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【5章】王太子ヴァーリックの婚約者
45.再会
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翌朝、オティリエは早速王妃の執務室へと向かった。
「いらっしゃい、オティリエ。久しぶりね」
王妃はそう言ってニコリとほほえんでくれる。相変わらず若々しく光り輝かんばかりに美しい。思わず見惚れてしまいつつ、オティリエは丁寧に膝を折った。
「ご無沙汰しております、妃殿下。このたびはヴァーリック殿下の補佐官として、お茶会のお手伝いをさせていただきたく……」
「まあ! そんな堅苦しい挨拶はよしてちょうだい? ヴァーリックに接するときと同じようにしてくれて構わないのよ?」
「そんな……恐れ多いことでございます」
緊張でオティリエの心臓がドキドキと鳴る。貴族の娘として――ヴァーリックの補佐官として、王妃に対して失礼があってはならない。かといって、かしこまり過ぎては不興を買う場合もある。大事なのは適当適度な距離感だ。心の声を聞くに、今のところ王妃は気分を害していないが、一瞬たりとも気を抜くわけにはいかない。オティリエは密かに冷や汗をかいた。
「私はね、もっと早くにあなたと色々な話をしたかったし、仲良くなりたいと思っていたのよ? それなのにヴァーリックったら……オティリエのことを独占して、ちっとも私のところに寄越してくれないんだもの。親不孝な息子だと思わない?」
「え? えっと……そうだったんですね」
なんとこたえるのが正解なのだろう? ヴァーリックをけなすわけにはいかないし、かといって王妃の言葉を否定することもできない。曖昧に相槌を打ちながら、オティリエは必死に頭を働かせる。そんなオティリエを見つめつつ、王妃はふっと目元を和らげた。
「だけど、その分だけ色々とヴァーリックからオティリエの話を聞いているわ。普段の誠実な働きぶりも、神殿の件での活躍も。本当によく頑張ってくれているわね」
「……!」
(ヴァーリック様、妃殿下に私の話をしてくれているんだ)
なんだかとても照れくさい。けれど、自分の働きぶり、仕事の成果を認めてもらえたことは素直に嬉しい。
「ありがとうございます。妃殿下にそう言っていただけて光栄です」
オティリエは返事をしながら深々と頭を下げた。
「早速だけど、あなたに頼みたい仕事の説明をさせてもらうわね」
王妃に促され、オティリエは応接用のソファに腰掛ける。と同時にテーブルに二人分のお茶と茶菓子が運ばれてきて、王妃はふふっと瞳を細めた。
「若い令嬢を集めてお茶会を開きたいの。オティリエには補佐官としてその手伝いをお願いしたいわ。ヴァーリックから今回のお茶会の趣旨は聞いている?」
「はい。ヴァーリック様の婚約者を選ぶため、なのですよね」
返事をしながらズキンとオティリエの胸が小さく痛む。
(ああ……! ダメね、私ったら。そんなふうに思っちゃいけないってわかっているのに)
どうして何度も何度も同じことに傷ついてしまうのだろう? 自責の念に駆られながら、オティリエは必死に笑顔を取り繕った。
「そうなの。正直私はそんなもの開かなくてもいいと思うのだけど……ほら、いきなり婚約者を発表したら『うちの娘に会いもせず勝手に婚約者を決めてしまったのか』ってあとで文句を言う貴族が絶対に出てしまうでしょう? だから、少なくとも言い訳ができる状態を作っておきたいのよね」
「言い訳、ですか……?」
「そうよ? 令嬢たちからしてみても、土俵にすら上がれないんじゃあんまりだものね。まあ、みんながみんな王太子妃になりたいと希望しているわけではないと思うけど、これは私にとってもいい機会だから」
王妃はそう言ってチラリとオティリエの表情をうかがう。オティリエはドギマギしつつ、さり気なく視線をそらしてしまった。
「そういうわけだから、まずはお茶会に参加してもらう令嬢のリストアップをお願いしたいの。対象者は……そうね、十四歳から十八歳ぐらいまでの高位貴族令嬢がいいわ。だけど、これまでに問題を起こした子は除外してね? たとえば……あなたのお姉様とか」
「……!」
茶目っ気たっぷりに王妃がほほえむ。
(よかった……それじゃあお姉様は、ヴァーリック様のお相手に選ばれることはないのね)
メモをとり「承知しました」と答えながら、オティリエは大きくうなずいた。
「それから、招待客のリストアップと並行して、お茶会の内容について私と一緒に検討をしてほしいの。当日お出しするお茶やお茶菓子、食器の種類に、会場のレイアウトや音楽、お花……決めなきゃいけないことがたくさんあるのよ」
「はい、妃殿下」
「普段は補佐官や女官にお任せするんだけど、こういった大きな催しはさすがにね……妃としてのセンスや手腕が問われてしまうし」
「なるほど……大変勉強になります」
それは、これまでオティリエが行ってきた仕事とは性質からしてまったく違う。招待客を楽しませることは妃として重要な使命なのだろう。そのための補佐をするのだと考えれば、なんとなく頑張れそうな気がしてくる。
(妃としてのセンス……これは責任重大だわ。最近の流行や女性が好きなものについてしっかりリサーチしておかなきゃ)
オティリエは必死にメモをとりながら、密かにつばを飲みこんだ。
「リストが固まったら、最後に招待状の作成もお願いしたいの。ヴァーリックったらあなたの文字が可愛いっていつも自慢してくるのよ?」
「ヴァーリック様がそんなことを?」
「ええ。受け取る側もオシャレで可愛い招待状のほうが嬉しいでしょう?」
恥ずかしい。けれど嬉しくて口元がニヤけてしまう。
「……精一杯務めさせていただきます」
「ええ、よろしくね!」
王妃はそう言って満足そうにほほえんだ。
「いらっしゃい、オティリエ。久しぶりね」
王妃はそう言ってニコリとほほえんでくれる。相変わらず若々しく光り輝かんばかりに美しい。思わず見惚れてしまいつつ、オティリエは丁寧に膝を折った。
「ご無沙汰しております、妃殿下。このたびはヴァーリック殿下の補佐官として、お茶会のお手伝いをさせていただきたく……」
「まあ! そんな堅苦しい挨拶はよしてちょうだい? ヴァーリックに接するときと同じようにしてくれて構わないのよ?」
「そんな……恐れ多いことでございます」
緊張でオティリエの心臓がドキドキと鳴る。貴族の娘として――ヴァーリックの補佐官として、王妃に対して失礼があってはならない。かといって、かしこまり過ぎては不興を買う場合もある。大事なのは適当適度な距離感だ。心の声を聞くに、今のところ王妃は気分を害していないが、一瞬たりとも気を抜くわけにはいかない。オティリエは密かに冷や汗をかいた。
「私はね、もっと早くにあなたと色々な話をしたかったし、仲良くなりたいと思っていたのよ? それなのにヴァーリックったら……オティリエのことを独占して、ちっとも私のところに寄越してくれないんだもの。親不孝な息子だと思わない?」
「え? えっと……そうだったんですね」
なんとこたえるのが正解なのだろう? ヴァーリックをけなすわけにはいかないし、かといって王妃の言葉を否定することもできない。曖昧に相槌を打ちながら、オティリエは必死に頭を働かせる。そんなオティリエを見つめつつ、王妃はふっと目元を和らげた。
「だけど、その分だけ色々とヴァーリックからオティリエの話を聞いているわ。普段の誠実な働きぶりも、神殿の件での活躍も。本当によく頑張ってくれているわね」
「……!」
(ヴァーリック様、妃殿下に私の話をしてくれているんだ)
なんだかとても照れくさい。けれど、自分の働きぶり、仕事の成果を認めてもらえたことは素直に嬉しい。
「ありがとうございます。妃殿下にそう言っていただけて光栄です」
オティリエは返事をしながら深々と頭を下げた。
「早速だけど、あなたに頼みたい仕事の説明をさせてもらうわね」
王妃に促され、オティリエは応接用のソファに腰掛ける。と同時にテーブルに二人分のお茶と茶菓子が運ばれてきて、王妃はふふっと瞳を細めた。
「若い令嬢を集めてお茶会を開きたいの。オティリエには補佐官としてその手伝いをお願いしたいわ。ヴァーリックから今回のお茶会の趣旨は聞いている?」
「はい。ヴァーリック様の婚約者を選ぶため、なのですよね」
返事をしながらズキンとオティリエの胸が小さく痛む。
(ああ……! ダメね、私ったら。そんなふうに思っちゃいけないってわかっているのに)
どうして何度も何度も同じことに傷ついてしまうのだろう? 自責の念に駆られながら、オティリエは必死に笑顔を取り繕った。
「そうなの。正直私はそんなもの開かなくてもいいと思うのだけど……ほら、いきなり婚約者を発表したら『うちの娘に会いもせず勝手に婚約者を決めてしまったのか』ってあとで文句を言う貴族が絶対に出てしまうでしょう? だから、少なくとも言い訳ができる状態を作っておきたいのよね」
「言い訳、ですか……?」
「そうよ? 令嬢たちからしてみても、土俵にすら上がれないんじゃあんまりだものね。まあ、みんながみんな王太子妃になりたいと希望しているわけではないと思うけど、これは私にとってもいい機会だから」
王妃はそう言ってチラリとオティリエの表情をうかがう。オティリエはドギマギしつつ、さり気なく視線をそらしてしまった。
「そういうわけだから、まずはお茶会に参加してもらう令嬢のリストアップをお願いしたいの。対象者は……そうね、十四歳から十八歳ぐらいまでの高位貴族令嬢がいいわ。だけど、これまでに問題を起こした子は除外してね? たとえば……あなたのお姉様とか」
「……!」
茶目っ気たっぷりに王妃がほほえむ。
(よかった……それじゃあお姉様は、ヴァーリック様のお相手に選ばれることはないのね)
メモをとり「承知しました」と答えながら、オティリエは大きくうなずいた。
「それから、招待客のリストアップと並行して、お茶会の内容について私と一緒に検討をしてほしいの。当日お出しするお茶やお茶菓子、食器の種類に、会場のレイアウトや音楽、お花……決めなきゃいけないことがたくさんあるのよ」
「はい、妃殿下」
「普段は補佐官や女官にお任せするんだけど、こういった大きな催しはさすがにね……妃としてのセンスや手腕が問われてしまうし」
「なるほど……大変勉強になります」
それは、これまでオティリエが行ってきた仕事とは性質からしてまったく違う。招待客を楽しませることは妃として重要な使命なのだろう。そのための補佐をするのだと考えれば、なんとなく頑張れそうな気がしてくる。
(妃としてのセンス……これは責任重大だわ。最近の流行や女性が好きなものについてしっかりリサーチしておかなきゃ)
オティリエは必死にメモをとりながら、密かにつばを飲みこんだ。
「リストが固まったら、最後に招待状の作成もお願いしたいの。ヴァーリックったらあなたの文字が可愛いっていつも自慢してくるのよ?」
「ヴァーリック様がそんなことを?」
「ええ。受け取る側もオシャレで可愛い招待状のほうが嬉しいでしょう?」
恥ずかしい。けれど嬉しくて口元がニヤけてしまう。
「……精一杯務めさせていただきます」
「ええ、よろしくね!」
王妃はそう言って満足そうにほほえんだ。
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