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ver.1.0 ~始まりの音色~
ver.1.1-26話 できないからこそ、できるように
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そう言えば、エリアの移動とかはやったことはあるが、ダンジョンの挑戦というのはやったことがない。
ふとその事に気が付き、このアルケディア・オンラインでのダンジョンはどのようなものなのか、前線組で積極的にやり込んでいる中三病さんに問いかけてみると、詳しい説明を貰う事が出来た。
―――――
『ダンジョン』
通常のエリア内にも出現することがある、特別なエリアの一種。
塔のように上へあがるものや、洞窟として地下に潜るものなどが存在しており、出現し続ける間隔的に出現するもの、クエストによって出現するものなど、巡り合う条件は多岐にわたる。
とは言え未だにアップデートが必要など、運営側でも模索されており、場合によっては鬼畜な類に遭遇することもある。
なお、ダンジョン内限定モンスターやドロップ品なども存在しており、プレイヤー間では高値で取引されるものもある。
―――――
「となると、今回はクエストで出現型か‥‥‥珍しいドロップ品が出るのはいいけれども、この面子で攻略できるのかな?」
現状、仮パーティとして中三病さんとロティさんが加わって、3名(+2体)となるのだが、全体的なバランスが一応取れてはいるはずである。
リンは前に出て攻撃し、マリーは素早く状態異常で補助、ロティさんは舞で全体へのバフをかけ、僕は道具でのサポート…‥‥あれ?これ全体的にアタッカーが少ないのではないのだろうか。いやまぁ、いざとなればHPを犠牲にした護身の舞や僕の方も女体化スキルでの舞で二重バフをかけられるけれど、攻撃面としてはやや守りに重点を置いている気がする。
となると、出来れば中三病さんがアタッカーの方になっていればバランスが取れるのだが、そう言えば彼の職業は‥‥‥
「ん?ああ、『戦士』だから、前衛のアタッカーとなれるぞ。大きな斧や大剣ならいつでも出せて、振り回すのは中々のロマンだからな」
そう言いながら中三病さんが見せてくれたのは、巨大なバトルアックス。大きさ的には人以上の大きさだが、流石にゲームという事だけあって、ありえない重さであろうとも動かせるらしい。
とはいえ、重量などはある程度影響してくるそうで、持っている時は素早さが一気に落ちるらしいが、それでも攻撃力はこの面子内だとずば抜けているだろう。レベル自体も僕らよりもかなり高いし、攻略中にはその高い攻撃力と防御力を活かして盾となり、何度も危機を救って来たらしい。
とにもかくにも、これで全体的なバランスとしては少しは取れた感じがする。ここは中三病さんを主な攻撃手段としてリンと組ませて前衛に出てもらい、僕らが後衛としてサポートできる。ちょっとばかり回復役がいないのは気になるが、一応回復薬の方は用意しているので、何とでもなるはずである。
そうこうしているうちに地図の通りに突き進み、ようやく目的地へ僕らは辿り着いた。
そこは山岳地帯ののような場所であり、山肌に大きな穴を開けた洞窟らしい場所。けれども、自然にできた感じはしておらず、床の方が石のタイルになっていた。
「とはいえ、岩肌は露出しているし、どちらかと言えば鉱山のような印象もあるな‥‥‥」
「鉱山はトロッコもあったはずよ。とは言えここだと、それもなさそうよね」
へぇ、トロッコもあるんだ。ソレはソレで乗ってみたいかも。高山地帯のトロッコというと、どことなくアトラクションのようでちょっとばかり少年の心をくすぐられる。まぁ、現実的には結構大変らしいが、それでも夢をちょっとは見たい。
中に入って進んでみると、洞窟内のような雰囲気もあるはずなのだが、思いのほか明るい。どうやら床の方が輝いているようで、照らしてくれているそうだ。
「上からではなく下から照らすタイプか…‥‥これはちょっと、要注意だな」
「どういうことですか?」
「前線組でとあるダンジョンに挑んだ時に似た形式のダンジョンがあったんだが…‥‥床が光っているせいで仕込まれているトラップに気が付きにくかったんだ。ぽっけねこやライドン、SSSなどと一緒に攻略していたが、いくつかかかった苦い思い出がある」
ダンジョンは当然無害な場所という訳ではなく、トラップが設置されていることもあるらしい。出現するモンスターもそのトラップにかかることがあるようなので、うまいことやれば楽に攻略が出来るのだが、牙をむくような類だと非常に難しくなるそうだ。
中三病さんいわく、こういう輝く床のタイプだと分かりにくいトラップも多いそうで、過去には大量のモンスターが一瞬にして出現するモンスター部屋と化すのもあって全滅したらしい。
「あとはボロンゾが装備品を剥ぎ取られたり、ブロッコリーマンが強制アバタースキンヘッド化で電球となったり…‥‥面倒な罠が多い事はすでに分かっているので、気を引き締めろ」
「何その精神的な方面で攻めてくるトラップは」
物理だけではなく精神的な面でやってくるトラップもあるのか。ここの運営、いたずら心を持って仕組んでいる人が絶対にいるとは思うが、ソレはソレで恐ろしい気がする。
だってHPが0になって全滅するのはまだわかるとは言え、メンタル面をゴリゴリ削るって結構きついはずだ。現実で実際に過去の日記帳を全校生徒前で放送されて、悶絶された事件もあったしどれほど怖いのかはよくわかる。
とにもかくにも、面倒そうなトラップが仕掛けられている可能性が非常に大きいそうなので、僕らは注意深く進むことにし、
カチッ
「「あ」」
「‥‥‥あら?」
‥‥‥早速、ロティさんがかかったようです。何かのスイッチらしく、踏んだ一部の床がへこんでおり、そして後方からゴロゴロと音が‥‥‥
「ちょっと古臭いけど、今どきこんなテンプレの罠もあるのかぁぁあ!!」
「叫んでいる場合か!!潰される前に逃げろぉぉぉ!!」
「きゃぁぁ!!ごめんごめんごめーん!!」
【シャゲシャゲェェ!!】
【ガウガウガーウ!!】
最近本当に無理やり走らされるような機会が多くないかなぁ!?大きな岩が転がってくるのは定番かもしれないけど、実際に体験したくなかったぞ!!
ふとその事に気が付き、このアルケディア・オンラインでのダンジョンはどのようなものなのか、前線組で積極的にやり込んでいる中三病さんに問いかけてみると、詳しい説明を貰う事が出来た。
―――――
『ダンジョン』
通常のエリア内にも出現することがある、特別なエリアの一種。
塔のように上へあがるものや、洞窟として地下に潜るものなどが存在しており、出現し続ける間隔的に出現するもの、クエストによって出現するものなど、巡り合う条件は多岐にわたる。
とは言え未だにアップデートが必要など、運営側でも模索されており、場合によっては鬼畜な類に遭遇することもある。
なお、ダンジョン内限定モンスターやドロップ品なども存在しており、プレイヤー間では高値で取引されるものもある。
―――――
「となると、今回はクエストで出現型か‥‥‥珍しいドロップ品が出るのはいいけれども、この面子で攻略できるのかな?」
現状、仮パーティとして中三病さんとロティさんが加わって、3名(+2体)となるのだが、全体的なバランスが一応取れてはいるはずである。
リンは前に出て攻撃し、マリーは素早く状態異常で補助、ロティさんは舞で全体へのバフをかけ、僕は道具でのサポート…‥‥あれ?これ全体的にアタッカーが少ないのではないのだろうか。いやまぁ、いざとなればHPを犠牲にした護身の舞や僕の方も女体化スキルでの舞で二重バフをかけられるけれど、攻撃面としてはやや守りに重点を置いている気がする。
となると、出来れば中三病さんがアタッカーの方になっていればバランスが取れるのだが、そう言えば彼の職業は‥‥‥
「ん?ああ、『戦士』だから、前衛のアタッカーとなれるぞ。大きな斧や大剣ならいつでも出せて、振り回すのは中々のロマンだからな」
