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31.遅くなってごめん!
2.
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***
けれど、それから三ヶ月。
ザックは未だクロシェットを迎えに来ていない。
『一体あいつは何をしているんだ?』
苛立ちを隠さないウルやフェニを前に、クロシェットは表情を曇らせる。
『ここを出よう。俺たちとともに、あいつに会いに行こう』
ウルの提案に、クロシェットは躊躇いつつも、小さく首を横に振った。
「ダメよ。ザックさまが『迎えに行く』って約束してくれたんだもの。ここで彼を待っていなくちゃ」
約束を違えるわけにはいかない。
彼を失望させるわけにはいかない。
待つと決めたなら……約束したなら、それを破るわけにはいかない。
クロシェットはザックを信じていた。
彼の言葉を――――想いを信じていた。
けれど、待てど暮らせどザックは来ない。
二年間、ザックの勝利を待ち続けたあの日々よりも、今のほうが余程、時が経つのが遅く感じられる。
今日だろうか。
明日だろうか。
五日後。
きっと一週間後には――――。
一ヶ月後――――――。
三ヶ月も経てば――――――――。
クロシェットの心が日に日に疲弊していく。
(わたし――――ザックさまに忘れられてしまったの?)
本当はこんなこと、考えたくない。
けれど、日が経つにつれ、疑念は強くなっていく。
(わたし、本当は要らなかった?)
ザックにとってクロシェットは手駒の一つでしかなくて。
数合わせのために旅へと誘われただけで。
最初から、迎えに来る気なんてなかったのかもしれない。
ザックを信じたい。
けれど、信じられない。
どうか間違いであってほしい――――
「ここを出ましょう。わたしがザックさまを迎えに行くわ」
言いながら、クロシェットの胸が強く軋む。
ウルとフェニは顔を見合わせつつ、彼女のあとに続いた。
***
森を駆け抜け、クロシェットたちは一番近くの街に立ち寄った。
街の中では、ウルもフェニも目立ってしまうので、それぞれ身体を小さくし、犬や小鳥のように振る舞っている。
「この二年半の間に、随分と様子が変わったのね」
クロシェットの記憶の中にある寂れて廃れた街並みとは違い、街は美しく活気が溢れている。
『君が魔獣たちを封じたからだよ。湖にほど近いこの街が、影響を一番に受けていたからね。
離れていった人が少しずつ戻ってきて、復興を遂げたんだ』
フェニが答える。
彼はザックと旅をともにしていたため、外の様子に詳しい。
「……そう。だったら、わたしがしたことにも、少しは意味があったのかもしれないわね」
呟きつつ、改めてぐるりと街を見渡す。
楽しそうな声音、子どもたちの笑顔に、クロシェットは少しだけ目を細める。
「――――ねえ、聞いた? 勇者様のお話」
けれどその時、背後から聞こえてきたセリフに、彼女は思わず目を瞠った。
現在、この国における勇者はザックを指す。
クロシェットは静かに耳をそばだてた。
「もちろん! 姫様とご結婚なさるっていうお話でしょう? 国中のみんなが知っているわよ」
「…………え?」
ドクン、ドクンと心臓が跳ねる。
(ザック様が結婚? ……姫様と?)
