記憶のない青年と平凡な父親の日常録

 立場が逆転した二人の思惑が交差するストーリー
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 彼の名はゼクト。王都ミューリアで暮らす25歳既婚で妻と息子を一人ずつ持つ平凡な父親。彼は何の前触れも無く突如として、個人情報や身体能力が詳細に書かれた『ステータス』を獲得する。
 しかし、戦いも冒険もしないゼクトにとって身体能力の成長やスキルの獲得など当然ながら無縁の賜物だった。

 同刻、その異世界に一人の『勇者』と呼ぶべき存在が転生した。
 しかし、勇者は転生前の魂の時点から原因不明の記憶喪失を起こしており、獲得するはずだった『ステータス』も無し。
 神の裁判にて、異世界転生することが決まったものの、前世が不詳の勇者は地獄のような貧乏人から人生を始めることになってしまった。

 これは平凡な父親と記憶のない青年が織りなす物語。
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