3 / 59
【1章】立志編
哀しみに溶け込む
しおりを挟む
城に着いた頃には、空はすっかり暗くなっていた。途中で眠ってしまったため、どのぐらい時間が経ったのかは正確には分からない。
「こちらにどうぞ、姫様」
わたし達が使ったのは、隠し通路のようだった。古びているし、かび臭い。我慢して歩いた先には小さな扉があった。身体を縮こまらせて潜り抜ける。
(ここは……?)
扉の向こうも真っ暗だった。先導の騎士がゆっくりと何か大きなものを動かしている。隙間から段々と光が射し込んできて、ここが小さな部屋だということが分かった。どうやら本棚の裏に隠し通路が仕込まれていたらしい。
「姫様、申し訳ございませんが今夜はこちらでお休みください。明日、迎えのものが参ります。隠し通路は内側から鍵をかけていただければ使えませんので、どうぞご安心を」
そう言って騎士は、恭しく頭を下げた。ベッドや寝間着、軽食等必要なものは見る限り全て揃っているらしい。
(王太子様の葬儀に参列するだけだもんね)
豪勢な部屋に通されなくて良かったと胸を撫でおろしつつ、わたしは小さく頷く。それからややして、騎士は元来た通路を戻っていった。
(さてと)
隠し通路に続く扉に鍵を掛けつつ、わたしは小さくため息を吐く。それから、部屋の端っこにある大きなベッドにダイブした。古くて小さな部屋だけど、掃除や洗濯は行き届いているらしい。全然埃は舞わなかった。
(そりゃそうか……お城だもんね)
ここが何のための部屋なのかは分からないけど、城内にある以上しっかりと管理されているのだろう。疲れた頭でぼんやりとそんなことを考える。
(まさかこんなことになるなんて思わなかったなぁ)
つい数時間前まで、王室なんて遠い雲の上の世界だと思っていた。一生関わることは無いだろうと思っていたのに、人生何が起こるか分からない。
とはいえ、それも明日の葬儀の間だけ。その後はお父さんとお母さんの元に戻って、また『ただのライラ』としての生活に戻る。
「――――王太子様、かぁ」
正直わたしは王太子であるクラウス様――――実の父親のことをあまり知らない。よく王都に御出ましになって国民と交流をしていたとか、遠くまで視察に行っていたとか、そういうことは噂に聞いているけど、顔も見たこと無いし人となりも分からない。
(明日、わたしはどんな顔をすれば良いんだろう)
泣いたり哀しい顔をした方が良いってちゃんと分かってる。だけど、それって案外難しいんじゃないかなぁなんてことを思う。
(そもそも、葬儀の時にわたしの居場所はあるのだろうか?)
だって、お母さんとお父さんがわたしを『引き取った』ってことは、わたしの存在は王室にとって不要――――もしくは目障りなモノだったんじゃないかなぁ。
それなのに、血が繋がっているってだけで葬儀に参加するなんて――――便宜的に呼ばれただけだろうし、歓迎されなくて当然じゃなかろうか。だからこそ、こんな部屋が宛がわれているんだろうし。
(すんごい端っこの方でお祈りだけさせてもらおう)
王女とは名乗らず――――というか自分で自分が王女だなんて思えないし――――、参列者の一人として礼拝堂の外から密かにお祈りをする。それで血縁者としての義務を果たしたことになるんじゃなかろうか。そんな風に考えながら、わたしはウトウトと目を瞑る。慣れない馬車なんて乗り物に乗ったせいか、身体がガッツリ疲れていた。
(貴族の御令嬢っていうのは大変ねぇ)
ふふ、と小さく笑いながら、わたしはそのまま眠りに落ちた。
***
(ふわぁ……すごい人)
厳かな雰囲気に包まれた宮殿の中、わたしは一人息を呑む。
今朝は早くから、わたしと同じか少し上ぐらいの女の子たちが数人部屋にやって来て、やれ着替えが、やれ食事がと甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。
(これがお姫様扱いって奴なのかも)
今後一生味わうことのない贅沢に、わたしはほんのり笑みを浮かべる。
着せられた喪服も物凄く良いものだってことが一目でわかった。多分だけど、わたしのクローゼットの服が全部買えちゃうぐらい高価だと思う。
「姫様、どうぞこちらに」
そんなことを考えていたら、昨日わたしを迎えに来た壮年の騎士がそう言って手を差し出した。葬儀の時間が近づいているのだろう。城内が俄かに騒がしくなっている。
「いえ……わたしはここから葬儀の様子を見守りたいなぁと思ってまして」
先程から貴族たちに溶け込めるよう、わたしは最大限の努力していた。溶け込むってのはつまり、目立ちもせず、かといって浮きもしないようにする――――居ても居なくても変わらない状況を作る――――ということだ。
「何を仰いますか! 姫様はクラウス殿下の実の娘なのですから、こんな隅っこに居てはいけません! さぁ、こちらに」
そう言って騎士はグイグイとわたしを引っ張っていく。どうやら選択肢はない、という奴らしい。
(それにしてもおじさん、声が大きいよ!)
