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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.0-11 後悔とは、後から悔いる事であり
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「ぬぅ…‥‥149回目で釣れたのが、『空っぽになった薬箱』か…‥‥いや、この薬箱ってアイテムの意味あるのかな?」
【保管した薬系統のアイテムの効果を高めるようですネ】
ソプラノ村の釣り場にて、根気よく釣りを続けるハル。数時間は経過していたが、たかが釣りでもそこまで時間がかかる理由ははっきりとしていた。
「後は、倒したモンスターの素材も集まってきたけれども、どれもこれもテイムできなかったし、出来れば最後に大物を当ててテイム成功させたい」
【シャゲェシャゲェ】
触手なる釣り竿の耐久限界の150回を目指して釣りをして、その最中に釣れたモンスターと戦闘したり勧誘を試みたりするも、どれもこれもテイムに失敗してしまった。
中には思いっきりヤバ気な電気ウナギのようなモンスターだとか、ひれの意味があるのかないのか分からないシースライムに、これはこれで人によっては需要がありそうな半魚人のモンスターが出たりしたのだが、どれもこれもうまくいかない。
粘ってみたものの、そろそろ回復用に用意していたポーションや、爆裂薬に毒薬、大炎上薬なども減ってきており、この150回目の釣りで正真正銘ラストの釣りとなるだろう。
「出来れば、テイム出来る奴が釣れますように、釣れますように、釣れますように」
【バルゥ、バルゥ】
【ガウガーウ】
せっかくなのでここで新しい仲間も欲しいし、触手なる釣り竿が壊れてしまうのであれば、せめてもの記念となるよう何かが欲しい所。
ギャンブルにちょっと近い気分を味わっている気がしなくもないが、それでもコレが泣いても笑っても最後の一投を海に奉げ、祈るしかない。
「そぉぉれっ!!」
ぶぉんっと思いっきり力強く釣り竿をしならせ、海中に先っちょが入り込む。
ぷかんぷかんと海の中に揺れ、待つこと数秒…‥‥そしてついに、最後の獲物がかかった。
ぐぐぐぃ!!
「きたっ!!全員、戦闘態勢!!」
【シャゲ!】
【ガウ!】
【バルゥ!!】
【弾薬が少ないので、ナイフを装備しマス】
釣りあげてすぐに攻撃をするモンスターもいたので即座に対応できるように動きつつ、油断をせずに吊り上げ始める。
ぐぐぐっと触手なる竿が最後の役目を果たすように極限までしなりつつ、反動で一気に引き上げる。
ざっばぁぁぁぁん!!ぼっべぺぺぺぺん!!
釣り上げると同時に、触手なる釣り竿が奇妙な音を立てて崩壊する中、僕自身も万が一に備えて爆裂薬などを出せるように構える。
そして見る、たった今釣り上げた最後の獲物を。
確認する、それがモンスターなのかアイテムなのか、はたまた別の何かなのか。
【‥‥‥キュルベェ~‥‥‥】
「‥‥‥モンスターのようだけど、何だあれ?」
【えっと、図鑑によると‥‥‥『ボルトクパス』デス】
釣り上げたのは、全身黄色と黒の縞模様の入った大きなタコ。ただ、その目は何故か漫画表現にあるようなぐるぐる状態で、何かの状態異常にかかっている様子。
―――――
『ボルトクパス』
黄色と黒の縞模様を持つ、電の魔法を身に纏って操るタコのモンスター。
海中でも自爆しない電撃を放つことが可能であり、荒っぽい性格もあいまって勢いよく他の魚を感電させて捕縛することが出来る(電気漁は現実では犯罪でもあるので要注意)。
ドロップアイテムは『痺れタコ足』であり、調理すればピリッとした味わいで人気がある。
―――――
ドロップ品は美味しい様だが、そんな事より今の状態が気になる処。荒っぽい性格でもあるらしいが状態異常のせいで大人しい様子‥‥‥なんでぐるぐる目になっているのかな?
