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ver.1.0 ~始まりの音色~
ver.1.0.1-7話 初アップデート、改善と改悪って
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>アルケディア・オンラインにログインされた方々へお知らせです!!この度ついに、初めてのアップデートとしてVer.1.0.1になりました!!
―――――
「おお、ついにアップデートが入ったか!」
昼間は仕事だったので確認し損ねていたが、ついに入って来た初アップデート。1.0の時の中身を確認してアップデートが施されて、様々な個所が変更されたらしい。
普通は改良も多いのだが、何かマイナスになってしまう部分も存在するのが怖いのだが、それでも新たに変わる部分が出来上がるのは嬉しい事だろう。
そう思いつつ、運営からのお知らせに一通り目を通してみると、少し気になる点があった。
―――――
『ハウスシステム』の追加!
・今までは街中の宿屋などでセーブをしたりしてましたが、この度ハウスシステムが作られました!
・おひとり様1万ALで一件だけ購入可能!最初は四畳半ほどの狭さですが、レベルアップやNPCとの交流によって改装し、広さや内装の変更が可能です!
・ハウスシステムの追加に伴い、家具のアイテムが増えました!自作するのも良し、購入してみるのも良し、自分好みのハウスを作りましょう!
『状態異常の変更のお知らせ』
・毒ダメージ、火傷ダメージなど継続的なダメージを与えるシステムに変更が加えられました。1.0の際に見られたことで、状態異常のみで突破するのは好ましくないところもあり、状態異常によるダメージに制限時間付与及びダメージ量の調整が行われました。
・怯え状態、怯み状態からの復帰が早くなるように調整されました。
・苦さ耐性などの味に対する耐性が、モンスター、プレイヤー共にスキルなどで追加されるようになりました。
―――――
前者は良いとして、後者はどう考えても先日のア(略)とのPvPの影響がありそうである。あの悶絶のしようとかが凄まじすぎて撮影されていたらしく、拡散されていたからなぁ‥‥‥問題視されるのはちょっと目に見えていた。なお、そのア(略)はアルケディア・オンラインを辞めていないそうで、今はおとなしくプレイをしつつ、何時か僕にリベンジをするべく人が変わったように修行に励んでいるそうだ。
とにもかくにも、色々と変わった点は他にもあるらしい。スキルの数やNPCが販売する装備やアイテムの種類の増加や新しいダンジョンの追加。魔法の幅や錬金術での作成可能な量、その他の自由度調整なども施されて、1.0から1.0.1というちょっとしたアップデートなのに、中々内容が詰まっている。これがもしも、Ver.2.0とかになるとどうなるのかが今からが楽しみである。ハウスシステムは気になるけど、もうちょっと貯めてから試すかな。休める場所は欲しいが、最初は四畳半なので出来る限り快適に過ごせる最低限のものも用意したいからな。
それはさておき、状態異常関係の変更が多くあったという事は、激ニガ毒団子などの需要が一気に減って、屋台で閑古鳥が鳴くという悲劇がある。まぁ、忙しすぎるのは本当に疲れたし、しばらく休業して良いだろう。忙しかったとはいえ、経験値を稼ぐのにはいい機会だったからね。
だがしかし、道具生成だけで経験を積みまくるのは流石に限度があり、途中で伸びが悪くなる。まぁ、のんびりやるのであれば気にしなくてもいいのだが、戦闘があるのだから強くなっておいて、素材集めでちょっと楽したいという気持ちもあるからね。
それにアップデートのおかげでステータス画面などもちょっと見やすくされているし、道具品の所持関係も見たい時に見るようにして、切り替えできて楽になっているから確認もしやすい。
あ、でも「AGI《俊敏》」が消去されているな。やっぱりこれ、ちょっとあやふやすぎたせいで個人ごとの動きやすさで変わる隠しステータスにでもなったのかな?ついでにスキル欄も見れば、色々と追加された上にレベル設定も付いたようだ。成長などの過程が今一つ分からないこともあって付いたらしく、一定値になると変化するらしいが、現状まだまだ不明な点も多いそうである。
ちなみに、現時点での僕のステータスはこれである。
―――――
名前:『ハル』
種族:『人間』
職業:『錬金術師』
職業:『錬金術師:Lv.11』
HP:30/30(+5)、MP:45/45(+5)
ATK:25(+5)、INT:25(+5)
DEF:25(+8)、MEN:25(+5)
LUC:25(+5)
「現在の装備」
・頭部装備:『錬金術師ゴーグルセット』
・首元装備:『木細工のお守り』
・上半身装備:『錬金術師の上着』
・下半身装備:『錬金術師のズボン』
・足元装備:『錬金術師の靴』
・その他アクセサリー:『皮の裁縫手袋』
「装備効果説明」
『錬金術師セット装備』
・初心者用から普通の錬金術師用装備のセット。全能力+5の効果。
「所持武器」
・無し
「所持スキル」
『引っこ抜きマスターL.2』『緑の手Lv.2』『間違った料理人Lv.4』
「称号」
『状態異常の先駆者』
「スキル・称号説明」
『間違った料理人』
・美味しいものを作れるはずだが、その腕前を別方向に活かしてしまった残念な人に付くスキル。常時発動型。
・一応、まともな料理を作ることは本人の現実での腕前次第で可能と言えば可能だが、どう考えてもおかしな方向に使用すればおかしな料理を生成可能。地獄か天国か、どっちに転ぶかは使用する材料次第。
『状態異常の先駆者』
・他の職業でも状態異常攻撃は可能だが、それを大いに生かした最初のプレイヤーとして認定された人に着くレアな称号。現時点で「○○の先駆者」の称号持ちは30人程度。
・Ver.1.0.1では状態異常の弱体化がされているため、状態異常でとどめを刺すことができないが、状態異常をより強化した攻撃が可能になる。
―――――
お金もそこそこ稼げたので、装備品を初心者用から普通のものに買い替え、全体的にバランスがちょっと良くなった。自分で作った装備の効果で防御の方がちょっと硬めになり、ダメージを減らしやすいしね。
あといつの間にか得ている状態異常攻撃がまともに扱えるスキルは良いのだが、頼り過ぎるのはやめておこう。なんか嫌な予感がするからな。あと、なんで間違った料理人って‥‥‥もしや、激ニガ毒団子が料理判定だったのか?