既に何人かの貴族たちがこちらを振り向いている。『違うんです!』って言いたいけど、それが許される状況とは思えない。
そうこうしている内に、さっきまでとは比べ物にならない程、騎士達が多くいる場所に着いた。わたしまでピリピリとした緊張感を肌で感じる。
「陛下にお目通りを。事前にお許しは戴いております」
ある部屋の前まで来ると、騎士のおじさんはそんなことを口にした。待つこと数分。わたし達は宮殿内にある煌びやかな部屋へと案内された。
そこには男性が一人、黒い帳の掛けられた窓の方を眺めている。ロマンスグレーって言葉がピッタリの髪色に、綺麗な空色の瞳の男性だ。
男性はこちらを振り向くと、瞳を潤ませながらわたしのことを見つめる。
「君が――――ライラなのかい?」
男性は目を細めつつ、そう尋ねた。わたしはゴクリと息を呑む。
(……答えて大丈夫なのかな?)
もしかしなくてもこの人は国王陛下――――皆が言うことが本当なら、わたしの祖父に当たるのだろう。
貴族の世界では許しを得るまで口を開いちゃダメって聞いたことがある。今がどんな状況なのか、わたしにはちっともわからない。助けを求めて騎士のおじさんに目配せをすると、コクリと大きく頷かれた。どうやらオッケーって事らしい。
「はい……ライラと申します」
わたしはそう口にした。緊張で声が震えてしまう。だって、下手を打ったら簡単に首が飛んじゃう世界だって聞くもの。何が正解で何か間違いか分からないんだから、どうやったって緊張するに決まっている。
「あの子に――――クラウスによく似ている」
そう言って国王様は涙を流した。躊躇いがちにわたしの手を握り、それから哀し気に、愛し気に、わたしのことを見つめている。
(そうか……この人は息子を亡くしたんだものね)
身内が亡くなった経験の無いわたしには、正しく国王様の哀しみを理解できているかは分からない。だけど、少しだけ――――ほんの少し寄り添うことぐらいは出来ると良いなぁなんてことを思う。
しばらくの間、国王様はわたしの手を握ったまま肩を震わせていた。
「こちらにどうぞ、姫様」
わたし達が使ったのは、隠し通路のようだった。古びているし、かび臭い。我慢して歩いた先には小さな扉があった。身体を縮こまらせて潜り抜ける。
(ここは……?)