「というか、これ何が原因の状態異常なんだろう?」
見た目的に漫画表現のような感じがするので、混乱や痺れ状態が当てはまりそうである。
しかし、海中でそんな状態異常をやってくるようなモンスターは…‥‥いや、いたな。そう言えば釣りあげた中には状態異常をかけてこようとするモンスターも何匹かいたし、その中の誰かに既にやられていたのかもしれない。
「流石に弱っているところを襲う趣味もないし、ここはちょっと治してみるか?皆、反対か?」
【シャゲェ~シャゲ】
【ガウ、ガーウ】
【バルルルゥ】
【反対はないデス。戦闘になればその時はその時ですしネ】
罠を仕掛けたりする手も使う事はあるが、それでも流石に正面からやらかすわけもない。
というか、混乱とかの状態異常だとそれはそれで戦闘時に非常に厄介になったりするし、そこははっきりしてほしい時もあるのだ‥‥‥確か、67匹目で釣り上げたウツボーンも同じような状態異常のまま攻撃を仕掛けてきて、自らの身体が溶ける事も構わずに胃液攻撃をやりまくって来たのは酷かったからなぁ‥‥
「とりあえず、これを使うか」
取り出したるは、状態異常対策のなかで混乱に効く『気付け薬2』。2が付いているのはちょっと普通のものとは違って、味を良くしているせいか別物扱いになっているのだとか。通常の気付け薬は青汁味だったので、改良を施して何とか青りんご味に変わったんだよね…‥‥
ふたを開け、中身の液体をボルトクパスの口を開けてその中に注ぎ込む。
タコの口ってこう伸びているからやりやす‥‥‥あれ、でもこれって確か口じゃなかったような、正しい口の位置って違う所だった気が‥‥‥うん、気にしないでおこう。体に入るなら同じか。
そして注ぎ込んで数十秒後、ぱっとぐるぐるしていた目が切り替わって、はっきりとした目に切り替わった。
【キュベッツ!?キュベベベ…‥‥キュベェ?】
最初は警戒するかのようにばっと後ずさりをしたが、自身の治療に気が付いたようで、不思議そうな目でこちらを見た。
どうやらきちんとこの状況を理解したようで、僕らを見つつ‥‥‥僕の方に向き直り、歩み出た。
【キュべべ‥‥‥キュベェべェ】
―――――
>ボルトクパスは治療に気が付き、感謝をしているようだ。
>恩に報いるために、テイムをして欲しいと頼んでいるらしい。
>ボルトクパスの『ルト』がテイムを望んできた、どうする?
―――――
「‥‥‥あ、こういうパターンもあるのか」
考えてみたら、この面子も食事だったり戦闘だったり、譲渡だったりして集まって来たが…‥恩に報いてのパターンは初めてかもしれない。
でも、ネット上のテイム情報によればモンスターの中にはそう言うテイムの仕方もあるようで、それはそれで遭遇しにくい方法らしく、珍しいようだ。
「断ることも無いし、電撃のタコか‥‥‥うん、それはそれで良いな」
魔法攻撃を扱えるようなテイムモンスターを捜していたこちらとしては、非常に都合のいい事である。
戦闘の幅も広がるし、電撃も使いようによってはいろいろできるし、皆に確認をして見たところ拒否することも無かった。
「それじゃ、テイムするよ」
【ギャベェ♪】
―――――
>ボルトクパスのルトのテイムに成功した!!
>電撃、毒の状態異常を引き起こせる使い手を獲得したことにより、称号を獲得した!!
