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ver.1.0 ~始まりの音色~
ver.1.0.1-12話 パールとくれば、白くても
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カツーン!カツーン!!
‥‥‥つるはしを振り下ろし、岩肌に当たる音が周囲に響き、目の前の岩肌は削れていく。
先日解放された、新たなエリアの一つ「ゴロゴロ鉱山」。
その名前の通りあちこちを岩やそれに模しているモンスターたちが転がったりする鉱山なのだが、その内部は資源の山であろう。
これまでのエリアでは主に草木ばかりしか取れず、他の素材などはモンスターからのドロップ品ぐらいしかなかった。
だがしかし、新しい各エリアはそれぞれ異なる新素材が取れるようになっており、そこに向かうプレイヤーは多いだろう。当然、ハルも同じくここへ来たのは良いのだが‥‥‥
「にしても、『真珠のツルハシ』って見た目は良いけど、あんまり掘る速度が上がらないな‥‥‥やっぱり、装飾品向けになるのかな?」
【シャゲェシャゲェ】
ふぅっとひと息を吐く中で、作ったツルハシを見ながらそうつぶやけば、周囲を警戒して見ていたマリーがそうなのかもと頷く。
進化して大きくなりつつ、人の腕ほどの太さとかなりの長さを誇るようになったので、周囲の警戒能力と戦闘能力が飛躍的に上がったようである。
また、新たに獲得した魔眼やら毒なども試していたのだが、使い道がより広がっていた。
モンスターなどの生きている相手に対しては5分程度しか固められないとはいえ、ただの木とかであればずっと真珠と同じように変えることが出来る真珠化の魔眼。
そのおかげで木彫りの祈り像などを真珠化させやすく、加工してから綺麗に飾り付けをする装飾品としての役割が大きい。防御面だけではなく攻撃面にもちょっとだけ追加効果が付くようになって、攻防を少し上げやすくなっただろう。
だがしかし、真珠でコーティングしても柔らかいのか、普通に売られているような防具類を実験のために真珠化させてみても防御力をちょっとだけ向上させるしかなく、お手軽さや資金を考えると木製装備をパワーアップはさせるが、金属製装備に関しては今一つな効果しか発揮しないようだ。
まぁ、木の球を作って数珠つなぎにして真珠化させれば、現実でもそこそこいいお値段のする真珠のネックレスがお手軽に作れるので、装備の性能よりもオシャレを楽しみたい人たちには受けが良かったけれどね。一応、適材適所というべきか装飾品関連に強くなれると言って良いだろう。
毒の方はダメージの増加と、動きを鈍らせる効果があるしなぁ‥‥‥魔眼で5分固めている間にたっぷり毒漬けにして、ジワジワと攻める戦法が強化されたと言えるし、これはこれで良い進化だった。
なお、あの後神殿情報をちょっと広めてみたところ、自分達も何か得られるだろうと思った人たちが続出し、思いのほか崖落下からの河流れからの滝コンボをこなす人が出てきたりする。
まぁ、あの入り口が入り口だけに、入れたのは数が少なくて大半が始まりの街へ戻されたが‥‥‥それでも、水の攻撃手段の確保や、テイムモンスターがいたならば新たな進化先を獲得した人たちもいるらしい。
噂だと白熊になった人もいるようで、歓喜のあまりにすっごい乱舞を何故かしたらしく、しっかり画像が流出していたけれどね。あの人、後で黒歴史にならなければいいが‥‥‥。
とにもかくにもまだまだイベント期間中であり、こちらはこちらで盛り上がりをどんどん見せているようである。新しいエリアの開放に伴ってテイムできるモンスターの種類も増えたようで、シカに馬、モグラ、狸、ダチョウ…‥‥うん、こちらはこちらで面白そうだ。
「とはいえ、制限も判明したし‥‥‥ここは気を付けないとね」
テイムモンスターを求める人が出るのも良いが、どうやら一度に一緒に出られるのは3体ほどまでのようで、それ以上の数は一時的に「テイムボックス」というアイテムを収納するものとはまた別の場所に送られているらしい。基本的にソロプレイの人の補助になるようにというシステムなので、一パーティほどの数になると制限されるのだろう。無限にテイム可能であれば軍団が出来上がるからね。
とは言え、3体までしか一緒に出られないのであれば、その他のテイムした子たちが可哀想に思えてきてしまうのだがすでに対策は取られているらしく、次回アップデートにはハウスシステムを利用した牧場システムなるものも登場するようで、そこで全部のテイムしたモンスターと触れ合える空間も作れるらしい。
その話を聞いて、別の新エリアに出るという羊系のモンスターのテイムを願い、羊毛王国建国を志した人がいるとかいないとかで、そのもふもこ求める者たちは数を増やしている噂もあったりする。
自由度が高いとはいえ、なんか楽しみ方で極端にやる人もいないかね?
