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逆行後

二度目26(終)

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* * *


僕たちが番になってしばらくの時間が経った。
僕は匂いでの事件や事故に巻き込まれる心配がなくなったので少しずつ外に出られるようになっていた。

最初はオメガだと気が付かれるのでは? と思っていたけれどそんなことは無かった。
項をあまり見せていなかったからかもしれない。

そこで最初の幸せを叶えようとノヴァ様が言ってくれた。

綺麗なものを見て回りたい。
そこまで大げさなつもりで言った訳ではなかったのだけれど、ノヴァ様の中では世界中を旅したいという事になっていたらしい。

そう言われたときには驚いたけれど、色々なものを見てみたいと思ったことは事実だ。
それに、僕たちの家にまでこれないオメガの人々の中で発情期を嫌う人のところにも行きたかった。


「綺麗なものがみれるといいな」

ノヴァ様が番になってから使うぶっきらぼうな言い方で僕に言う。

「毎日見てますよ」

僕が答える。

「へえ。ちなみに今日見た一番きれいなものは?」
「昨日も今日も、これからもずっと一番きれいなものはあなたのその紅い瞳ですよ紅蓮の勇者様」

今はもう誰も呼ばない呼び方でノヴァ様を呼ぶ。ノヴァ様は少し驚いた顔をした後、「そうか、ならずっと君の勇者でいよう」と言った。
僕が一番美しいと思う赤い瞳を細めてそれはそれは嬉しそうな顔をしてノヴァ様は目を細めた。

どこにいても僕は僕の幸せをこれからはきっと得られるだろう。

僕は伴侶の手を握って、二人で長い旅に出発した。

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みんなの感想(1件)

鹿の子🦌
2023.02.04 鹿の子🦌

渡辺さん更新ありがとうございます
まだまだ字数は少ないのに、圧倒的な世界観に飲まれました
うまく言えずすみません

渡辺 佐倉
2023.06.30 渡辺 佐倉

すごく前に感想もらっていたのにお返事できておらずすみませんでした。
本日完結いたしました。
最終的には割とコンパクトな二人の話になってしまいましたが楽しんでいただけたら嬉しいです。
世界観が圧倒的と言ってくださってとても嬉しかったです。

解除

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