『毒雷の使い手』
毒状態、麻痺状態の効果をより強化する称号。常時発動型。毒の扱いに長けたモンスターと、電撃の扱いに長けたモンスターをテイムした時に獲得できる。
また、同時に他の状態異常に関しても成功確率、効果などを少し引き上げることが出来る、状態異常の使い手には嬉しい称号となる。
―――――
‥‥‥っと、流石に予想していなかった称号も手に入ったが、これはこれで嬉しい副産物だろう。
僕らの戦闘方法にも中々合っているし、相性が良い。
触手なる釣り竿の崩壊は惜しかったが、それでも最後の150回目の釣りで、最高の結果を手に入れることが出来たのであった…‥‥
「ほげぇぇぇ!!真珠貝だと思ったらミミックみたいなやつだったぁぁぁ!!」
「ひえぇぇぇぇぇ!?チョウチンアンコウがビームを放ちまくるぞぉォォ!!」
「いつの間にか、他の人達も釣りをしていたけど、戦場になって来たな!?」
‥‥‥ネットに流した釣り情報が、思わぬ効果を出していたらしい。さっさとこの危ない海域から逃げるとするか。
【保管した薬系統のアイテムの効果を高めるようですネ】
ソプラノ村の釣り場にて、根気よく釣りを続けるハル。数時間は経過していたが、たかが釣りでもそこまで時間がかかる理由ははっきりとしていた。
「後は、倒したモンスターの素材も集まってきたけれども、どれもこれもテイムできなかったし、出来れば最後に大物を当ててテイム成功させたい」
【シャゲェシャゲェ】
触手なる釣り竿の耐久限界の150回を目指して釣りをして、その最中に釣れたモンスターと戦闘したり勧誘を試みたりするも、どれもこれもテイムに失敗してしまった。
中には思いっきりヤバ気な電気ウナギのようなモンスターだとか、ひれの意味があるのかないのか分からないシースライムに、これはこれで人によっては需要がありそうな半魚人のモンスターが出たりしたのだが、どれもこれもうまくいかない。
粘ってみたものの、そろそろ回復用に用意していたポーションや、爆裂薬に毒薬、大炎上薬なども減ってきており、この150回目の釣りで正真正銘ラストの釣りとなるだろう。
「出来れば、テイム出来る奴が釣れますように、釣れますように、釣れますように」
【バルゥ、バルゥ】
【ガウガーウ】
せっかくなのでここで新しい仲間も欲しいし、触手なる釣り竿が壊れてしまうのであれば、せめてもの記念となるよう何かが欲しい所。
ギャンブルにちょっと近い気分を味わっている気がしなくもないが、それでもコレが泣いても笑っても最後の一投を海に奉げ、祈るしかない。
「そぉぉれっ!!」
ぶぉんっと思いっきり力強く釣り竿をしならせ、海中に先っちょが入り込む。
ぷかんぷかんと海の中に揺れ、待つこと数秒…‥‥そしてついに、最後の獲物がかかった。
ぐぐぐぃ!!
「きたっ!!全員、戦闘態勢!!」
【シャゲ!】
【ガウ!】
【バルゥ!!】
【弾薬が少ないので、ナイフを装備しマス】
釣りあげてすぐに攻撃をするモンスターもいたので即座に対応できるように動きつつ、油断をせずに吊り上げ始める。
ぐぐぐっと触手なる竿が最後の役目を果たすように極限までしなりつつ、反動で一気に引き上げる。
ざっばぁぁぁぁん!!ぼっべぺぺぺぺん!!
釣り上げると同時に、触手なる釣り竿が奇妙な音を立てて崩壊する中、僕自身も万が一に備えて爆裂薬などを出せるように構える。
そして見る、たった今釣り上げた最後の獲物を。
確認する、それがモンスターなのかアイテムなのか、はたまた別の何かなのか。
【‥‥‥キュルベェ~‥‥‥】
「‥‥‥モンスターのようだけど、何だあれ?」
【えっと、図鑑によると‥‥‥『ボルトクパス』デス】
釣り上げたのは、全身黄色と黒の縞模様の入った大きなタコ。ただ、その目は何故か漫画表現にあるようなぐるぐる状態で、何かの状態異常にかかっている様子。
―――――
『ボルトクパス』
黄色と黒の縞模様を持つ、電の魔法を身に纏って操るタコのモンスター。
海中でも自爆しない電撃を放つことが可能であり、荒っぽい性格もあいまって勢いよく他の魚を感電させて捕縛することが出来る(電気漁は現実では犯罪でもあるので要注意)。
ドロップアイテムは『痺れタコ足』であり、調理すればピリッとした味わいで人気がある。
―――――
ドロップ品は美味しい様だが、そんな事より今の状態が気になる処。荒っぽい性格でもあるらしいが状態異常のせいで大人しい様子‥‥‥なんでぐるぐる目になっているのかな?