数多く作ったせいで変なスキルが付いてしまったが、下手すると他の人にもついている可能性がある。あの忙しい時手伝ってくれていた人たちについていたら申しわけない。
気を取り直して変更点を確認し終え、アップデート後初の戦闘に向かってみることにした。
向かうのは、追加された新しいエリア『ギガントの森』。アップデート後に更新されたネット内での情報では、新しいモンスターや素材の宝庫らしく、プレイヤーたちが多く集まる中‥‥‥
「いたぞぉぉぉぉ!!『マッスルシープ』だぁぁ!!」
「狩れぇぇぇ!!ハウス内でのモフモフクッションの材料に必要なんだぁぁぁ!!」
「絶滅させる勢いでやれぇぇぇぇぇ!!」
「‥‥‥うわぉ」
熱気にあふれる人々が向かう先にいるのは、アップデートで追加された新モンスター『マッスルシープ』。すごいもっこもこな羊毛を身にまとっているのだが、物凄くムキムキだそうで、攻撃力が非常に高い。
だがしかし、討伐すれば「マッスル羊毛」なるものがドロップするそうで、それを素材にするとふわふわもこもこと噂されている羊装備やハウスシステム内の家具に利用できるそうで、その価値に眼をつけたモフモフ好きが狩りまくっているらしい。気持ちは分かるが、ソロプレイをしている現状ちょっと難しい‥‥‥まぁ、誰かと組むのもいいかもしれないが、足を引っ張りたくないし、当分はレベル上げの方に専念すべきかな?
その他にもこういう森に配備されるのがメジャーかもしれない『トレント』、マッスルシープよりはちょっと質が落ちるけど中々具合の良い毛をドロップする『グリーンボア』、甘い蜜をドロップする『ハニービー』など、種類が増えて狩る人も増えて、中々の賑わいを見せているようだ。
「っと、見ているだけじゃなくて、戦闘もしないとな」
目をつけたのは『バルーンアント』。風船のように膨らんでいる蟻であり、転がって移動するモンスター。弱い方でアイテムもそこまで良いのはないが、今の自分には都合がいい相手だ。
「事前に作って来た『爆裂薬』を喰らえ!!」
初心者が作り出す最初のものとはちがい、製作評価が4の特別製爆裂薬。爆発威力も向上させつつ、直撃すれば‥‥‥
バァァアン!!
【ギャッピィィィ!?】
直撃し、バルーンアントが悲鳴を上げてキラキラと消えてゆく。どうやら結構効いたようで、一発で体力を削り切ったらしい。
【ピゲェェ!!】
「っと、もう別のモンスターに見つかった!!」
音が大きい分、どうやら周囲のモンスターに見つかりやすいようで、使用すれば寄ってくる危険性があるようだ。威力アップと引き換えの引き寄せだが、倒せる奴ならば問題ない。熊のモンスターも増えているらしいのでそのあたりは注意すべきだけどね。
狩ってはドロップを拾い集め、スキルの効果を利用して草木を採取していく。道具作りに役立つし、まだまだ試せることも多く、今後のオンライン内での活動に役立つだろう。ニガニガ草の親戚のようなマズマズ草やカラカラ草が気になる処。カラカラ草の方は、料理の方で使えそうかな?
