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逆行後
二度目17
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「あなた、もしかして記憶を持って……」
僕がそう言うと魔王は僕をちらりと見てうなずく。
「じゃなきゃ、和平を求めたりしない」
それにしてもなんだよその女神の加護は……。と魔王は言った。
「最初時間が巻き戻った時はこれでやり直せる。
今度こそお前に勝つ方法を探せばいいと思っていた」
魔王は怯えと皮肉が混ざった表情で口角をあげた。
それを笑ったととらえていいのかは僕には分からなかった。
「アンタの能力は勝負の途中だろうが何だろうが、チェス盤をひっくり返すようなもんだ。
例え私が勝ったとして、チェス盤ごとひっくりかえしてそれをなかったことにしてしまえばいい。
しかもある程度何度でも繰り返せるだろう、それ」
ノヴァ様は浅く笑った。
それはまるで魔王の言ったことを肯定しているかの様だった。
「……俺にその交渉に乗る利点がないだろう?」
ノヴァ様はいつもよりぶっきらぼうな言い方でそう言った。
確かに魔王の話だと圧倒的に有利なのはノヴァ様の方だ。
それに魔王は確かにおびえていた。
あれはノヴァ様に怯えていたのだろう。
「利点は提供できる」
魔王ははっきり言った。
「それは今アンタが一番欲しいと願っているものだ」
そう言われてもノヴァ様が求めているものが何か僕にはよくわからかった。
けれど、ノヴァ様は思い当たる節があった様で「話だけは聞こうか」と言った。
僕がそう言うと魔王は僕をちらりと見てうなずく。
「じゃなきゃ、和平を求めたりしない」
それにしてもなんだよその女神の加護は……。と魔王は言った。
「最初時間が巻き戻った時はこれでやり直せる。
今度こそお前に勝つ方法を探せばいいと思っていた」
魔王は怯えと皮肉が混ざった表情で口角をあげた。
それを笑ったととらえていいのかは僕には分からなかった。
「アンタの能力は勝負の途中だろうが何だろうが、チェス盤をひっくり返すようなもんだ。
例え私が勝ったとして、チェス盤ごとひっくりかえしてそれをなかったことにしてしまえばいい。
しかもある程度何度でも繰り返せるだろう、それ」
ノヴァ様は浅く笑った。
それはまるで魔王の言ったことを肯定しているかの様だった。
「……俺にその交渉に乗る利点がないだろう?」
ノヴァ様はいつもよりぶっきらぼうな言い方でそう言った。
確かに魔王の話だと圧倒的に有利なのはノヴァ様の方だ。
それに魔王は確かにおびえていた。
あれはノヴァ様に怯えていたのだろう。
「利点は提供できる」
魔王ははっきり言った。
「それは今アンタが一番欲しいと願っているものだ」
そう言われてもノヴァ様が求めているものが何か僕にはよくわからかった。
けれど、ノヴァ様は思い当たる節があった様で「話だけは聞こうか」と言った。
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