「というか、これ何が原因の状態異常なんだろう?」
見た目的に漫画表現のような感じがするので、混乱や痺れ状態が当てはまりそうである。
しかし、海中でそんな状態異常をやってくるようなモンスターは…‥‥いや、いたな。そう言えば釣りあげた中には状態異常をかけてこようとするモンスターも何匹かいたし、その中の誰かに既にやられていたのかもしれない。
「流石に弱っているところを襲う趣味もないし、ここはちょっと治してみるか?皆、反対か?」
【シャゲェ~シャゲ】
【ガウ、ガーウ】
【バルルルゥ】
【反対はないデス。戦闘になればその時はその時ですしネ】
罠を仕掛けたりする手も使う事はあるが、それでも流石に正面からやらかすわけもない。
というか、混乱とかの状態異常だとそれはそれで戦闘時に非常に厄介になったりするし、そこははっきりしてほしい時もあるのだ‥‥‥確か、67匹目で釣り上げたウツボーンも同じような状態異常のまま攻撃を仕掛けてきて、自らの身体が溶ける事も構わずに胃液攻撃をやりまくって来たのは酷かったからなぁ‥‥
「とりあえず、これを使うか」
取り出したるは、状態異常対策のなかで混乱に効く『気付け薬2』。2が付いているのはちょっと普通のものとは違って、味を良くしているせいか別物扱いになっているのだとか。通常の気付け薬は青汁味だったので、改良を施して何とか青りんご味に変わったんだよね…‥‥
ふたを開け、中身の液体をボルトクパスの口を開けてその中に注ぎ込む。
タコの口ってこう伸びているからやりやす‥‥‥あれ、でもこれって確か口じゃなかったような、正しい口の位置って違う所だった気が‥‥‥うん、気にしないでおこう。体に入るなら同じか。
そして注ぎ込んで数十秒後、ぱっとぐるぐるしていた目が切り替わって、はっきりとした目に切り替わった。
【キュベッツ!?キュベベベ…‥‥キュベェ?】
最初は警戒するかのようにばっと後ずさりをしたが、自身の治療に気が付いたようで、不思議そうな目でこちらを見た。
どうやらきちんとこの状況を理解したようで、僕らを見つつ‥‥‥僕の方に向き直り、歩み出た。
【キュべべ‥‥‥キュベェべェ】
―――――
>ボルトクパスは治療に気が付き、感謝をしているようだ。
>恩に報いるために、テイムをして欲しいと頼んでいるらしい。
>ボルトクパスの『ルト』がテイムを望んできた、どうする?
―――――
「‥‥‥あ、こういうパターンもあるのか」
考えてみたら、この面子も食事だったり戦闘だったり、譲渡だったりして集まって来たが…‥恩に報いてのパターンは初めてかもしれない。
でも、ネット上のテイム情報によればモンスターの中にはそう言うテイムの仕方もあるようで、それはそれで遭遇しにくい方法らしく、珍しいようだ。
「断ることも無いし、電撃のタコか‥‥‥うん、それはそれで良いな」
魔法攻撃を扱えるようなテイムモンスターを捜していたこちらとしては、非常に都合のいい事である。
戦闘の幅も広がるし、電撃も使いようによってはいろいろできるし、皆に確認をして見たところ拒否することも無かった。
「それじゃ、テイムするよ」
【ギャベェ♪】
―――――
>ボルトクパスのルトのテイムに成功した!!
>電撃、毒の状態異常を引き起こせる使い手を獲得したことにより、称号を獲得した!!
『毒雷の使い手』
毒状態、麻痺状態の効果をより強化する称号。常時発動型。毒の扱いに長けたモンスターと、電撃の扱いに長けたモンスターをテイムした時に獲得できる。
また、同時に他の状態異常に関しても成功確率、効果などを少し引き上げることが出来る、状態異常の使い手には嬉しい称号となる。
―――――
‥‥‥っと、流石に予想していなかった称号も手に入ったが、これはこれで嬉しい副産物だろう。
僕らの戦闘方法にも中々合っているし、相性が良い。
触手なる釣り竿の崩壊は惜しかったが、それでも最後の150回目の釣りで、最高の結果を手に入れることが出来たのであった…‥‥
「ほげぇぇぇ!!真珠貝だと思ったらミミックみたいなやつだったぁぁぁ!!」
「ひえぇぇぇぇぇ!?チョウチンアンコウがビームを放ちまくるぞぉォォ!!」
「いつの間にか、他の人達も釣りをしていたけど、戦場になって来たな!?」
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