「とりあえず、アップデート直後のバグとかも心配だったけれども、流石にすぐにはないか…‥‥」
ゲームのアップデートには利点も多いが、同時におかしなものが出かねないリスクもある。運営は念入りに確認しているのだろうけれども、こういうのは実際にやってみないと分からないことも多いが……まぁ、発見されたとしてもすぐに修正されると思いたい。
その他にも、屋台をきっかけにフレンド登録した面々からも色々な情報が提供されるけれども異常はないみたいだし、本日のログインはそろそろ終わりにしよう。
「でもその前に、料理人のスキルで変なものができないか、確認しておこう」
間違った料理人のスキルが変な形で出てきたら怖いので、一旦試すことにした。ネット上だとこのアルケディア・オンライン内で料理を作る際にスキル以外にも現実の腕前が関わる点があるらしいからね。噂だと鍋からスライムが誕生したってこともあるそうだし、そのあたりも確認すべき。
なので一旦、そんなモンスターが湧くようなことはそうそうないと思いつつも、周囲の人の迷惑にならないように人気のない場所を探し、そこに街中で購入してきた調理器具をセットする。
―――――
『お手軽簡単野営料理器具』
・携帯焚火、フライパン、木製食器のお手軽セット。焼くだけしかできないが、調理の工夫次第ではステーキや炒め物、蒸し焼きなども可能。
―――――
「できればキチンと手になじんだものが良いかもだけど‥‥‥これはこれで扱いやすいな」
着火してフライパンをセットし、街中で購入してきた食材をだして調理を開始する。お手軽にまずは軽く油をしいて、十分に温まってきたところで、先ほど狩って得たドロップ品の『ライトボアの肉』を投下。
肉の味としてはまずまずらしいが、それでも焼くだけでも焼肉にはなるだろう。本当はもうちょっとこだわりたいが、今回はスキルの確認だけだしね。もっと鍋や包丁などの調理器具を揃えたら本格的にやってみよう。焼くだけとはいえ、一応臭み消しにある程度の香辛料を混ぜつつ、味が辛いらしい採取したての『カラカラ草』も加えてアクセントにし、あっと言う間に料理が出来上がった。
「えっと『辛味ボアステーキ』‥評価は3、効果は攻撃力2%アップか」
単純に味付けをした焼肉なので、そんなに高くはないとは思っていたが攻撃力上昇のバフが付くのか。上昇量は装備品とは違って%表示だけど、内容的に微妙になっているのは分かる。一応、匂いは良いし不味くはないはず。じゅわじゅわと焼き立ての香りがあたりに漂っているし、さっさと食べてしまおう。
食器に盛りつけ、軽く一口を食べて見れば、案外肉っぽさよりもあっさりした味。辛みが効いているけれども、物足りなさを感じさせる。猪の肉なはずだが、ゲーム内ゆえにちょっと違うのか、それともまだ自分の腕前が足りないだけなのか、本格的にやって見ないと分からない。
「でも、肉の味な事は肉だし、不味くはないから良いか。現実で食べてないから膨れはしないけど、匂いがそこそこ刺激的だし、ちょっとお腹が減りそう‥‥‥ん?」
パクパクと食べつつ、直ぐに無くなるなと思っていたところ、ふと僕は気が付いた。
しゅるしゅる‥‥‥しゅる‥‥‥
「何の音?」
何かこう、這いずってきているような音がしてくる。草木をかき分けつつも、何となく力が無いようなというか、モンスターの気配というべきか。
警戒して見渡せば、背後の方の茂みが動き、音の正体が姿を現す。
【シャ、シャゲ…‥‥】
「‥‥‥えっと、『ブラッディスネーク』か。でもなんか、すごい弱っているな」
―――――
『ブラッディスネーク』
血濡れの蛇というような名前ではあるが、単純に真っ赤な色合いをしているだけの蛇のモンスター。Ver.1.0.1から追加されており、プレイヤーを毒状態にする攻撃を行う。ドロップアイテムは主に『紅毒』で効果は5分間5%の体力減少。
―――――
【シャゲ、シャゲ‥‥‥シャゲェ‥‥‥】
プレイヤーに狩られていたって訳でもないようだが、何かに傷つけられているようだ。かなり弱っており、多分この肉の匂いに惹かれてやってきたのかもしれない。モンスターが何者かに傷つけられてというのは情報に無いが、アップデートで単純な生態系でもインプットされて、その犠牲になったのだろうか?
「この肉が欲しいのかな?」
【シャゲェ‥‥‥】
アルケディア・オンライン内のNPCと変わらぬコンピューターが作り出したモンスターとは言え、ある程度は分かっているようだし、痛々しい姿は見ていられない。紅毒のドロップ自体は結構レアらしいので、ここまで弱っているのは狩るチャンスでもあるが‥‥‥流石にそこまで非情になれない。
なので、ここは思いきって肉を与えてみることにした。まだちょっと残っているし、少しばかりあげても問題ないはず。
「ほら、食べな。これを食べたら、何処かへ行っていいよ」
【シャ、シャゲ!?】
僕があっさりと肉をくれると思わなかったのか、目を丸くして驚きの声を上げつつも、直ぐに肉にかぶりつくブラッディスネーク。蛇と言えば丸のみをする印象があったが、そんな事はせずにむしゃむしゃと味わいつつ、必死になって食べている。
―――――
>ブラッディスネークのHPの回復を確認。弱っていた状態から通常の状態へ戻りました。
―――――
っと、見ていたらログにそう表示され、ブラッディスネークの身体が一瞬ほのかに光ったと思えば、ボロボロだった体が艶々になっていた。
【シャゲェ♪】
「回復がかなり早い様な‥‥‥あ、でもそう言えばモンスターを回復させる手段って聞いたことが無いな?」
そもそもこんな風に肉を与えるような人もいなかったし、大概は狩りまくっている人が多いので、こんな感じに扱うことは無かったはずだ。そう思っていると、元気になったブラッディスネークが僕の方に頭を下げ始めた。
【シャゲェシャゲエ♪】
―――――
>ブラッディスネークが、ハルに懐いたようだ。
>仲間になりたそうに見ているが、どうする?
