24 / 101
24
しおりを挟む
百目鬼はおにぎりをじいっと眺めた後、無言で食べ始めた。
こうやって話さなければ普通なのだ。
顔立ちだって、まあ悪くはない。
何故時々あそこまで残念なことを言えるのかが分からない。
「そういえば、俺も柔道始めたから。」
これは、報告でそして宣戦布告だ。
「そうか……。」
返事はそれだけだったけれど、百目鬼は面白そうに笑った。
それで充分だった。
百目鬼が消極的な理由だったとしても、もう一度手合わせしてくれるという事以外もう考えなくてもいいと思った。
「柔道の試合応援に行ってやろうか?」
いい気分だったので思わずそんなことを聞いてみる。
それから、すぐに邪魔だと断られるかと思った。
俺なら少なくとも断る。
試合の時に、それ以外の事は考えたくない。
それがどんな相手だったとしても、だ。
「ああ、なら負けられないな。」
だから、百目鬼が肯定的な返事をした事に少し驚いた。
「いいのか?」
俺が思わず聞き返すと、百目鬼は不思議そうな顔をした。
「一ノ瀬が言い出したんだろ?」
そうだ。俺が上から目線で行ってやろうか? なんて聞いたのだ。
「まあ、そうだけど。」
そうだけど。まあ、そうだけど!!
考え方が根本的に違うのかもしれない。
別に弱いやつの向き合い方じゃない事は分かる。
「気が散らないのであれば、行く」
一度百目鬼が試合をする姿を見てみたいと思ったのは事実だ。
どこのツンデレだよという言葉になってしまって、自分で恥ずかしかったが仕方が無い。
百目鬼は嬉しそうに微笑んだ。
こうやって話さなければ普通なのだ。
顔立ちだって、まあ悪くはない。
何故時々あそこまで残念なことを言えるのかが分からない。
「そういえば、俺も柔道始めたから。」
これは、報告でそして宣戦布告だ。
「そうか……。」
返事はそれだけだったけれど、百目鬼は面白そうに笑った。
それで充分だった。
百目鬼が消極的な理由だったとしても、もう一度手合わせしてくれるという事以外もう考えなくてもいいと思った。
「柔道の試合応援に行ってやろうか?」
いい気分だったので思わずそんなことを聞いてみる。
それから、すぐに邪魔だと断られるかと思った。
俺なら少なくとも断る。
試合の時に、それ以外の事は考えたくない。
それがどんな相手だったとしても、だ。
「ああ、なら負けられないな。」
だから、百目鬼が肯定的な返事をした事に少し驚いた。
「いいのか?」
俺が思わず聞き返すと、百目鬼は不思議そうな顔をした。
「一ノ瀬が言い出したんだろ?」
そうだ。俺が上から目線で行ってやろうか? なんて聞いたのだ。
「まあ、そうだけど。」
そうだけど。まあ、そうだけど!!
考え方が根本的に違うのかもしれない。
別に弱いやつの向き合い方じゃない事は分かる。
「気が散らないのであれば、行く」
一度百目鬼が試合をする姿を見てみたいと思ったのは事実だ。
どこのツンデレだよという言葉になってしまって、自分で恥ずかしかったが仕方が無い。
百目鬼は嬉しそうに微笑んだ。
5
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男の子たちの変態的な日常
M
BL
主人公の男の子が変態的な目に遭ったり、凌辱されたり、攻められたりするお話です。とにかくHな話が読みたい方向け。
※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。
部活でのイジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全三話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
姉らぶるっ!!
藍染惣右介兵衛
青春
俺には二人の容姿端麗な姉がいる。
自慢そうに聞こえただろうか?
それは少しばかり誤解だ。
この二人の姉、どちらも重大な欠陥があるのだ……
次女の青山花穂は高校二年で生徒会長。
外見上はすべて完璧に見える花穂姉ちゃん……
「花穂姉ちゃん! 下着でウロウロするのやめろよなっ!」
「んじゃ、裸ならいいってことねっ!」
▼物語概要
【恋愛感情欠落、解離性健忘というトラウマを抱えながら、姉やヒロインに囲まれて成長していく話です】
47万字以上の大長編になります。(2020年11月現在)
【※不健全ラブコメの注意事項】
この作品は通常のラブコメより下品下劣この上なく、ドン引き、ドシモ、変態、マニアック、陰謀と陰毛渦巻くご都合主義のオンパレードです。
それをウリにして、ギャグなどをミックスした作品です。一話(1部分)1800~3000字と短く、四コマ漫画感覚で手軽に読めます。
全編47万字前後となります。読みごたえも初期より増し、ガッツリ読みたい方にもお勧めです。
また、執筆・原作・草案者が男性と女性両方なので、主人公が男にもかかわらず、男性目線からややずれている部分があります。
【元々、小説家になろうで連載していたものを大幅改訂して連載します】
【なろう版から一部、ストーリー展開と主要キャラの名前が変更になりました】
【2017年4月、本幕が完結しました】
序幕・本幕であらかたの謎が解け、メインヒロインが確定します。
【2018年1月、真幕を開始しました】
ここから読み始めると盛大なネタバレになります(汗)
風紀“副”委員長はギリギリモブです
柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。
俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。
そう、“副”だ。あくまでも“副”。
だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに!
BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる