断る――――前にもそう言ったはずだ

「寝室を分けませんか?」

 結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
 周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。

 けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
 他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。

(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)

 そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。

 ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
 そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
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