―――――
…‥‥こんな表示、見たことが無いんだが。え、モンスターって仲間にできるの?
疑問に思い、念のために運営からのアップデートに関するお知らせをよく探してみれば、妙な一文を見つけることが出来た。
―――――
『テイム要素の追加』
・ソロプレイの方では難しい戦闘もあるため、一部のモンスターが仲間になるテイム要素を追加いたしました。
・その職業では難しい相手でも、対応できる仲間を得られるチャンスです。
・ただし、テイムするには様々な条件があり、そろっていたとしても仲間になる確率は非常に低く設定されております。話を知って強力なモンスターに挑んでも、100%仲間にならないものもいるので注意してください。
・また、テイムしたモンスターはプレイヤーのスキル・称号修得の自由度の高さと同様、普通のモンスターとは異なる方向へ成長も可能。
(例)「ミニゴブリン」は通常「ゴブリン」などに進化しますが、テイムされているものだと「ハンターゴブリン」などに代わります。
―――――
どうやらソロプレイでは難しいような相手との戦闘に関する救済措置として、一部のモンスターにテイム可能な要素が設けられたらしい。パーティを組んでいる人でも可能らしいが、ソロプレイの人に比べるとさらに確率が低いそうだ。
そして今回は偶然にも懐かれたことによって条件を満たし、テイム可能になったのだろう。
「とはいえ、ブラッディスネークかぁ‥‥‥毒の攻撃手段は、団子で間に合っているしなぁ」
状態異常が現状スキルによってある程度弱体化を逃れているとはいえ、アップデート後の今の環境だとちょっと考えさせられる。
でも、テイムできれば毒を常時採取可能ってことにもなるし、素材として扱う幅も増えるのであれば、やったほうがいいのではないだろうか?見た目だけは綺麗な紅の蛇だし、ア(略)の時みたいに侮られるよりも先に威嚇ができそうなのも良いだろう。蛇を使うってだけで、物好きに見られそうな気がしなくもないけれどな。
「良いかな、それじゃテイムしよう」
考え、結論を出して出ていた決定かそうでないかの画面を操作し、テイムを決定する。
【シャゲェ!】
―――――
>テイム成功!ブラッディスネークの『マリー』が仲間になった!!
>マリーのステータスが表示されます。
名前:『マリー』
種族:『ブラッディスネーク』Lv.3
HP:12/12、MP:20/20
ATK:5、INT:25
DEF:5、MEN:25
「称号」
『ネームドモンスター』『ファーストテイムモンスター』
「称号説明」
『ネームドモンスター』
・モンスターの中で、極稀に種族名ではなくきちんとした単体としての名前を保有しているものに付く称号。効果としては一部の能力が通常のものより高くなっている。
『ファーストテイムモンスター』
・そのプレイヤーにとって初めてテイムしたモンスターに付く称号。効果としては以降のテイムモンスターよりも成長率が10%ほど高くなる。
>また、ハルの称号欄に「テイマー」が追加されました。
『テイマー』
モンスターをテイムできたプレイヤーに付く称号。以降は条件がそろいつつ運が良ければ、称号が無い人よりも高い確率でテイムをしやすくなります。
―――――
テイム成功を知らせるログと共に、ステータスが表示される。名前は付けることができないのか、それとも元々持っていたのかは疑問だが、称号を見る限り後者の可能性がある。ステータス自体はプレイヤーと似ているようだ。LUCは無いようだけれども、この数値を見る限り魔法使いに近いのだろうか?そう言えば、蛇って魔法使いが使うイメージもあるんだよなぁ…‥‥錬金術師でもちょっとあるし、間違ってないのかもしれない。
あとこちらの称号にも追加されたようだし、これはこれで面白いかもしれない。
「しかし、マリーね…‥‥んー、出来れば自分でつけたかったけれども、これはこれで悪くはないかも」
【シャゲエ♪】
僕の言葉が分かるのか、いつの間にか腕に巻き付きつつも重さを感じさせず、嬉しそうに鳴くマリー。こうやって見ると可愛いし、やって良かったかもしれない。でも、HPの低さなどを見ると、早急なレベルアップが必要そうに思える。装備品が付けられればいいのだが、まだできないようだし、運営へ要望として出すべきか。
とにもかくにも、初アップデート初日にしてその要素を思いっきり触れた最大の成果としてマリーを得ることが出来て、ソロプレイでも楽しめる要素がさらに増えるんだなと実感するのであった。
「こうなってくると、ハウスの方も早めに入手したほうがいいのかなぁ。というか、ログアウト後にマリーがどうなっているのかも気になるし、じっくり検証すべきか…‥‥」
―――――
「おお、ついにアップデートが入ったか!」
昼間は仕事だったので確認し損ねていたが、ついに入って来た初アップデート。1.0の時の中身を確認してアップデートが施されて、様々な個所が変更されたらしい。
普通は改良も多いのだが、何かマイナスになってしまう部分も存在するのが怖いのだが、それでも新たに変わる部分が出来上がるのは嬉しい事だろう。
そう思いつつ、運営からのお知らせに一通り目を通してみると、少し気になる点があった。
―――――
『ハウスシステム』の追加!