扉の向こうも真っ暗だった。先導の騎士がゆっくりと何か大きなものを動かしている。隙間から段々と光が射し込んできて、ここが小さな部屋だということが分かった。どうやら本棚の裏に隠し通路が仕込まれていたらしい。
「姫様、申し訳ございませんが今夜はこちらでお休みください。明日、迎えのものが参ります。隠し通路は内側から鍵をかけていただければ使えませんので、どうぞご安心を」
そう言って騎士は、恭しく頭を下げた。ベッドや寝間着、軽食等必要なものは見る限り全て揃っているらしい。
(王太子様の葬儀に参列するだけだもんね)
豪勢な部屋に通されなくて良かったと胸を撫でおろしつつ、わたしは小さく頷く。それからややして、騎士は元来た通路を戻っていった。
(さてと)
隠し通路に続く扉に鍵を掛けつつ、わたしは小さくため息を吐く。それから、部屋の端っこにある大きなベッドにダイブした。古くて小さな部屋だけど、掃除や洗濯は行き届いているらしい。全然埃は舞わなかった。
(そりゃそうか……お城だもんね)
ここが何のための部屋なのかは分からないけど、城内にある以上しっかりと管理されているのだろう。疲れた頭でぼんやりとそんなことを考える。
(まさかこんなことになるなんて思わなかったなぁ)
つい数時間前まで、王室なんて遠い雲の上の世界だと思っていた。一生関わることは無いだろうと思っていたのに、人生何が起こるか分からない。
とはいえ、それも明日の葬儀の間だけ。その後はお父さんとお母さんの元に戻って、また『ただのライラ』としての生活に戻る。
「――――王太子様、かぁ」
正直わたしは王太子であるクラウス様――――実の父親のことをあまり知らない。よく王都に御出ましになって国民と交流をしていたとか、遠くまで視察に行っていたとか、そういうことは噂に聞いているけど、顔も見たこと無いし人となりも分からない。
(明日、わたしはどんな顔をすれば良いんだろう)
泣いたり哀しい顔をした方が良いってちゃんと分かってる。だけど、それって案外難しいんじゃないかなぁなんてことを思う。
(そもそも、葬儀の時にわたしの居場所はあるのだろうか?)
だって、お母さんとお父さんがわたしを『引き取った』ってことは、わたしの存在は王室にとって不要――――もしくは目障りなモノだったんじゃないかなぁ。
それなのに、血が繋がっているってだけで葬儀に参加するなんて――――便宜的に呼ばれただけだろうし、歓迎されなくて当然じゃなかろうか。だからこそ、こんな部屋が宛がわれているんだろうし。
(すんごい端っこの方でお祈りだけさせてもらおう)
王女とは名乗らず――――というか自分で自分が王女だなんて思えないし――――、参列者の一人として礼拝堂の外から密かにお祈りをする。それで血縁者としての義務を果たしたことになるんじゃなかろうか。そんな風に考えながら、わたしはウトウトと目を瞑る。慣れない馬車なんて乗り物に乗ったせいか、身体がガッツリ疲れていた。
(貴族の御令嬢っていうのは大変ねぇ)
ふふ、と小さく笑いながら、わたしはそのまま眠りに落ちた。
***
(ふわぁ……すごい人)
厳かな雰囲気に包まれた宮殿の中、わたしは一人息を呑む。
今朝は早くから、わたしと同じか少し上ぐらいの女の子たちが数人部屋にやって来て、やれ着替えが、やれ食事がと甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。
(これがお姫様扱いって奴なのかも)
今後一生味わうことのない贅沢に、わたしはほんのり笑みを浮かべる。
着せられた喪服も物凄く良いものだってことが一目でわかった。多分だけど、わたしのクローゼットの服が全部買えちゃうぐらい高価だと思う。
「姫様、どうぞこちらに」
そんなことを考えていたら、昨日わたしを迎えに来た壮年の騎士がそう言って手を差し出した。葬儀の時間が近づいているのだろう。城内が俄かに騒がしくなっている。
「いえ……わたしはここから葬儀の様子を見守りたいなぁと思ってまして」
先程から貴族たちに溶け込めるよう、わたしは最大限の努力していた。溶け込むってのはつまり、目立ちもせず、かといって浮きもしないようにする――――居ても居なくても変わらない状況を作る――――ということだ。
「何を仰いますか! 姫様はクラウス殿下の実の娘なのですから、こんな隅っこに居てはいけません! さぁ、こちらに」
そう言って騎士はグイグイとわたしを引っ張っていく。どうやら選択肢はない、という奴らしい。
(それにしてもおじさん、声が大きいよ!)
既に何人かの貴族たちがこちらを振り向いている。『違うんです!』って言いたいけど、それが許される状況とは思えない。
そうこうしている内に、さっきまでとは比べ物にならない程、騎士達が多くいる場所に着いた。わたしまでピリピリとした緊張感を肌で感じる。
「陛下にお目通りを。事前にお許しは戴いております」
ある部屋の前まで来ると、騎士のおじさんはそんなことを口にした。待つこと数分。わたし達は宮殿内にある煌びやかな部屋へと案内された。
そこには男性が一人、黒い帳の掛けられた窓の方を眺めている。ロマンスグレーって言葉がピッタリの髪色に、綺麗な空色の瞳の男性だ。
男性はこちらを振り向くと、瞳を潤ませながらわたしのことを見つめる。
「君が――――ライラなのかい?」
男性は目を細めつつ、そう尋ねた。わたしはゴクリと息を呑む。
(……答えて大丈夫なのかな?)
もしかしなくてもこの人は国王陛下――――皆が言うことが本当なら、わたしの祖父に当たるのだろう。
貴族の世界では許しを得るまで口を開いちゃダメって聞いたことがある。今がどんな状況なのか、わたしにはちっともわからない。助けを求めて騎士のおじさんに目配せをすると、コクリと大きく頷かれた。どうやらオッケーって事らしい。
「はい……ライラと申します」
わたしはそう口にした。緊張で声が震えてしまう。だって、下手を打ったら簡単に首が飛んじゃう世界だって聞くもの。何が正解で何か間違いか分からないんだから、どうやったって緊張するに決まっている。
「あの子に――――クラウスによく似ている」
そう言って国王様は涙を流した。躊躇いがちにわたしの手を握り、それから哀し気に、愛し気に、わたしのことを見つめている。
(そうか……この人は息子を亡くしたんだものね)
身内が亡くなった経験の無いわたしには、正しく国王様の哀しみを理解できているかは分からない。だけど、少しだけ――――ほんの少し寄り添うことぐらいは出来ると良いなぁなんてことを思う。
しばらくの間、国王様はわたしの手を握ったまま肩を震わせていた。
0
お気に入りに追加
275
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
妹に婚約者を取られましたが、辺境で楽しく暮らしています
今川幸乃
ファンタジー
おいしい物が大好きのオルロンド公爵家の長女エリサは次期国王と目されているケビン王子と婚約していた。
それを羨んだ妹のシシリーは悪い噂を流してエリサとケビンの婚約を破棄させ、自分がケビンの婚約者に収まる。
そしてエリサは田舎・偏屈・頑固と恐れられる辺境伯レリクスの元に厄介払い同然で嫁に出された。
当初は見向きもされないエリサだったが、次第に料理や作物の知識で周囲を驚かせていく。
一方、ケビンは極度のナルシストで、エリサはそれを知っていたからこそシシリーにケビンを譲らなかった。ケビンと結ばれたシシリーはすぐに彼の本性を知り、後悔することになる。
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい
千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。
「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」
「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」
でも、お願いされたら断れない性分の私…。
異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。
※この話は、小説家になろう様へも掲載しています
【完結】聖女召喚の聖女じゃない方~無魔力な私が溺愛されるってどういう事?!
未知香
恋愛
※エールや応援ありがとうございます!
会社帰りに聖女召喚に巻き込まれてしまった、アラサーの会社員ツムギ。
一緒に召喚された女子高生のミズキは聖女として歓迎されるが、
ツムギは魔力がゼロだった為、偽物だと認定された。
このまま何も説明されずに捨てられてしまうのでは…?
人が去った召喚場でひとり絶望していたツムギだったが、
魔法師団長は無魔力に興味があるといい、彼に雇われることとなった。
聖女として王太子にも愛されるようになったミズキからは蔑視されるが、
魔法師団長は無魔力のツムギをモルモットだと離そうとしない。
魔法師団長は少し猟奇的な言動もあるものの、
冷たく整った顔とわかりにくい態度の中にある優しさに、徐々にツムギは惹かれていく…
聖女召喚から始まるハッピーエンドの話です!
完結まで書き終わってます。
※他のサイトにも連載してます
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる