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本編
閨でのこと1
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私室に戻るとメイドは水差しとワインとグラスを準備してすぐに部屋を去った。
手持無沙汰になってしまったのでベッドのふちに腰掛ける。
この部屋にルイスが来ると決まってる訳でもないのかと思った。
それが込みなのか、聞いたことは無い。
そういえば、キス一つしたことすら無い。
なんで自分がこんなことで悩まなければいけないのだろうと思う。
メイドに準備されたいい匂いのする石鹸で体を洗ったのでどこもかしこもいい匂いがしている。
指には今日はめた指輪がある。
契約によりつけられた指輪は基本的にはもう一生外せない。
最初はそこまで本格的にする予定ではなかったのに、魔法使いの指輪がどんなものかを説明する過程で昔ながらの一番拘束力の強い婚姻の指輪を作ってしまった。
かちゃりと二人の寝室をつなぐドアが開く。
俺がそちらを見ると
ルイスと目が合う。
彼はさらさらとしたシャツとゆったりとしたズボンを履いている。
こちらばかり足をさらしていて、いたたまれない。
「お疲れ様です、旦那様」
思わず厭味ったらしく言ってしまって、すぐに後悔する。
けれどルイスはその言葉にそれはそれは嬉しそうな笑顔を浮かべてから俺の隣に腰を下ろした。
ルイスの髪の毛がまだしっとりと濡れていることに気が付く。
それに、文様の無いルイスの肌がしっかりと見えてしまう。
「それは、シキが待っていてくれたってとっていいんだよね」
ルイスの手が俺の頬を撫でる様に触れた。
待っていたと言っていいものなのかよくわからない。
何も答えない俺にルイスは「今日はいつもと違う匂いがするね」と言いながら、そっと顔を近づけた。
誰かと口づけを交わしたことは無い。
これが初めての経験だった。
そっと触れるだけのキスは、まるで婚姻の際に交わされる誓いのようだとぼんやりと思う。
触れるだけのキスはすぐに唇が離れていって、ルイスに瞳を覗きこまれるように見られる。
「どうです?」
感想を聞かれるとは思わなかった。
「気持ち悪くはない?」
続けて聞かれた言葉に思わず首をかしげる。
「初めてなので何かと比較はできないけれど、別に気持ち悪くはないに決まってるでしょ?」
そう答えると、目に見えてルイスは安心したような表情をした。
手持無沙汰になってしまったのでベッドのふちに腰掛ける。
この部屋にルイスが来ると決まってる訳でもないのかと思った。
それが込みなのか、聞いたことは無い。
そういえば、キス一つしたことすら無い。
なんで自分がこんなことで悩まなければいけないのだろうと思う。
メイドに準備されたいい匂いのする石鹸で体を洗ったのでどこもかしこもいい匂いがしている。
指には今日はめた指輪がある。
契約によりつけられた指輪は基本的にはもう一生外せない。
最初はそこまで本格的にする予定ではなかったのに、魔法使いの指輪がどんなものかを説明する過程で昔ながらの一番拘束力の強い婚姻の指輪を作ってしまった。
かちゃりと二人の寝室をつなぐドアが開く。
俺がそちらを見ると
ルイスと目が合う。
彼はさらさらとしたシャツとゆったりとしたズボンを履いている。
こちらばかり足をさらしていて、いたたまれない。
「お疲れ様です、旦那様」
思わず厭味ったらしく言ってしまって、すぐに後悔する。
けれどルイスはその言葉にそれはそれは嬉しそうな笑顔を浮かべてから俺の隣に腰を下ろした。
ルイスの髪の毛がまだしっとりと濡れていることに気が付く。
それに、文様の無いルイスの肌がしっかりと見えてしまう。
「それは、シキが待っていてくれたってとっていいんだよね」
ルイスの手が俺の頬を撫でる様に触れた。
待っていたと言っていいものなのかよくわからない。
何も答えない俺にルイスは「今日はいつもと違う匂いがするね」と言いながら、そっと顔を近づけた。
誰かと口づけを交わしたことは無い。
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触れるだけのキスはすぐに唇が離れていって、ルイスに瞳を覗きこまれるように見られる。
「どうです?」
感想を聞かれるとは思わなかった。
「気持ち悪くはない?」
続けて聞かれた言葉に思わず首をかしげる。
「初めてなので何かと比較はできないけれど、別に気持ち悪くはないに決まってるでしょ?」
そう答えると、目に見えてルイスは安心したような表情をした。
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