・今までは街中の宿屋などでセーブをしたりしてましたが、この度ハウスシステムが作られました!
・おひとり様1万ALで一件だけ購入可能!最初は四畳半ほどの狭さですが、レベルアップやNPCとの交流によって改装し、広さや内装の変更が可能です!
・ハウスシステムの追加に伴い、家具のアイテムが増えました!自作するのも良し、購入してみるのも良し、自分好みのハウスを作りましょう!
『状態異常の変更のお知らせ』
・毒ダメージ、火傷ダメージなど継続的なダメージを与えるシステムに変更が加えられました。1.0の際に見られたことで、状態異常のみで突破するのは好ましくないところもあり、状態異常によるダメージに制限時間付与及びダメージ量の調整が行われました。
・怯え状態、怯み状態からの復帰が早くなるように調整されました。
・苦さ耐性などの味に対する耐性が、モンスター、プレイヤー共にスキルなどで追加されるようになりました。
―――――
前者は良いとして、後者はどう考えても先日のア(略)とのPvPの影響がありそうである。あの悶絶のしようとかが凄まじすぎて撮影されていたらしく、拡散されていたからなぁ‥‥‥問題視されるのはちょっと目に見えていた。なお、そのア(略)はアルケディア・オンラインを辞めていないそうで、今はおとなしくプレイをしつつ、何時か僕にリベンジをするべく人が変わったように修行に励んでいるそうだ。
とにもかくにも、色々と変わった点は他にもあるらしい。スキルの数やNPCが販売する装備やアイテムの種類の増加や新しいダンジョンの追加。魔法の幅や錬金術での作成可能な量、その他の自由度調整なども施されて、1.0から1.0.1というちょっとしたアップデートなのに、中々内容が詰まっている。これがもしも、Ver.2.0とかになるとどうなるのかが今からが楽しみである。ハウスシステムは気になるけど、もうちょっと貯めてから試すかな。休める場所は欲しいが、最初は四畳半なので出来る限り快適に過ごせる最低限のものも用意したいからな。
それはさておき、状態異常関係の変更が多くあったという事は、激ニガ毒団子などの需要が一気に減って、屋台で閑古鳥が鳴くという悲劇がある。まぁ、忙しすぎるのは本当に疲れたし、しばらく休業して良いだろう。忙しかったとはいえ、経験値を稼ぐのにはいい機会だったからね。
だがしかし、道具生成だけで経験を積みまくるのは流石に限度があり、途中で伸びが悪くなる。まぁ、のんびりやるのであれば気にしなくてもいいのだが、戦闘があるのだから強くなっておいて、素材集めでちょっと楽したいという気持ちもあるからね。
それにアップデートのおかげでステータス画面などもちょっと見やすくされているし、道具品の所持関係も見たい時に見るようにして、切り替えできて楽になっているから確認もしやすい。
あ、でも「AGI《俊敏》」が消去されているな。やっぱりこれ、ちょっとあやふやすぎたせいで個人ごとの動きやすさで変わる隠しステータスにでもなったのかな?ついでにスキル欄も見れば、色々と追加された上にレベル設定も付いたようだ。成長などの過程が今一つ分からないこともあって付いたらしく、一定値になると変化するらしいが、現状まだまだ不明な点も多いそうである。
ちなみに、現時点での僕のステータスはこれである。
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名前:『ハル』
種族:『人間』
職業:『錬金術師』
職業:『錬金術師:Lv.11』
HP:30/30(+5)、MP:45/45(+5)
ATK:25(+5)、INT:25(+5)
DEF:25(+8)、MEN:25(+5)
LUC:25(+5)
「現在の装備」
・頭部装備:『錬金術師ゴーグルセット』
・首元装備:『木細工のお守り』
・上半身装備:『錬金術師の上着』
・下半身装備:『錬金術師のズボン』
・足元装備:『錬金術師の靴』
・その他アクセサリー:『皮の裁縫手袋』
「装備効果説明」
『錬金術師セット装備』
・初心者用から普通の錬金術師用装備のセット。全能力+5の効果。
「所持武器」
・無し
「所持スキル」
『引っこ抜きマスターL.2』『緑の手Lv.2』『間違った料理人Lv.4』
「称号」
『状態異常の先駆者』
「スキル・称号説明」
『間違った料理人』
・美味しいものを作れるはずだが、その腕前を別方向に活かしてしまった残念な人に付くスキル。常時発動型。
・一応、まともな料理を作ることは本人の現実での腕前次第で可能と言えば可能だが、どう考えてもおかしな方向に使用すればおかしな料理を生成可能。地獄か天国か、どっちに転ぶかは使用する材料次第。
『状態異常の先駆者』
・他の職業でも状態異常攻撃は可能だが、それを大いに生かした最初のプレイヤーとして認定された人に着くレアな称号。現時点で「○○の先駆者」の称号持ちは30人程度。
・Ver.1.0.1では状態異常の弱体化がされているため、状態異常でとどめを刺すことができないが、状態異常をより強化した攻撃が可能になる。
―――――
お金もそこそこ稼げたので、装備品を初心者用から普通のものに買い替え、全体的にバランスがちょっと良くなった。自分で作った装備の効果で防御の方がちょっと硬めになり、ダメージを減らしやすいしね。
あといつの間にか得ている状態異常攻撃がまともに扱えるスキルは良いのだが、頼り過ぎるのはやめておこう。なんか嫌な予感がするからな。あと、なんで間違った料理人って‥‥‥もしや、激ニガ毒団子が料理判定だったのか?
