を進み、上に繋がる階段を探し出す。
けれどもあちこちに隠し扉や罠もあるようで、階段ひとつ捜すだけでも苦労が多い。
「そして白黒を保護色にしてくる敵も多いな‥‥‥目に優しくないダンジョンだ」
「しかも、白黒の模様を持った動物をモチーフにしたモンスターも多いし、これはこれでやりにくいな」
先ほどのパンダに似たモンスターのように、シマウマや何やら101匹ほどに増えてきそうな犬に、絶滅危惧種のような虎など、白黒限定の動物園なのかとツッコミを入れたくなる。
そして白黒しているのは何もモンスターだけではなく、そのドロップ品も同じようなものが多い。
「アイテム整理をすると、間違えそうで怖いな」
「おおぅ、ホワイトアウト爆弾とかもあるのか。これ、地味に凶悪だな‥‥‥」
「植物系のドロップも個性的だべさ。白いスイカとか、面白そうだべ」
ダンジョン限定の品も多く、これはこれで実入りは良いようだ。
けれども、何もすべてが順調にいくわけがない事を、進むにつれて理解して…‥‥
カチッ!!
「「「「あ」」」」
歩んだ瞬間、明かに何かを踏み抜いた音がして、全員の声が揃う。
―――――
>トラップ『強制スキル発動』が作動しました。
>ランダムで何かのスキルが各自勝手に発動し、30分間解除不能になります。
―――――
出てきたログはみんな一緒だったようだが、その表示に全員顔を青くする。
無理もないだろう。このアルケディア・オンライン内で手に入るスキルはどれもこれも便利なものも多いのだけれども、中には望んでいなかったのに手に入ってしまうものもあるのだ。
そしてその望んでいないスキルが、発動すれば、当然悲劇しか生まない。
「いやぁぁぁぁ!!ゴリゴリの筋肉マッチョになってしまったわぁぁぁ!!」
『超剛腕』のスキルを発動されたせいなのか、オネェだったオハナさんの姿が肩幅が凄まじく大きな足が小さいアンバランスで極端な筋肉ダルマな姿に変貌し、
「ほべぇぇぇぇ!!体が臭ぁぁぁぁぁ!!」
『殺虫体臭』のスキルを発動されたせいなのか、グランプさんの体が物理的に黄ばんだ霧を纏い、強烈な臭いを放つ。
「ひでぇぇぇぇ!!ギターが、カスタネットに!!」
『楽器変化:カスタネット』というスキルでギターマンさんのギターがカスタネットに…‥‥いや、これあんまり被害ないな。でも、ギターマンさんにとってはギターを失うのは辛いようだ。
「‥‥‥モフモフが好きだけど、モフモフになり過ぎて動けなくなるこれは場合によって困るんだよなぁ」
『毛玉爆発』のスキルによって、ぽっけねこさんは巨大な毛玉に変化した。…‥‥寒い時には便利だけど、ダンジョン攻略中だと邪魔になるだろう。
そして当然、僕の方は…‥‥
「この様子だと、ハルさんも‥‥‥って、何その威圧感!!」
「おおぅ!!だが、その姿は!!」
「レイド戦で見た、あの黒き女神さまの姿だぜーよ!?」
「どんなスキルだべさ!?」
「…‥‥何でこのスキルの方が発動するのかなぁ!?」
‥‥‥百歩譲って、『女体化』のスキルはまだしも、まさかの『黒き女神』のスキルが発動してしまい、レイド戦の終盤で見せてしまったあの姿に変わり果ててしまった。
周囲に『恐慌状態』『畏怖状態』『萎縮状態』などの状態異常を振りまくので、こういうダンジョン内部では敵避けに都合が良いかもしれないけど、よっぽどの時以外ではなりたくなかった。
ダンジョンのトラップの恐ろしさを、僕らは今更ながらたっぷりと体験させられてしまうのであった‥‥‥‥
「わぁ、大体予想できていたけど、ハルさんがまさかあの黒き女神様だったとは‥‥‥」
「予想できていたって‥‥‥いや、その前になんで黒き女神という名称が」
「だってなぁ」
「ええ」
「あのでっかいオララゴンを倒す一撃を与えたことでも有名だべさなぁ」
あれ、でもなんかちょっとだけ感覚が変わっているな?前に試しにやった時とは、こう違うというか、テイムモンスターが増えた影響か?
【ギャベェ?ギャベェ‥‥‥‥ギャベ!!】
「ん?どうしたのルト?」
―――――
>黒き女神の効果の『畏怖状態』の影響を受け、条件が揃いました。
>『ルト』の進化が可能になりました。
>進化させますか?
―――――
‥‥‥おやぁ?
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