馬鹿げている。
そんなことはあり得ない。
ある筈がない。
だって彼は、クロシェットと結婚をする。
そう、確かに約束したのだ。
別の誰かと結婚するだなんて、そんな――――。
「泉の魔獣を全部やっつけてくれたのも勇者様なんでしょう? 本当に素晴らしいお方だわ」
――――違う。
あの泉を護っていた人間はザックではない。
他でもないクロシェットだ。
ずっと順風満帆だったわけじゃない。
彼女は二年もの間、ずっと身を挺して泉の魔獣と闘ってきた。
けれど、いつの間にか街の住人にはザックの偉業ということになっているらしい。クロシェットは目の前が真っ暗になった。
「この街の住人だけじゃない。国中のみんなが彼に感謝し、崇拝しているわ。だって魔王を倒したんだもの。当然の結果よね」
楽しげな笑い声がだんだんと遠ざかっていく。
クロシェットは、しばし呆然とその場に立ち尽くした。
『クロシェット……』
ウルたちがクロシェットを覗き込む。とてもじゃないが、掛ける言葉が見つからなかった。
彼等自身、底知れぬ怒りに震えており、今すぐザックへ報復してやりたいほど。
けれど、クロシェットが望まないと分かっているから、動くことができずにいる。
「――――行きましょう」
クロシェットが言う。
おぼつかない足取りで、彼女はゆっくりと歩き出す。
(きっと、なにかの間違いよ)
ザックはきっと、クロシェットのことを待っている。
何か、迎えにこれなかった理由が存在するのだろう。
本当はクロシェットと同じように、会いたがっているに違いない。
そう思わないと、自分を保っていられなかった。
けれど、どこへ行っても、誰に聞いても、皆が口を揃えて言う。
勇者様が姫様と結婚をするんだって――――。
国中がお祝いモードに包まれる中、クロシェットの心は沈んでいく。
そんな時、彼女は王都で婚約披露パレードが開かれることを耳にした。
(嘘だよね?)
沿道に並びながら、クロシェットは静かに自問する。
これから現れる人は――勇者は――ザックではない。
絶対に、なにかの間違いだ――――そう思ったその時、遠くの方から歓声が湧き上がった。
目を瞑り、蹄の音に耳を澄ませる。
(違う)
彼じゃない。
ザックじゃない。
ザックであるはずがない。
歓声が耳を突く。
ゆっくりと目を開けたその時、クロシェットは大きく泣き崩れた。
「あぁっ……」
美しい姫君の隣で、一人の男性が満面の笑みを振りまいている。
太陽のように煌めく金の髪、空色の瞳。
見間違いようがない。
彼は二年半もの間、クロシェットが恋い焦がれた男性――――ザックだった。
「ザックさま!」
クロシェットが叫ぶ。
沿道から勢いよく飛び出し、彼女は唇を震わせた。
「ザックさま!」
馬車が停まる。人々が罵声を上げる。
騎士たちがクロシェットを跪かせ、拘束する。
「貴方をずっと待っていました! ずっとずっと、お会いしたかった!」
クロシェットが叫ぶ。
会いたかった。
ずっとずっと、会いにきて欲しかった。
抱き締めてほしかった。
けれど、ザックは冷めた瞳でクロシェットを見つめながら、馬車から降りようともしない。
「ザックさま……お知り合いですか?」
姫君が尋ねる。
ザックは小さく鼻で笑った。
「まさか。熱狂的な崇拝者の一人でしょう」
その瞬間、それまでじっと黙っていたウルが牙を剥く。
子犬から本来の大きさへと戻った彼は、クロシェットを拘束している騎士へと襲いかかり、咆哮を上げた。ビリビリと地面が揺れ、人々が吹き飛ぶ。そのすきにウルはクロシェットを背中に乗せると、勢いよく走り出した。
「待て! 逃さないぞ! 俺の晴れ舞台を汚しやがって……!」