そう言いながら中三病さんが見せてくれたのは、巨大なバトルアックス。大きさ的には人以上の大きさだが、流石にゲームという事だけあって、ありえない重さであろうとも動かせるらしい。
とはいえ、重量などはある程度影響してくるそうで、持っている時は素早さが一気に落ちるらしいが、それでも攻撃力はこの面子内だとずば抜けているだろう。レベル自体も僕らよりもかなり高いし、攻略中にはその高い攻撃力と防御力を活かして盾となり、何度も危機を救って来たらしい。
とにもかくにも、これで全体的なバランスとしては少しは取れた感じがする。ここは中三病さんを主な攻撃手段としてリンと組ませて前衛に出てもらい、僕らが後衛としてサポートできる。ちょっとばかり回復役がいないのは気になるが、一応回復薬の方は用意しているので、何とでもなるはずである。
そうこうしているうちに地図の通りに突き進み、ようやく目的地へ僕らは辿り着いた。
そこは山岳地帯ののような場所であり、山肌に大きな穴を開けた洞窟らしい場所。けれども、自然にできた感じはしておらず、床の方が石のタイルになっていた。
「とはいえ、岩肌は露出しているし、どちらかと言えば鉱山のような印象もあるな‥‥‥」
「鉱山はトロッコもあったはずよ。とは言えここだと、それもなさそうよね」
へぇ、トロッコもあるんだ。ソレはソレで乗ってみたいかも。高山地帯のトロッコというと、どことなくアトラクションのようでちょっとばかり少年の心をくすぐられる。まぁ、現実的には結構大変らしいが、それでも夢をちょっとは見たい。
中に入って進んでみると、洞窟内のような雰囲気もあるはずなのだが、思いのほか明るい。どうやら床の方が輝いているようで、照らしてくれているそうだ。
「上からではなく下から照らすタイプか…‥‥これはちょっと、要注意だな」
「どういうことですか?」
「前線組でとあるダンジョンに挑んだ時に似た形式のダンジョンがあったんだが…‥‥床が光っているせいで仕込まれているトラップに気が付きにくかったんだ。ぽっけねこやライドン、SSSなどと一緒に攻略していたが、いくつかかかった苦い思い出がある」
ダンジョンは当然無害な場所という訳ではなく、トラップが設置されていることもあるらしい。出現するモンスターもそのトラップにかかることがあるようなので、うまいことやれば楽に攻略が出来るのだが、牙をむくような類だと非常に難しくなるそうだ。
中三病さんいわく、こういう輝く床のタイプだと分かりにくいトラップも多いそうで、過去には大量のモンスターが一瞬にして出現するモンスター部屋と化すのもあって全滅したらしい。
「あとはボロンゾが装備品を剥ぎ取られたり、ブロッコリーマンが強制アバタースキンヘッド化で電球となったり…‥‥面倒な罠が多い事はすでに分かっているので、気を引き締めろ」
「何その精神的な方面で攻めてくるトラップは」
物理だけではなく精神的な面でやってくるトラップもあるのか。ここの運営、いたずら心を持って仕組んでいる人が絶対にいるとは思うが、ソレはソレで恐ろしい気がする。
だってHPが0になって全滅するのはまだわかるとは言え、メンタル面をゴリゴリ削るって結構きついはずだ。現実で実際に過去の日記帳を全校生徒前で放送されて、悶絶された事件もあったしどれほど怖いのかはよくわかる。
とにもかくにも、面倒そうなトラップが仕掛けられている可能性が非常に大きいそうなので、僕らは注意深く進むことにし、
カチッ
「「あ」」
「‥‥‥あら?」
‥‥‥早速、ロティさんがかかったようです。何かのスイッチらしく、踏んだ一部の床がへこんでおり、そして後方からゴロゴロと音が‥‥‥
「ちょっと古臭いけど、今どきこんなテンプレの罠もあるのかぁぁあ!!」
「叫んでいる場合か!!潰される前に逃げろぉぉぉ!!」
「きゃぁぁ!!ごめんごめんごめーん!!」
【シャゲシャゲェェ!!】
【ガウガウガーウ!!】
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