「ハウスシステムと言えばマリー、そろそろ買おうと思うけれども、どうする?」
【シャ?シャ~~~、シャゲッ!】
ふと、その情報を聞いて考えていたので問いかけてみれば、マリーは元気よく返事をした。
お値段がソコソコするのだが、大分稼げているし、真珠実験で出た品々を屋台で売ったらソレはソレで儲けも出てるので、やろうと思えばできなくもない。
とはいえ、一気に使うのももったいないのだが‥‥‥ここは思いきって、大きな買い物をして見るべきかな?
新しい面子をテイム出来たら、そのあと買ってみようかなとは思う今日この頃、そう考えつつツルハシを振るい直していると…‥ガンっと音を立てた。
【ゴゲガァァァアァァァ!!】
「って、鉱石じゃなくて『ストーンコカトリス』を発掘したぁぁぁ!?」
【シャゲェッ!!】
鉱山とは言え出てくるのは鉱石ばかりではなく、時たまこんなモンスターも出てきてしまうらしい。
とはいえ討伐すれば鉄鉱石などが発掘するよりも多くドロップしたりするらしいので、これはこれでチャンスかもしれない。
「ひとまずやるぞマリー!!石化のブレスには気を付けろ!!」
【シャシャゲェ!!】
真珠化の魔眼のように硬直させるような手段は、新しいエリアにいるモンスターにも獲得済みのようで、プレイヤー側の強化に合わせてどうやら出現するモンスターたちも強化されていくらしい。
戦闘力のインフレなどを起こさないためにも、対応する相手を作っていくのかなと思いつつ、僕らは出てきたモンスターを迎え撃つのであった‥‥‥‥
【シャゲシャゲシャゲェェ!!】
「‥‥‥でも、魔眼という割には目からビームなのはどうなんだろう。イメージ的には見るだけでなりそうなものなんだけどなぁ‥‥‥某光の戦士のようなポーズをとるのもどうなのか」
‥‥‥一方で、鉱山に向かうとある者たちがいた。
こちらはこちらで、集団で組みつつ、素材を大量発掘する狙いがあるのだろう。
「はははは!!わざわざ新しいツルハシも購入したが、野郎ども!!大量発掘をすれば稼げるチャンスだぞ!」
「他のプレイヤーが採掘している場所は、既に確認済みだ!!あちこちで堀り尽くしまくり、資源の流れは我々がコントロールをしてやるのだぁぁ!!」
とはいえ、彼らはただ楽しむようなプレイヤーの集団ではない。
ゲーム内とは言え、このアルケディア・オンライン内ではある程度の資源の限界があるらしく、一度枯渇すれば回復するまでに時間がかかる場所もあるらしい。
その時間の間、得られない素材の売買がなされているのだが、そこに目をつけた者たちがこの集団のようである。
「ふむ、自分達でわざと枯渇を行い、大量販売で儲けさせる手段は目の付け所は悪くないのかもしれぬのぅ」
その集団を見て、そうつぶやく少女がいたのだが、彼らは気が付いていないようだ。
それも無理はない。彼らがいる場所を木の上から見ているので、上を見上げない限りは気が付かないのだろうから。
「しかし、流石にゲームの設定とは言え、乱獲する類の輩がいるのは感心せぬのぅ。回復はできるが、他のプレイヤーに迷惑をかけるのは感心せぬのじゃ。‥‥‥儂はまだ、心がける予定なので棚に上げるがのぅ」
自覚があるならそうするなとどこかでツッコミが入りそうだが、彼女に突っ込む人材はこの場にいない。いたはずだったが、既に巻かれており捜して彷徨っているはずである。
「さてと、会いに向かうのは良いのじゃがその前に一つ、問題児たちを懲らしめるかのぅ。‥‥‥お主ら、いつからNPC側が設定されただけの存在じゃと、勘違いしているのか学ぶ機会も与えるとするか」
ニヤリと笑みを浮かべ、尖った耳を撫であげ、彼女は跳躍する。
「そぉぉれ!!かかと落としじゃぁぁぁ!!」
「ん?何の声で、げぶぼばべぇぁぁぁぁあああああ!?」
「「「うぉぉぉい!?なんで空から少女がぁぁぁあ!?」」」
‥‥‥かかと落としと言っているが、そんな高さから落とすものではない。
しかしながら、突然襲われた者たちはあっけに取られて、彼らの指揮をとっていた者が無慈悲な一撃を受けるのを見る事しかできなかったのであった…‥‥
‥‥‥つるはしを振り下ろし、岩肌に当たる音が周囲に響き、目の前の岩肌は削れていく。
先日解放された、新たなエリアの一つ「ゴロゴロ鉱山」。