ザックの怒声が響き渡る。
と、その時、フェニが上空へと舞い上がった。紅蓮の炎をまとった紅の鳥――――人々は神々しい彼の姿に目を奪われ、息を呑む。けれど次の瞬間、フェニは勢いよく馬車へと突進した。
「きゃあ!」
大きな炎を上げて、馬車が燃え盛る。逃げ惑う人々で、沿道は大混乱だ。
予想だにしない事態。騎士たちは姫君を救出するのに精一杯で、クロシェットを追うことができない。
「誰か、その女を捕まえろ! 」
ザックの声が段々と遠ざかっていく。
クロシェットはウルの背の上で、涙を流し続けた。
けれど、それから三ヶ月。
ザックは未だクロシェットを迎えに来ていない。
『一体あいつは何をしているんだ?』
苛立ちを隠さないウルやフェニを前に、クロシェットは表情を曇らせる。
『ここを出よう。俺たちとともに、あいつに会いに行こう』
ウルの提案に、クロシェットは躊躇いつつも、小さく首を横に振った。
「ダメよ。ザックさまが『迎えに行く』って約束してくれたんだもの。ここで彼を待っていなくちゃ」
約束を違えるわけにはいかない。
彼を失望させるわけにはいかない。
待つと決めたなら……約束したなら、それを破るわけにはいかない。
クロシェットはザックを信じていた。
彼の言葉を――――想いを信じていた。
けれど、待てど暮らせどザックは来ない。
二年間、ザックの勝利を待ち続けたあの日々よりも、今のほうが余程、時が経つのが遅く感じられる。
今日だろうか。
明日だろうか。
五日後。
きっと一週間後には――――。
一ヶ月後――――――。
三ヶ月も経てば――――――――。
クロシェットの心が日に日に疲弊していく。
(わたし――――ザックさまに忘れられてしまったの?)
本当はこんなこと、考えたくない。
けれど、日が経つにつれ、疑念は強くなっていく。
(わたし、本当は要らなかった?)
ザックにとってクロシェットは手駒の一つでしかなくて。
数合わせのために旅へと誘われただけで。
最初から、迎えに来る気なんてなかったのかもしれない。
ザックを信じたい。
けれど、信じられない。
どうか間違いであってほしい――――
「ここを出ましょう。わたしがザックさまを迎えに行くわ」
言いながら、クロシェットの胸が強く軋む。
ウルとフェニは顔を見合わせつつ、彼女のあとに続いた。
***
森を駆け抜け、クロシェットたちは一番近くの街に立ち寄った。
街の中では、ウルもフェニも目立ってしまうので、それぞれ身体を小さくし、犬や小鳥のように振る舞っている。
「この二年半の間に、随分と様子が変わったのね」
クロシェットの記憶の中にある寂れて廃れた街並みとは違い、街は美しく活気が溢れている。
『君が魔獣たちを封じたからだよ。湖にほど近いこの街が、影響を一番に受けていたからね。
離れていった人が少しずつ戻ってきて、復興を遂げたんだ』
フェニが答える。
彼はザックと旅をともにしていたため、外の様子に詳しい。
「……そう。だったら、わたしがしたことにも、少しは意味があったのかもしれないわね」
呟きつつ、改めてぐるりと街を見渡す。
楽しそうな声音、子どもたちの笑顔に、クロシェットは少しだけ目を細める。
「――――ねえ、聞いた? 勇者様のお話」
けれどその時、背後から聞こえてきたセリフに、彼女は思わず目を瞠った。
現在、この国における勇者はザックを指す。
クロシェットは静かに耳をそばだてた。
「もちろん! 姫様とご結婚なさるっていうお話でしょう? 国中のみんなが知っているわよ」
「…………え?」
ドクン、ドクンと心臓が跳ねる。
(ザック様が結婚? ……姫様と?)
馬鹿げている。
そんなことはあり得ない。
ある筈がない。
だって彼は、クロシェットと結婚をする。
そう、確かに約束したのだ。
別の誰かと結婚するだなんて、そんな――――。
「泉の魔獣を全部やっつけてくれたのも勇者様なんでしょう? 本当に素晴らしいお方だわ」
――――違う。
あの泉を護っていた人間はザックではない。
他でもないクロシェットだ。
ずっと順風満帆だったわけじゃない。
彼女は二年もの間、ずっと身を挺して泉の魔獣と闘ってきた。
けれど、いつの間にか街の住人にはザックの偉業ということになっているらしい。クロシェットは目の前が真っ暗になった。
「この街の住人だけじゃない。国中のみんなが彼に感謝し、崇拝しているわ。だって魔王を倒したんだもの。当然の結果よね」
楽しげな笑い声がだんだんと遠ざかっていく。
クロシェットは、しばし呆然とその場に立ち尽くした。
『クロシェット……』
ウルたちがクロシェットを覗き込む。とてもじゃないが、掛ける言葉が見つからなかった。
彼等自身、底知れぬ怒りに震えており、今すぐザックへ報復してやりたいほど。
けれど、クロシェットが望まないと分かっているから、動くことができずにいる。
「――――行きましょう」
クロシェットが言う。
おぼつかない足取りで、彼女はゆっくりと歩き出す。
(きっと、なにかの間違いよ)
ザックはきっと、クロシェットのことを待っている。
何か、迎えにこれなかった理由が存在するのだろう。
本当はクロシェットと同じように、会いたがっているに違いない。
そう思わないと、自分を保っていられなかった。
けれど、どこへ行っても、誰に聞いても、皆が口を揃えて言う。
勇者様が姫様と結婚をするんだって――――。
国中がお祝いモードに包まれる中、クロシェットの心は沈んでいく。
そんな時、彼女は王都で婚約披露パレードが開かれることを耳にした。
(嘘だよね?)
沿道に並びながら、クロシェットは静かに自問する。
これから現れる人は――勇者は――ザックではない。
絶対に、なにかの間違いだ――――そう思ったその時、遠くの方から歓声が湧き上がった。
目を瞑り、蹄の音に耳を澄ませる。
(違う)
彼じゃない。
ザックじゃない。
ザックであるはずがない。
歓声が耳を突く。
ゆっくりと目を開けたその時、クロシェットは大きく泣き崩れた。
「あぁっ……」
美しい姫君の隣で、一人の男性が満面の笑みを振りまいている。
太陽のように煌めく金の髪、空色の瞳。
見間違いようがない。
彼は二年半もの間、クロシェットが恋い焦がれた男性――――ザックだった。
「ザックさま!」
クロシェットが叫ぶ。
沿道から勢いよく飛び出し、彼女は唇を震わせた。
「ザックさま!」
馬車が停まる。人々が罵声を上げる。
騎士たちがクロシェットを跪かせ、拘束する。
「貴方をずっと待っていました! ずっとずっと、お会いしたかった!」
クロシェットが叫ぶ。
会いたかった。
ずっとずっと、会いにきて欲しかった。
抱き締めてほしかった。
けれど、ザックは冷めた瞳でクロシェットを見つめながら、馬車から降りようともしない。
「ザックさま……お知り合いですか?」
姫君が尋ねる。
ザックは小さく鼻で笑った。
「まさか。熱狂的な崇拝者の一人でしょう」
その瞬間、それまでじっと黙っていたウルが牙を剥く。
子犬から本来の大きさへと戻った彼は、クロシェットを拘束している騎士へと襲いかかり、咆哮を上げた。ビリビリと地面が揺れ、人々が吹き飛ぶ。そのすきにウルはクロシェットを背中に乗せると、勢いよく走り出した。
「待て! 逃さないぞ! 俺の晴れ舞台を汚しやがって……!」
ザックの怒声が響き渡る。
と、その時、フェニが上空へと舞い上がった。紅蓮の炎をまとった紅の鳥――――人々は神々しい彼の姿に目を奪われ、息を呑む。けれど次の瞬間、フェニは勢いよく馬車へと突進した。
「きゃあ!」
大きな炎を上げて、馬車が燃え盛る。逃げ惑う人々で、沿道は大混乱だ。
予想だにしない事態。騎士たちは姫君を救出するのに精一杯で、クロシェットを追うことができない。
「誰か、その女を捕まえろ! 」
ザックの声が段々と遠ざかっていく。
クロシェットはウルの背の上で、涙を流し続けた。
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