数多く作ったせいで変なスキルが付いてしまったが、下手すると他の人にもついている可能性がある。あの忙しい時手伝ってくれていた人たちについていたら申しわけない。
気を取り直して変更点を確認し終え、アップデート後初の戦闘に向かってみることにした。
向かうのは、追加された新しいエリア『ギガントの森』。アップデート後に更新されたネット内での情報では、新しいモンスターや素材の宝庫らしく、プレイヤーたちが多く集まる中‥‥‥
「いたぞぉぉぉぉ!!『マッスルシープ』だぁぁ!!」
「狩れぇぇぇ!!ハウス内でのモフモフクッションの材料に必要なんだぁぁぁ!!」
「絶滅させる勢いでやれぇぇぇぇぇ!!」
「‥‥‥うわぉ」
熱気にあふれる人々が向かう先にいるのは、アップデートで追加された新モンスター『マッスルシープ』。すごいもっこもこな羊毛を身にまとっているのだが、物凄くムキムキだそうで、攻撃力が非常に高い。
だがしかし、討伐すれば「マッスル羊毛」なるものがドロップするそうで、それを素材にするとふわふわもこもこと噂されている羊装備やハウスシステム内の家具に利用できるそうで、その価値に眼をつけたモフモフ好きが狩りまくっているらしい。気持ちは分かるが、ソロプレイをしている現状ちょっと難しい‥‥‥まぁ、誰かと組むのもいいかもしれないが、足を引っ張りたくないし、当分はレベル上げの方に専念すべきかな?
その他にもこういう森に配備されるのがメジャーかもしれない『トレント』、マッスルシープよりはちょっと質が落ちるけど中々具合の良い毛をドロップする『グリーンボア』、甘い蜜をドロップする『ハニービー』など、種類が増えて狩る人も増えて、中々の賑わいを見せているようだ。
「っと、見ているだけじゃなくて、戦闘もしないとな」
目をつけたのは『バルーンアント』。風船のように膨らんでいる蟻であり、転がって移動するモンスター。弱い方でアイテムもそこまで良いのはないが、今の自分には都合がいい相手だ。
「事前に作って来た『爆裂薬』を喰らえ!!」
初心者が作り出す最初のものとはちがい、製作評価が4の特別製爆裂薬。爆発威力も向上させつつ、直撃すれば‥‥‥
バァァアン!!
【ギャッピィィィ!?】
直撃し、バルーンアントが悲鳴を上げてキラキラと消えてゆく。どうやら結構効いたようで、一発で体力を削り切ったらしい。
【ピゲェェ!!】
「っと、もう別のモンスターに見つかった!!」
音が大きい分、どうやら周囲のモンスターに見つかりやすいようで、使用すれば寄ってくる危険性があるようだ。威力アップと引き換えの引き寄せだが、倒せる奴ならば問題ない。熊のモンスターも増えているらしいのでそのあたりは注意すべきだけどね。
狩ってはドロップを拾い集め、スキルの効果を利用して草木を採取していく。道具作りに役立つし、まだまだ試せることも多く、今後のオンライン内での活動に役立つだろう。ニガニガ草の親戚のようなマズマズ草やカラカラ草が気になる処。カラカラ草の方は、料理の方で使えそうかな?