その名前の通りあちこちを岩やそれに模しているモンスターたちが転がったりする鉱山なのだが、その内部は資源の山であろう。
これまでのエリアでは主に草木ばかりしか取れず、他の素材などはモンスターからのドロップ品ぐらいしかなかった。
だがしかし、新しい各エリアはそれぞれ異なる新素材が取れるようになっており、そこに向かうプレイヤーは多いだろう。当然、ハルも同じくここへ来たのは良いのだが‥‥‥
「にしても、『真珠のツルハシ』って見た目は良いけど、あんまり掘る速度が上がらないな‥‥‥やっぱり、装飾品向けになるのかな?」
【シャゲェシャゲェ】
ふぅっとひと息を吐く中で、作ったツルハシを見ながらそうつぶやけば、周囲を警戒して見ていたマリーがそうなのかもと頷く。
進化して大きくなりつつ、人の腕ほどの太さとかなりの長さを誇るようになったので、周囲の警戒能力と戦闘能力が飛躍的に上がったようである。
また、新たに獲得した魔眼やら毒なども試していたのだが、使い道がより広がっていた。
モンスターなどの生きている相手に対しては5分程度しか固められないとはいえ、ただの木とかであればずっと真珠と同じように変えることが出来る真珠化の魔眼。
そのおかげで木彫りの祈り像などを真珠化させやすく、加工してから綺麗に飾り付けをする装飾品としての役割が大きい。防御面だけではなく攻撃面にもちょっとだけ追加効果が付くようになって、攻防を少し上げやすくなっただろう。
だがしかし、真珠でコーティングしても柔らかいのか、普通に売られているような防具類を実験のために真珠化させてみても防御力をちょっとだけ向上させるしかなく、お手軽さや資金を考えると木製装備をパワーアップはさせるが、金属製装備に関しては今一つな効果しか発揮しないようだ。
まぁ、木の球を作って数珠つなぎにして真珠化させれば、現実でもそこそこいいお値段のする真珠のネックレスがお手軽に作れるので、装備の性能よりもオシャレを楽しみたい人たちには受けが良かったけれどね。一応、適材適所というべきか装飾品関連に強くなれると言って良いだろう。
毒の方はダメージの増加と、動きを鈍らせる効果があるしなぁ‥‥‥魔眼で5分固めている間にたっぷり毒漬けにして、ジワジワと攻める戦法が強化されたと言えるし、これはこれで良い進化だった。
なお、あの後神殿情報をちょっと広めてみたところ、自分達も何か得られるだろうと思った人たちが続出し、思いのほか崖落下からの河流れからの滝コンボをこなす人が出てきたりする。
まぁ、あの入り口が入り口だけに、入れたのは数が少なくて大半が始まりの街へ戻されたが‥‥‥それでも、水の攻撃手段の確保や、テイムモンスターがいたならば新たな進化先を獲得した人たちもいるらしい。
噂だと白熊になった人もいるようで、歓喜のあまりにすっごい乱舞を何故かしたらしく、しっかり画像が流出していたけれどね。あの人、後で黒歴史にならなければいいが‥‥‥。
とにもかくにもまだまだイベント期間中であり、こちらはこちらで盛り上がりをどんどん見せているようである。新しいエリアの開放に伴ってテイムできるモンスターの種類も増えたようで、シカに馬、モグラ、狸、ダチョウ…‥‥うん、こちらはこちらで面白そうだ。
「とはいえ、制限も判明したし‥‥‥ここは気を付けないとね」
テイムモンスターを求める人が出るのも良いが、どうやら一度に一緒に出られるのは3体ほどまでのようで、それ以上の数は一時的に「テイムボックス」というアイテムを収納するものとはまた別の場所に送られているらしい。基本的にソロプレイの人の補助になるようにというシステムなので、一パーティほどの数になると制限されるのだろう。無限にテイム可能であれば軍団が出来上がるからね。
とは言え、3体までしか一緒に出られないのであれば、その他のテイムした子たちが可哀想に思えてきてしまうのだがすでに対策は取られているらしく、次回アップデートにはハウスシステムを利用した牧場システムなるものも登場するようで、そこで全部のテイムしたモンスターと触れ合える空間も作れるらしい。
その話を聞いて、別の新エリアに出るという羊系のモンスターのテイムを願い、羊毛王国建国を志した人がいるとかいないとかで、そのもふもこ求める者たちは数を増やしている噂もあったりする。
自由度が高いとはいえ、なんか楽しみ方で極端にやる人もいないかね?