「とりあえず、アップデート直後のバグとかも心配だったけれども、流石にすぐにはないか…‥‥」
ゲームのアップデートには利点も多いが、同時におかしなものが出かねないリスクもある。運営は念入りに確認しているのだろうけれども、こういうのは実際にやってみないと分からないことも多いが……まぁ、発見されたとしてもすぐに修正されると思いたい。
その他にも、屋台をきっかけにフレンド登録した面々からも色々な情報が提供されるけれども異常はないみたいだし、本日のログインはそろそろ終わりにしよう。
「でもその前に、料理人のスキルで変なものができないか、確認しておこう」
間違った料理人のスキルが変な形で出てきたら怖いので、一旦試すことにした。ネット上だとこのアルケディア・オンライン内で料理を作る際にスキル以外にも現実の腕前が関わる点があるらしいからね。噂だと鍋からスライムが誕生したってこともあるそうだし、そのあたりも確認すべき。
なので一旦、そんなモンスターが湧くようなことはそうそうないと思いつつも、周囲の人の迷惑にならないように人気のない場所を探し、そこに街中で購入してきた調理器具をセットする。
―――――
『お手軽簡単野営料理器具』
・携帯焚火、フライパン、木製食器のお手軽セット。焼くだけしかできないが、調理の工夫次第ではステーキや炒め物、蒸し焼きなども可能。
―――――
「できればキチンと手になじんだものが良いかもだけど‥‥‥これはこれで扱いやすいな」
着火してフライパンをセットし、街中で購入してきた食材をだして調理を開始する。お手軽にまずは軽く油をしいて、十分に温まってきたところで、先ほど狩って得たドロップ品の『ライトボアの肉』を投下。
肉の味としてはまずまずらしいが、それでも焼くだけでも焼肉にはなるだろう。本当はもうちょっとこだわりたいが、今回はスキルの確認だけだしね。もっと鍋や包丁などの調理器具を揃えたら本格的にやってみよう。焼くだけとはいえ、一応臭み消しにある程度の香辛料を混ぜつつ、味が辛いらしい採取したての『カラカラ草』も加えてアクセントにし、あっと言う間に料理が出来上がった。
「えっと『辛味ボアステーキ』‥評価は3、効果は攻撃力2%アップか」
単純に味付けをした焼肉なので、そんなに高くはないとは思っていたが攻撃力上昇のバフが付くのか。上昇量は装備品とは違って%表示だけど、内容的に微妙になっているのは分かる。一応、匂いは良いし不味くはないはず。じゅわじゅわと焼き立ての香りがあたりに漂っているし、さっさと食べてしまおう。
食器に盛りつけ、軽く一口を食べて見れば、案外肉っぽさよりもあっさりした味。辛みが効いているけれども、物足りなさを感じさせる。猪の肉なはずだが、ゲーム内ゆえにちょっと違うのか、それともまだ自分の腕前が足りないだけなのか、本格的にやって見ないと分からない。
「でも、肉の味な事は肉だし、不味くはないから良いか。現実で食べてないから膨れはしないけど、匂いがそこそこ刺激的だし、ちょっとお腹が減りそう‥‥‥ん?」
パクパクと食べつつ、直ぐに無くなるなと思っていたところ、ふと僕は気が付いた。
しゅるしゅる‥‥‥しゅる‥‥‥
「何の音?」
何かこう、這いずってきているような音がしてくる。草木をかき分けつつも、何となく力が無いようなというか、モンスターの気配というべきか。
警戒して見渡せば、背後の方の茂みが動き、音の正体が姿を現す。
【シャ、シャゲ…‥‥】
「‥‥‥えっと、『ブラッディスネーク』か。でもなんか、すごい弱っているな」
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『ブラッディスネーク』
血濡れの蛇というような名前ではあるが、単純に真っ赤な色合いをしているだけの蛇のモンスター。Ver.1.0.1から追加されており、プレイヤーを毒状態にする攻撃を行う。ドロップアイテムは主に『紅毒』で効果は5分間5%の体力減少。
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【シャゲ、シャゲ‥‥‥シャゲェ‥‥‥】
プレイヤーに狩られていたって訳でもないようだが、何かに傷つけられているようだ。かなり弱っており、多分この肉の匂いに惹かれてやってきたのかもしれない。モンスターが何者かに傷つけられてというのは情報に無いが、アップデートで単純な生態系でもインプットされて、その犠牲になったのだろうか?
「この肉が欲しいのかな?」
【シャゲェ‥‥‥】
アルケディア・オンライン内のNPCと変わらぬコンピューターが作り出したモンスターとは言え、ある程度は分かっているようだし、痛々しい姿は見ていられない。紅毒のドロップ自体は結構レアらしいので、ここまで弱っているのは狩るチャンスでもあるが‥‥‥流石にそこまで非情になれない。
なので、ここは思いきって肉を与えてみることにした。まだちょっと残っているし、少しばかりあげても問題ないはず。
「ほら、食べな。これを食べたら、何処かへ行っていいよ」
【シャ、シャゲ!?】
僕があっさりと肉をくれると思わなかったのか、目を丸くして驚きの声を上げつつも、直ぐに肉にかぶりつくブラッディスネーク。蛇と言えば丸のみをする印象があったが、そんな事はせずにむしゃむしゃと味わいつつ、必死になって食べている。
―――――
>ブラッディスネークのHPの回復を確認。弱っていた状態から通常の状態へ戻りました。
―――――
っと、見ていたらログにそう表示され、ブラッディスネークの身体が一瞬ほのかに光ったと思えば、ボロボロだった体が艶々になっていた。
【シャゲェ♪】
「回復がかなり早い様な‥‥‥あ、でもそう言えばモンスターを回復させる手段って聞いたことが無いな?」
そもそもこんな風に肉を与えるような人もいなかったし、大概は狩りまくっている人が多いので、こんな感じに扱うことは無かったはずだ。そう思っていると、元気になったブラッディスネークが僕の方に頭を下げ始めた。
【シャゲェシャゲエ♪】
―――――
>ブラッディスネークが、ハルに懐いたようだ。
>仲間になりたそうに見ているが、どうする?
―――――
…‥‥こんな表示、見たことが無いんだが。え、モンスターって仲間にできるの?
疑問に思い、念のために運営からのアップデートに関するお知らせをよく探してみれば、妙な一文を見つけることが出来た。
―――――
『テイム要素の追加』
・ソロプレイの方では難しい戦闘もあるため、一部のモンスターが仲間になるテイム要素を追加いたしました。
・その職業では難しい相手でも、対応できる仲間を得られるチャンスです。
・ただし、テイムするには様々な条件があり、そろっていたとしても仲間になる確率は非常に低く設定されております。話を知って強力なモンスターに挑んでも、100%仲間にならないものもいるので注意してください。
・また、テイムしたモンスターはプレイヤーのスキル・称号修得の自由度の高さと同様、普通のモンスターとは異なる方向へ成長も可能。
(例)「ミニゴブリン」は通常「ゴブリン」などに進化しますが、テイムされているものだと「ハンターゴブリン」などに代わります。
―――――
どうやらソロプレイでは難しいような相手との戦闘に関する救済措置として、一部のモンスターにテイム可能な要素が設けられたらしい。パーティを組んでいる人でも可能らしいが、ソロプレイの人に比べるとさらに確率が低いそうだ。
そして今回は偶然にも懐かれたことによって条件を満たし、テイム可能になったのだろう。
「とはいえ、ブラッディスネークかぁ‥‥‥毒の攻撃手段は、団子で間に合っているしなぁ」
状態異常が現状スキルによってある程度弱体化を逃れているとはいえ、アップデート後の今の環境だとちょっと考えさせられる。
でも、テイムできれば毒を常時採取可能ってことにもなるし、素材として扱う幅も増えるのであれば、やったほうがいいのではないだろうか?見た目だけは綺麗な紅の蛇だし、ア(略)の時みたいに侮られるよりも先に威嚇ができそうなのも良いだろう。蛇を使うってだけで、物好きに見られそうな気がしなくもないけれどな。
「良いかな、それじゃテイムしよう」
考え、結論を出して出ていた決定かそうでないかの画面を操作し、テイムを決定する。
【シャゲェ!】
―――――
>テイム成功!ブラッディスネークの『マリー』が仲間になった!!
>マリーのステータスが表示されます。
名前:『マリー』
種族:『ブラッディスネーク』Lv.3
HP:12/12、MP:20/20
ATK:5、INT:25
DEF:5、MEN:25
「称号」
『ネームドモンスター』『ファーストテイムモンスター』
「称号説明」
『ネームドモンスター』
・モンスターの中で、極稀に種族名ではなくきちんとした単体としての名前を保有しているものに付く称号。効果としては一部の能力が通常のものより高くなっている。
『ファーストテイムモンスター』
・そのプレイヤーにとって初めてテイムしたモンスターに付く称号。効果としては以降のテイムモンスターよりも成長率が10%ほど高くなる。
>また、ハルの称号欄に「テイマー」が追加されました。
『テイマー』
モンスターをテイムできたプレイヤーに付く称号。以降は条件がそろいつつ運が良ければ、称号が無い人よりも高い確率でテイムをしやすくなります。
―――――
テイム成功を知らせるログと共に、ステータスが表示される。名前は付けることができないのか、それとも元々持っていたのかは疑問だが、称号を見る限り後者の可能性がある。ステータス自体はプレイヤーと似ているようだ。LUCは無いようだけれども、この数値を見る限り魔法使いに近いのだろうか?そう言えば、蛇って魔法使いが使うイメージもあるんだよなぁ…‥‥錬金術師でもちょっとあるし、間違ってないのかもしれない。
あとこちらの称号にも追加されたようだし、これはこれで面白いかもしれない。
「しかし、マリーね…‥‥んー、出来れば自分でつけたかったけれども、これはこれで悪くはないかも」
【シャゲエ♪】
僕の言葉が分かるのか、いつの間にか腕に巻き付きつつも重さを感じさせず、嬉しそうに鳴くマリー。こうやって見ると可愛いし、やって良かったかもしれない。でも、HPの低さなどを見ると、早急なレベルアップが必要そうに思える。装備品が付けられればいいのだが、まだできないようだし、運営へ要望として出すべきか。
とにもかくにも、初アップデート初日にしてその要素を思いっきり触れた最大の成果としてマリーを得ることが出来て、ソロプレイでも楽しめる要素がさらに増えるんだなと実感するのであった。
「こうなってくると、ハウスの方も早めに入手したほうがいいのかなぁ。というか、ログアウト後にマリーがどうなっているのかも気になるし、じっくり検証すべきか…‥‥」
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