「ハウスシステムと言えばマリー、そろそろ買おうと思うけれども、どうする?」
【シャ?シャ~~~、シャゲッ!】
ふと、その情報を聞いて考えていたので問いかけてみれば、マリーは元気よく返事をした。
お値段がソコソコするのだが、大分稼げているし、真珠実験で出た品々を屋台で売ったらソレはソレで儲けも出てるので、やろうと思えばできなくもない。
とはいえ、一気に使うのももったいないのだが‥‥‥ここは思いきって、大きな買い物をして見るべきかな?
新しい面子をテイム出来たら、そのあと買ってみようかなとは思う今日この頃、そう考えつつツルハシを振るい直していると…‥ガンっと音を立てた。
【ゴゲガァァァアァァァ!!】
「って、鉱石じゃなくて『ストーンコカトリス』を発掘したぁぁぁ!?」
【シャゲェッ!!】
鉱山とは言え出てくるのは鉱石ばかりではなく、時たまこんなモンスターも出てきてしまうらしい。
とはいえ討伐すれば鉄鉱石などが発掘するよりも多くドロップしたりするらしいので、これはこれでチャンスかもしれない。
「ひとまずやるぞマリー!!石化のブレスには気を付けろ!!」
【シャシャゲェ!!】
真珠化の魔眼のように硬直させるような手段は、新しいエリアにいるモンスターにも獲得済みのようで、プレイヤー側の強化に合わせてどうやら出現するモンスターたちも強化されていくらしい。
戦闘力のインフレなどを起こさないためにも、対応する相手を作っていくのかなと思いつつ、僕らは出てきたモンスターを迎え撃つのであった‥‥‥‥
【シャゲシャゲシャゲェェ!!】
「‥‥‥でも、魔眼という割には目からビームなのはどうなんだろう。イメージ的には見るだけでなりそうなものなんだけどなぁ‥‥‥某光の戦士のようなポーズをとるのもどうなのか」
‥‥‥一方で、鉱山に向かうとある者たちがいた。
こちらはこちらで、集団で組みつつ、素材を大量発掘する狙いがあるのだろう。
「はははは!!わざわざ新しいツルハシも購入したが、野郎ども!!大量発掘をすれば稼げるチャンスだぞ!」
「他のプレイヤーが採掘している場所は、既に確認済みだ!!あちこちで堀り尽くしまくり、資源の流れは我々がコントロールをしてやるのだぁぁ!!」
とはいえ、彼らはただ楽しむようなプレイヤーの集団ではない。
ゲーム内とは言え、このアルケディア・オンライン内ではある程度の資源の限界があるらしく、一度枯渇すれば回復するまでに時間がかかる場所もあるらしい。
その時間の間、得られない素材の売買がなされているのだが、そこに目をつけた者たちがこの集団のようである。
「ふむ、自分達でわざと枯渇を行い、大量販売で儲けさせる手段は目の付け所は悪くないのかもしれぬのぅ」
その集団を見て、そうつぶやく少女がいたのだが、彼らは気が付いていないようだ。
それも無理はない。彼らがいる場所を木の上から見ているので、上を見上げない限りは気が付かないのだろうから。
「しかし、流石にゲームの設定とは言え、乱獲する類の輩がいるのは感心せぬのぅ。回復はできるが、他のプレイヤーに迷惑をかけるのは感心せぬのじゃ。‥‥‥儂はまだ、心がける予定なので棚に上げるがのぅ」
自覚があるならそうするなとどこかでツッコミが入りそうだが、彼女に突っ込む人材はこの場にいない。いたはずだったが、既に巻かれており捜して彷徨っているはずである。
「さてと、会いに向かうのは良いのじゃがその前に一つ、問題児たちを懲らしめるかのぅ。‥‥‥お主ら、いつからNPC側が設定されただけの存在じゃと、勘違いしているのか学ぶ機会も与えるとするか」
ニヤリと笑みを浮かべ、尖った耳を撫であげ、彼女は跳躍する。
「そぉぉれ!!かかと落としじゃぁぁぁ!!」
「ん?何の声で、げぶぼばべぇぁぁぁぁあああああ!?」
「「「うぉぉぉい!?なんで空から少女がぁぁぁあ!?」」」
‥‥‥かかと落としと言っているが、そんな高さから落とすものではない。
しかしながら、突然襲われた者たちはあっけに取られて、彼らの指揮をとっていた者が無慈悲な一撃を受けるのを見る事しかできなかったのであった…‥‥
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